霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第五章 復命(ふくめい)〔一二七九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第49巻 真善美愛 子の巻 篇:第1篇 神示の社殿 よみ(新仮名遣い):しんじのしゃでん
章:第5章 復命 よみ(新仮名遣い):ふくめい 通し章番号:1279
口述日:1923(大正12)年01月16日(旧11月30日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年11月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
一同は前後百余日を費やして立派な宮を建て上げた。節分の夜に遷宮式を行うことになった。四方八方から信者が集まり来たり、祠の森の広い谷も立錐の余地ないほどになった。
バラモン組も祭官の中に加わり、祭服をまとって神饌所で調理にかかっている。イクは無形の神に多くの神饌を備える意義に疑問を呈する。ヨルは心を尽くして献餞することで神様は霊をあがり、真心を受けるのだと説明した。
祓戸式、神饌伝供も済み、遷宮祝詞も終わった。それより餅まきの行事に移った。神饌長の純公をはじめ、イル、イク、サール、ヨル、テル、ハルたちは餅をまき、一場の争奪戦が繰り広げられた。終わって各信徒は立派に建て上がった新しい宮を伏し拝み、家路に帰って行った。後には宣伝使、祭典係と熱心な信者たち十数人が残っていた。
神殿は三社建てられ、中央には国治立尊、日の大神、月の大神が祀られ、左の脇には大自在天大国彦命と盤古大神塩長彦神、右側には山口の神をはじめ八百万の神々が鎮祭された。
この祭典が終わると、玉国別の眼は全快し、以前にましてますます円満の相となり、にわかに神格が備わってきたように思われた。
玉国別は残った者たちを社務所に集め、直会の宴を開くことになった。玉国別は鎮祭の無事終了を祝して、お神酒をいただきながら歌いだした。玉国別はこれまでの経緯を歌い、五十子姫と今子姫にイソ館に帰るように促した。
珍彦と静子には、ここに残って自分に代わって神殿に仕えるようにと命じた。そして自分は、弟子たちを引き連れて夜明けにハルナの都に向けて出発することを宣言した。
五十子姫と今子姫は、玉国別一行の旅の成功を祈る歌を歌った。道公は二人に感謝の返歌を歌った。たちまち五十子姫は神がかり状態となり、国照姫命の神勅が下った。
国照姫命は、玉国別の眼が怪我を負ったのも神の恵みであると託宣し、道公に道彦、伊太公に伊太彦、純公に真純彦、晴公に道晴別とそれぞれ名前を与えた。
一同は互いに感謝と出立・見送りの歌を詠み交わした。一同は前途の光明を祈りながら大神の前に拝礼した。
翌日玉国別は、珍彦、静子、楓、バラモン組の六人や熱心な信者たちに祠の森の神殿の後事を託し、道晴別、真純彦、伊太彦、道彦と共に宣伝歌を歌いながら、初春の日の光を浴びて河鹿峠を下って行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-06-10 16:12:08 OBC :rm4905
愛善世界社版:56頁 八幡書店版:第9輯 52頁 修補版: 校定版:58頁 普及版:27頁 初版: ページ備考:
001 (やうや)くにして石搗(いしつき)()み、002道公(みちこう)003晴公(はるこう)004伊太公(いたこう)005純公(すみこう)006(その)(ほか)一同(いちどう)は、007前後(ぜんご)百余(ひやくよ)(にち)(つひや)して立派(りつぱ)なる(みや)()()げた。008(しか)して(その)遷宮式(せんぐうしき)節分(せつぶん)()(おこな)はるることとなつた。009四方(しはう)八方(はつぱう)より信者(しんじや)密集(みつしふ)(きた)り、010(ほこら)(もり)のふくらんだ(ひろ)(たに)も、011立錐(りつすゐ)()なき(まで)信者(しんじや)(あつ)まつて()て、012(この)遷宮式(せんぐうしき)(れつ)することとなつた。013沢山(たくさん)供物(くもつ)(やま)(ごと)(あつ)まつてゐる。014道公(みちこう)(はじ)めバラモン(ぐみ)のイル、015イク、016サール、017ヨル、018テル、019ハルの連中(れんちう)祭官(さいくわん)(なか)(くは)はり、020イソの(やかた)より下附(かふ)された立派(りつぱ)新調(しんてう)祭服(さいふく)()にまとひ、021神饌所(しんせんじよ)(はい)つて、022何百台(なんびやくだい)とも()れぬ神饌(しんせん)調理(てうり)にかかつてゐる。
023ヨル『オイ、024今日(けふ)(まつ)りは(おれ)のお(かげ)だぞ。025(かみ)(さま)(をが)むよりも()づさきに(おれ)(をが)むのだな』
026とお神酒(みき)(ぬす)()みに、027(かほ)真赤(まつか)にしてクダを()いてゐる。
028イル『コラ、029ヨルの(やつ)030貴様(きさま)(なん)だ、031エヽン、032祭服(さいふく)をつけやがつて、033(かみ)(さま)にお(そな)へもせぬ(うち)からお神酒(みき)(いただ)くといふ(こと)があるか、034チツと心得(こころえ)ぬかい』
035ヨル『コラ、036イル、037(なに)(ぬか)しやがるのだ。038今夜(こんや)玉国別(たまくにわけ)さまがヨルの(まつり)だと仰有(おつしや)つただないか、039イルの(まつり)だないぞ。040それだから(おれ)()毒味(どくみ)をして(のど)(かみ)(さま)(そな)へ、041(その)(うへ)でヨルの(かみ)(さま)をお(まつ)りするのだ。042ヤツパリ身魂(みたま)がよいとみえて、043こんな立派(りつぱ)なお宮様(みやさま)にヨルの(みたま)(まつ)つて(いただ)くのだからなア、044本当(ほんたう)(えら)いものだらう』
045イク『(しか)しこれ(だけ)沢山(たくさん)金銭(きんせん)物品(ぶつぴん)(そな)へても、046(かみ)(さま)はお受取(うけとり)になるだらうかなア。047(かへつ)()迷惑(めいわく)だらうも()れぬぞ、048(かみ)(さま)はすべて無形(むけい)にましますのだから、049この(やう)人間(にんげん)()有形(いうけい)(てき)供物(くもつ)はおあがりになる(はず)はないだないか。050その証拠(しようこ)にやいくら(なが)(そな)へておいても果物(くだもの)(ひと)()つてゐないぢやないか、051こんな沢山(たくさん)(もの)(そな)へるよりも、052代表(だいへう)(てき)にお三方(さんぱう)二台(にだい)三台(さんだい)(そな)へておいて差支(さしつかへ)なささうだがな。053(まる)八百屋(やほや)(みせ)みたやうだ。054エヽー、055ヨル、056貴様(きさま)()(おも)ふ?』
057ヨル『貴様(きさま)はヤツパリまだ(かみ)(こと)(わか)らぬと()えるワイ。058(かみ)(さま)地上(ちじやう)(くだ)(たま)(とき)はヤツパリ人間(にんげん)(にく)(みや)機関(きくわん)(あそ)ばすのだから、059自然界(しぜんかい)法則(はふそく)(もと)として、060何事(なにごと)もお(つか)へせなくちやならぬぢやないか。061信者(しんじや)供物(くもつ)受取(うけと)(たま)(かみ)(さま)無形(むけい)にましますが(ゆゑ)に、062物質(ぶつしつ)(てき)食物(しよくもつ)不必要(ふひつえう)だと()つて、063(この)結構(けつこう)()祭典(さいてん)金額(きんがく)物品(ぶつぴん)(そな)へない(やつ)(かみ)(さま)(あい)()らず(また)(かみ)(めぐみ)(よく)する(こと)出来(でき)ない偽信者(にせしんじや)のなすべき(こと)だ。064祭典(さいてん)といふ(こと)(まつ)法式(はふしき)といふ(こと)だ。065(まつ)るといふ(こと)は、066(ひと)()(こと)だ、067所謂(いはゆる)客様(きやくさま)招待(せうたい)するも(おな)(こと)だ。068(ぜん)(しん)とを(はかり)にかけ、069人間(にんげん)(あい)(かみ)(あい)とを和合(わがふ)する神事(しんじ)だ。070それだから真釣(まつ)りにまつるといふのだ。071何程(なにほど)(かみ)(さま)(そな)へたお(そな)へものがへらないと()つても、072肝腎要(かんじんかなめ)のお供物(くもつ)(れい)(みな)おあがりになつてゐるのだ。073大根(だいこん)大根(だいこん)(あぢ)074山葵(わさび)山葵(わさび)(あぢ)075(うを)(うを)(あぢ)と、076各自(かくじ)(その)(あぢ)(かは)つてゐるのは(みな)(かみ)(さま)から(つく)られたものであつて、077人間(にんげん)所為(しよい)でもなければ、078大根(だいこん)山葵(わさび)()自身(じしん)のなし()たる(ところ)でもない。079(おな)土地(とち)(おな)肥料(こやし)をやつて(つく)つても、080唐辛(たうがらし)()けば(から)くなる、081水瓜(すいくわ)(つく)れば(あま)くなる、082山椒(さんせう)(つく)れば(また)(から)くなる、083そして(その)(あま)さにも(から)さにも(おのおの)特色(とくしよく)がある。084これ(みな)神徳(しんとく)内流(ないりう)によつて出来(でき)るものだ。085それだから地上(ちじやう)人間(にんげん)(かみ)(さま)結構(けつこう)なものを(あた)へられて、086(これ)感謝(かんしや)せずには()られない。087()(ゆゑ)(かみ)御恵(みめぐ)みを(しや)する(ため)(こころ)(つく)してお供物(くもつ)をするのだ。088(この)(とほ)沢山(たくさん)なお供物(くもつ)(あつ)まつたのも、089仮令(たとへ)(すこ)しづつでも、090これ(だけ)人間(にんげん)各自(めいめい)(なん)なりと()つて()たのだから、091(ちり)つんで(やま)をなしたのだ。092(かみ)人間(にんげん)真心(まごころ)()けさせ(たま)ふものだから、093()()(いち)(まい)でも(そな)へてくれと()つて()つて()(もの)は、094(みな)(そな)へせなくちやすまないぞ。095それが(まつり)(まつり)たる所以(ゆゑん)だから、096……』
097テル『それでも賽銭(さいせん)一文(いちもん)()たず、098()()(いち)(まい)(そな)へせずして、099有難(ありがた)がつて(よろこ)んでゐるのもあるだないか。100それは()うなるのだ』
101ヨル『其奴(そいつ)(ゆめ)()(よろこ)んでる(やう)なものだ。102(この)ヨルさまはヨルの(まつり)だから、103(そな)へてくれた人間(にんげん)(みな)(おぼ)えてゐるが、104空参(からまゐ)りする(やつ)空霊(からみたま)だからお(かげ)はやらないよ。105ヨルの守護(しゆご)()(なか)だからなア。106(なん)なつと手形(てがた)()つて()ないとヨルの(かみ)(さま)信仰(しんかう)(わか)らないからな』
107テル『お(まへ)(かみ)(さま)はヨルの(かみ)(さま)でなうて、108(よく)(かみ)(さま)だろ』
109ヨル『馬鹿(ばか)()ふな。110(かみ)(あい)し、111(かみ)(したが)ひ、112仮令(たとへ)()()(いち)(まい)でも、113(かみ)(さま)()げたいといふ真心(まごころ)人間(にんげん)をヨルの(かみ)(さま)だ。114(すなは)ちより()ける(かみ)(さま)だ。115(えら)まれたる(もの)天国(てんごく)にゆくといふぢやないか。116(えら)むといふ(こと)はヨル(こと)だ。117(しか)しチツとは(その)(とき)都合(つがふ)にヨル(かみ)だから、118マアなるべく(さけ)でも(なん)でも(かま)はぬ、119(そな)(たま)(はこ)(たま)へだ、120アハヽヽヽ』
121ハル『(まる)でバラモン(けう)みたいな(こと)()ふぢやないか、122(かみ)(さま)(もの)をお(そな)へすればお(かげ)がある、123(そな)へせない(やつ)(かみ)(さま)(あい)せないといふのは、124チツと(かみ)としての神格(しんかく)抵触(ていしよく)するではないか』
125ヨル『バラモン(けう)だつて、126三五教(あななひけう)だつて、127(まつり)(ふた)つはないだないか、128(べつ)(かみ)(さま)人間(にんげん)乞食(こじき)でもあるまいから、129醵出(きよしゆつ)したものを(もつ)生命(せいめい)(たも)(たま)(やう)なお(かた)ではないが、130すべて(あい)(こころ)(おこ)れば、131人間(にんげん)(かみ)(さま)(なん)なりと()げたくなるものだ。132(また)(かみ)(さま)人間(にんげん)(あい)(たま)(とき)()もやらう、133(あぜ)もやらうといふお(こころ)にならせ(たま)ふものだ。134(とし)よりの(おや)息子(むすこ)(むすめ)土産(みやげ)()ふて()(もら)つたり、135(また)(まご)仮令(たとへ)(すこ)しの(もの)でも、136これをお(ぢい)さまお()アさまに()げたいと(おも)つて()つて()たと()いた(とき)は、137(その)(ぢい)さま()アさまは、138仮令(たとへ)僅少(きんせう)なものでも、139どれ(だけ)(よろこ)ぶか()れぬだないか。140せうもないものでも、141息子(むすこ)()ふて()てくれたものだとか、142(まご)遥々(はるばる)()ふて()てくれたとか、143(おく)つてくれたとか、144()(ひと)(ごと)(はな)して(よろこ)ぶだろう。145そして(わづか)二三十(にさんじつ)(せん)(もの)(まご)がくれると(ぢい)さま()アさまは臍繰金(へそくりがね)(じふ)(ゑん)()して、146(まご)にソツとやるだないか。147(あい)(あい)相応(さうおう)し、148(ぜん)(ぜん)相応(さうおう)するものだ。149それだから、150(まつり)真釣合(まつりあひ)といふのだ。151(けつ)して(ぢい)さま()アさまは(わが)()(まご)に、152土産(みやげ)()ふて()(もら)はうと(のぞ)まない……と同様(どうやう)(かみ)(さま)(けつ)してお(そな)へを(のぞ)(あそ)ばさない。153けれど(その)()(まご)土産(みやげ)をくれた(とき)(こころ)と、154くれない(とき)(こころ)とは、155(その)(とき)(あい)情動(じやうだう)(うへ)(おい)て、156非常(ひじやう)差等(さとう)のあるものだ。157それだから(かみ)(あい)()れむと(おも)(もの)(かみ)(あい)さなくてはならぬのだ。158人間(にんげん)として何程(なにほど)(こころ)(つく)しても、159(かみ)(さま)(たい)する()恩報(おんほう)じは金額(きんがく)物品(ぶつぴん)(もつ)て、160(その)真心(まごころ)(かみ)(ささ)ぐるより、161(ほか)手段(しゆだん)方法(はうはふ)もないだないか』
162テル『それでも人間(にんげん)精神(せいしん)(もつ)(かみ)(ため)(つく)し、163(かみ)(あい)すれば()いのだよ。164なア、165イク、166サール、167貴様(きさま)168そう(おも)はせぬか』
169サール『それも一理(いちり)あるやうだが、170ヤツパリ、171ヨルの(かみ)(さま)の、172()ふやうに、173(あい)(こころ)(おこ)つたならば、174キツト中途(ちうと)()まるものだない、175終局点(しうきよくてん)(まで)(たつ)するものだ。176(その)終局点(しうきよくてん)所謂(いはゆる)人間(にんげん)実地(じつち)(おこな)ひだ。177(れい)から(はじ)まつて(たい)()()くのが真理(しんり)とすれば、178ヤツパリ(かみ)(さま)山野(さんや)河海(かかい)(めずら)しき(もの)幣帛料(へいはくれう)献納(けんなふ)するのは所謂(いはゆる)(あい)(まこと)(あら)はれだと(おも)ふ』
179ハル『成程(なるほど)()れに間違(まちがひ)ない。180さうでなければ()うして玉国別(たまくにわけ)さまや、181五十子(いそこ)(ひめ)(さま)が、182こんな大層(たいそう)(まつり)(あそ)ばすものか』
183神饌所(しんせんじよ)(にぎは)つてゐる。184そこへ伊太公(いたこう)185純公(すみこう)二人(ふたり)(あら)はれ(きた)り、
186伊太(いた)『サア、187(これ)から祓戸(はらひど)(はじ)まる、188(まへ)たちも準備(じゆんび)をしてゐなくちやならないぞ。189(しか)大変(たいへん)参詣者(さんけいしや)だないか』
190ヨル『本当(ほんたう)立錐(りつすゐ)余地(よち)なき(まで)191参拝者(さんぱいしや)(あつ)まりましたなア』
192伊太(いた)『ヤア、193(いま)太鼓(たいこ)がなつた。194サア、195神饌(しんせん)用意(ようい)出来(でき)たかなア』
196イル『(あま)沢山(たくさん)(そな)(もの)で、197(じつ)()をまはす(ばか)りの多忙(たばう)(きは)めて()ります。198(しか)大方(おほかた)準備(じゆんび)出来(でき)たやうです』
199伊太(いた)純公(すみこう)さま、200(わたし)(これ)から祓戸(はらひど)(つと)めねばなりませぬ。201貴方(あなた)はどうか神饌長(しんせんちやう)になつて(くだ)さい』
202純公(すみこう)『ハイ承知(しようち)しました』
203 伊太公(いたこう)は『(みな)さま(よろ)しく、204抜目(ぬけめ)のないやうに(たの)みます』と()ひすて、205祓戸(はらひど)(やかた)()して(いそ)いで()く。
206 祓戸式(はらひどしき)207神饌(しんせん)伝供(でんぐ)もすみ、208玉国別(たまくにわけ)遷宮(せんぐう)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)(をは)り、209それより餅撒(もちま)きの行事(ぎやうじ)(うつ)つた。210祓戸主(はらひどぬし)祝詞(のりと)遷宮式(せんぐうしき)祝詞(のりと)(りやく)しておく。
211 昼夜(ちうや)(わか)たずポンポンと()いた小餅(こもち)五石(ごこく)六斗(ろくと)七升(しちしよう)(とな)へられた。212(しか)して(その)大部分(だいぶぶん)五十子(いそこ)(ひめ)今子姫(いまこひめ)()(かた)められたものであつた。213神饌係(しんせんがかり)のイル、214イク、215サール、216ヨル、217テル、218ハルを(はじ)め、219神饌長(しんせんちやう)純公(すみこう)高台(たかだい)(うへ)(のぼ)り、220一生(いつしやう)懸命(けんめい)四方(しはう)八方(はつぱう)(もち)()きつけた。221数多(あまた)老若(らうにやく)男女(なんによ)(なみ)()(やう)(もち)()ちる(はう)雪崩(なだれ)()つて、222(ひと)()()え、223つき(たふ)しなどして、224一個(いつこ)でも(おほ)(ひろ)はむ(こと)(つと)めた。225平素(へいそ)(かみ)(をしへ)()き、226人間(にんげん)(ひと)(ゆず)り、227(ゆず)らねばならぬと()(こと)(こころ)承知(しようち)(かつ)(ひと)にも偉相(えらさう)宣伝(せんでん)(なが)ら、228かかる場合(ばあひ)にはスツカリ獣性(じうせい)遺憾(ゐかん)なく発揮(はつき)するものである。229丁度(ちやうど)(いぬ)()がさも親密(しんみつ)(さう)にじやれあふたり、230ねぶり()ふて(あそ)んでゐる(ところ)へ、231(くさ)つた(にく)(はう)りこんだやうな(もの)である。232(これ)(おも)へば人間(にんげん)肉体(にくたい)(いう)する(かぎ)り、233どうしても我慢(がまん)(よく)には(はな)()ないものと()える。234(ひと)つでも(この)(もち)(いただ)(いへ)(かへ)つて家族(かぞく)近所(きんじよ)(もの)()(あた)へて神徳(しんとく)(わか)たむとすれば、235おとなしくして、236(あと)(はう)(ひか)へて()つても、237半分(はんぶん)(もち)(ひろ)(こと)出来(でき)ない。238(はじ)めの(あひだ)はさういふ態度(たいど)()つて()つた信者(しんじや)沢山(たくさん)あつたがグヅグヅしてると、239()(たふ)され、240()(にじ)られ、241(もち)(ひろ)(こと)出来(でき)ないので、242群集(ぐんしふ)心理(しんり)とやらに(おそ)はれて、243さしも謙遜(けんそん)にして従順(じうじゆん)なりし(をとこ)も、244ソロソロ鉢巻(はちまき)をしめ()し、245()(つば)をつけ、246邪魔(じやま)になる(やつ)()(たふ)し、247そして(ひと)つでも余計(よけい)(ひろ)ふて(ふところ)()()まねば(そん)だといふ()になり、248(いち)()にあばれ()したからたまらない。249彼方(あつち)(はし)にもキヤアキヤア、250此方(こつち)(すみ)にもアンアンと子供(こども)()(こゑ)251(にはか)修羅道(しゆらだう)(あさ)ましき場面(ばめん)(へん)じて(しま)つた。252餅撒(もちま)きも(やうや)くすみ、253(もち)争奪戦(さうだつせん)休戦(きうせん)のラツパが()つた。254それより各信徒(かくしんと)立派(りつぱ)()(あが)つた(あたら)しき(みや)伏拝(ふしをが)み、255欣々(いそいそ)として河鹿(かじか)(たうげ)(くだ)り、256(かく)家路(いへぢ)()(くら)(なが)ら、257(かへ)つて()く。258あとには宣伝使(せんでんし)祭典係(さいてんがかり)連中(れんちう)熱心(ねつしん)なる信者(しんじや)十数(じふすう)(にん)(のこ)つて()た。
259 (ちなみ)神殿(しんでん)三社(さんしや)()てられ、260中央(ちうあう)には国治立(くにはるたちの)(みこと)261()大神(おほかみ)262(つき)大神(おほかみ)(まつ)られ、263(ひだり)(わき)には大自在天(だいじざいてん)大国彦(おほくにひこの)(みこと)264(ならび)盤古(ばんこ)大神(だいじん)塩長彦(しほながひこの)(かみ)鎮祭(ちんさい)し、265右側(みぎがは)には山口(やまぐち)(かみ)(はじ)め、266八百万(やほよろづ)神々(かみがみ)鎮祭(ちんさい)された。267(この)祭典(さいてん)がすむと同時(どうじ)玉国別(たまくにわけ)眼病(がんびやう)全快(ぜんくわい)し、268(かほ)(すこ)しく、269(かたち)まで(かは)つて()たのが、270以前(いぜん)にまして益々(ますます)円満(ゑんまん)(さう)となり、271(にはか)神格(しんかく)(そな)はつて()(やう)(おも)はれた。272(ここ)玉国別(たまくにわけ)直会(なほらひ)(えん)を、273社務所(しやむしよ)広間(ひろま)(おい)(ひら)(こと)となつた。274(しか)してこの(せき)(なら)んだ(もの)は、275(この)祭典(さいてん)(あづか)つた役員(やくゐん)全部(ぜんぶ)十数(じふすう)(めい)熱心(ねつしん)信者(しんじや)とであつた。276玉国別(たまくにわけ)鎮祭(ちんさい)無事(ぶじ)終了(しうれう)(しゆく)する(ため)277神酒(みき)(いただ)(なが)ら、278(うた)()した。
279玉国別(かみ)(おもて)(あら)はれて
280(ぜん)(あく)とを()()ける
281(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
282(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
283(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
284直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
285()(あやま)ちは()(なほ)
286三五教(あななひけう)大御神(おほみかみ)
287(きよ)(をしへ)四方(よも)(くに)
288(ひら)(つた)ふる()(もつ)
289(すこ)しの(こころ)油断(ゆだん)より
290天津(あまつ)御空(みそら)日月(じつげつ)
291(たと)ふべらなる両眼(りやうがん)
292(けもの)(ため)(やぶ)られて
293(いた)さに(なや)皇神(すめかみ)
294()さし(たま)ひし神業(かむわざ)
295いかにか なして(はた)さむと
296(おも)(なや)める(をり)もあれ
297(すめ)大神(おほかみ)御心(みこころ)
298(ふか)仕組(しぐみ)のゐましてや
299(ほこら)(もり)(とど)められ
300(すめ)大神(おほかみ)御舎(みあらか)
301大宮柱(おほみやばしら)(ふと)しりて
302(つか)へまつらせ(たま)ひたる
303(その)御心(みこころ)(いま)となり
304(はじ)めて(おも)()られける
305これを(おも)へば吾々(われわれ)
306(ふた)つの(まなこ)山猿(やまざる)
307()きむしられし経緯(いきさつ)
308(まつた)(かみ)御心(みこころ)
309()でさせ(たま)ふものなりと
310(さと)るも(うれ)今日(けふ)(よひ)
311(いま)(まで)(いた)みし(わが)(まなこ)
312(ぬぐ)ふが(ごと)()えわたり
313(まなこ)(かすみ)もよく()えて
314(いま)(まつた)(もと)(ごと)
315(きよ)(ひかり)(はな)ちけり
316あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
317(かみ)(まも)らす(かみ)()
318一切(いつさい)万事(ばんじ)神界(しんかい)
319御教(みのり)(まつろ)(たてまつ)
320(いや)しき(ひと)(こころ)もて
321(なに)くれとなく一々(いちいち)
322争論(あげつら)うべきものならず
323天地(てんち)(うち)一切(いつさい)
324(ただ)(かみ)(さま)御心(みこころ)
325(まか)せまつりて従順(じうじゆん)
326(わが)天職(てんしよく)(まも)るより
327(みち)なきものと(さと)りけり
328五十子(いそこ)(ひめ)今子姫(いまこひめ)
329最早(もはや)(わが)()()くの(ごと)
330(まなこ)(なや)()えぬれば
331(なれ)(みこと)何時(いつ)(まで)
332(ひと)つとなりて(かみ)(まへ)
333(つか)ふる(こと)(かな)ふまじ
334われは(これ)より珍彦(うづひこ)
335これの(やかた)(まも)らせて
336(かみ)()さしの神業(しんげふ)
337()()()かむ(なれ)(また)
338イソの(やかた)()(かへ)
339今子(いまこ)(ひめ)諸共(もろとも)
340(すめ)大神(おほかみ)(おん)(まへ)
341(こころ)(きよ)()(きよ)
342(あさ)(ゆふ)なに(つか)へかし
343珍彦(うづひこ)静子(しづこ)晴公(はるこう)
344(なんぢ)()れに()(かは)
345(ほこら)(もり)神殿(しんでん)
346(あさ)(ゆふ)なに(つか)へつつ
347(かみ)(をしへ)()けむとて
348参来(まゐき)(つど)へる信徒(まめひと)
349完全(うまら)詳細(つばら)()(さと)
350(かみ)御国(みくに)福音(ふくいん)
351(あまね)附近(ふきん)にかがやかし
352曲津(まがつ)身魂(みたま)往来(わうらい)
353いよいよ(ここ)にせきとめて
354イソの(やかた)一歩(ひとあし)
355進入(しんにふ)させじと村肝(むらきも)
356(こころ)(つく)して(まも)るべし
357()()けぬれば吾々(われわれ)
358これの(やかた)立出(たちい)でて
359ハルナの(みやこ)(わだか)まる
360八岐(やまた)大蛇(をろち)征服(せいふく)
361(かみ)(めぐみ)()(なが)
362(すす)みて()かむ惟神(かむながら)
363(かみ)(まも)りを()ぎまつる』
364(うた)(をは)り、365神殿(しんでん)(むか)つて合掌(がつしやう)する。
366 五十子(いそこ)(ひめ)長袖(ちやうしう)(しとや)かに()(なが)ら、367(しづか)(うた)()したり。
368五十子姫(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)
369神言(みこと)(かしこ)()(きみ)
370玉国別(たまくにわけ)名乗(なの)りまし
371獅子(しし)(おほかみ)()えたける
372荒野(あらの)()けて河鹿山(かじかやま)
373(かぜ)(なや)みや山猿(やまざる)
374(ため)(まなこ)(うしな)ひつ
375(やうや)(ここ)(きた)りまし
376(なや)みし(まなこ)()やす(うち)
377如何(いか)なる(かみ)御恵(みめぐみ)
378(たふと)神業(しんげふ)()けられて
379百日(ももか)百夜(ももよ)(こと)もなく
380()ごさせ(たま)皇神(すめかみ)
381(みづ)御舎(みあらか)(つか)へまし
382(まつり)無事(ぶじ)相済(あひす)みて
383(かみ)(めぐみ)灼然(いやちこ)
384(まなこ)(なや)みなをりまし
385感謝(かんしや)(なみだ)諸共(もろとも)
386(いま)直会(なほらひ)宴席(えんせき)
387(つら)なり(たま)珍彦(うづひこ)
388(その)()(つかさ)御社(みやしろ)
389(まも)りの(やく)()けさせつ
390(ただ)一日(ひとひ)(やす)まずに
391(また)もや(たけ)荒野原(あらのはら)
392(ゆき)()()けてフサの()
393(わた)らせ(たま)(つき)(くに)
394(とほ)(みやこ)()(たま)
395(その)功績(いさをし)皇神(すめかみ)
396御稜威(みいづ)(くら)べまつるべし
397さはさり(なが)五十子(いそこ)(ひめ)
398(やうや)(ここ)(たづ)()
399(つま)(みこと)笑顔(ゑがほ)をば
400(をが)()もなくイソ(やかた)
401(かみ)御前(みまへ)(かへ)るべく
402()らせ(たま)ひし(こと)()
403()にも雄々(をを)しき(かぎ)りぞと
404(いさ)みに(いさ)(むね)(うち)
405今子(いまこ)(ひめ)もさぞやさぞ
406(うれ)しみ(たま)(こと)ならむ
407伊太公(いたこう)さまよ純公(すみこう)
408(その)(ほか)(もも)(つかさ)たち
409(わが)()(きみ)(したが)ひて
410一日(ひとひ)(はや)(つき)(くに)
411ハルナの(みやこ)(わだか)まる
412八岐(やまた)大蛇(をろち)醜神(しこがみ)
413言向和(ことむけやは)大神(おほかみ)
414()さし(たま)ひし神業(しんげふ)
415完全(うまら)委曲(つばら)(つく)()
416一日(ひとひ)(はや)復命(かへりごと)
417(まを)させ(たま)惟神(かむながら)
418(かみ)御前(みまへ)()ぎまつる
419(あさひ)()(とも)(くも)るとも
420(つき)()(とも)()くるとも
421仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
422(まこと)(ちから)()(すく)
423(まこと)(ひと)つは神界(しんかい)
424唯一(ゆゐいつ)(たから)生命(せいめい)
425(すめ)大神(おほかみ)()(あい)
426(その)神格(しんかく)理解(りかい)して
427(かみ)御前(みまへ)善徳(ぜんとく)
428()(かたはら)()(ひと)
429(あまね)(あい)(みちび)きて
430(かみ)(つかさ)本分(ほんぶん)
431()げさせ(たま)五十子(いそこ)(ひめ)
432イソの(やかた)(つと)めつつ
433(わが)()(きみ)()(みこと)
434(その)一行(いつかう)成功(せいこう)
435()もたなしらに(いの)るべし
436いざいざさらばいざさらば
437(いさ)(すす)んで()でませよ
438(わらは)はこれより河鹿山(かじかやま)
439(ゆき)()()けてやうやうに
440イソの(やかた)()(かへ)
441(すめ)大神(おほかみ)(この)さまを
442完全(うまら)委曲(つばら)奏上(そうじやう)
443(もも)(つかさ)真心(まごころ)
444()らさず(おと)さず大前(おほまへ)
445(まを)()げなむいざさらば
446明日(あす)はお(わか)(まを)します
447(いづ)れも無事(ぶじ)でお達者(たつしや)
448(かみ)(めぐみ)(さち)あれや
449(ひとへ)(いの)(たてまつ)
450あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
451御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
452 今子姫(いまこひめ)(また)(うた)ふ。
453今子姫(あさひ)()(とも)(くも)るとも
454(つき)()(とも)()くる(とも)
455仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)(とも)
456(かみ)(めぐみ)永久(とこしへ)
457(かは)らせ(たま)(こと)あらじ
458(そもそ)(かみ)()(なか)
459(つく)(たま)ひし目的(もくてき)
460地上(ちじやう)()める蒼生(さうせい)
461一人(ひとり)(のこ)さず天国(てんごく)
462(すく)はむ(ため)(おん)仕組(しぐみ)
463天国(てんごく)浄土(じやうど)団体(だんたい)
464ますます(きよ)円満(ゑんまん)
465(ひら)かせ(たま)神国(しんこく)
466永遠(ゑいゑん)無窮(むきう)建設(けんせつ)
467(もも)神人(かみびと)(よろこ)びて
468常世(とこよ)(はる)(さか)えをば
469(きた)さむ(ため)()経綸(けいりん)
470(われ)()(ひと)(うま)()
471深甚(しんじん)美妙(びめう)神徳(しんとく)
472ひたり(なが)らも体欲(たいよく)
473いつとはなしに(くらま)され
474至粋(しすゐ)至純(しじゆん)神霊(しんれい)
475(けが)しゐるこそはかなけれ
476(すめ)大神(おほかみ)吾々(われわれ)
477(くも)れる(みたま)(あは)れみて
478高天原(たかあまはら)より(くだ)りまし
479ウブスナ(やま)(その)(ほか)
480聖地(せいち)()りて神柱(かむばしら)
481()てさせ(たま)(うつ)()
482暗黒(あんこく)無明(むみやう)世界(せかい)をば
483()らさせ(たま)有難(ありがた)
484(すめ)大神(おほかみ)神言(みこと)もて
485五十子(いそこ)(ひめ)侍女(じぢよ)となり
486メソポタミヤの天恩郷(てんおんきやう)
487(その)(ほか)(もも)国々(くにぐに)
488()めぐり(かみ)福音(ふくいん)
489(あま)(たい)した(あやま)ちも
490(きた)さず(やうや)使命(しめい)をへ
491イソの(やかた)相召(あひめ)され
492(たふと)(かみ)大前(おほまへ)
493(つか)ふる()とはなりにけり
494ハルナの(みやこ)曲津身(まがつみ)
495征服(せいふく)せむと()でましし
496玉国別(たまくにわけ)遭難(さうなん)
497介抱(かいほう)せむと神勅(しんちよく)
498(かたじけ)なみて五十子(いそこ)(ひめ)
499みあとに(したが)()()れば
500(おも)()けなき()負傷(ふしやう)
501(いち)()(むね)(とどろ)きて
502(うれ)(なや)みゐたりしが
503(かみ)仕組(しぐみ)のいや(ふか)
504かかる(あん)じもあら(なみだ)
505(なが)せし(こと)(はづ)かしさ
506百日(ももか)百夜(ももよ)無事(ぶじ)()
507(ここ)(たふと)皇神(すめかみ)
508(みづ)御舎(みあらか)()(をは)
509国治立(くにはるたち)大神(おほかみ)
510(つき)大神(おほかみ)()御神(みかみ)
511大国彦(おほくにひこ)(かみ)(さま)
512(その)(ほか)(もも)神々(かみがみ)
513(いつ)きまつりて三五(あななひ)
514(をしへ)(みち)御光(みひかり)
515()らさせ(たま)今日(けふ)(よひ)
516あくれば立春(りつしゆん)初春(はつはる)
517天津光(あまつひかり)をうけ(なが)
518玉国別(たまくにわけ)(みち)(ため)
519(みなみ)()して鹿島立(かしまだ)
520(わらは)(きみ)諸共(もろとも)
521(ゆき)()()けて河鹿山(かじかやま)
522(かぜ)()かれつ(はる)()
523(かしら)にいただきいそいそと
524(いさ)みて(かへ)るイソ(やかた)
525(すめ)大神(おほかみ)(おん)(まへ)
526(この)有様(ありさま)をまつぶさに
527復命(かへりごと)する(たの)しさよ
528(あさひ)()るとも(くも)(とも)
529(つき)()つとも()くる(とも)
530(すめ)大神(おほかみ)御恵(みめぐみ)
531千代(ちよ)八千代(やちよ)永久(とこしへ)
532(かは)らせ(たま)(こと)あらじ
533玉国別(たまくにわけ)百人(ももびと)
534(いさ)(すす)んで(つき)(くに)
535ハルナの(みやこ)()ふも(さら)
536七千(しちせん)余国(よこく)国々(くにぐに)
537(わだか)まりたる曲神(まがかみ)
538(いづ)言霊(ことたま)打出(うちい)だし
539言向和(ことむけやは)神国(しんこく)
540(この)()(うへ)永久(とこしへ)
541()てさせ(たま)惟神(かむながら)
542(かみ)御前(みまへ)今子姫(いまこひめ)
543(つつし)(うやま)()ぎまつる
544あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
545御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
546 道公(みちこう)(また)(うた)ふ。
547道公(ほこら)(もり)宮柱(みやばしら)
548(ふと)しく()てて永久(とこしへ)
549(しづ)まりいます皇神(すめかみ)
550御前(みまへ)(つつし)()(まつ)
551(すめ)大神(おほかみ)(おん)(みち)
552四方(よも)(つた)ふる道公(みちこう)
553玉国別(たまくにわけ)()(きみ)
554(したが)ひまつり(つき)(くに)
555(その)(ほか)(もも)国々(くにぐに)
556威猛(ゐたけ)(くる)曲神(まがかみ)
557(かみ)(ちから)(かうむ)りて
558言向和(ことむけやは)神国(しんこく)
559(きよ)(をしへ)()()きて
560(かみ)御前(みまへ)復命(かへりごと)
561(つか)(まつ)らむ(わが)(こころ)
562(うべな)(たま)惟神(かむながら)
563(かみ)御前(みまへ)道公(みちこう)
564真心(まごころ)こめて()ぎまつる
565五十子(いそこ)(ひめ)今子姫(いまこひめ)
566(なれ)(みこと)はイソ(やかた)
567いと安々(やすやす)(かへ)りまし
568(すめ)大神(おほかみ)(おん)(まへ)
569(この)有様(ありさま)詳細(まつぶさ)
570()らせ(たま)ひて()(きみ)
571(われ)()一行(いつかう)()(うへ)
572(ふか)(まも)らせ(たま)ふべく
573(いの)らせ(たま)道公(みちこう)
574(わが)()(きみ)(したが)ひて
575(わが)()(くだ)(わが)(ほね)
576(こな)にするとも(いと)ひなく
577(まも)(まつ)らむ心安(うらやす)
578(かへ)らせ(たま)惟神(かむながら)
579(かみ)御前(みまへ)()ぎまつる』
580(うた)つて五十子(いそこ)(ひめ)(わか)れを()げた。581五十子(いそこ)(ひめ)(たちま)神懸(かむがかり)状態(じやうたい)となつた。582かからせ(たま)(かみ)国照姫(くにてるひめの)(みこと)なりけり。
583国照姫(くにてるひめ)皇神(すめかみ)神言(みこと)(かしこ)御舎(みあらか)
584(つか)(まつ)りし(ひと)(たふと)き。
585玉国別(たまくにわけ)(かみ)(みこと)(なや)みたる
586()のはれたるも(かみ)(めぐみ)ぞ。
587大神(おほかみ)(つく)(まこと)(あら)はれて
588(ふたたび)(もと)(まなこ)とぞなれる。
589道公(みちこう)()道彦(みちひこ)(あらた)めて
590玉国別(たまくにわけ)(したが)ひて()け。
591伊太公(いたこう)伊太彦(いたひこ)(つかさ)()(たま)
592(まが)きたへむと(つき)()でませ。
593純公(すみこう)真純(ますみ)(ひこ)(あらた)めて
594(かみ)(をしへ)四方(よも)(つた)へよ。
595晴公(はるこう)道晴別(みちはるわけ)()()へて
596治国別(はるくにわけ)(あと)()()け』
597玉国別(たまくにわけ)有難(ありがた)し、国照姫(くにてるひめ)(みことのり)
598(うなじ)にうけて(すす)()かなむ』
599道彦(みちひこ)()(たま)(くも)りはてたる道公(みちこう)
600()(たま)ひたる(こと)(うれ)しさ。
601大神(おほかみ)(めぐみ)はいつか(わす)るべき
602(こころ)()をも(ささ)(つく)さむ』
603伊太彦(いたひこ)(やみ)()にいたけり(くる)曲神(まがかみ)
604言向和(ことむけやは)さむ伊太彦(いたひこ)(つかさ)は』
605道晴別(みちはるわけ)治国別(はるくにわけ)(かみ)(みこと)(したが)ひて
606(かへ)りて()れば道晴別(みちはるわけ)となりぬ』
607今子姫(いまこひめ)国照姫(くにてるひめ)、かからせ(たま)五十子(いそこ)(ひめ)
608(なれ)(まこと)(かみ)にいませし。
609(うる)はしき(たふと)(かみ)生宮(いきみや)
610(つか)(まつ)りしわれぞ(うれ)しき』
611珍彦(うづひこ)皇神(すめかみ)(みづ)御舎(みあらか)(そば)(ちか)
612(つか)ふる()れを(まも)らせ(たま)へ』
613静子(しづこ)()(きみ)(みや)(つかさ)となりましぬ
614(まも)らせ(たま)国照姫(くにてるひめ)(かみ)
615(かへで)(ちち)(いま)(かみ)(つかさ)となりましぬ
616(はは)(われ)()(まも)らせ(たま)へ。
617国照姫(くにてるひめ)(かみ)(みこと)御教(みをしへ)
618(かた)(まも)りて(つか)へまつらむ』
619国照姫(くにてるひめ)『いざさらば、(かみ)宮居(みやゐ)(つつが)なく
620()りたる(うへ)(あめ)(かへ)らむ』
621(うた)(たま)ひ、622神上(かむあ)がり(たま)へば、623五十子(いそこ)(ひめ)(もと)肉体(にくたい)(かへ)りける。
624五十子(いそこ)(ひめ)『いざさらば(わが)()(きみ)(つつが)なく
625(かみ)(あふ)せをとげさせ(たま)へ。
626五十子(いそこ)(ひめ)イソの(やかた)にあるとても
627(みたま)(きよ)(きみ)御側(みそば)に』
628玉国別(たまくにわけ)玉国別(たまくにわけ)(かみ)(みこと)真心(まごころ)
629(ちから)となして(かみ)(つか)へよ』
630 かく(たがひ)(うた)をよみかはし(なが)ら、631大神(おほかみ)御前(みまへ)(うやうや)しく拝礼(はいれい)し、632前途(ぜんと)光明(くわうみやう)(いの)(なが)珍彦(うづひこ)633静子(しづこ)634(かへで)(その)(ほか)バラモン(ぐみ)(ろく)(にん)役員(やくゐん)熱心(ねつしん)信者(しんじや)後事(こうじ)(たく)し、635玉国別(たまくにわけ)道晴別(みちはるわけ)636真純彦(ますみひこ)637伊太彦(いたひこ)638道彦(みちひこ)(とも)宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)ら、639(いさぎよ)河鹿(かじか)(たうげ)を、640初春(はつはる)()(ひかり)()びて(くだ)()く。
641大正一二・一・一六 旧一一・一一・三〇 松村真澄録)

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