霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 寒迎(かんげい)〔一二三六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第1篇 浮木の盲亀 よみ:うききのもうき
章:第3章 第47巻 よみ:かんげい 通し章番号:1236
口述日:1923(大正12)年01月08日(旧11月22日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
治国別は竜公とタールを伴い、浮木の里のランチ将軍の陣営を指して進んで行く。竜公は意気揚々として先に立ち、四方の景色を眺めながら新派口調で歌いだした。
治国別は神の愛と信と智慧証覚にみたされ、強敵の陣営に武器も持たずに進んで行くについても、里帰りするような心持で歌を歌いながら進んでいった。その雄々しさ、悠揚たる態度に感化されて、竜公もタールもすっかり天国旅行の気分になってしまった。
タールは平等愛と差別愛の違いについて、治国別に問いかけた。治国別は、差別愛は偏狭な恋愛のようなもの、平等愛は普遍的の愛、いわゆる神的愛だと簡単に解説し、新派様で歌いだした。
治国別は歌に籠めて、生来の差別愛から神的な平等愛に進む道は、惨憺たる血涙の道をゆかなければならない、と戒めた。そしてもう一首、信仰と法悦の信楽について歌い、それは現代の冷たい哲学や科学の斧によって幻滅の非運にあうような空想的なものではなく、神の持ち給へる愛の善と真の信とによって、智慧と証覚の上に立脚した大磐石心であると諭した。
前方からはランチ将軍が数十人の騎馬隊を引き連れて猛烈にやってきた。先頭に立っていたのはさきほど治国別に膏を絞られて助けられたアークであった。
アークは治国別に丁寧にお辞儀をし、迎えに来たので馬に乗って一緒に来てほしいと懇願した。治国別がランチ将軍はどなたかと尋ねると、将軍は馬を飛び下りて揉み手をしながら現れた。
ランチ将軍は治国別の前に仕立てに出て陣営に迎えようとする。治国別はランチ将軍の言葉を額面通りには信じていなかったが、彼を正道に導く好機と心に定め、差し出された馬にまたがって陣営に入って行った。
竜公とタールは陣営で軍卒どもが取っている相撲に見とれて、治国別が奥へ進んで行ったのに気付かなかった。土俵ではエキスが何人もの軍卒を投げつけて腕を誇っている。竜公は思わず土俵に飛び出し、エキスに挑んだ。
かねて対戦したことのある両者はたがいににらみ合いひとしきり掛け合った後、四股を踏んで潮を投げつけ、四つに組んだ。半時ばかりも組み合う長丁場にさすがのエキスも力尽き、隙をついて竜公がまわしを三辻をたたくと、土俵の中を転がって西のたまりへ転げ落ちてしまった。
エキスは面目をつぶし、裸のまま陣中の奥へ姿を隠した。賞賛の声、拍手の音はあたりもゆるぐばかりであった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4703
愛善世界社版:43頁 八幡書店版:第8輯 486頁 修補版: 校定版:44頁 普及版:21頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 【宗教編】第六篇 宗教雑感 > 第二章 信仰
001 治国別(はるくにわけ)竜公(たつこう)002タールを(ともな)ひ、003枯野(かれの)(つゆ)()()けて浮木(うきき)(さと)(たむろ)せるランチ将軍(しやうぐん)陣営(ぢんえい)さして(すす)()く。004竜公(たつこう)意気(いき)揚々(やうやう)として(さき)()ち、005四方(よも)景色(けしき)(なが)めながら呂律(ろれつ)()はぬ新派(しんぱ)口調(くてう)(うた)()した。
 
006(つき)(やま)()らず
007 (てん)()けざれど
008 雲雀(ひばり)百鳥(ももどり)
009 ()はしき(こゑ)(はげ)まされ
010 (ねむ)たき(まなこ)(こす)りながら
011 (はや)くも荒野(あらの)
012 (あゆ)みを(おこ)しぬ
013
014 (つゆ)()草葉(くさは)
015 草鞋(わらぢ)()めば
016 (そで)()くあしたの(かぜ)
017 (うる)はしく(かを)りて
018 (あせ)(ぬぐ)(むね)(あら)
019 旅路(たびぢ)愉快(ゆくわい)さよ
020 坂照山(さかてるやま)(つき)(きよ)くして
021 松風(まつかぜ)()
022 (しやう)()
023 いとど(ゆか)しく(きこ)(きた)りぬ』
 
024タールは、
025『オイ竜公(たつこう)さま、026(しやう)もない、027(しやう)()(なに)(きこ)えて()ないぢやないか。028エー、029詩人(しじん)といふものはソンナ(うそ)()つても()いのか』
030『そこが詩人(しじん)だよ。031()といふ()言偏(ごんべん)(てら)といふ()()くからなア。032(てら)死人(しにん)()(ところ)だ。033笙々(しやうしやう)(ちが)つた(ところ)正味(しやうみ)面白(おもしろ)ければ()いぢやないか。034どうせ()きたる人間(にんげん)(つく)るものぢや()いからな、035半詩半笙(はんしはんしやう)人間(にんげん)か、036(また)現世(げんせ)(よう)のない老爺(おやぢ)三文蚊士(さんもんぶんし)()ふことだ。037(おれ)一寸(ちよつと)詩人(しじん)真似(まね)をして()たのだ』
038正味(しやうみ)ぢやない、039趣味(しゆみ)のことだらう』
040正笙(しやうしやう)ぐらゐ(ちが)つたつて(べつ)詩才(しさい)はないぢやないか。041アハヽヽヽ』
042『モシ先生(せんせい)043アノ(つき)さまも矢張(やは)詩人(しじん)ですか、044中空(ちうくう)にぶるぶると(ふる)へて()るぢやありませぬか。045太陽(たいやう)さへあれば、046(つき)必要(ひつえう)のないものですなア。047太陽(たいやう)(ひかり)圧倒(あつたふ)されて追々(おひおひ)(ひかり)(よわ)り、048(ほとん)()んだやうに()えて()たぢやありませぬか』
049『ウン、050さう()えるかな。051それでは(ひと)竜公(たつこう)さまに(なら)つて、052治国別(はるくにわけ)()でも()んで()ようかなア。
 
053 数百万年(すうひやくまんねん)太古(たいこ)から
054 ()()つた()んだ(やう)
055 (しづ)かな(つき)
056 大空(たいくう)(ひと)(かがや)いてゐる
057 それは
058 地上(ちじやう)万有(ばんいう)
059 瑞光(ずゐくわう)()げて
060 仁慈(じんじ)(つゆ)
061 蒼生(さうせい)(うへ)(くだ)
062 生命(いのち)清水(しみづ)
063 (あた)へむがために
064 和光同塵(わくわうどうぢん)
065 温姿(をんし)(げん)(たま)ふためだ
066 (つき)()(あるひ)()
067 (あるひ)(ぼつ)して
068 地上(ちじやう)世界(せかい)
069 明暗(めいあん)神機(しんき)(しめ)
070 仁慈(みろく)神業(かむわざ)
071 永遠無窮(ゑいゑんむきう)
072 (いとな)ませ(たま)ふからだ
073 人間(にんげん)(まなこ)より
074 冷然(れいぜん)たる(つき)()ゆるは
075 温情内包(をんじやうないはう)摂理(せつり)
076 その霊光(れいくわう)(かく)させ(たま)ふためだ。
 
077(ついで)今吹(いまふ)(かぜ)(おと)()んで()よう。
 
078 そよそよと()
079 (かぜ)(おと)
080 脚歩(きやくほ)(ひびき)
081 草葉(くさば)(こゑ)()けば
082 万物(ばんぶつ)みな
083 こころ()りて
084 何事(なにごと)神秘(しんぴ)
085 (こころ)(くら)(わが)(みみ)
086 (かた)るあるに()たり』
 
087 治国別(はるくにわけ)(かみ)(あい)(しん)智慧証覚(ちゑしようかく)()たされ、088さしもの強敵(きやうてき)陣営(ぢんえい)(むか)つて武器(ぶき)をも()たず(すす)()くについても、089(ほとん)下女(げぢよ)春秋(はるあき)籔入(やぶいり)親里(おやざと)(かへ)(やう)心持(こころもち)途々(みちみち)(うた)(うた)ひながら(すす)()(その)雄々(をを)しさ。090竜公(たつこう)もタールも何時(いつ)とはなしに治国別(はるくにわけ)悠揚(いうやう)(せま)らざる態度(たいど)感化(かんくわ)されて、091すつかり天国(てんごく)旅行(りよかう)気分(きぶん)になつて(しま)つた。092タールは、
093『もし、094先生様(せんせいさま)095平等愛(びやうどうあい)差別愛(さべつあい)とは何処(どこ)(ちが)ふのでせうか。096差別愛(さべつあい)から平等愛(びやうどうあい)(すす)むか、097平等愛(びやうどうあい)から差別愛(さべつあい)分離(ぶんり)するのでせうか。098(わたくし)差別的(さべつてき)平等愛(びやうどうあい)099平等的(べうどうてき)差別愛(さべつあい)だと()いて()りますが、100どちらから出発点(しゆつぱつてん)見出(みい)だせば()いのでせう』
101差別愛(さべつあい)とは偏狭(へんけふ)恋愛(れんあい)(やう)なものだ。102平等愛(びやうどうあい)とは普遍的(ふへんてき)(あい)だ。103所謂(いはゆる)神的愛(しんてきあい)だ。104今一(いまひと)駄句(だく)つて()よう』
105治国別(はるくにわけ)は、
 
106生来(せいらい)差別愛(さべつあい)より
107 神的(しんてき)なる
108 平等愛(びやうどうあい)(すす)径路(けいろ)
109 (じつ)
110 惨憺(さんたん)たる血涙(けつるゐ)
111 (みち)()かねばならぬ
112 これが
113 不断煩悩得涅槃(ふだんぼんなうとくねはん)
114 有難(ありがた)消息(せうそく)()められてあるのだ。
 
115(ついで)に、116一首(いつしゆ)信仰(しんかう)法悦(ほふえつ)信楽(しんらく)()いて駄句(だく)つて()よう。
 
117 信仰(しんかう)によつて
118 不信(ふしん)なる吾人(ごじん)頑壁(ぐわんぺき)
119 身心(しんしん)脱落(だつらく)崩壊(ほうくわい)()(とき)
120 (かみ)宝座(ほうざ)より
121 ()(きた)霊風(れいふう)(ふいご)
122 解脱新生(げだつしんせい)歓喜(くわんき)()
123 猛火(まうくわ)()(あた)はず
124 波浪(はらう)(ぼつ)する(あた)はず(てい)
125 金剛不壊(こんがうふゑ)法身(ほつしん)
126 おのづから
127 (われ)本具(ほんぐ)現成(ごんじやう)するを
128 自覚(じかく)()るに(いた)
129 その(とき)こそは
130 百千(ひやくせん)夏日(かじつ)(のぼ)りて
131 一時(いちじ)灼鑠(しやくやく)たるも
132 ただ(これ)
133 自性法界(じしやうほふかい)荘厳(さうごん)するの七宝(しつぱう)
134 清浄妙心(しやうじやうめうしん)照映(せうえい)するの
135 摩尼宝珠(まにほつしゆ)なるべきのみだ。
136
137 吾人(ごじん)法悦(ほふえつ)信楽(しんらく)
138 現代(げんだい)(つめ)たい哲学(てつがく)(のこぎり)
139 (さか)しい科学(くわがく)(をの)()つて
140 (たちま)幻滅(げんめつ)悲運(ひうん)
141 ()ふやうな
142 ソンナ空想的(くうさうてき)のものでは()
143 ()(かみ)()(たま)へる
144 (あい)(ぜん)(しん)(しん)とによつて
145 智慧(ちゑ)証覚(しようかく)(うへ)
146 立脚(りつきやく)したる大磐石心(だいばんじやくしん)だ』
 
147只今(ただいま)のお(うた)によつて、148(わたくし)大変(たいへん)法悦(ほふえつ)信楽(しんらく)(あぢ)はひました。149(やうや)今日(けふ)日輪様(にちりんさま)もお(あが)りになつたと()え、150坂照山(さかてるやま)(いただき)大変(たいへん)(あか)るく(かがや)いて()ました。151(ひと)(うた)でも()んで()ませう』
152とタールは(うた)ふ。
153()えさかる希望(きばう)()ちし(こころ)もて
154(のぼ)(あさひ)(をろが)みにけり。
155遠山(とほやま)(みね)真白(ましろ)(いま)はしも
156(のぼ)らむとして(くも)()()れり。
157より(つよ)()きむと(おも)(わが)(まへ)
158(のぼ)(あさひ)(おほ)いなるかな』
159竜公(たつこう)(やま)()れて(かぜ)()きくる郊外(かうぐわい)
160あたりも()えず(ゆき)()れけり』
161『アハヽヽヽ、162オイ竜公(たつこう)163寝愡(ねとぼ)けちやいかぬよ、164(ゆき)()れけり」とは(なん)だ。165なぜ「(ゆき)()けけり」と()はぬのだ』
166『これは昨晩(ゆうべ)貯蔵品(ちよざうひん)だ。167あんまり(なが)貯蔵(ちよざう)しておくと寝息物(ねいきもの)になるから、168()(ふる)粗製品(そせいひん)から()つて、169それから(また)(あたら)しい(やつ)()()すのだ。170あたら名句(めいく)(はら)(なか)(くさ)らして(しま)つちや経済(けいざい)がもてぬからな。171さあ(これ)からが新規(しんき)蒔直(まきなほ)しだ。
172(やま)()けて(かぜ)そよそよと()野路(のぢ)
173あたりも(きよ)(むね)(しづ)けき。
174()(なほ)すのだ。175エヘン』
176(なん)立派(りつぱ)(うた)だなア』
177『まだまだ(これ)から、178とつときを()()すのだ、179エヘン。
180(おごそ)かに(あさひ)()びて坂照山(さかてるやま)
181高嶺(たかね)(くも)(うへ)(そび)ゆる。
182とは如何(どう)だ』
183タール『(おごそ)かに()きむとするか気高(けだか)くも
184(にしき)(やま)(そら)(そび)ゆる』
185『いや、186(いづ)れも秀逸(しういつ)だ。187こんな立派(りつぱ)詩人(しじん)同道(どうだう)して()ると治国別(はるくにわけ)(ほとん)顔色(がんしよく)なしだ。188さあボツボツと()かうぢやないか』
189 ()()ひつつ三人(さんにん)朝露(あさつゆ)()んで枯草(かれくさ)(しげ)野路(のぢ)(すす)()く。190前方(ぜんぱう)よりはランチ将軍(しやうぐん)数十人(すうじふにん)騎馬隊(きばたい)()()れ、191此方(こなた)(むか)つて(はし)(きた)(その)(いきほ)ひ、192山岳(さんがく)蹴飛(けと)ばすばかりに(おも)はれた。193先頭(せんとう)()つたのは最前(さいぜん)治国別(はるくにわけ)(すく)はれて()げたアークである。
194 アークは(うま)()()り、195治国別(はるくにわけ)(まへ)(すす)()り、196叮嚀(ていねい)会釈(ゑしやく)しながら、
197先刻(せんこく)はえらい御厄介(ごやくかい)(あづ)かりまして有難(ありがた)(ぞん)じます。198()きましては、199直様(すぐさま)本陣(ほんぢん)立帰(たちかへ)り、200将軍様(しやうぐんさま)貴方(あなた)(こと)申上(まをしあ)げた(ところ)201将軍様(しやうぐんさま)大変(たいへん)にお(よろこ)(あそ)ばしお(むか)へに()なくちやなるまいと仰有(おつしや)いまして、202(いま)此処(ここ)御出陣(ごしゆつぢん)なさいました。203さあ(わたくし)(うま)()つて本陣(ほんぢん)(まで)()(くだ)さいます(やう)に』
204『やあ、205それは御苦労(ごくらう)だつた。206そしてランチ将軍(しやうぐん)殿(どの)此処(ここ)()られるのかな』
207『ハイ、208あの金色燦爛(きんしよくさんらん)たる軍帽(ぐんばう)(かぶ)つて()られますのが将軍様(しやうぐんさま)(ござ)います』
209『いや(なん)立派(りつぱ)服装(ふくさう)だな。210(しか)らば(ひと)御挨拶(ごあいさつ)(いた)さねばなるまい』
211 ()()(をり)しも、212ランチ将軍(しやうぐん)(うま)をヒラリと()()り、213治国別(はるくにわけ)(まへ)()()をし(なが)(あら)はれ(きた)り、
214拙者(せつしや)大黒主(おほくろぬし)神司(かむつかさ)(つか)(まつ)るランチ将軍(しやうぐん)(まを)(もの)215(この)(たび)主君(しゆくん)(めい)によつてイソの(やかた)()()せる途中(とちう)216(わが)先鋒隊(せんぽうたい)片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)貴方(あなた)(がた)言霊(ことたま)とやらに散々(さんざん)()(まく)られ、217(もろ)くも敗走(はいそう)(いた)した様子(やうす)218神力無双(しんりきむさう)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(たい)到底(たうてい)吾々(われわれ)(ごと)非力無徳(ひりきむとく)(もの)にては敵対(てきた)ひまつる(こと)相叶(あひかな)はぬ次第(しだい)なれば、219浮木(うきき)(もり)陣営(ぢんえい)をはり幕僚(ばくれう)協議(けふぎ)結果(けつくわ)220全軍(ぜんぐん)(ひき)ゐて貴方(あなた)膝下(しつか)帰順(きじゆん)するより(ほか)なしと衆議(しうぎ)一決(いつけつ)した以上(いじやう)は、221もはや貴方(あなた)(がた)(たい)して敵対(てきたい)行為(かうゐ)毛頭(まうとう)とりませぬ。222何卒(なにとぞ)(わが)陣営(ぢんえい)へおいで(くだ)さつて(たふと)きお(はなし)()かして(くだ)されば、223(じつ)望外(ばうぐわい)幸福(しあはせ)(ござ)ります』
224(まこと)しやかに()()つる。225治国別(はるくにわけ)一々(いちいち)ランチの言葉(ことば)(しん)ずるにはあらねども、226(この)(とき)こそは(かれ)正道(せいだう)(みちび)好機会(かうきくわい)なりと(こころ)(さだ)め、227(なに)()はぬ(かほ)にて、
228(しか)らば(あふ)せに(したが)ひ、229貴軍(きぐん)陣中(ぢんちう)(まゐ)りませう』
230 ランチ将軍(しやうぐん)自分(じぶん)()()名馬(めいば)治国別(はるくにわけ)()せ、231自分(じぶん)(ひか)(うま)(またが)り、232意気(いき)揚々(やうやう)陣営(ぢんえい)さして(かへ)()く。
233 (もん)(まへ)立止(たちど)まり、234ランチ将軍(しやうぐん)治国別(はるくにわけ)見返(みかへ)り、
235()(かげ)もなき俄造(にはかづく)りの陣営(ぢんえい)236遠来(ゑんらい)(きやく)()するには不都合(ふつがふ)千万(せんばん)なれど、237何卒(なにとぞ)ゆるゆる御休息(ごきうそく)(ねが)()げまする』
238慇懃(いんぎん)挨拶(あいさつ)をする。239治国別(はるくにわけ)は、
240『ハイ、241有難(ありがた)う』
242(わづ)かに答礼(たふれい)しながら(おく)(おく)へと(すす)()る。
243 数多(あまた)軍卒(ぐんそつ)(ども)退屈(たいくつ)(まぎ)れに土俵(どへう)(きづ)素人相撲(しろうとずまふ)をとつてゐる。244竜公(たつこう)245タールの両人(りやうにん)(その)相撲(すもう)見惚(みと)れて治国別(はるくにわけ)(おく)(ふか)(すす)()つたのを()がつかず、246負投(おひな)げ、247腰投(こしな)げ、248突出(つきだ)し、249河津(かはづ)(など)四十八手(しじふはつて)使(つか)(かた)批評(ひひやう)しながら、
250『アハヽヽヽ』
251(わら)ひ、252(つひ)には()()つて(はや)()した。253(この)(うち)一番(いちばん)力自慢(ちからじまん)のエキスは四股踏(しこふ)()らし、254土俵(どへう)真中(まんなか)仁王立(にわうだ)ちとなり、
255『さア(たれ)なつと()い、256()しかかりだ』
257といきりきつて()る。258()(やつ)()(やつ)(かた)(ぱし)から()げつける、259(その)手際(てぎは)のよさ。260竜公(たつこう)はエキスの態度(たいど)弱武者(よわむしや)腑甲斐(ふがひ)なさに憤慨(ふんがい)し、261何時(いつ)()にか(りやう)()(こし)へまはり、262(おび)をスルスルと()いて(しま)ひ、263真裸(まつぱだか)となつて土俵(どへう)真中(まんなか)()()した。264さうしてドンドンと四股(しこ)()()らしてゐる。265エキスは(これ)()(しやく)(さは)つたと()え、
266『おい、267貴公(きこう)竜公(たつこう)ぢやないか。268(この)(あひだ)から何処(どこ)()げて()つたのだ。269そんな弱虫(よわむし)()(ところ)ぢやない。270俺達(おれたち)相撲(すまふ)をとるなんぞと()野心(やしん)(おこ)すものぢやないぞ。271野見(のみ)宿弥(すくね)再来(さいらい)とも()ふべき(この)エキスさまに相手(あひて)にならうと(おも)ふのか。272エー、273()()け、274(はぢ)をかく(やう)なものだから』
275『ヘン、276馬鹿(ばか)にすない。277(おれ)でも(わか)(とき)(まく)(うち)まで(はい)つたものだ。278襦子(しゆす)締込(しめこ)み、279バレンツの相撲束(すまふたば)ねの櫓鬢(やぐらぴん)280大黒主(おほくろぬし)(まへ)でも大胡床(おほあぐら)をかき、281()つて(みづ)のみ、282手鼻汁(てばな)をかむ、283(じふ)六俵(ろくぺう)土俵(どへう)()たら、284獅子(しし)奮迅(ふんじん)285(つち)つかずの竜公(たつこう)さまだ。286いつも土俵(どへう)(うへ)(よこ)になつた(こと)はない、287いつも()ちつづけだから竜公(たつこう)さまだ。288(また)()勝公(かつこう)さまだ。289さあ(ひと)()んでやらう』
290『エー、291生命(いのち)()らず()292(つち)(なか)()ゑてやらう。293()(づら)かわくな』
294『そりや(おれ)()(こと)だ。295末期(まつご)(みづ)でも()んでしつかりせい』
296()(なが)四本柱(しほんばしら)(くく)りつけた(しほ)をポツポツと左右(さいう)打振(うちふ)り、297(みづ)をも()まずに四股(しこ)()()した。298エキスも()けぬ()になり(しほ)一掴(ひとつか)みグツと(にぎ)つて竜公(たつこう)にぶちかけ、299(みづ)をも()まずドンドンと地響(ぢひび)きさせながらペタペタと()つに()んで(しま)つた。300半時(はんとき)ばかり竜虎(りうこ)(あらそ)ひ、301いつ勝負(しようぶ)()つべしとも()えない。302タールは一生懸命(いつしやうけんめい)になり、303軍扇(ぐんせん)(にぎ)土俵(どへう)行司(ぎやうじ)気取(きど)りに()()し、
304『はつけよい はつけよい のこつた のこつた、305(あと)がないぞ、306はつけよいや』
307土俵(どへう)周囲(ぐるり)右左(みぎひだり)(まは)つてゐる。308大勢(おほぜい)固唾(かたづ)()んで(この)勝負(しようぶ)如何(いか)にと()つめて()る。309流石(さすが)のエキスも(ちから)()きハツと()(いき)気合(きあひ)(うかが)ひ、310ポンと(みぎ)()をぬいて(まはし)三辻(みつ)竜公(たつこう)がたたくとコロコロコロと土俵(どへう)(うち)()()(まは)つて西(にし)(たまり)へドスンと雪崩(ゆきなだれ)()ちた(やう)(ころ)()んで(しま)つた。311エキスは(おほい)面目(めんぼく)(しつ)し、312真裸(まつぱだか)(まま)スタスタと陣中(ぢんちう)(おく)(ふか)姿(すがた)(かく)した。313ワーイワーイと称讃(しようさん)(こゑ)314拍手(はくしゆ)(おと)315四辺(あたり)(ゆる)ぐばかりであつた。
316大正一二・一・八 旧一一・一一・二二 北村隆光録)
   
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