霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第五章 逆襲(ぎやくしう)〔一二三八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第1篇 浮木の盲亀 よみ:うききのもうき
章:第5章 第47巻 よみ:ぎゃくしゅう 通し章番号:1238
口述日:1923(大正12)年01月08日(旧11月22日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
アークは郊外を散歩しながら、科学知識のみを頼む現代人の無常さを嘆く歌を歌い、ひるがえって、自分が愛善の火と真信の光にめざめることができたことを神に感謝した。
タールは、アークもずいぶん変わったものだと話しかけた。二人は治国別の身の上を案じ、どうなったか気にかけつつ、詩歌を歌ったりなどしながら歩いている。
二人は、いずれランチ将軍、片彦将軍も治国別の徳によって三五教に帰順するだろうから、それまでバラモン軍に籍を置いて我慢するのみだと話し合っている。
そこへエキスがウラナイ教の元教主・蠑螈別を駕籠に載せて陣中に迎え入れてきた。自分の手柄を誇って威張り散らすエキスに対し、アークとタールは自分たちも昇進したのだから威張るなとたしなめ、エキスがうまい汁を吸ってきたのを悟ってからかった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4705
愛善世界社版:72頁 八幡書店版:第8輯 497頁 修補版: 校定版:75頁 普及版:34頁 初版: ページ備考:
001見渡(みわた)(かぎ)りの枯野原(かれのはら)
002万木(ばんぼく)(こずゑ)羽衣(はごろも)()
003(はだへ)をたち()るばかりの
004寒風(かんぷう)戦慄(せんりつ)してゐる。
005(ひと)松柏(しようはく)のみは蒼々(さうさう)たり
006ヒヨやツムギや百舌鳥(もづ)(すずめ)などが
007(かな)しげな声調(せいてう)(しぼ)つて
008浮世(うきよ)無情(むじやう)(うつた)へてゐる。
009(わが)()収容(しうよう)さるるものは
010生気(せいき)()せた
011細氷(さいひよう)(なみ)()きつめた
012銀冷(ぎんれい)世界(せかい)のみだ。
013万有一切(ばんいういつさい)はあらゆる活動(くわつどう)休止(きうし)
014所謂(いはゆる)
015冬籠(ふゆごも)りの最中(さいちう)である
016かかる冷酷(れいこく)無残(むざん)光景(くわうけい)(なが)めて
017(まづ)しき(ひと)(いづ)れも寒気(かんき)飢餓(きが)()
018反対的(はんたいてき)()めるものは
019雪見(ゆきみ)(えん)()
020嬋妍(せんけん)たる美姫(びき)(まね)
021青楼(せいろう)酒盃(しゆはい)をかたむけ
022体主霊従的(たいしゆれいじうてき)歓楽(くわんらく)(ふけ)
023社会(しやくわい)(しん)様々(さまざま)なものだ
024冬日(とうじつ)積雪(せきせつ)のために
025労働(らうどう)()()
026生命(いのち)(かて)(もと)めて()くもあれば
027(つめ)たき(ゆき)景色(けしき)をながめて
028酒類(さけるゐ)にひたり
029一宵千金(いつせうせんきん)浪費濫用(らうひらんよう)して
030(なほ)()しまぬものあり
031(かへり)みれば(すべ)社会(しやくわい)諸行(しよぎやう)無常(むじやう)なり
032因果応報(いんぐわおうはう)神理(しんり)(くら)
033現代人(げんだいじん)科学的(くわがくてき)知識(ちしき)のみを(あさ)りて
034永遠(ゑいゑん)天国(てんごく)()らず
035(また)根底(ねそこ)(くに)(なん)たるを(かい)せず
036酔生夢死(すゐせいむし)無意義(むいぎ)なる
037生涯(しやうがい)(おく)るあり
038世間(せけん)無情(むじやう)冷酷(れいこく)(なげ)きて
039厳寒(げんかん)(そら)(おのの)(ふる)ひつつ
040面白(おもしろ)からぬ冬日(とうじつ)(おく)るもあり
041人生(じんせい)暗黒面(あんこくめん)
042椿(つばき)(はな)(こずゑ)()(ごと)
043ぽたりぽたりと地上(ちじやう)()
044悲喜(ひき)交々(こもごも)社会(しやくわい)のおとづれ
045(ひと)()四辺(しへん)(つつ)(あや)しさ。
046
047アヽされどされど
048愛善(あいぜん)()信真(しんしん)(ひか)りに
049(みづか)(まなこ)()めたる吾人(ごじん)
050光栄(くわうえい)なり(さいは)ひなり
051天地(てんち)(しゆ)なる(かみ)
052(たま)(ごと)神格(しんかく)内流(ないりう)
053全身(ぜんしん)(みなぎ)らしつつ
054智慧(ちゑ)証覚(しようかく)にひたりてより
055世人(よびと)(おそ)るる(はり)()(ごと)厳冬(げんとう)
056万物(ばんぶつ)(こゑ)(ひそ)むる(つめ)たき
057()んだやうな夜半(よは)空気(くうき)
058吾人(ごじん)には(あたた)かき春陽(しゆんやう)(おも)ひあり
059アヽ()(かみ)()(かみ)
060わが身魂(みたま)機関(きくわん)一部分(いちぶぶん)として
061いや永久(とこしへ)使(つか)はせ(たま)
062無限(むげん)絶対(ぜつたい)無始(むし)無終(むしう)神格者(しんかくしや)
063愛善(あいぜん)(にく)
064神真(しんしん)()(もつ)
065吾等(われら)(うへ)太陽(たいやう)(ごと)(つき)(ごと)
066(くだ)らせたまへ
067惟神(かむながら)(たま)()はへませ』
068(うた)つて郊外(かうぐわい)散歩(さんぽ)をして()るのはアークであつた。069一人(ひとり)はタールのバラモン信者(しんじや)である。
070『オイ大将(たいしやう)071(にはか)(さと)つたらしいことを()ふぢやないか。072(おれ)悪党(あくたう)だからアークと()をつけたのだ、073それだからどこ(まで)徹底的(てつていてき)(あく)をやると主張(しゆちやう)して()たが、074たうとう治国別(はるくにわけ)宣伝使(せんでんし)とぶつつかつて(にはか)屁古垂(へこた)れたぢやないか』
075(おれ)があの宣伝使(せんでんし)出会(であ)つたお(かげ)で、076今日(こんにち)地位(ちゐ)になつたのぢやないか、077エーン、078()(かんが)へて()よ、079ランチ将軍(しやうぐん)080片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)帷幕(ゐばく)(さん)じ、081重要(ぢうえう)会議(くわいぎ)参列(さんれつ)する身分(みぶん)となつたのは、082矢張(やつぱ)治国別(はるくにわけ)さまのお(かげ)ぢや、083(しか)治国別(はるくにわけ)さまはどうなつたのだらうかなア。084よもやあの人格者(じんかくしや)がオメオメとランチ将軍(しやうぐん)陥穽(かんせい)(おちい)(はず)はあるまいしなア………(なん)だか(おれ)()がかりでならないのだ。085何処迄(どこまで)俺達(おれたち)表面(へうめん)ランチ将軍(しやうぐん)服従(ふくじゆう)し、086治国別(はるくにわけ)さまの身辺(しんぺん)()()けなければならない義務(ぎむ)があるのだ。087それにつけてもビルの(やつ)088(しやく)(さは)るぢやないか、089ランチの従卒(じゆうそつ)ぢやと(おも)うて、090無茶苦茶(むちやくちや)威張(ゐば)()らすのだからなア』
091威張(ゐば)りたい(やつ)威張(ゐば)らして()くさ。092(あさ)から(ばん)(まで)(うま)のお世話(せわ)ばかりさされて()るのだから、093一寸(ちよつと)威張(ゐば)らしてやつたて()いぢやないか。094(たれ)だつて(なに)かの特権(とくけん)がなければ(つと)まらぬからなア、095彼奴(あいつ)だつてさう馬鹿(ばか)にしたものぢやないよ。096(おれ)だつて貴様(きさま)だつて二三日前(にさんにちぜん)(まで)随分(ずゐぶん)(みじ)めなものだつたからな。097(しか)人間(にんげん)一旦(いつたん)ドン(ぞこ)()ちて()ねば駄目(だめ)だ。098人生(じんせい)破調(はてう)(かみ)輸入(ゆにふ)す」とか、099どこやらの哲学者(てつがくしや)(ほざ)いたぢやないか。100一旦(いつたん)失脚(しつきやく)せなくては、101(しん)(かみ)(せつ)(かみ)神力(しんりき)()ける(こと)出来(でき)ないものだ』
102『さうだなア。103(なん)でもエマーソンとか()哲人(てつじん)言葉(ことば)だと()いてゐるが、104随分(ずゐぶん)エラーソン()つたものぢやなア。105アハヽヽヽ』
106古今東西(ここんとうざい)偉人(ゐじん)傑士(けつし)()(やつ)は、107大抵(たいてい)孤児(こじ)貧児(ひんじ)か、108もしくは私生児(しせいじ)(あるひ)(きは)めて(みじ)めな不仕合(ふしあは)(もの)であつた(こと)(かんが)へて()ると、109人間(にんげん)()ふものは、110()うしても悲境(ひきやう)(ふち)(しづ)んで、111社会(しやくわい)辛酸(しんさん)()めて()なくては到底(たうてい)駄目(だめ)だよ。112人間(にんげん)父母(ふぼ)恩愛(おんあい)は、113(やや)もすれば舐犢(しとく)(あい)(なが)(やす)きものだ。114貴族(きぞく)(せがれ)鞭撻(べんたつ)ない()(そだ)てられ、115(ひと)となつた所謂(いはゆる)寵児(ちようじ)は、116往々(わうわう)にして放蕩遊惰(はうたういうだ)鈍物(どんぶつ)となるの事実(じじつ)は、117世間(せけん)には随分(ずゐぶん)沢山(たくさん)あるものだからなア。118()(ことわざ)にも、119(おや)はなくても()(そだ)つと()ふぢやないか。120人間(にんげん)()うしても神様(かみさま)保護(ほご)()けなくては、121一力(いちりき)存在(そんざい)する(こと)出来(でき)はしない、122(まこと)(かみ)(あい)()れなくちや駄目(だめ)だ。123(おれ)神様(かみさま)(あい)呼吸(こきふ)()(うた)(つく)つて()たのだが、124(ひと)(つつし)んで拝聴(はいちやう)する()はないか』
125『どうせ、126貴様(きさま)(こと)だから(ろく)(うた)()めはしよまい。127(しか)後生(ごしやう)のためだから、128(ひと)辛抱(しんばう)して()いてやらう』
129 タールは、130エヘンと咳払(せきばらひ)しながら、
131吾輩(わがはい)詩歌(しいか)()(とほ)りだ。
 
132 天父(てんぷ)聖心(せいしん)にある
133 大愛(だいあい)鼓動(こどう)
134 (ただち)(うつく)しく
135 (しか)厳粛(げんしゆく)なる
136 自然(しぜん)情調(じやうてう)として
137 促々(そくそく)として(わが)()(せま)
138 (やや)もすれば私欲野念(しよくやねん)のために
139 昂進(かうしん)攪乱(かくらん)する
140 (わが)心身(しんしん)脈搏(みやくはく)鎮静(ちんせい)
141 かくて従容(しようよう)として
142 捨身無為(しやしんむゐ)
143 本然的(ほんぜんてき)活動(くわつどう)()らねば()まない。
144 如何(いか)安息(あんそく)(もと)めて
145 (すず)しき山奥(やまおく)
146 (しづか)海浜(かいひん)(あそ)ぶも
147 ()()
148 心霊(しんれい)内分(ないぶん)
149 (かみ)(とも)(はたら)
150 天界(てんかい)(ざう)して
151 天地(てんち)呼吸(こきふ)(ととの)ふべき
152 霊覚(れいかく)()かむか
153 安息(あんそく)立命(りつめい)
154 (ただ)一場(いちぢやう)好夢(かうむ)にも()すべき
155 (あは)れなる欺幻(ぎげん)
156 ()ぎないであらう』
 
157成程(なるほど)ちぎる秋茄子(あきなすび)158()つから面黒(おもくろ)くないわい。159(しか)しながら、160治国別(はるくにわけ)さまに感化(かんくわ)されて俄詩人(にはかしじん)となつたぢやないか。161もう(これ)だけ詩文(しぶん)(つづ)れるやうになりやタールも文壇(ぶんだん)(はな)として、162()(はや)されるかも()れないよ。163アハヽヽヽ』
164(しか)(おれ)()うしたものか、165バラモン(ぐん)(せき)()くのが、166きつう(きら)ひとなつたのだが、167それだと()つて(ほか)にする(こと)もなし、168仕方(しかた)()いから()(しばら)くは腰掛(こしかけ)だと(おも)うて、169ランチ将軍(しやうぐん)片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)のお(ひげ)(ちり)(こころ)ならずも(はら)(こと)としようかなア。170これが処世法(しよせいほふ)(もつと)優秀(いうしう)なる(みち)だらうよ』
171『さうだ、172治国別(はるくにわけ)さまが陣中(ぢんちう)にお(いで)になつたのだから、173(なん)()うても此処(ここ)辛抱(しんばう)せなくてはなるまい。174ランチ、175片彦(かたひこ)両将軍(りやうしやうぐん)(いづ)れは帰順(きじゆん)するだらうからなア。176さうすれば吾々(われわれ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)となつて天国(てんごく)地上(ちじやう)移写(いしや)する(こと)になるのだ。177これが人間(にんげん)として(もつと)(すぐ)れたる(おこな)ひだ。178(いな)人間(にんげん)として(もつと)(うれ)しき事業(じげふ)だ』
179(とき)(なん)だか(むか)ふの(はう)から、180(ひど)(いきほひ)鳴物入(なりものいり)でアーク(がみ)がやつて()るではないか。181ヨウヨウ(くわん)()るぞ、182(しか)二挺(にちやう)だ』
183如何(いか)にも章魚(たこ)にも足八本(あしはちほん)だ。184ヨウあいつはエキスぢやないか。185(また)獲物(えもの)(うま)くチヨロまかして()()んだのだらう。186彼奴(あいつ)(また)187ランチ将軍(しやうぐん)御覚(おんおぼ)目出度(めでた)うなつて威張(ゐば)()しちや、188大変(たいへん)だぞ』
189 エキスは意気(いき)揚々(やうやう)として、190蠑螈別(いもりわけ)191(たみ)駕籠(かご)()せ、192四五人(しごにん)番卒(ばんそつ)(とも)此方(こちら)(むか)つて(かへ)つて()るのであつた。193エキスはアーク、194タールの両人(りやうにん)()るより、195さも得意気(とくいげ)に、
196『ヤア(その)(はう)はアーク、197タールの御両所(ごりやうしよ)198出迎(でむか)大儀(たいぎ)(ござ)る』
199 アーク、200タールの両人(りやうにん)はエキスに「お出迎(でむか)大儀(たいぎ)」と()はれ、201(ほとん)目下(めした)(あつか)ひをせられたやうな気分(きぶん)になつて(ごふ)()いて(たま)らないけれど、202(わざ)素知(そし)らぬ(かほ)をして何気(なにげ)なう、
203アーク『やあエキス殿(どの)204御苦労(ごくらう)(ござ)つた。205(さぞ)ランチ将軍(しやうぐん)が、206(よろこ)(あそ)ばす(こと)だらう。207さうして(その)駕籠(かご)(なか)客人(きやくじん)一体(いつたい)何人(なにびと)(ござ)るかなア』
208 エキスはさも横柄(わうへい)に、209(おに)(くび)竹篦(たけべら)()()つたやうな(ほこ)(がほ)で、
210大切(たいせつ)なるお客人(きやくじん)211(それがし)弁茶羅(べんちやら)212アヽ(いな)213器量(きりやう)によつてお(むか)(まを)して()たのだ。214御本人(ごほんにん)誰人(たれびと)なるかは、215ランチ、216片彦(かたひこ)両将軍(りやうしやうぐん)にお()にかける(まで)発表(はつぺう)する(こと)出来(でき)ない。217さア御両所(ごりやうしよ)218(さき)()つて御案内(ごあんない)めされ』
219タール『随分(ずゐぶん)威張(ゐば)つたものだなア。220エヽ仕方(しかた)がない』
221『エキスに()いて(おく)(すす)(こと)にしようぢやないか。222大分(だいぶん)最前(さいぜん)から郊外(かうぐわい)散歩(さんぽ)をやつたからなア』
223 エキスは道々(みちみち)(うた)()した。
224『バラモン(けう)大教主(だいけうしゆ)
225大黒主(おほくろぬし)部下(ぶか)となり
226産土山(うぶすなやま)高原(かうげん)
227(やかた)()てて()(なか)
228()(みだ)()曲津神(まがつかみ)
229神素盞嗚(かむすさのを)牙城(がじやう)をば
230(はふ)らむために(すす)()
231ランチ将軍(しやうぐん)片彦(かたひこ)
232(その)陣中(ぢんちう)()(たか)
233ヒーロー豪傑(がうけつ)このエキス
234神変(しんぺん)不思議(ふしぎ)妙法(めうはふ)
235縦横無尽(じうわうむじん)発揮(はつき)して
236神素盞嗚(かむすさのを)(みこと)さへ
237()めあぐみたるウラナイの
238(をしへ)(つかさ)とあれませる
239蠑螈別(いもりわけ)教主(けうしゆ)をば
240(わが)言霊(ことたま)(なび)かせつ
241軍用金(ぐんようきん)献納(けんなふ)させ
242将軍様(しやうぐんさま)片腕(かたうで)
243(すす)めむためとやうやうに
244(とも)をなして(かへ)りけり
245蠑螈別(いもりわけ)勇将(ゆうしやう)
246もはや(わが)()()るからは
247神変(しんぺん)不思議(ふしぎ)妖術(えうじゆつ)
248使(つか)うて世人(よびと)(くる)しむる
249三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
250仮令(たとへ)幾万(いくまん)ありとても
251如何(いか)でか(おそ)るる(こと)やある
252これも(まつた)くバラモンの
253(たふと)(かみ)()(あは)
254ランチ、片彦(かたひこ)両将(りやうしやう)
255(さぞ)満足(まんぞく)なさるだらう
256(この)陣中(ぢんちう)(おれ)のよな
257功名(こうみやう)手柄(てがら)(あら)はした
258勇士(ゆうし)(また)とあるものか
259アーク、タールの両人(りやうにん)
260これから(おれ)将軍(しやうぐん)
261帷幕(ゐばく)(さん)汝等(なんぢら)
262それ相当(さうたう)職掌(しよくしやう)
263使(つか)うてやらう(たの)しんで
264御沙汰(おさた)をまつがよからうぞ
265(まへ)何時(いつ)(まで)番卒(ばんそつ)
266小頭(こがしら)みたよな(やく)をして
267()つた(ところ)(つま)らない
268()(ことわざ)()(とほ)
269()()るならば大木(たいぼく)
270密葉(みつえう)(かげ)親方(おやかた)
271(はし)(ふと)いがよいと()
272社会(しやくわい)真理(しんり)(さと)るなら
273今日(けふ)から(おれ)御家来(ごけらい)
274なつて神妙(しんめう)(つか)へよや
275(いま)から注意(ちうい)(あた)()
276あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
277バラモン(けう)大御神(おほみかみ)
278御霊(みたま)(さち)はへましませよ』
279 アークは蠑螈別(いもりわけ)()つて()棒端(ぼうばな)をグツと(にぎ)り、
280『オイ、281(この)駕籠(かご)282一寸(ちよつと)()つた』
283エキス『()つたとは()うぢや、284一時(いちじ)(はや)将軍(しやうぐん)のお()にかけねばならぬ大切(たいせつ)なお客様(きやくさま)だ、285邪魔(じやま)ひろぐと容赦(ようしや)(いた)さぬぞ』
286 アークは、
287『こりやエキス、288(その)(はう)(いま)(なん)(まを)した。289吾々(われわれ)両人(りやうにん)両将軍(りやうしやうぐん)片腕(かたうで)となつて帷幕(ゐばく)参列(さんれつ)する重役(ぢゆうやく)だ。290貴様(きさま)不在中(ふざいちゆう)任命式(にんめいしき)(おこな)はれたのだから、291()らぬのも無理(むり)はないが、292(あま)りの暴言(ばうげん)ぢやないか。293(この)(はう)(たい)し「出迎(でむか)大儀(たいぎ)」などと部下(ぶか)(あつか)ひをなすとは(もつ)ての(ほか)(なんぢ)振舞(ふるま)ひ、294吾々(われわれ)上役(うはやく)職権(しよくけん)をもつて(その)(はう)放逐(はうちく)(いた)さうか』
295『ソヽそんな(こと)(おれ)()らなかつたのだ。296間違(まちが)つて()れば(ゆる)して(もら)はなくては仕方(しかた)がない。297(しか)(もつと)大切(たいせつ)なる客人(きやくじん)をお()(まを)して()たのだから、298さう(あたま)ごなしに呶鳴(どな)りつけられちや、299このエキスも引合(ひきあ)はぬぢやありませぬか』
300()らなければ仕方(しかた)がない、301差許(さしゆる)す、302(しか)しながら、303(いま)約束(やくそく)をして()くが、304エキス、305(その)(はう)は、306将軍様(しやうぐんさま)のお見出(みだ)しに(あづ)かつて、307吾々(われわれ)同役(どうやく)になつても(けつ)して威張(ゐば)つてはならないぞ。308なあエキス、309こりやエキスの野郎(やらう)310よいかエキス』
311タール『やい、312エキス、313(いま)アーク重役(ぢゆうやく)さまの言葉(ことば)()(はら)()れたか。314やいエキス、315エー()いただらうなあエキス、316()うだいエキス、317返答(へんたふ)は』
318『さう沢山(たくさん)さうにエキスエキスと()つて(もら)つちや、319(きやく)さまに(たい)外聞(ぐわいぶん)(わる)いぢやありませぬか。320一口(ひとくち)仰有(おつしや)つたら(わか)つて()るぢやありませぬか』
321アーク『(いま)(おれ)上役(うはやく)だから、322(いま)(うち)沢山(たくさん)さうに()びつけにして()かぬと、323重役(ぢゆうやく)になつたら、324もう()(こと)出来(でき)ないからなア。325エキス、326さうだらうエキス、327きつと羽張(はば)つてはいけないぞ。328こりやエキス』
329『アハヽヽヽ、330(なに)(うま)(しる)()うて()たと()えるな。331それでエキスエキスとアークさまが()ふのだらう』
332(うま)(しる)()うて()よつたのだ。333盗人(ぬすびと)上前(うはまへ)をはねて二千両(にせんりやう)334蠑螈別(いもりわけ)から五千両(ごせんりやう)335都合(つがふ)七千両(しちせんりやう)のエキス(液吸う)たから、336これ(くらゐ)()うてもよいのぢや』
337 エキスは、
338『ウフヽヽヽヽ』
339(ひそ)かに(わら)ふ。
340大正一二・一・八 旧一一・一一・二二 加藤明子録)
   
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