霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第一四章 大妨言(だいばうげん)〔一二八八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第49巻 真善美愛 子の巻 篇:第3篇 暁山の妖雲 よみ(新仮名遣い):ぎょうざんのよううん
章:第14章 大妨言 よみ(新仮名遣い):だいぼうげん 通し章番号:1288
口述日:1923(大正12)年01月18日(旧12月2日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年11月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫の居間に招かれたお寅と魔我彦は、三角形に座を占め、高姫の説教に耳を傾けている。高姫は魔我彦とお寅の師匠筋に当たることを盾にして、二人を祠の森に留めておこうとする。
しかし魔我彦は小北山でウラナイ教の守護神が悪狐であること知ってしまったため、高姫の言うことを聞こうとしない。お寅も、自分は治国別の弟子だからとイソ館参拝を譲らない。
高姫との押し問答の末、お寅は怒って魔我彦を伴い表に走り出して出て行ってしまった。高姫はイソ館へ行かれないようにと、ヨル、ハル、テルを呼ばわって二人を捕まえさせようとする。
しかしヨルも、信者を本山に参らせまいとする高姫のやり方を批判し始めた。そして、高姫が祠の森でやっていることをお寅・魔我彦と一緒にイソ館に注進に行くと言って走って行ってしまった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-06-27 09:05:51 OBC :rm4914
愛善世界社版:200頁 八幡書店版:第9輯 105頁 修補版: 校定版:206頁 普及版:93頁 初版: ページ備考:
001 高姫(たかひめ)居間(ゐま)には高姫(たかひめ)002(とら)003魔我彦(まがひこ)(さん)(にん)三角形(さんかくけい)()()め、004高姫(たかひめ)説教(せつけう)(みみ)をかたげて()いて()る。
005高姫(たかひめ)魔我彦(まがひこ)さま、006(まへ)はイソの(やかた)(まゐ)るのも結構(けつこう)だ。007(けつ)してとめは(いた)さぬが、008まだお(まへ)(やう)(こと)到底(たうてい)イソの(やかた)()つても赤恥(あかはぢ)をかく(やう)なものだから、009(この)高姫(たかひめ)(これ)から()つても差支(さしつかへ)ないと()(ところ)(まで)義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)()説教(せつけう)()いて(その)(うへ)にしなさい』
010魔我(まが)『それは有難(ありがた)(ござ)りますが、011さうグヅグヅして()れませぬ。012何程(なにほど)貴女(あなた)(えら)くてもヤツパリ(もと)(もと)ですからな。013(わたし)(ほこら)(もり)参拝(さんぱい)するつもりで()たのぢやありませぬ。014松姫(まつひめ)さまに(ゆる)されてイソの(やかた)直接(ちよくせつ)(をしへ)()(こと)(いた)して()ましたから、015今夜(こんや)()世話(せわ)になるとしても是非(ぜひ)明日(みやうにち)はイソの(やかた)(ひやく)(にち)ばかり修業(しうげふ)()つて(まゐ)ります』
016高姫(たかひめ)『これ魔我彦(まがひこ)017(まへ)チツと慢心(まんしん)してはゐないかな。018何程(なにほど)松姫(まつひめ)さまがイソの(やかた)()けと仰有(おつしや)つても神力(しんりき)のない(もの)()うして()けますかね。019(まへ)(もと)高姫(たかひめ)弟子(でし)だつた(こと)(たれ)()らぬ(もの)はありませぬよ。020(まへ)(やう)修業(しうげふ)()らぬ(ひと)がイソの(やかた)()つて御覧(ごらん)021高姫(たかひめ)もあんな(わか)らぬものを弟子(でし)にして()つたかと(おも)はれちやお(まへ)ばかりの(はぢ)ぢやありませぬぞえ。022(たちま)ちこの高姫(たかひめ)(はぢ)になります。023それで此処(ここ)充分(じゆうぶん)修業(しうげふ)して義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)からお(ゆる)しを()けたらイソの(やかた)()つても(よろ)しい』
024魔我(まが)『それなら、025何日(なんにち)ばかり此処(ここ)にお世話(せわ)になつたら(よろ)しいでせうかな』
026高姫(たかひめ)『さうだな、027まア(はや)くて(ひやく)(にち)028おそくて二百(にひやく)(にち)だらうかいな』
029魔我(まが)『さう(なが)らく()(わけ)にや()きませぬ。030往復(わうふく)日数(につすう)(くは)へて(ひやく)(にち)(あひだ)(ひま)(いただ)いて()たのですから、031こんな(ところ)(ひやく)(にち)()らうものならイソ(やかた)(まゐ)(こと)出来(でき)ぬぢやありませぬか。032それでは松姫(まつひめ)さまに(うそ)をついた(こと)になりますから、033()(かく)明日(あす)はお(とら)さまと参拝(さんぱい)して()ます』
034高姫(たかひめ)仮令(たとへ)(ひやく)(にち)かからうと二百(にひやく)(にち)かからうと聖地(せいち)(のぼ)(だけ)(とく)がつかねば如何(どう)して()けるものか。035(わし)もお(まへ)大切(たいせつ)(おも)へばこそ()うして()をつけるのだよ。036よう(かんが)へて御覧(ごらん)なさい。037中有界(ちううかい)(まよ)ふてゐる八衢(やちまた)人足(にんそく)身魂(みたま)何程(なにほど)天国(てんごく)(のぞ)かうと(おも)つてもまばゆいばつかりで(かへつ)(くる)しいものだ、038(つら)(さら)されて()げて(かへ)つて()ねばなりませぬぞや。039チツと此処(ここ)義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)筆先(ふでさき)(いただ)いて身魂(みたま)因縁(いんねん)をよく調(しら)べて(まゐ)れる資格(しかく)があればお(まゐ)りなさい。040(なに)()もあれ身魂研(みたまみが)きが肝腎(かんじん)だからな』
041魔我(まが)高姫(たかひめ)さま、042義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)(わたし)ぢやなかつたのですか』
043高姫(たかひめ)『さうぢや、044(しばら)くお(まへ)表向(おもてむ)き、045さう()はしてあつたのだが、046何時(いつ)(まで)()()ちきりには(いた)させませぬぞや。047(まこと)日出(ひのでの)(かみ)(この)高姫(たかひめ)ですよ。048ヘン……()みませぬな』
049魔我(まが)身魂(みたま)因縁(いんねん)だとか、050義理(ぎり)天上(てんじやう)だとか、051日出(ひのでの)(かみ)だとか、052(わたし)はもうこりこりしました。053小北山(こぎたやま)松彦(まつひこ)さまが()えて、054(なに)もかもサツパリ()けが(あら)はれて(しま)つただもの、055義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)()つてるのは金毛(きんまう)九尾(きうび)家来(けらい)(おほ)きな黒狐(くろぎつね)ですよ。056(まへ)もヤツパリ(その)黒狐(くろぎつね)(よろこ)んで(たてまつ)つてゐるのですか』
057高姫(たかひめ)『これ魔我(まが)058そりや(なん)()(だい)それた(こと)()ふのだい。059勿体(もつたい)なくも日出(ひのでの)(かみ)(さま)(きつね)(など)馬鹿(ばか)にしなさるな。060(まへ)(はら)(なか)曲津(まがつ)()んでゐるのだらう。061それがそんな(こと)()せたのだ。062それでマガ(ひこ)(かみ)(さま)()をおつけ(あそ)ばしたのだよ。063左様(さやう)(こと)(まを)すなら(なん)()つてもイソの(やかた)へはやりませぬぞや』
064魔我(まが)『お(とら)さま、065如何(どう)しませうかな。066高姫(たかひめ)さまがあんな(こと)()ひますがなア』
067(とら)高姫(たかひめ)さまが(なん)仰有(おつしや)つても(わたし)治国別(はるくにわけ)(さま)から手紙(てがみ)(いただ)いて()たのだから()(じや)でもイソ(やかた)(まゐ)八島主(やしまぬし)(さま)(この)手紙(てがみ)手渡(てわた)しし(いや)でも(おう)でも立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)となつて(かへ)らねばなりませぬ。068(まへ)此処(ここ)修行(しうぎやう)()たのではない。069(この)(とら)付添(つきそひ)だから如何(どう)しても()(もら)はねばなりませぬ。070高姫(たかひめ)さま、071(わたし)魔我彦(まがひこ)()れて()きますから(また)()世話(せわ)になります。072今度(こんど)如何(どう)しても()れて()かねばなりませぬ』
073高姫(たかひめ)『これお(とら)さまとやら、074(まへ)さまは治国別(はるくにわけ)とやらに添書(てんしよ)(もら)つてイソの(やかた)へおいでるのかい。075そりや()いたが(よろ)しからうぞや。076()ふとすまぬがお(まへ)はまだそれ()けの資格(しかく)(そな)はつて()らぬ。077治国別(はるくにわけ)なんて偉相(えらさう)()つてるが、078彼奴(あいつ)(もと)はウラル(けう)亀公(かめこう)ぢやないか。079そんな(やつ)手紙(てがみ)()いた(ところ)が……ヘン(なに)080八島主(やしまぬし)(さま)がお受取(うけと)(あそ)ばすものか。081(わる)(こと)(けつ)して(まを)しませぬ、082(この)日出(ひのでの)(かみ)(まを)(やう)になさつたが(よろ)しからうぞや』
083(とら)治国別(はるくにわけ)(さま)立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)ぢや(ござ)りませぬか。084さうして第一(だいいち)天国(てんごく)(まで)調(しら)べになつた結構(けつこう)なお(かた)ですよ。085(その)(かた)から手紙(てがみ)(くだ)さつたのだから八島主(やしまぬし)(さま)がお受取(うけと)りなさらぬ道理(だうり)がありますか。086(わたし)(なん)仰有(おつしや)つても(まゐ)ります』
087高姫(たかひめ)『ヘン、088偉相(えらさう)に、089(かめ)野郎(やらう)090第一(だいいち)天国(てんごく)()つて()(など)と、091そんな(こと)如何(どう)してあるものか。092彼奴(あいつ)(しこ)岩窟(いはや)井戸(ゐど)這入(はい)つてドン(がめ)(やう)(くる)しんでゐた(をとこ)だ。093そして自転倒(おのころ)(じま)(わた)英子姫(ひでこひめ)094悦子姫(よしこひめ)(など)(をんな)(たち)家来(けらい)になつた(をとこ)ですよ。095(とら)さま、096そんな(をとこ)手紙(てがみ)(もら)つて(なに)になりますか。097それよりも義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)(さま)(をしへ)()けて(その)(うへ)でイソの(やかた)へおいでなさい。098さうしたら屹度(きつと)八島主(やしまぬし)面会(めんくわい)してくれるでせう』
099(とら)『はい、100()親切(しんせつ)有難(ありがた)(ござ)りますが(なん)仰有(おつしや)つて(くだ)さつても、101(わたし)(おも)()つたのだから(まゐ)ります。102そして貴女(あなた)(さま)弟子(でし)ぢやあ(ござ)いませぬ。103治国別(はるくにわけ)直々(ぢきぢき)のお弟子(でし)になつたので(ござ)ります。104おとめ(くだ)さるのは(うれ)しう(ござ)りますが、105仮令(たとへ)イソの(やかた)赤恥(あかはぢ)をかいても是非(ぜひ)()つて(まゐ)ります。106いかいお世話(せわ)になりました。107さア魔我彦(まがひこ)108()きませうぞや』
109魔我(まが)高姫(たかひめ)さま、110折角(せつかく)()親切(しんせつ)仰有(おつしや)つて(くだ)さいましたけど、111今度(こんど)はお(とら)さまの付添(つきそひ)ですから是非(ぜひ)(まゐ)つて()ます』
112高姫(たかひめ)(なん)()つてもやらさぬと()つたら、113やらしやせぬぞや。114(この)(ほこら)(もり)にお(みや)さまを()てて高姫(たかひめ)(ばん)をさして(ござ)るのは(なん)とお(かんが)へで(ござ)る。115大神(おほかみ)(さま)高姫(たかひめ)()神力(しんりき)()信認(しんにん)(あそ)ばし、116(まへ)一方口(いつぱうくち)(ほこら)(もり)()つてよく身魂(みたま)調(しら)べ、117よく(みが)けぬ(もの)(いち)(ねん)でも聖地(せいち)へよこすでないぞよ。118(けが)れた(もの)聖地(せいち)(まゐ)つたら天変(てんぺん)地異(ちい)勃発(ぼつぱつ)聖地(せいち)(けが)れるから、119よく調(しら)べよと大神(おほかみ)(さま)()言葉(ことば)120それで遥々(はるばる)此処(ここ)(まで)(まゐ)つて身魂調(みたましら)べをしてをるのだ。121何程(なにほど)(とら)さまが治国別(はるくにわけ)手紙(てがみ)()つて()つても(この)関所(せきしよ)(みと)めがなくては、122駄目(だめ)ですよ。123(まへ)一人(ひとり)()めに三千(さんぜん)世界(せかい)大難儀(だいなんぎ)になつたら如何(どう)しますか。124よい(とし)をして()つてチツとは(かんが)へてもよさそうなものぢやありませぬかい。125魔我彦(まがひこ)だつてそれ(くらゐ)道理(だうり)(わか)つてゐさうなものぢやないか。126(これ)(わか)らぬ(やう)低脳児(ていなうじ)なら、127(てい)よう()なつと()んで()んだがよいぞや。128もう高姫(たかひめ)も、129如何(どう)しても()(こと)()かぬなら魔我彦(まがひこ)師弟(してい)(えん)をきるが如何(どう)だい』
130魔我(まが)『お(まへ)さまに、131師弟(してい)(えん)をきられたつてチツとも痛痒(つうよう)(かん)じませぬ。132(わたし)松彦(まつひこ)さまの弟子(でし)にして(もら)つたのだから忠臣(ちうしん)二君(にくん)(つか)へずと()つてお(まへ)さまにお世話(せわ)にならうとは(おも)ひませぬ。133何卒(どうぞ)()つといて(くだ)さい』
134高姫(たかひめ)『エーエ、135相変(あひかは)らずの没分暁漢(わからずや)だな。136(まへ)もここ(まで)になつたのは(たれ)のお(かげ)だと(おも)つてるのだい。137(みな)この高姫(たかひめ)のウラナイ(けう)(きた)()げられたのぢやないか。138(ことわざ)にも()(かげ)三尺(さんじやく)(へだ)てて()まずと()ふぢやないか。139たとへ(いち)(ねん)でも(をしへ)をうけたら師匠(ししやう)(ちが)ひない。140師匠(ししやう)(おん)(わす)れるのは畜生(ちくしやう)同然(どうぜん)だぞえ』
141魔我(まが)畜生(ちくしやう)()はれてもチツとも(かま)ひませぬわ。142貴方(あなた)だつて偉相(えらさう)義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)とすまし()んで(ござ)るが、143ヤツパリ守護神(しゆごじん)(ごふ)()黒狐(くろぎつね)ぢやありませぬか。144何程(なにほど)偉相(えらさう)()つても小北山(こぎたやま)()神殿(しんでん)でチヤンと審神(さには)がしてあるから……お()(どく)さまだ……そんな(こと)仰有(おつしや)るとお(まへ)守護神(しゆごじん)はこれこれだと(いま)ここでスツパぬきませうか』
145高姫(たかひめ)『エーエ(わか)らぬ(をとこ)だな。146どうなつと勝手(かつて)にしたがよい。147あとで吠面(ほえづら)かはかぬ(やう)にしたがよいわ。148(あと)になつて高姫(たかひめ)()(こと)()いておいたらよかつたのに……と()つてヂリヂリ()ひしても(あと)後悔(こうくわい)()()はぬぞや。149(かみ)()をつける(あひだ)()づかぬと何事(なにごと)があるや()らぬぞよ。150何事(なにごと)(かみ)不足(ふそく)(まを)して(くだ)さるな。151大橋(おほはし)()えてまだ(さき)行衛(ゆくゑ)(わか)らぬ後戻(あともど)り、152慢心(まんしん)すると(その)(とほ)りと変性(へんじやう)男子(なんし)のお(ふで)()てゐませうがな。153(この)(ほこら)(もり)世界(せかい)大門(おほもん)とも大橋(おほはし)とも()ふべき(ところ)だ。154大門開(おほもんびら)きも出来(でき)身魂(みたま)(もつ)十里(じふり)四方(しはう)(みや)(うち)155イソの(やかた)()かうとは……オホヽヽヽヽ(むか)()ずにも(ほど)がある。156(めくら)(へび)(おぢ)ずとは、157よくも()つたものだ。158魔我彦(まがひこ)さま、159(これ)でも()くなら()つて()よれ。160()まひが()るぞや。161神罰(しんばつ)(あた)つて大地(だいち)(かはづ)をぶつつけた(やう)にフン()びん(やう)にしなさいや。162(これ)()高姫(たかひめ)()をつけるのに、163如何(どう)しても意地(いぢ)(わる)東助(とうすけ)()る……ウヽヽウンとドツコイ……意地(いぢ)(わる)い、164……どうしても()くのかい。165(あと)()りませぬぞや。166アーア高姫(たかひめ)さまが親切(しんせつ)仰有(おつしや)つて(くだ)さつたのに、167あの(とき)168()()らなけれや、169こんな(こと)はなかつたらうにと(まめ)(やう)(なみだ)(こぼ)して(なげ)いても(あと)(まつり)170(なみ)()られた(おき)(ふね)171とりつく(しま)()くなつてから、172高姫(たかひめ)さま、173何卒(どうぞ)(たす)けて(くだ)さい」と(すが)りて()ても義理(ぎり)天上(てんじやう)()出神(でのかみ)()()みはありませぬぞや。174()くなら()くでよいからトツクリと(こころ)相談(さうだん)をして、175うせるがよからう、176エツヘヽヽヽヽ』
177魔我彦(まがひこ)(なん)とマア相変(あひかは)らず達者(たつしや)(くち)ですこと。178そんな(こと)()はれると(なん)だか幸先(さいさき)()られた(やう)で、179気分(きぶん)(わる)くなつて()た。180なアお(とら)さま、181どうしませう』
182(とら)()勝手(かつて)になさいませ。183(この)(とら)一旦(いつたん)()ひかけたら(あと)へは()かぬ女丈夫(ぢよぢやうぶ)だ。184(はじ)めから一人(ひとり)(まゐ)(つも)りだつたが、185(まへ)がお(とも)さして()れえと()つたから、186()れて()たのだよ。187高姫(たかひめ)さまの(した)にちよろまかされてお神徳(かげ)(おと)さうと勝手(かつて)になさいませ。188(わたし)(なん)()つても()くと()つたら()きますぞや。189(をんな)一心(いつしん)(いは)でも()()くと()つて、190つき()いて()せてやりますぞや』
191高姫(たかひめ)『これお(とら)さま、192(けつ)して高姫(たかひめ)(わる)(こと)(まを)しませぬ。193何卒(どうぞ)マアお(はら)()ちませうが、194トツクリと(むね)()をあてて(かんが)へて御覧(ごらん)なさいませ。195(ほこら)(もり)(ゆる)しがなくちや折角(せつかく)遥々(はるばる)遠方(ゑんぱう)()つても、196(はぢ)をかかねばならぬから(わたし)親切(しんせつ)忠告(ちうこく)するのですよ』
197(とら)(なん)()つて(くだ)さつても(わたし)(まゐ)ります。198治国別(はるくにわけ)(さま)から(ほこら)(もり)高姫(たかひめ)さまに(ゆる)しを()()けとは()いて()りませぬ。199もしもイソの(やかた)()つて高姫(たかひめ)さまの(ゆる)しがないから受付(うけつ)けぬと()はれたら、200(かへ)つて()ます。201(その)(とき)(また)(よろ)しうお(ねが)ひします』
202高姫(たかひめ)(かみ)(まを)(とき)()かねば(かみ)(あと)になりてから、203何程(なにほど)ジタバタ(いた)してもお(わび)(まを)しても、204そんな(こと)205取上(とりあ)げて()りたらきりがないからあかぬぞよ……とお(ふで)()()りますぞや。206高姫(たかひめ)承諾(しようだく)なしに()くなら()つて御覧(ごらん)207夜食(やしよく)(はづ)れた梟鳥(ふくろどり)208アフンと(いた)して()つかしいお(かほ)をなさるのが()出神(でのかみ)()(どく)なから()をつけますのだ。209ヘン、210どうなつとお(まへ)さまの()神徳(しんとく)は……えらいものだからなさいませ。211(この)()出神(でのかみ)(ちやう)()りますぞや。212(ちやう)()られたら何程(なにほど)地団太(ぢだんだ)()んでも(たす)かりませぬぞや』
213(とら)『お(まへ)さまに(ちやう)()られたつて、214(わたし)大神(おほかみ)(さま)から(ちやう)()られなければ一寸(ちよつと)(かま)ひませぬワ』
215高姫(たかひめ)何処(どこ)(まで)(わか)らぬ(ひと)だな。216アーア一人(ひとり)人民(じんみん)改心(かいしん)させようと(おも)へば(かみ)(ほね)()れる(こと)だわい。217大国常立(おほくにとこたちの)(みこと)片腕(かたうで)とおなり(あそ)ばす()出神(でのかみ)()(こと)()かずに如何(どう)して思惑(おもわく)()ちませうぞ。218阿呆(あはう)につける(くすり)がないとはよく()つたものだ。219(えん)なき衆生(しゆじやう)()(がた)しかな。220本当(ほんたう)()(がた)代物(しろもの)ばつかりだ』
221 お(とら)はムツとして高姫(たかひめ)をグツと(にら)みつけ(すこ)しく(こゑ)(とが)らして、
222(とら)『これ高姫(たかひめ)さま、223()(がた)人物(じんぶつ)だとは(なん)()口巾(くちはば)(ひら)たい(こと)仰有(おつしや)る、224(この)(とら)()()えても(わか)(とき)から浮木(うきき)(さと)女侠客(をんなけふかく)丑寅(うしとら)(ばば)()(をんな)ですよ。225(おに)でも取挫(とりひし)(ばば)だ。226それが大神(おほかみ)(さま)御意(ぎよい)(かな)ふて(いま)宣伝使(せんでんし)修行(しうぎやう)(まゐ)途中(とちう)227(まへ)(わたし)修業(しうげふ)妨害(ばうがい)(いた)(かんが)へだな、228(まへ)義理(ぎり)天上(てんじやう)()出神(でのかみ)()つて()られるが、229()出神(でのかみ)がそんな(わけ)(わか)らぬ(こと)仰有(おつしや)いますか。230何程(なにほど)(まへ)(えら)くともイソの(やかた)八島主(やしまぬし)さまには(かな)ひますまい。231(わたし)仮令(たとへ)神罰(しんばつ)(あた)つても貴方(あなた)(やう)無理(むり)()(かた)には(をしへ)()けませぬ。232()つといて(くだ)さい。233さア魔我(まが)ヤン、234()きませう、235こんな気違(きちがひ)じみた(かた)(かま)ふて()つちや(たま)りませぬわ』
236高姫(たかひめ)『これお(とら)さま、237()つてお()めはしませぬが、238(かみ)(さま)順序(じゆんじよ)ですよ。239順序(じゆんじよ)(みだ)したら(まこと)(みち)(つぶ)れますから、240それを()承知(しようち)ならおいでなさい。241何事(なにごと)順序(じゆんじよ)手続(てつづ)きが必要(ひつえう)(ござ)りますから……』
242(とら)『ハイ、243()親切(しんせつ)有難(ありがた)(ござ)ります。244(わたし)治国別(はるくにわけ)(さま)手続(てつづ)きをして(いただ)順序(じゆんじよ)()んでイソの(やかた)(まゐ)るのです。245(まへ)さまはイソの(やかた)から命令(めいれい)()けて()たのぢやありますまいがな。246珍彦(うづひこ)(さま)此処(ここ)神司(かむづかさ)となつて(をさ)めなさらなならぬ(ところ)だのに、247(まへ)さまから順序(じゆんじよ)(やぶ)つて勝手(かつて)義理(ぎり)天上(てんじやう)()出神(でのかみ)だと仰有(おつしや)つて(この)(あたら)しいお(やかた)占領(せんりやう)して(ござ)るのだらう。248(いま)(わたし)耳許(みみもと)守護神(しゆごじん)(ささや)きましたよ。249(まへ)さまは(この)(とら)がイソの(やかた)(まゐ)ると()けが(あら)はれるものだから、250(なん)とか()つてお()めなさるのだらうが、251(わたし)苦労人(くらうにん)だから、252(ひと)(わる)(こと)(まを)しませぬから()安心(あんしん)なさいませ。253守護神(しゆごじん)(ささや)(ところ)()くと、254(まへ)さまは大山子(おほやまこ)()つてイソの(やかた)(まゐ)宣伝使(せんでんし)信者(しんじや)(みな)(まへ)さまのものにする(かんが)へだ。255()はば(てん)(ぞく)同様(どうやう)だ。256チツと改心(かいしん)なされ。257(あく)(なが)(つづ)きませぬぞや。258さあさあ魔我(まが)ヤン、259こんな(ところ)(なが)()つても駄目(だめ)ですよ。260さあさあ(はや)()きませう』
261高姫(たかひめ)『こんな(ところ)とは、262……(なん)()(こと)()ひなさる。263勿体(もつたい)なくも国治立(くにはるたち)大神(おほかみ)(さま)264()大神(おほかみ)(さま)265(つき)大神(おほかみ)(さま)266大自在天(だいじざいてん)大国彦(おほくにひこの)(みこと)(さま)(その)(ほか)()神力(しんりき)のある(たふと)(かみ)(さま)(まつ)つてある(この)聖場(せいぢやう)をこんな(ところ)とは……(なに)()ひなさる。267滅多(めつた)(ゆる)しませぬぞや』
268(とら)高姫(たかひめ)さま、269(わたし)(この)(もり)(かみ)(さま)(けつ)して(わる)くは(まを)しませぬ。270こんな(ところ)()つたのは貴方(あなた)(やう)没分暁漢(わからずや)(ござ)居間(ゐま)をさして()つたのですよ。271エーエ(みみ)(けが)れる、272さあ魔我彦(まがひこ)さま、273()かう()かう』
274(はや)くも()つて(おもて)(はし)()く。275高姫(たかひめ)はイソの(やかた)()かれちや大変(たいへん)だと()(いら)ち『ヨル……ハル……テル』と()ばはつてゐる。276ヨル、277ハル、278テルの(さん)(にん)は『ハイ』と(こた)へて此処(ここ)(あつ)まり(きた)り、
279ヨル『高姫(たかひめ)(さま)280イヤ()出神(でのかみ)(さま)281()びになつたのは(なん)御用(ごよう)(ござ)りますか』
282高姫(たかひめ)『お(まへ)(たち)283(なに)をグヅグヅしてゐるのだい。284あの二人(ふたり)連中(れんちう)をトツ(つか)まへて()なさい』
285ヨル『(なん)ぞあの(ひと)(わる)(こと)(いた)しましたかな。286(べつ)(つみ)のない(もの)をトツ(つか)まへる必要(ひつえう)はないぢやありませぬか。287イソの(やかた)(まゐ)らうと仰有(おつしや)るのを()めると()(こと)がありますか。288一人(ひとり)でも本山(ほんざん)へお(まゐ)りする(やう)にお(すす)めするのが(みち)でせう。289それにお(まへ)さまは(なん)とか、290かんとか()つて(まゐ)らせぬ(やう)にするのが不思議(ふしぎ)ですな。291(わたし)だつて一度(いちど)(まゐ)りたいと()へば(なん)とか、292かとか()つて、293()めになる。294どうも貴方(あなた)仰有(おつしや)(こと)()におちませぬわい』
295高姫(たかひめ)勝手(かつて)にしなさい。296もう此処(ここ)には()つて(もら)へませぬ。297さあトツトと()んで(くだ)さい。298()出神(でのかみ)()(こと)一々(いちいち)反対(はんたい)する(ひと)受付(うけつけ)()ても邪魔(じやま)になるからな』
299ヨル『(おほ)きに(はばか)(さま)300(わたし)玉国別(たまくにわけ)(さま)五十子(いそこ)(ひめ)(さま)とのお(ゆる)しを()けて此処(ここ)受付(うけつけ)をしてゐるのですよ。301(けつ)して貴方(あなた)から任命(にんめい)されたのぢやありませぬ。302此処(ここ)(やかた)珍彦(うづひこ)さまの()監督(かんとく)303(まへ)さまのグヅグヅ()(ところ)ではありませぬ。304そんな(こと)()ふとお(とら)さまと魔我彦(まがひこ)さまに()いてイソの(やかた)八島主(やしまぬし)さまの(ところ)()つて一伍(いちぶ)一什(しじふ)報告(はうこく)しますよ。305おいテル、306ハル、307イク、308サール、309(まへ)(たち)()をつけて珍彦(うづひこ)()夫婦(ふうふ)さまや楓姫(かへでひめ)さまをよく()をつけてお(みや)さまを注意(ちゆうい)して(くだ)さい。310(わたし)(これ)から一足(ひとあし)本山(ほんざん)()つて()ますから……』
311()()かうとするを、312高姫(たかひめ)()びかかつて首筋(くびすぢ)をグツと()らへ、
313高姫(たかひめ)『こりやヨル、314()出神(でのかみ)(ゆる)しもなく何処(どこ)()()くのだ』
315ヨル『ヘー、316()つといて(くだ)さい。317(たづ)(まで)もなくイソの(やかた)注進(ちゆうしん)(まゐ)りますわ。318さアお(とら)さま、319魔我彦(まがひこ)さま、320(まゐ)りませう』
321 高姫(たかひめ)仁王立(にわうだ)ちになり真赤(まつか)(かほ)(ふく)らして、322(にぎ)(こぶし)(ちち)(あた)りを、323反身(そりみ)になつて(かは)(がは)()(なが)ら、324ヤツコスが六方(ろくぱう)()(やう)なスタイルで玄関(げんくわん)()ちはだかり、325ドンドン()はせ(なが)ら、
326高姫(たかひめ)『ヤアヤアヤア(さん)(にん)四足(よつあし)(ども)327()出神(でのかみ)命令(めいれい)()かずに()くなら、328サア()つて()よ。329あとで吠面(ほえづら)かはくなよ。330()もない(うち)から義理(ぎり)天上(てんじやう)()出神(でのかみ)()んでくくめる(やう)()をつけておくぞや』
331 お(とら)332魔我彦(まがひこ)333ヨルは(すこ)しも頓着(とんちやく)なく(しり)()かけて急坂(きふはん)(のぼ)()く。
334大正一二・一・一八 旧一一・一二・二 北村隆光録)

王仁三郎が著した「大作」がこれ1冊でわかる!
飯塚弘明・他著『あらすじで読む霊界物語』(文芸社文庫)
絶賛発売中!

目で読むのに疲れたら耳で聴こう!
霊界物語の朗読 ユーチューブに順次アップ中!
霊界物語の音読まとめサイト
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→