霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 アーク(とう)〔一二三四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第1篇 浮木の盲亀 よみ:うききのもうき
章:第1章 第47巻 よみ:あーくとう 通し章番号:1234
口述日:1923(大正12)年01月08日(旧11月22日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
治国別は、松彦、五三公、万公を野中の森に残して、竜公一人を伴い、神の命を奉じて浮木の森のバラモンの陣中に進もうと道を急いだ。怪しの森の守衛たちは、酒に酩酊して二人が通るのを少しも気が付かなかった。
浮木の村の入り口に進んだ折り、タールとアークの両人は大きな眼を開けて不寝番として控えている。夜が明けてきて、二人は四方山話を始めた。
タールは三五教の悪神・素盞嗚尊が聖地を蹂躙することをなんとしても防がねばならない、というが、アークはバラモン教が悪だと知ったから気に入っているのだ、そのバラモン教を邪魔する素盞嗚尊は善だろうが悪だろうが滅ぼすのだと気炎を上げている。
アークとタールは、もし河鹿峠の勝ちに乗じて三五教がやってきたら、落とし穴に落とし込んでやろうと企んでいる。そこへ治国別と竜公がやってきた。
二人は治国別の姿を見て、腰を抜かしておののいてしまった。治国別は、ランチ将軍、片彦将軍のところへ案内してほしいと二人に頼むが、二人は動けない。
タールは、わざわざ敵の陣中に乗り込んできてひと悶着あるよりも、ここはお互いに身を引いた方がよいと治国別と竜彦に提案するが、治国別はランチ将軍と片彦将軍に善言を与えて高天原に救い上げようと、元バラモン軍の竜公を案内者としてやってきたのだ、と譲らない。
治国別がアークとタールに案内いたせ、と命じると、いつの間にか抜けていた腰は回復し、陣幕の南の方を指して案内に歩き出した。
治国別と竜公が後に従って歩いていくと、にわかに足元が転落して深い落とし穴に落ち込んでしまった。落とし穴の底には、林のように鋭利な槍が空地なしに立ててあったが、両人は神のお守りの厚いためか、都合よく槍と槍の間に落ち込み、少しも傷は負わなかった。
アークとタールは三五教の宣伝使を仕留めたと喜んだ。アークは得意顔でランチ将軍に報告に向かった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4701
愛善世界社版:13頁 八幡書店版:第8輯 475頁 修補版: 校定版:13頁 普及版:6頁 初版: ページ備考:
001至喜(しき)至楽(しらく)荘厳(さうごん)
002(まつた)地上(ちじやう)(うつ)()
003高天原(たかあまはら)(きこ)えたる
004ウブスナ(やま)頂上(ちやうじやう)
005天降(あも)りましたる素盞嗚(すさのを)
006(みづ)御霊(みたま)はイソ(やかた)
007最第一(さいだいいち)天国(てんごく)
008(ひら)(たま)ひて(あめ)(した)
009四方(よも)国々(くにぐに)百人(ももびと)
010(かみ)御国(みくに)(すく)はむと
011(こころ)(きよ)宣伝使(せんでんし)
012四方(よも)(くに)より()(あつ)
013(たふと)(かみ)御教(みをしへ)
014(ひら)かせ(たま)(たふと)さよ
015皇大神(すめおほかみ)神言(みこと)もて
016治国別(はるくにわけ)神司(かむつかさ)
017万公(まんこう)晴公(はるこう)五三公(いそこう)
018(ともな)(やかた)立出(たちい)でて
019河鹿峠(かじかたうげ)()ちわたり
020(もも)(なや)みに()ひながら
021(たゆ)まず(くつ)せず(みち)(ため)
022荒野ケ原(あらのがはら)(すす)()
023野中(のなか)(もり)万公(まんこう)
024五三公(いそこう)松彦(まつひこ)()(のこ)
025竜公(たつこう)(ともな)(やみ)()
026()うてスタスタ(すす)()
027(あや)しの(もり)何時(いつ)しかに
028無事(ぶじ)によぎりてバラモンの
029(いくさ)数多(あまた)(たむろ)せる
030浮木ケ原(うききがはら)(すす)()く。
031 治国別(はるくにわけ)松彦(まつひこ)032五三公(いそこう)033万公(まんこう)野中(のなか)(もり)置去(おきざ)りにして、034竜公(たつこう)一人(ひとり)(ともな)ひ、035(かみ)(めい)(ほう)じて浮木(うきき)(もり)のバラモンの陣中(ぢんちう)に、036(ひそ)かに(すす)まむと、037(みち)(いそ)いだ。038(あや)しの(もり)守衛(しゆゑい)()(さけ)酩酊(めいてい)して、039二人(ふたり)(とほ)るのを(すこ)しも()がつかなかつた。040第二(だいに)関所(せきしよ)たる浮木(うきき)(むら)入口(いりぐち)(すす)んだ(をり)041タール、042アークの両人(りやうにん)(おほ)きな()瞳孔(どうこう)をあけつ(ぱな)しにして、043いらひさがした(はち)()外側(そとがは)(まも)つてゐる雀蜂(すずめばち)(よろ)しくの体裁(ていさい)(ひか)へてゐる。
044『オイ、045アーク、046どうやら(ひがし)(しら)んだやうぢやないか。047(おれ)(たち)もかうして不寝番(ふしんばん)をやらされて()るが、048最早(もはや)()()(がた)(ちか)くなつたのだから、049夜警(やけい)必要(ひつえう)もあるまい、050(ひと)瞳孔(どうこう)休養(きうやう)(めい)じたら()うだらう』
051瞳孔(どうこう)彼処(かしこ)(あか)くなりかけたのは、052(この)アーク(とう)さまの(ひかり)だよ。053貴様(きさま)054いつも(おれ)をアークぢやない悪党(あくたう)ぢや悪党(あくたう)ぢやと(ぬか)しよるが、055何程(なんぼ)(やみ)(ばん)だつて、056(あか)くするのはアーク(とう)だ。057それだから、058(ぜん)()()ふとも、059悪党(あくたう)()()ふとも(わか)るまいがな。060エエー、061善悪混淆(ぜんあくこんかう)062美醜(びしう)相交(あひまじ)はつて、063現実(げんじつ)世界(せかい)成就(じやうじゆ)してゐるのだ。064貴様(きさま)のやうに(あく)()(ほど)(こは)ければ、065(もと)からこんな(ところ)(くび)をつつ()まない(はう)()()いてゐるぢやないか。066バラモン(けう)()へば、067(もと)より(あく)()まつてゐる。068(その)(あく)(をしへ)にアークさまだから、069大変(たいへん)(あつら)(むき)だ』
070馬鹿(ばか)()ふな。071神様(かみさま)(あく)があつてたまらうかい。072大自在天(だいじざいてん)大国彦(おほくにひこ)神様(かみさま)は、073世界(せかい)造主(つくりぬし)だ。074(あく)(もつ)(この)()(なか)()うして完全(くわんぜん)創造(さうざう)する(こと)出来(でき)ようか、075(おれ)至仁(しじん)至愛(しあい)(まこと)神様(かみさま)だと(おも)へばこそ、076()うして(つら)御用(ごよう)をしてゐるのだ。077(もと)から軍人(ぐんじん)(うま)れたのでもなし、078軍人(ぐんじん)志願(しぐわん)したのでもないが、079(みち)(ため)信仰(しんかう)(ちから)()きずられて、080(こころ)にもない戦陣(せんぢん)(くは)はつたのだ。081グヅグヅして()ると三五教(あななひけう)悪神(あくがみ)素盞嗚尊(すさのをのみこと)が、082(おそれおほ)くも大雲山(だいうんざん)聖地(せいち)蹂躙(じうりん)するかも()れないといふ形勢(けいせい)ぢやないか。083吾々(われわれ)信徒(しんと)としては()(もつ)(これ)(まも)らねばならないのだ』
084()(なか)(なん)()つても、085(あく)でなければ()つて()かない。086(おれ)は、087バラモン(けう)(あく)だと()つたから()()つて()るのだ。088三五教(あななひけう)(やつ)霊主体従(れいしゆたいじう)だと(ぬか)して()るが、089(この)現実(げんじつ)世界(せかい)物質(ぶつしつ)(もつ)(かた)められてゐる。090吾々(われわれ)肉体(にくたい)だつて(みな)物質(ぶつしつ)だ。091(てん)(かがや)太陽(たいやう)でさへヤツパリ物質(ぶつしつ)だ。092物質界(ぶつしつかい)()きて()かうとすれば、093()うしても物質界(ぶつしつかい)法則(はふそく)(したが)はねばならぬ、094(すべ)現実界(げんじつかい)太陽(たいやう)よりする自愛(じあい)世間愛(せけんあい)(えう)するに(あく)だ。095優勝劣敗(いうしようれつぱい)弱肉強食(じやくにくきやうしよく)現界(げんかい)(うご)かす(べか)らざる真理(しんり)だ。096よく(かんが)へて()よ。097(つよ)(けだもの)(よわ)(けだもの)()つて()ひ、098大魚(おほうを)小魚(こうを)()み、099(たか)(もず)をとり、100(もず)(すずめ)()つて()ふぢやないか。101人間(にんげん)だつて()(あし)をたたいては()ひ、102気楽(きらく)(さう)海川(うみかは)游泳(いうえい)してゐる魚族(ぎよぞく)捕獲(ほくわく)し、103天然(てんねん)(たのし)んでゐる植物(しよくぶつ)()(かは)()いたり、104こすつたり、105(みづ)につけたり、106(おも)しをかけたり、107熱湯(ねつたう)(なか)()れたり、108()あぶりにあはしたり、109(じつ)残忍(ざんにん)(きは)まる(こと)をやつて口腹(こうふく)(みた)し、110それで生活(せいくわつ)(つづ)けてゐるのだ。111(えう)するに人間(にんげん)(あく)張本人(ちやうほんにん)だ。112こんな(こと)(あく)だと()つてやらずに()つて()よ、113一日(いちにち)だつて生命(いのち)(たも)(こと)出来(でき)ぬぢやないか。114それだから仮令(たとへ)素盞嗚尊(すさのをのみこと)(ぜん)であらうが(あく)であらうが、115吾々(われわれ)社会(しやくわい)建設(けんせつ)するに()いて邪魔(じやま)になる(やつ)ア、116仮令(たとへ)(ぜん)でも(あく)()()をつけて(ほろ)ぼして(しま)はなくちや自分(じぶん)(たち)(ほろ)ぼされて(しま)ふのだ』
117『さうすると、118人間(にんげん)()んだら、119(みな)地獄(ぢごく)()かねばならぬぢやないか』
120『ヘン、121地獄(ぢごく)()いて(あき)れるワイ。122地獄(ぢごく)()へば、123()のあたり現界(げんかい)(あら)はれてゐるのだ。124他人(たにん)国土(こくど)占領(せんりやう)したり、125(あるひ)大資本家(だいしほんか)小資本家(せうしほんか)押倒(おしたふ)したり、126大地主(おほぢぬし)小地主(こぢぬし)併呑(へいどん)したり、127沢山(たくさん)軍人(ぐんじん)(かか)へて、128武装的(ぶさうてき)平和(へいわ)高唱(かうしやう)したりしてゐるのは、129(みな)地獄(ぢごく)行方(やりかた)だ。130極楽(ごくらく)なんて()(ところ)があつてたまらうかい。131()てば官軍(くわんぐん)132()くれば(ぞく)()(こと)があるぢやないか。133最凶悪(さいきようあく)のすぐれた(もの)地獄界(ぢごくかい)覇権者(はけんしや)だ。134死後(しご)世界(せかい)なんか、135心配(しんぱい)するにや(およ)ばぬ。136()めよ(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)(やみ)だ、137(やみ)(あと)には(つき)()る、138(つき)(つき)ぢやが(うそ)ツキぢや、139()ふぢやないか。140(あく)虚偽(きよぎ)との()(なか)に、141(まこと)ぢや、142(ぜん)ぢやと、143そんな(てい)のよい辞令(じれい)()りまはして、144コツソリと偽善(ぎぜん)をやつてゐるやうな(やつ)こそ、145(しん)悪党者(あくたうもの)だ。146そんな(やつ)こそ八衢代物(やちまたしろもの)といふのだ。147(あるひ)はこれを(しよう)して二股膏薬(ふたまたかうやく)といふ。148ヤツパリ人間(にんげん)(をとこ)らしう、149(あく)なら(あく)150(ぜん)なら(ぜん)と、151輪廓(りんくわく)明瞭(めいれう)にせなくちや、152(ひと)信用(しんよう)して()れないぞ。153(あく)(つよ)(もの)(ほど)紳士紳商(しんししんしやう)154英雄(えいゆう)名士(めいし)()てはやされるのだ。155善人(ぜんにん)()へば馬鹿(ばか)代名詞(だいめいし)だ、156それだから(おれ)はアークといふ()をつけて、157()(なか)毒瓦斯(どくがす)()はしてやる(つも)りで、158(この)(とほ)(あたま)までテカテカに(ひか)らしてゐるのだ。159たつた(いま)(おれ)親分(おやぶん)(すなは)自然界(しぜんかい)太陽(たいやう)がお(あが)(あそ)ばすのだ。160すべて自然界(しぜんかい)太陽(たいやう)より(きた)光熱(くわうねつ)は、161自愛(じあい)源泉(げんせん)だ、162利己主義(りこしゆぎ)標本(へうほん)だ。163利己主義(りこしゆぎ)極端(きよくたん)発揮(はつき)する人間(にんげん)利己(りこ)利巧(りかう))な(やつ)()ふのだ。164エエーン』
165『オイ、166アーク、167貴様(きさま)大変(たいへん)物質(ぶつしつ)主義(しゆぎ)にかぶれたものだなア、168他人(たにん)(ため)には一毛(いちまう)(そん)せずといふニーチエ主義(しゆぎ)だな』
169『きまつた(こと)だ。170ニーチエ主義(しゆぎ)だよ。171日英(にちえい)同盟(どうめい)だつて(その)(とほ)りぢやないか、172自分(じぶん)とこの(くに)が、173(にち)三進(さつち)()かぬ(やう)になつた(とき)英考(えこ)(おこ)して、174一寸(ちよつと)(つよ)(さう)(くに)番犬(ばんけん)使(つか)ひ、175東洋(とうやう)はまだおろか、176西洋(せいやう)(まで)警護(けいご)(やく)(めい)じ、177オツシ オツシとケシをかけて日々(にちにち)(よろこ)ばせ、178モウ(えい)といふ時分(じぶん)になると、179今度(こんど)(しり)をクレツと()け、180赤米(あかべい)()つて、181(べい)(はう)握手(あくしゆ)をし、182(にち)(はう)(けつ)()ける、183ケツは(すなは)(げつ)だ、184それでツキ(たふ)しといふのだよ。185さうだから、186()(なか)()うしても利己(りこ)行方(やりかた)をせなくちや、187到底(たうてい)駄目(だめ)だ。188(ひと)(ふんどし)相撲(すまふ)とるのが所謂(いはゆる)外交家(ぐわいかうか)手腕(しゆわん)だ。189アフンどしであいた(くち)がすぼまらぬ、190尻糞(しりくそ)天下(てんか)()るといふのが、191混同(こんどう)した世界(せかい)比喩(たとへ)だ、192(いま)三五教(あななひけう)の……モシヤ宣伝使(せんでんし)でもやつて()よつたら、193うまくそこは日英同盟式(にちえいどうめいしき)発揮(はつき)して、194(ふか)陥穽(おとしあな)へでも()()むのだな』
195『ヘン、196偉相(えらさう)()ふものぢやないワ。197貴様(きさま)河鹿峠(かじかたうげ)()うだつたい、198治国別(はるくにわけ)宣伝使(せんでんし)一行(いつかう)に、199言霊戦(ことたません)とやらを()ちかけられ、200先鋒隊(せんぽうたい)()(なが)(うま)(なに)()ちやつて(いのち)カラガラ遁走(とんそう)した張本人(ちやうほんにん)ぢやないか、201(あま)(おほ)きな(くち)をあけて()ふものぢやないぞ。202傍若無人(ばうじやくぶじん)にも(ほど)があるワイ』
203傍若無人(ばうじやくぶじん)にとは(かたはら)(ひと)()きが(ごと)しといふのだ。204貴様(きさま)(おれ)(そば)()つても、205人間(にんげん)ぢやないからな。206ウツフツフ』
207(おれ)だつて堂々(だうだう)たる人間(にんげん)(さま)だ。208(あま)馬鹿(ばか)にすな』
209(おれ)(また)貴様(きさま)小使(こづかひ)のタールかと(おも)うて()つたのだ。210マアマアお手際(てぎは)()()れ、211たつた(いま)三五教(あななひけう)(やつ)(かち)(じやう)じて、212悠々(いういう)とここへやつて()るに(ちがひ)ない。213さうすりやうまく国際(こくさい)聯盟(れんめい)条約(でうやく)でも()()して、214武備(ぶび)制限(せいげん)実行(じつかう)し、215首尾(しゆび)よく大勝利(だいしようり)()(つも)りぢや、216貴様(きさま)はジーツとして一言(ひとこと)()はぬ(やう)にしてくれ。217なまじひ、218善心(ぜんしん)()しよると、219条約(でうやく)締結(ていけつ)邪魔(じやま)になるからな』
220『アーク、221一寸(ちよつと)(きた)(はう)()い、222()たぞ()たぞ』
223『ヤア彼奴(あいつ)ア、224三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)だ、225ハヽヽヽヽ治国別(はるくにわけ)ぢや、226コヽ此奴(こいつ)ア、227タヽ大変(たいへん)だ』
228『イヒヽヽヽ、229あのあわて(やう)わいのう。230(なん)だ、231今迄(いままで)法螺(ほら)ばかり()きやがつて、232そんな弱腰(よわごし)()うして、233全権(ぜんけん)大使(たいし)(つと)まるか』
234全権(ぜんけん)大使(たいし)ぢやない、235善言美詞(ぜんげんびし)条約(でうやく)締結(ていけつ)する(つも)りぢや。236オイ貴様(きさま)237チツと(しつか)りしてくれぬと(こま)るよ』
238(おれ)(なん)にも()はぬ(はず)だつたねえ』
239『エヽ、240()()かぬ(やつ)だな。241臨機(りんき)応変(おうへん)といふ(こと)を、242コヽ心得(こころえ)てゐるか。243アヽヽモウそこらがビリビリして、244(からだ)繊維(せんゐ)細胞(さいばう)(まで)躍動(やくどう)()した、245(なん)でも(おれ)体内(たいない)にや民衆(みんしう)運動(うんどう)勃発(ぼつぱつ)()したとみえるワイ』
246『エツヘツヘ、247どうやら(おれ)体内国(たいないこく)暴動(ばうどう)鎮定(ちんてい)したと()えて、248(すべ)ての諸官能(しよくわんのう)活動(くわつどう)中止(ちゆうし)と……()えるワイ。249シヽ(した)(まで)()きつつて()さうだ。250キヨキヨ恐怖心(きようふしん)大変(たいへん)(はば)()かしよつた……やうだ』
251『アヽ(くる)しい、252ドヽ()うしたら、253(この)談判(だんぱん)はカヽ解決(かいけつ)がつくだらうかな』
254『アインスタインの相対性原理説(さうたいせいげんりせつ)でも応用(おうよう)して、255うまく(この)()()りぬけ……るのだな』
256 かく二人(ふたり)治国別(はるくにわけ)姿(すがた)()て、257ビツクリ(ごし)をぬかし、258(した)()()はず、259(おほ)きな目玉(めだま)瞳孔(どうこう)を、260いやが(うへ)にも()けつ(ぱな)しにして、261(とが)つた(あご)をホウヅもなく延長(えんちやう)し、262(くち)立方形(りつぱうけい)()(なが)ら、263(した)(のど)(おく)(はう)へちぢ()めて、264(をのの)いてゐる。
265 治国別(はるくにわけ)266竜公(たつこう)はツカツカと(すす)みより、
267治国(はるくに)(その)(はう)はバラモン(ぐん)関所守(せきしよもり)()えるが、268(これ)よりランチ将軍(しやうぐん)陣営(ぢんえい)へ、269(この)(はう)案内(あんない)してくれまいか』
270アーク『メヽヽ滅相(めつさう)な、271コヽこんな(ところ)通過(つうくわ)して(もら)つちや(たま)りませぬワ、272……ヤアお(まへ)竜公(たつこう)ぢやないか。273何時(いつ)()三五教(あななひけう)沈没(ちんぼつ)したのだ。274貴様(きさま)こそ勝手(かつて)()つてゐるだらうから、275ランチ将軍(しやうぐん)(ところ)案内(あんない)せい、276オヽ(おれ)(この)関所(せきしよ)常置品(じやうちひん)だ』
277『アツハヽヽ、278貴様(きさま)はアークにタールの両人(りやうにん)ぢやないか、279(なん)だ、280みつともない(その)ザマは、281(こし)()かしやがつたのだな。282モシ治国別(はるくにわけ)(さま)283此奴(こいつ)駄目(だめ)ですよ。284こんな(もの)にかまはずドンドンと(おく)(すす)みませう。285(さいは)(わたし)片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)部下(ぶか)(つか)へて()つたのですから、286貴方(あなた)案内役(あんないやく)には大変(たいへん)都合(つがふ)(よろ)しい。287そして(また)あの(とほ)りの乱軍(らんぐん)でしたから、288(この)竜公(たつこう)貴方(あなた)弟子(でし)になつたといふ(こと)は、289片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)もランチもまだ()つて()りますまい。290大変(たいへん)好都合(かうつがふ)ですよ』
291『コリヤ竜公(たつこう)292(その)秘密(ひみつ)()くからは、293最早(もはや)(この)(はう)(ゆる)しは(いた)さぬぞ。294見事(みごと)陣中(ぢんちう)這入(はい)るなら這入(はい)つてみよ。295()んで()()(なつ)(むし)だ、296のうタール、297可哀相(かあいさう)ぢやないか』
298『オイ竜公(たつこう)299貴様(きさま)謀叛人(むほんにん)なら謀叛人(むほんにん)でよいから、300その宣伝使(せんでんし)のお(とも)をして(もと)引返(ひつかへ)したらよからうぞ。301こんな宣伝使(せんでんし)にやつて()られると、302(また)一悶錯(ひともんさく)(はじ)まつちや大変(たいへん)だ。303ランチ将軍(しやうぐん)(こま)るだらうし、304(また)宣伝使(せんでんし)一骨(ひとほね)()らねばなるまい。305これ(ほど)物騒(ぶつそう)()(なか)に、306()(この)んで平地(へいち)(なみ)(おこ)すやうな(こと)はするに(およ)ばぬぢやないか。307なア治国別(はるくにわけ)さま、308貴方(あなた)()(かんが)へますか』
309『ウーン、310吾々(われわれ)はランチ将軍(しやうぐん)311片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)(たい)し、312善言(ぜんげん)(あた)へて、313(かれ)霊肉(れいにく)をして高天原(たかあまはら)(すく)()げ、314汝等(なんぢら)(いた)(まで)315(その)(よろこ)びを()(あた)へむ(ため)に、316(この)竜公(たつこう)案内者(あんないしや)として将軍(しやうぐん)面前(めんぜん)(すす)()(つも)りだ。317(その)(はう)今日(こんにち)(かぎ)(こころ)()()へて、318善道(ぜんだう)立返(たちかへ)り、319地獄道(ぢごくだう)(くるし)みを(まぬが)れる()はないか。320何程(なにほど)(つよ)者勝(ものがち)()(なか)だと()つても、321(あく)では何時迄(いつまで)(つづ)きは(いた)さぬぞ。322どうぢや、323治国別(はるくにわけ)言葉(ことば)(したが)()はないか』
324『ハイ、325(わたし)(したが)はぬことはない(こと)はありませぬが、326(この)アークといふ(やつ)327(じつ)悪党(あくたう)代物(しろもの)で、328ニーチエ主義(しゆぎ)ですから、329此奴(こいつ)駄目(だめ)でせうよ』
330『モシ宣伝使(せんでんし)(さま)331アークに()えても、332(ぜん)()えてもアークといふ()(なか)ですから、333(わたし)こそ、334(まこと)(かみ)()から()れば、335善人(ぜんにん)かも()れますまい。336どうぞお(たす)けを(ねが)ひます』
337此奴(こいつ)片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)部下(ぶか)(おい)ても、338(もつと)悪名(あくめい)(たか)危険(きけん)人物(じんぶつ)339(しか)しながら(あく)(つよ)(もの)(ぜん)にも(つよ)いといふ(こと)だから、340治国別(はるくにわけ)(さま)341(ひと)此奴(こいつ)(ゆる)して案内(あんない)させたら()うでせうか』
342『そりや丁度(ちやうど)都合(つがふ)()からう、343……アーク、344タールの両人(りやうにん)345吾々(われわれ)(ため)にランチ、346片彦(かたひこ)両将軍(りやうしやうぐん)(まへ)案内(あんない)(いた)せ』
347アーク『ハイ、348(かしこ)まりました』
349と、350今迄(いままで)()かして()つた(こし)何時(いつ)()にやら回復(くわいふく)し、351(さき)()つてスタスタと陣幕(ぢんまく)のはり(まは)した(みなみ)(かた)()して歩行(ある)()した。
352 治国別(はるくにわけ)353竜公(たつこう)両人(りやうにん)二人(ふたり)(あと)(したが)つて、354一二丁(いちにちやう)ばかりやつて()た。355(にはか)にガサリと足許(あしもと)転落(てんらく)し、356四五間(しごけん)もある(ふか)陥穽(おとしあな)両人(りやうにん)無残(むざん)にも()()んで(しま)つた。357陥穽(おとしあな)(そこ)には(はやし)(ごと)鋭利(えいり)(やり)空地(あきち)なしに()ててあつた。358されど両人(りやうにん)(とも)(かみ)のお(まも)りの(あつ)(ため)か、359都合(つがふ)よく(やり)(やり)との(あひだ)()()み、360(すこ)しの(きず)()はなかつた。361アークは陥穽(おとしあな)(うへ)から(そこ)(のぞ)きながら、362(なが)(した)をペロツと()し、
363『イヒヽヽヽ、364いぢらしい(もの)だなア、365ウツフヽヽヽ、366うつけ(もの)()367エツヘヽヽヽ、368えゝ気味(きみ)だなア、369オツホヽヽヽ面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、370アツハヽヽヽ安本丹(あんぽんたん)黒焼(くろやき)371三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)372穴有教(あなありけう)制敗(せいばい)()けて、373くたばつたがよからう。374アークさまの計略(けいりやく)には、375アフンと(いた)しただらう。376イヒヽヽヽ、377オイ、378タール、379()うだ、380アークさまの腕前(うでまへ)には(おそ)()つただらう』
381『アーク()(わざ)()()んだとは(この)(こと)だな。382アークまでもアークを()(とほ)すバラモン(けう)のやり(かた)には、383(おれ)唖然(あぜん)としたワイ。384モシモシ三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)さま、385(けつ)してタールが(わる)いのぢや(ござ)いませぬから、386どうぞ国替(くにがへ)をなさつても、387(わたし)には()けて()ぬやうにして(くだ)さい、388(この)タールの生首(なまくび)引抜(ひきぬ)くならば、389(この)アークの(くび)()いて(くだ)さい』
390『ヘン、391(おれ)(くび)(てつ)(こしら)へてあるのだから、392仮令(たとへ)幾百万(いくひやくまん)亡者(まうじや)が、393一斉(いつせい)襲撃(しふげき)をしたつて駄目(だめ)だ。394モウ()うなればこつちの(もの)だ。395サアこれからランチ将軍様(しやうぐんさま)報告(はうこく)して第一番(だいいちばん)功名(こうみやう)手柄(てがら)(あら)はしてくれる。396片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)だつて、397数百(すうひやく)軍隊(ぐんたい)(とも)(もろ)くも敗走(はいそう)した治国別(はるくにわけ)を、398(この)アークさまの計略(けいりやく)()つて(うま)片付(かたづ)けたのだから、399(たい)したものだ。400ガーター勲章(くんしやう)だ』
401『ガタガタ(ぶる)ひのガーター勲章(くんしやう)()いて(あき)れるワイ』
402『エヽゴテゴテ()ふな、403(いま)(おれ)がランチ将軍(しやうぐん)片腕(かたうで)404片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)(かた)(なら)べて、405全軍(ぜんぐん)指揮(しき)をする(やう)になるのだ。406貴様(きさま)ここに(あな)(ばん)をしてをれ、407(おれ)はこれからランチ将軍(しやうぐん)報告(はうこく)()く。408(おれ)姿(すがた)(いま)見納(みをさ)めだぞ。409今度目(こんどめ)貴様(きさま)()(とき)には、410(あたま)(さき)から(あし)(さき)まで、411金筋(きんすぢ)だらけだ。412よく(かほ)()ておけ、413(その)(とき)間違(まちが)つて無礼(ぶれい)(いた)さぬ(やう)に……』
414『ヘン、415自分(じぶん)一人(ひとり)手柄(てがら)をしようと(おも)つても、416其奴(そいつ)駄目(だめ)だぞ。417そんな偉相(えらさう)(こと)()ふと、418貴様(きさま)がビツクリして(こし)()かした(こと)をランチ将軍様(しやうぐんさま)にスツパぬいてやらうか。419手柄(てがら)をしようには(おれ)一緒(いつしよ)でないと駄目(だめ)だぞ。420自分(じぶん)一人(ひとり)手柄(てがら)にしようとは、421(あま)(むし)がよすぎるぢやないか』
422(その)(はう)手柄(てがら)(みと)めてやらぬ(わけ)にも()くまい。423やがて沙汰(さた)(いた)すから、424(しばら)()つてをれよ。425エヘン』
426咳払(せきばら)ひをしながら、427(はや)くも将軍(しやうぐん)になつた気分(きぶん)で、428言葉(ことば)(つき)(まで)おごそかに、429()()になつて大股(おほまた)両手(りやうて)(こぶし)(にぎ)り、430大道(だいだう)(せま)しと打振(うちふ)りながら、431えも()はれぬ得意顔(とくいがほ)で、432(なが)いコンパスを、433のそりのそりとふん()つて()く。
434大正一二・一・八 旧一一・一一・二二 松村真澄録)
   
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