霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 高魔腹(たかまはら)〔一二九七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第50巻 真善美愛 丑の巻 篇:第1篇 和光同塵 よみ:わこうどうじん
章:第3章 高魔腹 よみ:たかまはら 通し章番号:1297
口述日:1923(大正12)年01月20日(旧12月4日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年12月7日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
初稚姫は祠の森の神殿に参拝し、遠征の守りを祈願すると高姫の居間へ引き帰した。高姫は遠く従って初稚姫の後ろ姿を打ち眺め、どこともなしにその神格の完備せるに驚き舌を巻いた。
高姫は、初稚姫の神格に感じて心の底より尊敬したが、どことなく恐怖心にもかられ、かつやや嫉妬の念も兆したのである。
高姫の身体にて沈黙していた金毛九尾の悪狐は高姫の嫉妬心が兆したのをさいわい、たちまちささやいた。あの初稚姫は稚桜姫命の再来であれば、到底我々は匹敵できない、師と仰いで共に神業に参加すべきだ、とうまく取り入ってきた。高姫は初稚姫に対する態度を一変した。
初稚姫は、高姫には金毛九尾の悪孤の霊が憑依していることに気づきながらも、もし自分が真相を現せば悪孤は高姫の肉体をたちまち亡ぼすかもしれず、また逃げ出して別の肉体に居住し世の中を惑乱するかもしれない、と洞察した。
そして、少しでも長く高姫の肉体に残留させるように仕向け、しばらくは自分は猫をかぶって交際し、高姫とこの地獄的精霊とを天国に救ってやろうと決心した。
高姫の精霊は、自分は悪神の張本の金毛九尾の悪孤であることを初稚姫に自ら明かした。そして、高姫の肉体にある間に感化されて改心し、悪神の企みはすっかり白状されたため、高姫は精霊と共にこの祠の森で人民の因縁をよく調べる役目に従事しているのだ、と語りだした。
そして、自分がここで信者を改める役を正式に認めるよう、三五教に働きかけてほしいと虫のよいことを頼みかけた。
初稚姫は高姫の精霊の企みを見抜き、ここは下手に出て自分にはそのような権限はなく、むしろ神徳高い高姫にご教授を願いたいと言って一切の光明を包み、普通人のようになってしまった。高姫はニタリと打ち笑い、自分についてここで修業するようにと言い聞かせた。
そして自分が杢助の後妻に収まったことを明かし、初稚姫を娘扱いしだした。初稚姫も高姫と夫婦になったのは兇霊であることを知っていたが、そらとぼけて高姫の話にのり、義理の娘のふりを通した。高姫は、初稚姫に請われて、杢助を探しに森林の中へ出て行った。
高姫の精霊は、初稚姫の芝居に築かず、初稚姫が素直に義理の娘として高姫に敬意を表していると思いこみ、気高いところがあって賢いあの娘をなつかせておけば、三五教の中での自分の地位も高まる、と皮算用をしている。
精霊がその企みを声に出して囁いたので、高姫は、そのようなことを声に出して誰かに聞かれたらどうする、と精霊をたしなめた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5003
愛善世界社版:33頁 八幡書店版:第9輯 160頁 修補版: 校定版:35頁 普及版:19頁 初版: ページ備考:
001 初稚姫(はつわかひめ)(ほこら)(もり)神殿(しんでん)参拝(さんぱい)し、002長途(ちやうと)遠征(ゑんせい)(まも)らせ(たま)へと祈願(きぐわん)をこらし、003(ふたた)高姫(たかひめ)居間(ゐま)引返(ひきかへ)した。004高姫(たかひめ)(とほ)(したが)うて神殿(しんでん)(ちか)(すす)み、005初稚姫(はつわかひめ)後姿(うしろすがた)打眺(うちなが)め、006何処(どこ)ともなしに(その)神格(しんかく)完備(くわんび)せるに打驚(うちおどろ)(した)をまいた。007そして高姫(たかひめ)(その)神格(しんかく)(かん)じ、008(こころ)(そこ)より初稚姫(はつわかひめ)(かみ)(ごと)尊敬(そんけい)した。009(しか)(なが)何処(どこ)ともなく恐怖心(きようふしん)()られ、010(かつ)(その)神格(しんかく)偉大(ゐだい)なるに(やや)嫉妬(しつと)(ねん)(きざ)したのである。011(いま)まで初稚姫(はつわかひめ)大神格(だいしんかく)圧倒(あつたう)され、012(しば)高姫(たかひめ)身体内(しんたいない)(ひそ)みて沈黙(ちんもく)(まも)つて()金毛九尾(きんまうきうび)悪狐(あくこ)は、013高姫(たかひめ)(すこ)しく嫉妬心(しつとしん)(きざ)したのを(さいは)ひ、014(その)(きよ)()(たちま)(ささや)いて()ふ。
015(われ)(なんぢ)(ほぼ)()(ごと)く、016神代(かみよ)(おい)常世姫命(とこよひめのみこと)憑依(ひようい)罪悪(ざいあく)(かぎ)りを(つく)した金毛九尾白面(きんまうきうびはくめん)悪狐(あくこ)である。017(しか)しながら時節(じせつ)(きた)りてミロクの大神(おほかみ)018地上(ちじやう)降臨(かうりん)(たま)ひし(うへ)は、019吾等(われら)何時(いつ)(まで)(あく)(つづ)ける(わけ)には()かぬ。020(われ)(あく)張本人(ちやうほんにん)なれば()(なか)一切(いつさい)悪神(あくがみ)(たく)みは(みな)()つてゐる。021(あく)(つよ)ければ(ぜん)にも(つよ)い。022(われ)金毛九尾白面(きんまうきうびはくめん)悪狐(あくこ)だ。023そして(なんぢ)常世姫命(とこよひめのみこと)身魂(みたま)再来(さいらい)だ。024もう()うなる(うへ)一切万事(いつさいばんじ)()()けて、025(あく)(たく)みを(みづ)御霊(みたま)大神(おほかみ)にお()らせ(まを)さねばならぬ。026()いてはあの初稚姫(はつわかひめ)稚桜姫命(わかざくらひめのみこと)再来(さいらい)なれば、027到底(たうてい)汝等(なんぢら)匹敵(ひつてき)すべき神人(しんじん)ではない。028(むし)(われ)よりトコトン改心(かいしん)(いた)すべければ、029(なんぢ)()初稚姫(はつわかひめ)()(あふ)ぎ、030(とも)神業(しんげふ)参加(さんか)すべし』
031(うま)高姫(たかひめ)誑惑(きやうわく)してしまつた。032高姫(たかひめ)兇霊(きようれい)(げん)(ふか)(しん)じて初稚姫(はつわかひめ)(たい)する態度(たいど)一変(いつぺん)した。033初稚姫(はつわかひめ)神殿(しんでん)拝礼(はいれい)(をは)り、034階段(かいだん)(くだ)りながら(こころ)(ひそ)かに(おも)ふやう、
035(かれ)高姫(たかひめ)には金毛九尾(きんまうきうび)悪狐(あくこ)(れい)憑依(ひようい)せり。036(しか)して(かれ)悪霊(あくれい)形体(けいたい)(いう)するものなれば、037(わが)真相(しんさう)(あら)はさば(たちま)(かれ)肉体(にくたい)(ほろ)ぼすか、038(ただし)遁走(とんそう)して(また)もや相応(さうおう)肉体(にくたい)住居(ぢゆうきよ)(かま)()惑乱(わくらん)するに(いた)らむ。039()かず(われ)和光同塵(わくわうどうぢん)態度(たいど)極力(きよくりよく)維持(ゐぢ)し、040()悪霊(あくれい)高姫(たかひめ)肉体(にくたい)(なが)残留(ざんりう)せしめ、041(かれ)根本(こんぽん)より改心(かいしん)すれば重畳(ちようでふ)なれども、042万一(まんいち)改心(かいしん)せずとも高姫(たかひめ)肉体中(にくたいちう)()()かば、043(かれ)精霊(せいれい)(ほか)()づる(おそれ)なし。044(えう)するに高姫(たかひめ)肉体(にくたい)天下(てんか)(みだ)悪霊(あくれい)をつなぐ(ところ)牢獄(らうごく)()ればいい。045もとより徹底的(てつていてき)兇霊(きようれい)なれば、046(かみ)光明(くわうみやう)(てら)されなば、047兇霊(きようれい)(たちま)自暴自棄(じばうじき)となり、048益々(ますます)神業(しんげふ)妨害(ばうがい)をなすべし。049()かず、050神慮(しんりよ)(そむ)くかは()らざれども、051(しばら)(われ)(ねこ)(かぶ)つて(かれ)交際(かうさい)し、052何時(いつ)とはなしに高姫(たかひめ)精霊(せいれい)とを天国(てんごく)(すく)ひやらむ』
053決心(けつしん)し、054大神(おほかみ)(ねん)じながら素知(そし)らぬ(かほ)にて高姫(たかひめ)居間(ゐま)(かへ)つて()た。055精霊(せいれい)高姫(たかひめ)口舌(こうぜつ)使用(しよう)して、056いとやさしげに言葉(ことば)(かざ)つて()ふやう、
057変性男子(へんじやうなんし)御身魂(おんみたま)初稚姫(はつわかひめ)(さま)058よくも御降臨(ごかうりん)(くだ)さいました。059(わたくし)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)060御存(ごぞん)じの高姫(たかひめ)(ござ)ります。061大神様(おほかみさま)御都合(ごつがふ)により悪神(あくがみ)張本(ちやうほん)金毛九尾(きんまうきうび)悪狐(あくこ)(わたし)肉体(にくたい)(ひそ)()り、062(わたくし)真心(まごころ)感化(かんくわ)されて(やうや)改心(かいしん)(いた)しまして、063(いま)(まで)(あく)をスツクリ白状(はくじやう)(いた)しました。064()いては(すべ)ての悪神(あくがみ)(たく)みは(なに)()(ぞん)じて()ると(まを)して()りますから、065(わたくし)守護神(しゆごじん)(とも)(この)(ほこら)(もり)大門(おほもん)(つく)り、066(すべ)ての人民(じんみん)因縁(いんねん)をよく調(しら)改心(かいしん)をさせた(うへ)067斎苑(いそ)(やかた)(おく)(かんが)へで(ござ)ります。068何卒(なにとぞ)(この)(こと)をお(ゆる)(くだ)さいます(やう)に、069変性男子(へんじやうなんし)御霊様(みたまさま)070(ねが)(まを)します。071そして一方(いつぱう)には変性男子(へんじやうなんし)系統(ひつぽう)なる義理天上(ぎりてんじやう)日出神(ひのでのかみ)が、072(いづ)御霊(みたま)御命令(ごめいれい)によりまして世界中(せかいぢう)調(しら)べに(ある)き、073()(はじ)まりの根本(こつぽん)根本(こつぽん)()()ちから、074人民(じんみん)大先祖(おほせんぞ)因縁(いんねん)075大黒主(おほくろぬし)身魂(みたま)如何(いか)なる因縁(いんねん)があるか、076竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)のお(はたら)きは如何(いか)なるものかと()(こと)()らしたいので(ござ)ります。077(いま)三五教(あななひけう)には宣伝使(せんでんし)沢山(たくさん)(ござ)りますが、078(みな)智慧(ちゑ)079(がく)神界(しんかい)(こと)(かんが)へようと(いた)すので(ござ)りますから(なに)(わか)りませぬ。080貴女(あなた)変性男子(へんじやうなんし)生粋(きつすゐ)大和魂(やまとだましひ)(ぜん)神様(かみさま)(ござ)りますから、081(なに)()三千世界(さんぜんせかい)(こと)御存(ごぞん)じで(ござ)りますが、082(ほか)守護神(しゆごじん)宣伝使(せんでんし)信者(しんじや)はサツパリ駄目(だめ)(ござ)ります。083それ(ゆゑ)此処(ここ)大門(おほもん)(こしら)へ、084(わたし)一々(いちいち)因縁(いんねん)をあらため、085斎苑(いそ)(やかた)参拝(さんぱい)さす御役(おんやく)にして(くだ)さいませぬか』
086兇霊(きようれい)はうまく高姫(たかひめ)()けて(むし)のよい(こと)(たの)みかけた。087初稚姫(はつわかひめ)(かれ)奸計(かんけい)(のこ)らず看破(かんぱ)した。088されど前述(ぜんじゆつ)(ごと)初稚姫(はつわかひめ)(この)悪霊(あくれい)審判(さには)する(こと)()けられたのである。
089貴女(あなた)信心(しんじん)堅固(けんご)にして霊界(れいかい)によくお(つう)(あそ)ばした(かた)()えますな。090(わらは)(いや)しき杢助(もくすけ)(むすめ)(うま)れ、091まだ(とし)(わか)く、092社会的(しやくわいてき)経験(けいけん)さへも()んでゐない愚者(おろかもの)(ござ)りますから、093到底(たうてい)霊界(れいかい)消息(せうそく)(など)(わか)りませぬ。094()いては貴女(あなた)(たい)左様(さやう)(こと)をお(ゆる)(まを)すなどとは(もつ)ての(ほか)(こと)(ござ)ります。095(いづ)神様(かみさま)貴女(あなた)御神力(ごしんりき)をお(みと)(あそ)ばしたならば、096屹度(きつと)(みづ)御霊(みたま)大神様(おほかみさま)からお(ゆる)しが(ござ)りませう。097(わらは)には左様(さやう)権限(けんげん)(すこ)しも(ござ)りませぬから、098左様(さやう)(こと)仰有(おつしや)らない(やう)にお(ねが)(いた)します。099何卒(なにとぞ)(いた)らぬ(わらは)100神徳(しんとく)(たか)貴女様(あなたさま)より御教授(ごけうじゆ)御願(おねが)(いた)したいもので(ござ)ります』
101一切(いつさい)光明(くわうみやう)(つつ)み、102普通人(ふつうじん)(ごと)くなつて(しま)つた。103高姫(たかひめ)はニタリと打笑(うちわら)ひ、
104『アー、105さうだらうさうだらう、106それが正直(しやうぢき)(ところ)だ。107まだ(とし)(わか)(くせ)宣伝使(せんでんし)(ある)かすとは、108(みづ)御霊様(みたまさま)余程(よつぽど)物好(ものず)きな(めづ)らし(もの)()ひだな。109どれどれ(この)高姫(たかひめ)がここで根本(こつぽん)根本(こつぽん)因縁(いんねん)()いて()かしますから十分(じふぶん)修行(しゆぎやう)をなさいませ。110それでなければ、111(わけ)(わか)らずに宣伝(せんでん)(ある)いたり、112大黒主(おほくろぬし)言向和(ことむけやは)すなどとは、113(もつ)ての(ほか)無謀(むぼう)のやり(かた)(ござ)りますからな』
114何分(なにぶん)115(いた)らぬ(わらは)116老練(らうれん)貴女様(あなたさま)御薫陶(ごくんたう)をお(ねが)ひしたいもので(ござ)ります』
117『ハイ、118よしよし、119(まへ)水晶魂(すいしやうだま)だ。120本当(ほんたう)素直(すなほ)可愛(かあい)()だな。121これから(この)小母(をば)さまの()(こと)()くのだよ。122(いな)小母(をば)さまではない、123()つてもきれぬ母子(おやこ)だから、124そのつもりでつき()つて(くだ)さいねー』
125 初稚姫(はつわかひめ)(こころ)打笑(うちわら)ひながら故意(わざ)空惚(そらとぼ)けて、
126小母様(をばさま)127(いま)貴女(あなた)(わらは)ときつてもきれぬ母子(おやこ)だと仰有(おつしや)いましたが、128それは身魂(みたま)母子(おやこ)(ござ)りますか。129チツとも愚鈍(ぐどん)(わらは)には合点(がてん)(まゐ)りませぬワ』
130身魂(みたま)母子(おやこ)(まを)すに(およ)ばぬ、131(まへ)さまは杢助(もくすけ)さまの大切(たいせつ)(むすめ)だらう。132(その)杢助(もくすけ)さまは(この)(たび)神様(かみさま)因縁(いんねん)によつて常世姫命(とこよひめのみこと)改心(かいしん)した(ぜん)(をり)生粋(きつすゐ)肉宮(にくみや)(この)高姫(たかひめ)(をつと)とおなり(あそ)ばしたのだよ。133杢助様(もくすけさま)だつて、134(この)高姫(たかひめ)だつて、135よい(とし)をしてから(わか)いものか(なん)ぞの(やう)夫婦(ふうふ)になつたり、136そんな()つともない(こと)はしたくはない。137(むね)焼鉄(やきがね)をあてる(やう)(おも)うてゐるのだが、138これも神様(かみさま)のため、139万民(ばんみん)(すく)ふため、140千座(ちくら)置戸(おきど)()うて御神業(ごしんげふ)参加(さんか)してるのだよ。141(わけ)(わか)らぬ人民(じんみん)がいろいろと(まを)すであらうなれど、142人民(じんみん)(まを)(こと)(こころ)(なや)まして()りたらミロク神政(しんせい)御用(ごよう)(つと)まりませぬ。143(わけ)()らぬ人民(じんみん)は、144杢助(もくすけ)145高姫(たかひめ)結婚(けつこん)(なん)となつと(まを)して(わら)へば(わら)へ、146(そし)らば(そし)れ、147(かみ)のお仕組(しぐみ)一厘(いちりん)秘密(ひみつ)如何(どう)して一寸先(いつすんさき)()えない人民(じんみん)(わか)るものか、148()磐石(ばんじやく)(ごと)決心(けつしん)(もつ)てここに夫婦(ふうふ)約束(やくそく)(むす)んだのだから、149初稚(はつわか)さま、150貴女(あなた)もそのお(つも)りで、151(わたし)(はは)(おも)つて(くだ)さいや。152(わたし)貴女(あなた)大切(たいせつ)大切(たいせつ)御子(おんこ)(いた)して(うやま)ひますから、153(おや)となり()となるのも(むかし)(むかし)のさる(むかし)154(ひと)(むかし)のまだ(むかし)天地開闢(てんちかいびやく)(はじ)めから大神様(おほかみさま)より(さだ)められた因縁(いんねん)ぢやによつて、155何卒(どうぞ)その覚悟(かくご)でゐて(くだ)され。156何事(なにごと)にも素直(すなほ)なお(かしこ)いお(まへ)さまだから、157(この)高姫(たかひめ)生宮(いきみや)(まを)(こと)158よく呑込(のみこ)めたでせうなア』
159 初稚姫(はつわかひめ)杢助(もくすけ)本物(ほんもの)でなく、160獅子(しし)(とら)との中間動物(ちうかんどうぶつ)なる兇霊(きようれい)(だま)されてゐる(こと)はよく看破(かんぱ)して()た。161されど故意(わざ)空惚(そらとぼ)けて、
162高姫(たかひめ)さま、163(わたし)(ちち)何時(いつ)そんな(こと)貴女(あなた)約束(やくそく)(いた)しましたのですか、164(わたし)(いま)初耳(はつみみ)ですわ。165まアまアまア不思議(ふしぎ)御縁(ごえん)(ござ)りますこと。166さうしてお(とう)さまは何処(どこ)()かれましたの』
167一寸(ちよつと)(この)(もり)(なか)散歩(さんぽ)にお()でになつたと()えます。168杢助様(もくすけさま)(もり)散歩(さんぽ)大変(たいへん)にお()きだと()えましてね。169(まへ)さまが此処(ここ)(たづ)ねて()られた(こと)をお()きになつたら、170(さぞ)(よろこ)ばれるでせう』
171『はて、172(めう)(こと)だわ。173(わらは)のお(とう)さまは斎苑(いそ)(やかた)総務(そうむ)(つと)めて()らつしやるのだから、174ここへお()(あそ)ばす道理(だうり)はありませぬがな』
175『これ(はつ)ちやま、176(まへ)の、177さう(うたが)ふのも(もつと)もだ。178(じつ)(ところ)杢助(もくすけ)さまは、179あの()(つよ)東野別(あづまのわけ)東助(とうすけ)さまと()副教主(ふくけうしゆ)との(あひだ)事務上(じむじやう)衝突(しようとつ)(おこ)り、180それがために斎苑(いそ)(やかた)()()されなさつたのですよ。181東助(とうすけ)野郎(やらう)182正直一途(しやうぢきいちづ)英雄(えいゆう)豪傑(がうけつ)183三羽烏(さんばがらす)御一人(ごいちにん)なる杢助(もくすけ)さまを()()すとは(もつ)ての(ほか)悪人(あくにん)ぢやありませぬか。184あの東助(とうすけ)はやがて(いま)(まで)()(うへ)(こぶ)(やう)(こま)つてゐた杢助(もくすけ)さまを首尾(しゆび)よく()()し、185斎苑(いそ)(やかた)全権(ぜんけん)掌握(しやうあく)し、186(つひ)には八島主(やしまぬし)教主(けうしゆ)さまをおつ()()し、187自分(じぶん)(その)後釜(あとがま)にすわると()野心(やしん)(いだ)いてをるのですよ。188それでお(まへ)(わし)此処(ここ)一肌(ひとはだ)()いで、189斎苑(いそ)(やかた)(まゐ)信者(しんじや)小口(こぐち)から虱殺(しらみごろ)しに調(しら)べ、190斎苑(いそ)(やかた)へやらぬ(やう)にせねばなりませぬ。191(わし)がここで杢助(もくすけ)さまと大門開(おほもんびら)きをしたのは、192杢助(もくすけ)さまや八島主(やしまぬし)教主(けうしゆ)がお(こま)りになつた(とき)193(たす)(まを)すやうにチヤンと仕組(しぐみ)をしてゐるのだから、194(まへ)さまも何処(どこ)へも()かず、195此処(ここ)()つて親子(おやこ)三人(さんにん)御用(ごよう)(いた)さうぢやありませぬか』
196『それは(また)不思議(ふしぎ)(こと)(うけたま)はります。197東助様(とうすけさま)はそんなお(かた)ぢやない(やう)(おも)ひますがな』
198『それが(ぜん)仮面(かめん)(かぶ)つてゐる悪魔(あくま)ですよ。199屹度(きつと)悪人(あくにん)悪相(あくさう)(もつ)(あら)はれるものぢやありませぬ。200所在(あらゆる)虚偽(きよぎ)偽善(ぎぜん)(もつ)人民(じんみん)(いつは)り、201虚栄的(きよえいてき)権威(けんゐ)(あま)んじてゐるものですよ。202これ初稚(はつわか)さま、203油断(ゆだん)してはなりませぬぞや。204(この)高姫(たかひめ)海千(うみせん)川千(かはせん)山千(やません)修業(しゆげふ)をした(ぜん)にも(つよ)い、205(あく)にも(つよ)い、206そして(あく)(たく)みは(なに)()看破(かんぱ)してゐるのだから、207一分一厘(いちぶいちりん)間違(まちが)ひはありませぬよ』
208『あの東助(とうすけ)さまは小母(をば)さまの(わか)(とき)のお馴染(なじみ)だつたさうですな。209そんなに悪口(わるくち)()ふものぢやありませぬよ。210(ちち)杢助(もくすけ)(くら)ぶれば、211幾層倍(いくそうばい)人格(じんかく)(うへ)だか()れぬぢやありませぬか』
212『ヤツパリ子供(こども)だな。213(しか)子供(こども)正直(しやうぢき)ぢや。214(なん)()つても水晶魂(すいしやうだま)だから(こころ)(つみ)がないので、215表面(うはべ)から()()える(ひと)信用(しんよう)なさるのだ。216そこが本当(ほんたう)(たふと)(ところ)だよ。217(しか)高姫(たかひめ)()(こと)はチツとも(ちが)ひませぬぞや』
218『さうで(ござ)りますかな。219一遍(いつぺん)(ちち)()つてみたいものですがな。220もし小母(をば)さま、221長上(ちやうじやう)をお使(つか)(まを)して(まこと)()みませぬが、222一度(いちど)(とう)さまに()ひたう(ござ)りますから、223(さが)して()(くだ)さいませ』
224『アアさうだろさうだろ、225無理(むり)もない。226親子(おやこ)(じやう)()ふものは本当(ほんたう)(たふと)いものだな。227(わが)()()てる(やぶ)はあつても(わが)()()てる(やぶ)はないと()(こと)だが、228杢助(もくすけ)さまも(なに)()天眼通(てんがんつう)()つて()りながら、229こんな可愛(かあい)(むすめ)()()るのに、230そしらぬ(かほ)して(もり)散歩(さんぽ)してゐなさるとは本当(ほんたう)水臭(みづくさ)(かた)だな。231()(こころ)232(おや)()らずだ。233(しか)初稚(はつわか)さま、234(この)高姫(たかひめ)()()えても本当(ほんたう)にやさしいものですよ。235杢助(もくすけ)さまに(くら)べて幾百倍(いくひやくばい)可愛(かあい)がつてやりますから、236何卒(どうぞ)(わたし)本当(ほんたう)(おや)だと(おも)つて(くだ)さいや』
237『ハイ、238御親切(ごしんせつ)有難(ありがた)(ござ)ります』
239俯向(うつむ)いて()せた。
240『これ初稚(はつわか)さま、241一寸(ちよつと)()つてゐて(くだ)さい。242(とう)さまのあとを(さが)して(いま)(すぐ)屹度(きつと)()れて(まゐ)りますから』
243()ひながら()ばたきしつつ欣々(いそいそ)として森林(しんりん)(はう)()く。244高姫(たかひめ)(もり)(しげ)みに(かく)れて(あと)ふり(かへ)(した)をニユツと()し、245いやらしい()みを(もら)しながら独言(ひとりごと)
246(なん)()つてもヤツパリ子供(こども)だな。247(しか)しながらあの()何処(どこ)ともなしに気高(けだか)(ところ)もあり、248中々(なかなか)シヤンとした(こと)()ふ。249あれをうまくチヨロまかし自分(じぶん)()として()けば、250三五教(あななひけう)(わが)()(にぎ)つた(やう)なものだ。251(なん)都合(つがふ)のいい(こと)になつたものだな。252これから(ひと)つでも、253うまい(もの)があつたら、254あの()()れてやり、255そして十分(じふぶん)(なつ)かして()かねばならぬ。256(しか)都合(つがふ)のいい(こと)には杢助(もくすけ)さまが(わたし)(をつと)だから、257()つても()れぬ(なか)だ。258ああ有難(ありがた)(ござ)ります、259八岐(やまた)大蛇様(をろちさま)260金毛九尾(きんまうきうび)大神様(おほかみさま)
261(くち)(なか)から(ささや)いた。262高姫(たかひめ)(この)(こゑ)(おどろ)いて()(いか)らし、263(へそ)(あたり)(にぎ)(こぶし)でトントンと()ちながら、
264『こりや、265金毛九尾(きんまうきうび)悪狐(あくこ)()266(なん)()(こと)(まを)すのだ。267左様(さやう)(こと)(まを)すと、268もう(この)高姫(たかひめ)肉体(にくたい)()さぬぞや。269杢助(もくすけ)さまや初稚姫(はつわかひめ)(そば)で、270そんな(こと)でも()うて()よれ。271(この)高姫(たかひめ)立場(たちば)がないぢやないか。272改心(かいしん)(いた)したと()うたぢやないか』
273 (はら)(なか)から、
274『ここは(たれ)()ないから一寸(ちよつと)()つて()たのだから、275さう(おこ)るものぢやない。276メツタに(ひと)()(ところ)正体(しやうたい)(あら)はさぬから安心(あんしん)しておくれ』
277『よし、278屹度(きつと)(まも)るか、279うつかりした(こと)(まを)すと常世姫(とこよひめ)生宮(いきみや)承知(しようち)しませぬぞや。280これから八岐大蛇(やまたをろち)金毛九尾(きんまうきうび)はスツカリ改心(かいしん)(いた)して、281あとへ日出神(ひのでのかみ)義理天上(ぎりてんじやう)這入(はい)つてゐると何処(どこ)までも主張(しゆちやう)するのだよ。282よいか、283(わか)つたか。284馬鹿(ばか)守護神(しゆごじん)だな』
285 (はら)(なか)から、
286(なん)とまア、287()(つよ)い、288(むか)(いき)のきつい肉体(にくたい)だな、289アハハハハ』
290大正一二・一・二〇 旧一一・一二・四 北村隆光録)
   
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