霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一七章 偽筆(ぎひつ)〔一三一一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第50巻 真善美愛 丑の巻 篇:第4篇 神犬の言霊 よみ:しんけんのことたま
章:第17章 偽筆 よみ:ぎひつ 通し章番号:1311
口述日:1923(大正12)年01月23日(旧12月7日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年12月7日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫の機嫌が悪くなってきたので、イル以下四人は戻ってきてやけくそになり、またグイグイと酒を飲み始めた。イルは酔って神がかりの真似を始めた。義理天上日の出神が筆先を出すと怒鳴ると、サールは墨をすって綴じた紙と共にイルに差し出した。
イルは横柄な面をしながら筆をひったくって、首を振りながら何事か一生懸命に書きつけた。そして高姫の作り声で結構な筆先を腹に入れるように、と言って皆に差し出した。サールは笑いながら受け取り、他の者に拝読して聞かせた。
一同が高姫を滑稽に真似たイルの筆先に笑い興じていると、斎苑の館から出張した役員の安彦と国彦がやってきた。二人は珍彦に用があるとイルたちに伝えた。イルは二人を珍彦館に案内した。
残されたサールたちは、酒盛りの最中に本部の役員が訪ねてきたので、対応しながらバツの悪い思いをして来意を勘繰っている。そこにイルが帰ってきて、冗談を交えつつ、本部の使いの役員たちは、珍彦と初稚姫と奥の間で密かに会っていると報告したので、一同はてっきり高姫の沙汰についての訪問だと直感した。
そこへ高姫がやってきて、イルに自分の間にちょっと来てほしいと依頼した。しかしイルは諧謔で高姫を煙に巻くばかりだったので、ハルを代わりに連れて行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5017
愛善世界社版:237頁 八幡書店版:第9輯 236頁 修補版: 校定版:242頁 普及版:119頁 初版: ページ備考:
001 高姫(たかひめ)形勢(けいせい)意外(いぐわい)にも不穏(ふおん)景況(けいきやう)(てい)し、002何時(いつ)低気圧(ていきあつ)襲来(しふらい)するやも(はか)(がた)殺風景(さつぷうけい)場面(ばめん)となつて()た。003イル以下(いか)四人(よにん)自棄糞(やけくそ)になり、004グイグイと(また)もや(さけ)()(はじ)めた。005そしてイルは(おほ)きな(こゑ)で、
006義理天上(ぎりてんじやう)日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)であるぞよ。007結構(けつこう)結構(けつこう)筆先(ふでさき)生宮(いきみや)()かすによつて、008(ふで)(すみ)(かみ)との用意(ようい)(いた)されよ』
009呶鳴(どな)()した。010サールは矢庭(やには)(すみ)をすり、011(かみ)()(ふで)(あら)つて(うやうや)しくイルに(わた)した。012イルは故意(わざ)横柄面(わうへいづら)をしながら(その)(ふで)をひつたくり、013木机(きづくゑ)(まへ)()き、014何事(なにごと)(くび)をふりながら一生懸命(いつしやうけんめい)()きつけた。015イルは高姫(たかひめ)(つく)(ごゑ)をして、
016『これ(みな)(もの)(ども)017(いな)八衢人足(やちまたにんそく)や、018(いま)義理天上(ぎりてんじやう)日出神(ひのでのかみ)がお筆先(ふでさき)()いたによつて、019有難(ありがた)拝読(はいどく)(いた)すがよいぞや。020()んな結構(けつこう)筆先(ふでさき)(また)()ることは出来(でき)ぬぞや。021(この)筆先(ふでさき)さへ(はら)()れこめて()れば、022万劫末代(まんごふまつだい)(ひと)(たた)(おと)しても()ちぬお神徳(かげ)(いただ)けるぞや。023イヒヒヒヒヒ、024(この)筆先(ふでさき)(たれ)にも()ます筆先(ふでさき)ではないぞや。025(のち)証拠(しようこ)()かして()いたなれど、026受付(うけつけ)()役員(やくゐん)肝腎(かんじん)(こと)()らぬと(はなし)がないから、027一寸(ちよつと)()ましてやるぞよ』
028サール『アハハハハハ、029(なに)(ぬか)しやがるのだい。030(くだ)()きやがつて、031(しか)()んな(こと)()きよつたか。032一寸(ちよつと)()んでやらうかい。033おい、034ハル、035テル、036イク、037謹聴(きんちやう)するのだぞ』
038()ひながら(うやうや)しく押戴(おしいただ)き、039故意(わざ)剋面(こくめん)(かほ)をして(おほ)きな(こゑ)()(はじ)めた。
040伊豆(いづ)(みたま)変性男子(へんじやうなんし)がイルの肉体(にくたい)()りて三千世界(さんぜんせかい)(こと)()きおくぞよ。041しつかりと()いて()かぬと(あと)後悔(こうくわい)(いた)(こと)出来(でき)るぞよ。042(この)イルは伊豆(いづ)(みたま)(まを)して湯本館(ゆもとくわん)安藤唯夫殿(あんどうただをどの)身魂(みたま)(うつ)りて()るぞよ。043サールの身魂(みたま)杉山当一殿(すぎやまたういちどの)のラマ(けう)(とき)身魂(みたま)であるぞよ。044(いま)はバラモン(けう)をやめて三五教(あななひけう)這入(はい)りて()るなれど、045(なに)(まを)しても変性女子(へんじやうによし)のヤンチヤ身魂(みたま)(うつ)りて()るから、046過激(くわげき)(こと)(まを)して仕様(しやう)がないぞよ。047(この)義理天上(ぎりてんじやう)日出神(ひのでのかみ)伊豆(いづ)身魂(みたま)(まを)した(くらゐ)では中々(なかなか)()きは(いた)さぬぞよ。048ラジオシンターでも()まして()(さま)してやらぬ(こと)には駄目(だめ)だぞよ。049それでも(なほ)らねば谷口清水(たにぐちしみづ)(まを)すドクトル・オブ・メヂチーネの御厄介(ごやつかい)になるが()いぞよ。050伊豆(いづ)湯ケ島(ゆがしま)には因縁(いんねん)があるぞよ。051湯本館(ゆもとくわん)()因縁(いんねん)(わか)りたものは(この)高姫(たかひめ)052オツト、053ドツコイ日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)のイルでないと(わか)りは(いた)さぬぞよ。054それぢやによつて沢山(たくさん)人民(じんみん)水晶(すいしやう)温泉(をんせん)にイルの身魂(みたま)(まを)すぞよ。055(いま)(うち)改心(かいしん)(いた)さぬとサールもハルもテルもイクも、056(みな)アオ(ひこ)身魂(みたま)(うつ)りて()北村(きたむら)隆光(たかてる)()きとめさして()いて、057末代(まつだい)()(のこ)さして()くぞよ。058それでも改心(かいしん)(いた)さねば摩利支天(まりしてん)身魂(みたま)(うつ)りて()松村(まつむら)真澄(まさずみ)(こま)かう()(のこ)さすぞよ。059それで()らねば夕日(ゆふひ)御影(みかげ)060加藤竿竹姫(かとうさをだけひめ)身魂(みたま)()()りて()(のこ)さすぞよ。061義理天上(ぎりてんじやう)日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)(がま)身魂(みたま)(うつ)りた黒姫(くろひめ)因縁(いんねん)ありて、062伊豆(いづ)御魂(みたま)御屋敷(おやしき)(しば)らく逗留(とうりう)(いた)し、063(むかし)からの因縁(いんねん)調(しら)べておいたぞよ。064()いた(くち)がすぼまらぬ、065牛糞(うしくそ)天下(てんか)をとると()(こと)出来(でき)るぞよ。066あんまり()かぬと浅田(あさだ)(やう)(くび)もまはらぬ(やう)(いた)すぞよ。067浅田殿(あさだどの)御苦労(ごくらう)御役(おんやく)であるぞよ。068そして(その)身魂(みたま)はテルの身魂(みたま)であるから、069ラジオシンターをつけ()ぎて(こま)りてをるぞよ。070それでも(この)イルが(まを)(やう)(いた)したならば、071(すぐ)(なほ)してやるかも()れぬぞよ。072ハルの身魂(みたま)福井(ふくゐ)身魂(みたま)であるぞよ。073何時(いつ)(から)(から)山葵(わさび)ばかりを(つく)りて()るから、074(かほ)までが(から)さうにしがんで()るぞよ。075チツと改心(かいしん)(いた)さぬと(はな)(たか)いぞよ。076イクの身魂(みたま)(まこと)結構(けつこう)身魂(みたま)でありたなれど、077あまり慢心(まんしん)(いた)したによつて守護神(しゆごじん)(あら)はしてやらぬぞよ。078(この)(はう)(まを)(こと)(まこと)(いた)せばよし、079()かぬにおいては杉原(すぎはら)身魂(みたま)をひきぬいて()て、080佐久(さけ)()はして(なに)()白状(はくじやう)(いた)さすぞよ。081人民(じんみん)何程(なにほど)シヤチになりても(かみ)には(かな)はぬぞよ。082(はや)(この)(はう)(まを)(やう)(いた)して(くだ)されよ。083改心(かいしん)(いた)さぬと『霊界物語(れいかいものがたり)』の(たね)(いた)すぞよ。084そこになりたら何程(なにほど)地団駄(ぢだんだ)()みて口惜(くや)しがりても、085(かみ)(ゆる)しは(いた)さぬぞよ。086(これ)大神(おほかみ)(まを)すのではないぞよ。087妖幻坊(えうげんばう)身魂(みたま)獅子虎(ししとら)身魂(みたま)イルの肉体(にくたい)一寸(ちよつと)借用(しやくよう)(いた)して(みな)八衢人間(やちまたにんげん)()をつけたのであるぞよ。088(いま)高姫(たかひめ)(やう)斎苑(いそ)(やかた)から立退(たちの)命令(めいれい)(かうむ)らねばならぬぞよ。089改心(かいしん)なされよ。090(あし)もとから(とり)()つぞよ。091アハハハハ』
092(わら)(きよう)じてゐる。093そこへ斎苑(いそ)(やかた)より神勅(しんちよく)()びて出張(しゆつちやう)した二人(ふたり)役員(やくゐん)があつた。094一人(ひとり)安彦(やすひこ)095一人(ひとり)国彦(くにひこ)であつた。
096安彦(やすひこ)(ほこら)(もり)受付(うけつけ)主任(しゆにん)誰方(どなた)(ござ)るかな。097拙者(せつしや)斎苑(いそ)(やかた)より教主(けうしゆ)八島主命(やしまぬしのみこと)(めい)により出張(しゆつちやう)(いた)したもので(ござ)る。098何卒(なにとぞ)一刻(いつこく)(はや)当館(たうやかた)神司(かむつかさ)珍彦(うづひこ)面会(めんくわい)(いた)したい』
099イル『ヤー、100これはこれは直使(ちよくし)のおいで、101()()(これ)にて御休息(ごきうそく)願上(ねがひあ)(たてまつ)りまする。102とり(みだ)したる(ところ)御覧(ごらん)()れ、103(まこと)赤面(せきめん)(いた)りで(ござ)りまする。104おい、105ハル、106テル、107サール、108イク、109(はや)くお二人様(ふたりさま)のお(あし)()()かして()つて()ぬか』
110『いや、111(けつ)してお(かま)ひなさるな。112珍彦(うづひこ)(つかさ)にお()にかかりたければ、113直様(すぐさま)御案内(ごあんない)(ねが)ひたい。114沢山(たくさん)徳利(とくり)(なら)んでゐられますな。115(さくら)(はな)(ごと)(さかづき)彼方(あちら)此方(こちら)()つて()風情(ふぜい)(なん)とも()へぬ風流(ふうりう)(ござ)る。116国彦(くにひこ)殿(どの)117(じつ)羨望(せんばう)(いた)りでは(ござ)らぬか』
118如何(いか)にも、119落花狼藉(らくくわらうぜき)120夜半(よは)(あらし)()らされて、121打落(うちおと)された桜木(さくらぎ)(ふもと)(やう)(ござ)る』
122イル『いや、123もう(この)(ごろ)はチツとシーズンは(はや)(ござ)りますれど、124ここは日当(ひあた)りがよいので、125(はや)くも(さくら)()りかけまして(ござ)ります。126さア御案内(ごあんない)(いた)しませう』
127安彦(やすひこ)『それは(おそ)()ります』
128とイルの(うしろ)(したが)珍彦(うづひこ)(やかた)(すす)()く。129(あと)四人(よにん)(かほ)見合(みあは)せ、130(あたま)()きながら、
131テル『おい、132如何(どう)だ。133サツパリぢやないか。134エー、135こりや一通(ひととほ)りの(こと)ぢやないぞ。136屹度(きつと)俺達(おれたち)にキツーイお目玉(めだま)頂戴(ちやうだい)するのかも()れないぞ』
137サール『(なに)138俺達(おれたち)にはチツとも関係(くわんけい)はないわ』
139貴様(きさま)はラマ(けう)だから放逐(はうちく)命令(めいれい)(せつ)したかも()れないぞ。140あの御直使(おちよくし)がお(まへ)(かほ)非常(ひじやう)(のぞ)いて(ござ)つたぢやないか』
141(なに)142そんな(こと)があるものかい。143(ほこら)(もり)受付(うけつけ)にサール(もの)ありと(きこ)えたる敏腕家(びんわんか)(この)(をとこ)だなアと、144感嘆(かんたん)(まなこ)(もつ)御覧(ごらん)になつて()つたのだよ』
145『さう楽観(らくくわん)出来(でき)ないぞ』
146(おれ)(かんが)へでは、147如何(どう)高姫(たかひめ)()(うへ)(くわん)してぢやなからうかと愚考(ぐかう)するのだ』
148イク『そら、149さうだ。150それに()まつてるわ。151()(かく)152(たれ)(こと)でもよい。153高姫(たかひめ)(こと)としておけば安心(あんしん)ぢやないか。154俺等(おれたち)には、155よく(つと)めたによつて賞状(しやうじやう)(つか)はすと()恩命(おんめい)(あづ)かるのかも()れないぞ、156(なん)()つても、157あれだけ八釜(やかま)()高姫(たかひめ)に、158おとなしく(つか)へてゐるのだからな』
159 ()(はな)(ところ)へ、160イルはニコニコしながら(かへ)つて()た。
161サール『おい、162イル、163(なん)ぞよい(こと)があるのか。164大変(たいへん)(うれ)しさうな(かほ)ぢやないか』
165『ウツフフフフ(声色(こわいろ)(それがし)斎苑(いそ)(やかた)教主(けうしゆ)八島主命(やしまぬしのみこと)直命(ちよくめい)により、166(ほこら)(もり)主管(しゆくわん)する珍彦(うづひこ)(やかた)神命(しんめい)伝達(でんたつ)するものなり。167(たしか)(うけたま)はれ。
168一、169(この)(たび)170イル(こと)171義理天上(ぎりてんじやう)日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)(あら)はれし(うへ)は、172(なんぢ)をして斎苑(いそ)(やかた)総監督(そうかんとく)(にん)ずべし。173水晶魂(すいしやうだま)生粋(きつすゐ)(その)(はう)なれば、174義理天上(ぎりてんじやう)日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)として、175(けつ)して(はづ)かしくなき人格者(じんかくしや)(なり)176神命(しんめい)ならば(つつし)んでお()(いた)されよ。177(笑声)ウエーヘエツヘヘヘヘヘ。
178一、179サールなる(もの)180(あさ)から(ばん)まで事務(じむ)(おろそ)かに(いた)(さけ)(あふ)(くだ)()き、181イルの命令(めいれい)(ほう)ぜず、182同僚(どうれう)事務(じむ)妨害(ばうがい)をなすこと、183(もつ)ての(ほか)悪者(しれもの)(なり)184(ゆゑ)逸早(いちはや)(むち)(くは)へて放逐(はうちく)(いた)()きもの(なり)185イツヒヒヒヒヒ。
186一、187イク(こと)188サールに()不届者(ふとどきもの)にしてバラモン(けう)失敗(しくじ)り、189()(ところ)なくして()むを()(ほこら)(もり)座敷乞食(ざしきこじき)(つと)むる(だん)190中々(なかなか)(もつ)(ゆる)(がた)不届者(ふとどきもの)なれば、191(これ)(また)(むち)(くは)へて放逐(はうちく)()きもの(なり)
192一、193ハル(こと)194大胆不敵(だいたんふてき)曲者(くせもの)にして、195(あたま)をハル(こと)(この)(うへ)なき名人(めいじん)なり。196(いな)侫人(ねいじん)(なり)197()くの(ごと)きもの聖場(せいぢやう)にあつては(かみ)()(けが)し、198(をしへ)(きず)つくる(こと)(もつと)(だい)(なり)199(かつ)酒癖(さけくせ)(わる)く、200()げも(おろ)しもならぬ動物(どうぶつ)なれば、201これには(はうき)(もつ)(かしら)(ひやく)打叩(うちたた)き、202一時(いちじ)(はや)放逐(はうちく)()きもの(なり)203キユツツツツツ、204ウツフフフフフ。
205一、206テル(こと)207比較的(ひかくてき)好々爺(かうかうや)にして、208よくイルの(まを)(こと)服従(ふくじゆう)するにより、209(これ)(すこ)しく(をしへ)()()かした(うへ)210(なんぢ)(しもべ)使用(しよう)すべきもの(なり)211ウエヘツヘヘヘヘヘ、212ホホホホホ、213エヘヘヘヘヘ』
214テル『こりや、215イル、216馬鹿(ばか)にするない』
217『あいや、218(けつ)して馬鹿(ばか)には(いた)さぬ。219八島主命(やしまぬしのみこと)御直命(ごちよくめい)なれば、220(えり)(ただ)して行儀(ぎやうぎ)よく(うけたま)はりなされ』
221サール『おい、222イル、223杢助(もくすけ)224高姫(たかひめ)如何(どう)だ』
225『やア(もの)(ども)226(さわ)ぐな(さわ)ぐな、227(しづ)かに(いた)せ。228杢助(もくすけ)(まこと)(もつ)完全無欠(くわんぜんむけつ)なる悪魔(あくま)なれば、229一刻(いつこく)(はや)放逐(はうちく)すべし。230(また)高姫(たかひめ)自転倒島(おのころじま)生田(いくた)(もり)追返(おひかへ)すべし。231珍彦(うづひこ)一切(いつさい)事務(じむ)をイルに引継(ひきつ)ぎ、232逸早(いちはや)(この)()退却(たいきやく)()きもの(なり)
233(みぎ)条々(でうでう)(けつ)して相違(さうゐ)これあるもの(なり)234オツホホホホホ』
235サール『ナーンダ、236馬鹿(ばか)にしてゐやがる。237(おれ)(むね)雨蛙(あまがへる)(やう)になりよつた。238のうイク、239ハル、240テル。241イルの(やつ)242あまり馬鹿(ばか)にするぢやないか。243(ひと)つここらで袋叩(ふくろだた)きにやつてやらうぢやないか』
244イク『そりや面白(おもしろ)い、245(しか)しながらお直使(ちよくし)御入来(ごじゆらい)だから、246まアまア今日(けふ)見逃(みのが)しておけ。247おい、248イルの(やつ)249貴様(きさま)仕合(しあは)せものだ。250今日(けふ)から、251しようもない芸当(げいたう)をやると(たた)きのばすぞ』
252(たた)()ばして(ふと)るのは鍛冶屋(かぢや)さまだ。253(しか)しながら貴様(きさま)(たち)本当(ほんたう)形勢(けいせい)不穏(ふおん)だぞ。254(しつか)(いた)さぬと、255どんな御沙汰(ごさた)(さが)るやら(わか)らぬから()をつけたが()からうぞ。256本当(ほんたう)(こと)俺等(おれたち)には(わか)らぬのだ。257初稚姫(はつわかひめ)珍彦(うづひこ)さまが(おく)()でソツと御用(ごよう)(うけたま)はつて(ござ)るのだ』
258イク『成程(なるほど)259大方(おほかた)(じるし)(こと)だらうよ。260何卒(どうぞ)うまく()くといいがな』
261イル『あんな(やつ)がけつかると参詣者(さんけいしや)(ろく)(まゐ)つて()ないからな。262(しか)(ちひ)さい(こゑ)(ふすま)(あひだ)から初稚姫(はつわかひめ)(こゑ)で、263イルさまイルさまと仰有(おつしや)るのが(きこ)えたよ。264イヒヒヒヒヒ(なに)此奴(こいつ)ア、265()(こと)があるに(ちが)ひない。266(なに)せよ昨夜(ゆうべ)(ゆめ)(おつ)だからな。267その(こゑ)()くと(たちま)(おれ)(むね)(をど)る、268(うで)()る、269(おれ)精神(せいしん)(うま)(かは)つた(やう)になつて()た。270人間(にんげん)一代(いちだい)一度(いちど)二度(にど)運命(うんめい)(かみ)見舞(みま)ふものだから、271(この)風雲(ふううん)(じやう)ぜなくちや人生(じんせい)(うそ)だ。272(これ)からこのイルさまは立派(りつぱ)立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)になつて驍名(げうめい)天下(てんか)(かがや)かし、273(つき)(くに)へでも()つて大国(たいこく)刹帝利(せつていり)になるのかも()れぬぞ。274さうすれば貴様(きさま)らを右守(うもり)275左守(さもり)(かみ)任命(にんめい)してやるからな』
276サール『ヘン、277梟鳥(ふくろどり)(また)宵企(よひだく)みだらう。278初稚姫(はつわかひめ)(さま)何程(なにほど)イルさまと仰有(おつしや)つたつて、279あの(をとこ)受付(うけつけ)にイルか、280()らないものか、281(あるひ)道楽者(だうらくもの)だから此処(ここ)にイル(こと)はイルさまと仰有(おつしや)つたかも(わか)らないぞ。282()(かく)貴様(きさま)用心(ようじん)せないと駄目(だめ)だ。283()をつけよ』
284『ヘン、285(なん)()つても一富士(いちふじ)286二鷹(にたか)287三茄子(さんなすび)()結構(けつこう)(ゆめ)()たのだからな。288こんな(ゆめ)出世(しゆつせ)する(うん)のいいものでなければ、289メツタに()られぬからのう』
290『そんな(ゆめ)(なに)いいのだ。291よく(かんが)へて()ろ。292富士(ふじ)(やま)(ほど)借金(しやくきん)があつて、293如何(どう)にも()うにも(くび)(まは)らず、294(たか)(いき)もようせず、295高姫(たかひめ)には(わめ)かれ、296(はうき)(たた)かれ、297(また)その借金(しやくきん)茄子(なす)()す)(こと)出来(でき)ず、298高姫(たかひめ)圧迫(あつぱく)(たい)しても如何(いかん)とも茄子(なす)ことが出来(でき)ない貴様(きさま)腰抜(こしぬ)けだよと天教山(てんけうざん)木花姫(このはなひめ)さまが(ゆめ)のお()げだよ。299アツハハハハハ、300()毒様(どくさま)301のうイク、302ハル、303テル、304(おれ)判断(はんだん)(あた)つとるだらう』
305テル『そりや貴様(きさま)306(あた)るに(きま)つてらア。307当一(たういち)()ふぢやないか。308ウヘツエエエエエ』
309 ()(はな)(ところ)足音(あしおと)(たか)くやつて()たのは高姫(たかひめ)であつた。
310『これ、311イルさま、312(まへ)一寸(ちよつと)此方(こちら)()てお()れ。313御用(ごよう)出来(でき)たから』
314『はい、315()かぬ(こと)(ござ)いませぬが、316一体(いつたい)(なん)(よう)(ござ)りますかな。317御用(ごよう)(すぢ)(うけたま)はらねばさう軽々(かるがる)しく()(わけ)には()きませぬ。318(この)イルさまに(おそ)(おほ)くも今日(けふ)只今(ただいま)より、319斎苑(いそ)(やかた)八島主(やしまぬし)さまより(ほこら)(もり)神司(かむづかさ)任命(にんめい)されたかも()れませぬぞや。320それぢやによつて、321(いま)(まで)のイルとはチツと(くらゐ)(ちが)ひますから、322御用(ごよう)があればお(まへ)さまの(はう)から、323言葉(ことば)(ひく)(かしら)()げて()をふつて賄賂(わいろ)でも()はへて御出(おい)でなさらぬと、324貴女(あなた)地位(ちゐ)(ほとん)砂上(さじやう)楼閣(ろうかく)同様(どうやう)(ござ)りますぞや』
325『エーエ、326辛気(しんき)なこと。327(はや)()なさらぬかいな。328(たれ)斎苑館(いそやかた)から()てゐないぢやないか』
329高姫(たかひめ)さま、330貴女(あなた)「エー辛気(しんき)」と仰有(おつしや)いましたね。331そら、332さうでせう。333蜃気楼的(しんきろうてき)空想(くうさう)(ゑが)いて、334(この)(やかた)独占(どくせん)せむとする泡沫(はうまつ)(ごと)(たく)みだから、335蜃気楼(しんきろう)()つのも無理(むり)はありませぬわい。336イツヒヒヒヒ』
337『エーエ、338仕方(しかた)のない(をとこ)だな。339(また)(さけ)()うてゐるのだな。340それならイルは今日(けふ)(かぎ)此処(ここ)(かへ)つて(もら)ひませう。341(その)(かは)りにハルや、342一寸(ちよつと)(わし)(そば)()ておくれ。343御用(ごよう)()()かしたい(こと)があるから。344(まへ)一寸(ちよつと)()ても(かしこ)かりさうな、345よう()()ひさうな顔付(かほつき)きだ』
346『はい、347(まゐ)(こと)(まゐ)りますが、348何卒(どうぞ)(はうき)(たた)かぬやうに(ねが)ひますよ。349(わたし)(くに)には妻子(つまこ)(のこ)してあり……ませぬから、350(はうき)なんかで(たた)かれちや、351まだ()たぬ妻子(つまこ)がホーキに迷惑(めいわく)(いた)し、352(うち)大切(だいじ)(をつと)やお(とう)さまを虐待(ぎやくたい)したと()つて(くや)みますからな』
353『エーエ、354文句(もんく)仰有(おつしや)らずに()()るのだよ』
355『おい、356(おれ)()つたら屹度(きつと)貴様(きさま)(たち)ア、357(くび)だからな。358(その)用意(ようい)をして()れよ。359(しか)大抵(たいてい)(こと)なら、360(おれ)高姫(たかひめ)(さま)信認(しんにん)(ちから)によつて、361千言万語(せんげんばんご)(つひや)し、362弁護(べんご)結果(けつくわ)(たす)けてやるかも()れないから、363(おれ)後姿(うしろすがた)義理天上(ぎりてんじやう)さまだと(おも)うて、364恭敬礼拝(きようけいらいはい)してゐるがよからうぞ。365エヘン』
366肩肱(かたひぢ)(いか)らし、367高姫(たかひめ)(うしろ)から(にぎ)(こぶし)(かた)めて(くう)()ちながら、368一寸(ちよつと)(うしろ)()(かへ)り、369(なが)(した)をニユツと()して四人(よにん)()せ、370(あご)をしやくり(しり)()()いて()く。
371大正一二・一・二三 旧一一・一二・七 北村隆光録)
   
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