霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一三章 通夜話(つやばなし)〔一二二三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第46巻 舎身活躍 酉の巻 篇:第2篇 狐運怪会 よみ(新仮名遣い):こうんかいかい
章:第13章 通夜話 よみ(新仮名遣い):つやばなし 通し章番号:1223
口述日:1922(大正11)年12月15日(旧10月27日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年9月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
大広前に残った数人のウラナイ教の男女が夜更けまで懐旧談にふけっている。一同は大声で他愛もない馬鹿話を夜遅くやっていたので、文助がカンテラを持ってやってきて注意した。
一同はなんやかやとおかしな理屈をつけて、まだ夜更けまで話を続けるつもりだと文助を追い返した。文助は仕方なく、せめて静かに話をしてくれと頼んで戻って行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-03-15 19:33:39 OBC :rm4613
愛善世界社版:169頁 八幡書店版:第8輯 418頁 修補版: 校定版:178頁 普及版:67頁 初版: ページ備考:
001八岐(やまた)大蛇(をろち)醜狐(しこぎつね)
002曲鬼(まがおに)どもの()()たる
003ウラルの(やま)常世国(とこよくに)
004ロツキー(ざん)(あら)はれし
005常世(とこよ)(ひめ)系統(けいとう)
006悪鬼(あくき)邪神(じやしん)憑依(ひようい)され
007ウラルの(みち)やバラモンの
008(をしへ)四方(よも)にひらきつつ
009(あめ)(した)をば攪乱(かくらん)
010(けが)()くこそゆゆしけれ
011国治立(くにはるたち)大神(おほかみ)
012(かみ)(めぐ)みも大八洲(おほやしま)
013(ひこ)(みこと)(はじ)めとし
014言霊別(ことたまわけ)大足彦(おほだるひこ)
015神国別(かみくにわけ)四柱(よはしら)
016国魂神(くにたまがみ)()(たま)
017(しま)八十島(やそしま)八十(やそ)(くに)
018(くま)なく(まも)らせ(たま)へども
019悪魔(あくま)(いきほひ)たけくして
020()()(くさ)(その)(あと)
021(また)もや()()()びる(ごと)
022根絶(こんぜつ)せざるぞ忌々(ゆゆ)しけれ
023バラモン(けう)(つか)へたる
024ウラルの系統(ひつぽう)高姫(たかひめ)
025三五教(あななひけう)やウラル(けう)
026()つの(をしへ)をこきまぜて
027()にも(あや)しきウラナイの
028(をしへ)射場(いば)をフサの(くに)
029北山村(きたやまむら)建設(けんせつ)
030羽振(はぶ)りを()かして()たりしが
031(つひ)()()三五(あななひ)
032(をしへ)(みち)帰順(きじゆん)せし
033(あと)をばついで蠑螈別(いもりわけ)
034魔我彦(まがひこ)二人(ふたり)(かた)()
035坂照山(さかてるやま)山腹(さんぷく)
036(いは)()りとり(つち)ならし
037へぐれのへぐれのへぐれ武者(むしや)
038へぐれ神社(じんしや)といふやうな
039(あや)しき社号(しやがう)をつけながら
040(あた)りの老若(らうにやく)男女(なんによ)をば
041(ねづみ)(もち)をひくやうに
042チヨビリ チヨビリとつまみとり
043(いま)(やうや)四五百(しごひやく)
044(かた)信者(しんじや)()てければ
045(ここ)にいよいよ宮殿(きうでん)
046(いとな)(つか)羽振(はぶり)よく
047(をしへ)(ひら)きゐたりしが
048天地(てんち)(まも)生神(いきがみ)
049何時(いつ)まで(しこ)曲業(まがわざ)
050(ゆる)させ(たま)(こと)やある
051松彦(まつひこ)一行(いつかう)(あら)はれて
052ユラリの(ひこ)となりすまし
053(わか)れて程経(ほどへ)(わが)(つま)
054松姫(まつひめ)(およ)(わが)(むすめ)
055(やさ)しきお千代(ちよ)にめぐり()
056一夜(いちや)をあかす(とき)もあれ
057(かみ)神罰(しんばつ)めぐりきて
058蠑螈別(いもりわけ)(さけ)()
059(とら)喧嘩(けんくわ)をおつ(ぱじ)
060土崩(どほう)瓦解(ぐわかい)運命(うんめい)
061(みづか)(まね)大広木(おほひろき)
062正宗(まさむね)さまと自称(じしよう)する
063蠑螈別(いもりわけ)()にまぎれ
064信者(しんじや)のお(たみ)諸共(もろとも)
065(この)()(とほ)()()りぬ
066(とら)(あと)地団駄(ぢだんだ)
067ふんで無情(むじやう)(いか)りつつ
068(あと)()つかけて()()れば
069(はん)根元(ねもと)(ゆは)へたる
070(つな)(あし)をばひつかけて
071もろくも(その)()転倒(てんたう)
072神楽鼻(かぐらばな)をば打砕(うちくだ)
073ウンウンウンとうなり()
074そこへ(また)もや魔我彦(まがひこ)
075(とら)(あと)()ひかけて
076力限(ちからかぎ)りにかけ(きた)
077(とら)(からだ)につまづいて
078ウンとばかりに転倒(てんたう)
079(ひざ)(かしら)をすりむいて
080(くる)しみ(もだ)えゐたる(をり)
081五三公(いそこう)万公(まんこう)(ほか)三人(みたり)
082(あと)()つかけて()(きた)
083二人(ふたり)(たす)けて小北山(こぎたやま)
084教祖館(けうそやかた)()(かへ)
085ヤツと安心(あんしん)する()なく
086いろいろ雑多(ざつた)奇怪事(きくわいじ)
087(つぎ)から(つぎ)へと突発(とつぱつ)
088ウラナイ(けう)内面(ないめん)
089(あさ)(ごと)くに(みだ)れける
090あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
091一度(いちど)(まが)(さか)ゆとも
092(まこと)神力(しんりき)なき(ゆゑ)
093(もろ)くも(みづか)(やぶ)れけり
094これぞ(まつた)神界(しんかい)
095(をか)(がた)なき(おん)稜威(みいづ)
096発露(はつろ)(たま)ひし(しるし)なり
097あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
098如何(いか)なる(まが)天地(あめつち)
099(かみ)(まなこ)(にご)()
100(みづか)らつくりし(その)(あな)
101(おちい)自滅(じめつ)(まね)くもの
102ただウラナイの(みち)のみか
103()のことごとは(いつ)として
104(あく)のほろびぬものはなし
105(これ)(おも)へば(ひと)()
106(まこと)(ひと)つを()(とほ)
107(たゆ)まず(くつ)せず何処(どこ)(まで)
108真理(しんり)のためには奮進(ふんしん)
109一歩(いつぽ)退(しりぞ)(こと)(なか)
110あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
111御霊(みたま)(さち)はひましませよ。
112 大広前(おほひろまへ)(のこ)つた数人(すうにん)男女(だんぢよ)()()ける(ころ)まで、113いろいろと懐旧談(くわいきうだん)(ふけ)つてゐる。
114(かふ)『これお(とく)さま、115(まへ)さまは花依姫(はなよりひめ)(みこと)さまぢやないかい』
116トク『どうだか、117しつかり()りませぬけれど、118教祖(けうそ)さまがさう仰有(おつしや)るのだから、119マアそれにしときまほかいなア』
120源公(げんこう)『アハヽヽヽ、121(とく)さまもよつぽどお目出度(めでた)いなア。122鼻売姫(はなうりひめ)なんて、123(ひと)つよりない(はな)()つたら、124(あと)()うするつもりだ』
125トク『サア(ひと)つの(はな)()るまでには中々(なかなか)苦労(くらう)()りますよ。126(をとこ)(ひやく)(にん)二百(にひやく)(にん)今迄(いままで)(まよ)はして()たけれど、127まだ(はな)()ちるとこまで()きませぬからなア、128(この)(はな)をソツクリと()つて(しま)(まで)には三百(さんびやく)(にん)五百(ごひやく)(にん)手玉(てだま)にとつても大丈夫(だいぢやうぶ)ですよ。129せめて(せん)(にん)のお(きやく)をとつたら(はな)()つて(しま)つても得心(とくしん)ですわ』
130源公『サウするとおトクさま、131(まへ)(いま)まで売女(ばいた)をやつてゐたのだなア』
132トク『コレも悪神(あくがみ)さまの御用(ごよう)だからなア、133仕方(しかた)がないのよ。134(しか)しモウ(わたし)改心(かいしん)したのだから、135(たれ)一人(ひとり)にきめておかうかと(おも)つて()るのよ』
136源公四辻(よつつじ)小便桶(せうべんたご)()たよなナイスを、137(たれ)真面目(まじめ)女房(にようばう)にするものがあらうカイ。138両屏風(りやうびやうぶ)(ねえ)さまだからなア』
139トク『おかまいツ、140()つといて(くだ)さい、141自由(じいう)(けん)ですわ。142(げん)さま、143(まへ)(おく)さまを()うしたのだイ』
144源公『かもて()れなイ、145()つといて(もら)ひませうカイ。146滅多(めつた)にお(まへ)婿(むこ)にはなる気遣(きづか)ひはないからなア』
147トク『ホヽヽヽヽ、148かんさまにはほつとけぼりをくはされ、149自分(じぶん)使(つか)うて()つた(しもべ)()()をとつて駆落(かけおち)され、150(のち)にシヨンボリと(ちから)をおとして十日(とをか)(ばか)りも()きくらし、151それから弁当(べんたう)()ちで(さん)(ねん)(ばか)(やま)(かみ)所在(ありか)(さが)しなさつたぢやないか。152それでもカラツキシ()行方(ゆくへ)がわからぬのだから、153()(どく)なものぢや。154(この)(ごろ)(かかあ)置去(おきざ)りにせられた(をとこ)代名詞(だいめいし)をサツパリ源助(げんすけ)()ひますぞや、155オホヽヽヽ』
156源公『アーねぶたい、157ドレもう()ようかい。158アタ面白(おもしろ)うもない。159(いわし)のどうけん(つぼ)をかきまぜたよな(にほ)ひのする(をんな)にひやかされとつても、160()つから()()かないからなア』
161トク(げん)さま、162一寸(ちよつと)()ち、163だまつて()いてをれば、164(わたし)屏風(びやうぶ)だとか、165(いわし)のどうけん(つぼ)だとか、166(あま)りぢやないカイ。167それだからお(まへ)源助(げんすけ)といふのだよ。168ゴンボ先生(せんせい)はゴンボらしくして()りさへすれば、169こんな(はぢ)はさらさいでもよいのだけれど、170あまり(くち)がすぎるものだから、171到頭(とうとう)すつぽりぬかれるのだよ』
172源公帆立貝(ほたてがひ)虐使(ぎやくし)()ふべく焼酎(せうちう)をふいてふいて()きさがすものだから、173堤防(ていばう)(なん)にも(こは)ばつてゐるぢやないか』
174トク(おほ)きに(はばか)りさま、175(まへ)のお世話(せわ)になろといふのでなし、176()をもませましてすみませぬなア』
177初公(はつこう)(とき)にお(とく)さま、178あの鉄灯籠(かなどうろう)()うなつたのだ』
179トク『ハア、180鉄灯籠(かなどうろう)かいなア。181灯籠(とうろう)だけは最早(もはや)出来(でき)()たのだから、182(かみ)(さま)(はや)奉納(ほうなふ)したいと(おも)つてゐるのだけれど、183まだ蝋燭(らふそく)(そろ)はぬので躊躇(ちうちよ)してゐるのよ。184何処(どこ)一本(いつぽん)でもいいから、185()つとる(ところ)はないのだろかね』
186初公(はつこう)一本(いつぽん)でいいのか、187それなら(げん)さまに(たの)んで()なさい。188何時(いつ)一本(いつぽん)()つてゐると()(こと)だよ』
189源公(げんこう)馬鹿(ばか)にするなイ。190(とく)さまの土器(かわらけ)(あぶら)()して奉納(ほうなふ)したらそれでいいのだ。191アハヽヽヽ、192アー(ねぶ)たい、193(はつ)194トク、195マアゆつくり(はなし)でもしたがよからう、196左様(さやう)なら』
197初公(はつこう)『ヤア、198これは遠方(ゑんぱう)(ところ)()労足(らうそく)(ござ)いました』
199 源公(げんこう)は、
200源公『エー八釜(やかま)しワイ』
201()ひすて、202自分(じぶん)宿舎(しゆくしや)(かへ)つて()く。
203初公(はつこう)『お(とく)さま、204(まへ)一体(いつたい)この(さき)()うするつもりだ。205何処迄(どこまで)後家(ごけ)立通(たてとほ)すつもりカイ、206()加減(かげん)婿(むこ)()めぬと(とし)がよつたら(こま)るぢやないか』
207トク『(なに)ほど婿(むこ)をきめよと()つたつて、208(ひろ)世界(せかい)(わたし)(をつと)になるやうな(をとこ)がないぢやないか』
209初公馬鹿(ばか)いふない。210これだけ沢山(たくさん)(やもめ)がそこら(ぢう)にあるぢやないか。211どれなつとお(のぞ)次第(しだい)(ねがひ)をかけて()たらどうだい』
212トク(わたし)今迄(いままで)どれだけ(さが)したのか()れないが、213まだ一人(ひとり)だつてありはしないわ』
214初公『お(まへ)()()(をつと)といふのは一体(いつたい)どんな(をとこ)だ。215()かしてくれ。216さうすりや(わたし)世間(せけん)(ある)くから(かんが)へておかぬものでもない』
217トク(はつ)さま駄目(だめ)だよ。218(いま)(をとこ)(ろく)(やつ)はありやしないよ。219(わたし)理想(りさう)(をつと)はマア、220ザツとこんなものだ。221()第一(だいいち)三日月(みかづき)眉毛(まゆげ)(をとこ)222(その)(つぎ)黒目勝(くろめがち)目許(めもと)(すず)しい、223(なん)とも()へぬ優味(やさしみ)のある()で、224(はな)(たか)からず(ひく)からず、225小鼻(こばな)()ない鼻筋(はなすぢ)のよく(とほ)つた口許(くちもと)尋常(じんじやう)で、226(はち)()(ひげ)がピンと()え、227(みみ)たぶの(ゆたか)な、228額口(ひたひぐち)のあまり(せま)くない(ひろ)くない、229色白(いろじろ)で、230(しか)(からだ)中肉(ちうにく)中背(ちうぜい)で、231(さう)して仕事(しごと)(あさ)から(ばん)(まで)よく(はたら)き、232夜分(やぶん)女房(にようばう)(もり)をしてくれ、233(くそ)小便(せうべん)肥料(こやし)になるから(ちつと)でも余計(よけい)()れて、234(あぢ)ないものを(ちつ)()ひ、235うまいものは女房(にようばう)沢山(たくさん)()はし、236さうして心意気(こころいき)のよい(ひと)一言(ひとこと)女房(にようばう)()(こと)(そむ)かず、237(ほか)(をんな)(こころ)(うつ)さない、238一寸(ちよつと)(そと)()ずに、239女房(にようばう)(あさ)から(ばん)まで(かほ)見合(みあは)して(くら)職業(しよくげう)()つてゐる(ひと)で、240手先(てさき)器用(きよう)な、241世界(せかい)()()(をとこ)でないと、242おトクさまの()には()らぬのだよ。243(うま)馬連(うまづれ)244(うし)牛連(うしづれ)といふ(こと)があるからなア、245あまり完全(くわんぜん)(うま)れすぎたものだから相手(あひて)がなくて(こま)つてゐるのよ。246何処(どこ)一所(ひとところ)でもよいから不完全(ふくわんぜん)(うま)れて()なかつたのだらうと、247それが(かみ)(さま)(たい)して(うら)めしい(くらゐ)だ。248アーア、249いい(をんな)(うま)れて()るのも迷惑(めいわく)なものだ』
250初公(なに)(ぬか)しやがるのダイ。251オタンチン()が、252貴様(きさま)はそんな(こと)(のぞ)んで()つてゐたとて、253仮令(たとへ)千万(せんまん)(ねん)()つても()()気遣(きづか)ひはないぞ。254自惚(うぬぼ)れも()加減(かげん)にしとつたがよからう。255(まへ)完全(くわんぜん)なといふのは(あたま)禿(はげ)と、256出歯(でつぱ)と、257獅子鼻(ししばな)と、258鰐口(わにぐち)とで、259しかもトベラで両屏風(りやうびやうぶ)()てゐるのだから天下(てんか)一品(いつぴん)だ。260ようマアそんな高望(たかのぞ)みが出来(でき)たものだなア』
261トク『ナアニ何時(いつ)小説(せうせつ)()んだら、262そんな(こと)()いてあつたのだ。263その(はなし)をしとるのよ、264オホヽヽヽ』
265初公『コラおトクさま、266(ひと)馬鹿(ばか)にすない、267エー』
268トク馬鹿(ばか)にしよたつて馬鹿(ばか)骨頂(こつちやう)(たつ)した(をとこ)を、269どうして馬鹿(ばか)にする余地(よち)がありますかいなア。270(まへ)(わか)らぬ(こと)()(をとこ)だなア』
271 ()他愛(たあい)なき雑談(ざつだん)(ふけ)つてゐる(ところ)へ、272カンテラに()をとぼし、273(うやうや)しくやつて()たのは受付(うけつけ)文助(ぶんすけ)さまであつた。
274文助(ぶんすけ)『これこれ(みな)さま、275(この)夜更(よふけ)まで(なに)をしやべつて(ござ)るのだ。276一寸(ちよつと)()られはせぬがなア。277サア(はや)くお寝間(ねま)(かへ)つて(やす)んで(くだ)さい、278(みな)迷惑(めいわく)だからなア』
279初公(はつこう)『ハイ、280一緒(いつしよ)()ると()迷惑(めいわく)だと(おも)つて、281(じつ)此処(ここ)()通夜(つや)をさして(いただ)くつもりで()りますのだ』
282文助何故(なにゆゑ)(また)そんな(こと)()ふのですか』
283初公『なんといつても牡丹餅(ぼたもち)ひぜんだから、284()さしてくれませぬワイ。285それだから、286遠慮(ゑんりよ)して此処(ここ)徳義(とくぎ)(まも)つて()るのですよ』
287文助『ソレは感心(かんしん)だ。288(しか)しお(とく)さまは(やす)んだら()いぢやないか』
289トク『ハイ、290一緒(いつしよ)(やす)みたいのだけれど、291(みな)連中(れんちう)さまが、292(わたし)(そば)()くと麝香(じやかう)(にほ)ひがして(はな)(まが)るとか()つて、293ワイワイ仰有(おつしや)るものだから、294遠慮(ゑんりよ)して此処(ここ)夜伽(よとぎ)をして()りますのですよ』
295文助(ぶんすけ)『アーそれはどうも仕方(しかた)がない。296それなら()()くおとなしうしてゐて(くだ)さい。297受付(うけつけ)までお(まへ)さま()(おほ)きな(こゑ)(つつ)ぬけになつて、298()られなくつて(こま)るからなア。299(わたし)(あさ)(はや)うから()()一杯(いつぱい)まで受付(うけつけ)御用(ごよう)(つと)めねばならぬのだから、300何卒(どうぞ)(しづ)かにして(くだ)さい』
301初公(はつこう)『ハイ(かしこ)まりました、302左様(さやう)なら』
303大正一一・一二・一五 旧一〇・二七 外山豊二録)

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