霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 犬馬(けんば)(らう)〔一三一八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第51巻 真善美愛 寅の巻 篇:第1篇 霊光照魔 よみ:れいこうしょうま
章:第3章 第51巻 よみ:けんばのろう 通し章番号:1318
口述日:1923(大正12)年01月25日(旧12月9日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年12月29日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
松姫は神社拝礼のお勤めを終えると、今に帰って神書を調べていた。そこにお千代があわただしく帰ってきて、門口の戸をぴしゃりと閉めると中からつっぱりをかった。松姫が不審に思って尋ねると、お千代はとんでもな化け物が、高姫と杢助と名乗ってやってきたという。
松姫はてっきり、本部から二人がやってきたと思ったが、お千代は二人の面相は化け物のようでとても本部の役員とは思えなかったと報告した。
そこへ文助がやってきて、本部から杢助と高姫がやってきて、松姫の教主職を今日かぎり解いて、代わりに二人が小北山を監督することになった、と伝えに来た。松姫は、かねてから松彦と協力して御神業の活動を外でやりたいと思っていたので願いがかなったと喜んだ。
しかしお千代は高姫と杢助と名乗る二人組は化け物だと言い張り、斎苑の館からの御沙汰が来ていないのにおかしいと指摘した。文助は二人は斎苑の館の幹部だから、その他に辞令は必要ないだろうと答えたが、お千代は自分が確認すると言ってきかない。
そこへお菊が戻ってきた。お菊は三人の話を聞くと、自分もあの高姫と杢助は怪しいと思うと報告した。松姫は、文助とお菊に二人をともかくもてなすよう言いつけ、自分は後で行くと伝えるように託した。
後にお千代は、エンゼルが耳元でささやいたと、高姫は本物だが杢助は妖幻坊という兇党界の幹部の化け物だと松姫に伝えた。松姫は高姫の身の上を心配したが、お千代は悪事を企む者にはここの神様を拝ませて驚かしてやりたいと息巻いている。
二人が話しているところへ、大きな猛犬が尾を振りながら入ってきた。スマートが初稚姫からの手紙を送ってよこしたのであった。松姫は手紙に初稚姫の名を認めると、手紙を改めるためにお千代に門口を閉めさせた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5103
愛善世界社版:44頁 八幡書店版:第9輯 281頁 修補版: 校定版:45頁 普及版:20頁 初版: ページ備考:
001 松姫(まつひめ)(かく)神社(じんしや)拝礼(はいれい)(をは)り、002(わが)居間(ゐま)()つて神書(しんしよ)調(しら)べてゐた。003そこへお千代(ちよ)(あわただ)しく(かへ)(きた)り、004門口(かどぐち)()をピシヤツと()め、005(なか)からツツパリをかうた。006松姫(まつひめ)(これ)()(あや)しみ、
007『これ、008千代(ちよ)009夜分(やぶん)(なん)ぞの(やう)に、010何故(なぜ)()にツツパリをしたり(など)なさるのだい』
011千代(ちよ)『ハイ、012(いま)怪体(けたい)なド(たふ)しものが()たのですよ。013(いづ)此処(ここ)にも()るか()れませぬから、014()たら()れない(やう)にしてゐるのですよ』
015(ひる)最中(もなか)()()めてツツパリかふ(など)とは可笑(をか)しいぢやありませぬか。016大方(おほかた)昼泥棒(ひるどろぼう)連中(れんちう)(たい)()んで()たのかい。017(かま)はぬぢやないか。018ここは神様(かみさま)(ござ)るから、019(なに)()たつて大丈夫(だいぢやうぶ)だよ』
020(なに)021(かあ)さま、022泥棒(どろばう)(くらゐ)なら一寸(ちよつと)(かま)やしないが大化物(おほばけもの)()たのだよ。023(いま)(きく)さまと(もも)()(した)(あそ)んでゐたら、024一人(ひとり)高姫(たかひめ)だと()つて(いや)らしい(かほ)した(をんな)025(また)一人(ひとり)(おほ)きな(をとこ)(みみ)がペロペロ(うご)いてゐるのよ。026屹度(きつと)あれは化物(ばけもの)(ちが)ひありませぬ。027(かあ)さまをちよろまかさうと(おも)つて()たのだらうから、028屹度(きつと)()つちやいけませぬよ。029それで(わたし)(いそ)いで(かへ)つて()()めたのです』
030高姫(たかひめ)さまと()へば蠑螈別(いもりわけ)さまのお師匠様(ししやうさま)だ。031そして(いま)三五教(あななひけう)立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)032(なに)しに(また)案内(あんない)もなしに突然(とつぜん)()しになつたのだらうか。033ハテ、034如何(どう)不思議(ふしぎ)だ。035昨夜(ゆうべ)昨夜(ゆうべ)(めう)(ゆめ)()たのだが、036ヒヨツとしたら化物(ばけもの)ぢやなからうか。037いやいや昼間(ひるま)(この)神聖(しんせい)場所(ばしよ)化物(ばけもの)がやつて()(はず)がない。038いや高姫(たかひめ)さまなら()はずばなるまい。039ハテ、040不思議(ふしぎ)だな』
041()つて(くび)をかたげている。
042千代(ちよ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)高姫(たかひめ)さまなら、043もちと品格(ひんかく)がありさうなものですよ。044それはそれは下品(げひん)な……(なん)とも()へぬ(さも)しい姿(すがた)で、045一目(ひとめ)()てもゾゾ()()(やう)(をんな)でしたよ。046そして(つら)つてゐる(をとこ)半鐘泥棒(はんしようどろぼう)(やう)不恰好(ぶかつかう)な、047怪体(けたい)(つら)した(やつ)ですよ。048如何(どう)しても(わたし)()には人間(にんげん)とは()えませぬわ。049(まつた)妖怪(えうくわい)ですよ』
050松姫(まつひめ)『ハテ、051(めう)(こと)()ふぢやないか。052そして受付(うけつけ)文助(ぶんすけ)さまは(なん)とか()つてゐただらうな』
053文助(ぶんすけ)さまは(なん)だか、054高姫(たかひめ)()怪体(けたい)(をんな)(はなし)をして()りましたが、055一度(いちど)松姫(まつひめ)(さま)(まを)()げて()ると(まを)して()りましたよ。056それを()いたものだから、057文助(ぶんすけ)(やう)(めくら)が、058(なに)(わか)らずにお(かあ)さまに、059せうもない(こと)()つて()げようものなら大変(たいへん)だと(おも)つて、060一歩先(ひとあしさき)()らしに(かへ)つて()ましたの。061(かあ)さま、062屹度(きつと)あの二人(ふたり)()つちやいけませぬぜ』
063『それだと()つて、064神様(かみさま)のお(みち)では()んな(かた)にでも()はなけりやいかぬぢやないか。065仮令(たとへ)化物(ばけもの)でも曲津(まがつ)でも、066神様(かみさま)(をしへ)()()かして改心(かいしん)さしてやりさへすれば()いぢやありませぬか』
067『だつてあんな(やつ)068(なに)(たく)むか()れやしないわ。069(かあ)さまが(なん)()つても、070千代(ちよ)はあんな化物(ばけもの)()れませぬよ』
071『マア何事(なにごと)(わたし)(まか)しておきなさい。072(まへ)さまは()子供(こども)だから、073さう(ひと)(ひと)(くちばし)()れるものぢやありませぬぞや』
074 ()親子(おやこ)(はな)してゐる(ところ)へ、075門口(かどぐち)()をポンポンと(たた)(おと)がする。076(これ)受付(うけつけ)文助(ぶんすけ)高姫(たかひめ)()(こと)松姫(まつひめ)報告(はうこく)のためであつた。
077 文助(ぶんすけ)()(そと)から、
078『もしもし、079松姫(まつひめ)(さま)080文助(ぶんすけ)(ござ)ります。081一寸(ちよつと)門口(かどぐち)()けて(くだ)さいませぬか。082急用(きふよう)(ござ)りまして御相談(ごさうだん)(まゐ)りました』
083『ハイ、084一寸(ちよつと)()つて(くだ)さいませ。085子供(こども)悪戯(いたづら)(いた)しまして……(いま)(すぐ)()けますから……これお千代(ちよ)086(はや)(かど)()けぬかいな』
087『お(かあ)さま、088(かど)()けたら文助(ぶんすけ)這入(はい)つて()ますよ』
089這入(はい)つて(ござ)(やう)()けるのぢやないか』
090『だつてお(かあ)さま、091文助(ぶんすけ)()(こと)巻込(まきこ)まれちやいけませぬよ。092あの(ぢい)化物(ばけもの)にひどう感心(かんしん)してゐた(やう)ですから……』
093()ひながらツツパリを取外(とりはづ)しガラリと()けた。094文助(ぶんすけ)はヨボヨボとしながら(しきゐ)(また)げ、095四辺(あたり)をキヨロキヨロ見廻(みまは)してゐる。096されど松姫(まつひめ)姿(すがた)はハツキリ()えなかつた。097(ただ)()(わる)いので、098(こゑ)をしるべに(はなし)するより仕方(しかた)がないのである。099松姫(まつひめ)は、
100『さア何卒(どうぞ)(あが)りなさいませ』
101座蒲団(ざぶとん)()文助(ぶんすけ)()()つて(すわ)らせた。
102文助(ぶんすけ)『アーア、103(とし)()つて()不自由(ふじゆう)なのも厄介(やくかい)なものですわい』
104『それだつて貴方(あなた)心眼(しんがん)(ひら)けてゐるのですもの、105結構(けつこう)ですわ。106()()えないと()つても、107あれ(くらゐ)綿密(めんみつ)()()けるから結構(けつこう)ぢやありませぬか。108(とき)文助(ぶんすけ)さま、109(なに)急用(きふよう)でも出来(でき)たので(ござ)りますのか』
110『ハイ、111折入(をりい)つて貴女(あなた)御相談(ごさうだん)(まを)()げたい(こと)突発(とつぱつ)(いた)しました。112(じつ)にお()(どく)で……(なに)から()つてよいやら、113地異天変(ちゐてんぺん)114言葉(ことば)()しやうも(ござ)りませぬ』
115 お千代(ちよ)(そば)から、
116『これ文助(ぶんすけ)さま、117駄目(だめ)よ。118彼奴(あいつ)化物(ばけもの)だから、119(まへ)(だま)されて()るのだ。120(かあ)さまに(なに)()ふぢやありませぬよ。121さアさア トツトとお(かへ)り。122足許(あしもと)(あぶ)なけりや、123千代(ちよ)()()いて()げませう』
124松姫(まつひめ)『これお千代(ちよ)125(なん)()(こと)仰有(おつしや)るのだい。126(まへ)子供(こども)だから(だま)つて()りなさい。127文助(ぶんすけ)さま、128こらへて(くだ)さいや。129如何(どう)()()教育(けういく)出来(でき)()ないから(こま)つたものです。130(きく)さまと好一対(かういつつゐ)です。131(あそ)友達(ともだち)(わる)いとサツパリ感化(かんくわ)されて(しま)ひます。132本当(ほんたう)(おや)迷惑(めいわく)してゐますのよ。133(とき)文助(ぶんすけ)さま、134()(どく)だとは何事(なにごと)ですか』
135『ハイ、136(じつ)高姫(たかひめ)さまが()えまして(ござ)ります。137そして斎苑(いそ)(やかた)総務(そうむ)杢助様(もくすけさま)までがおいでになり、138何者(なにもの)貴女(あなた)悪口(あくこう)(まを)したものと()えて、139貴女(あなた)今日(けふ)(かぎ)教主(けうしゆ)(やく)()き、140高姫(たかひめ)(さま)教主(けうしゆ)となり、141杢助様(もくすけさま)出張(しゆつちやう)して監督(かんとく)をなさる(こと)になつたのだと()つて、142(いま)(した)()えて()ります。143(まこと)(なが)らくお世話(せわ)になりましたが、144貴女様(あなたさま)とはお(わか)れせなくちやならぬかと(おも)へば(じつ)にお名残(なごり)()しう(ござ)ります』
145 松姫(まつひめ)平然(へいぜん)として、
146『ホホホホホ、147(なに)大変事(だいへんじ)(おこ)つたかと(おも)へば、148そんな(こと)ですかな。149そりや結構(けつこう)です。150(わたし)(じつ)此処(ここ)立退(たちの)いて、151(をつと)(とも)大活動(だいくわつどう)をして()たかつたのです、152(しか)しながら()むを()今日(けふ)まで(つと)めて()りました。153そりや本当(ほんたう)結構(けつこう)ですわ』
154『それを()いて(わたし)一寸(ちよつと)安心(あんしん)(いた)しました。155いや如何(どう)(うへ)のお(かた)(こころ)()ふものは(わか)らぬものですな。156さうなくちやかなひますまい。157(さくら)(よる)(あらし)にうたれて(ひと)つも(のこ)らず(いさぎよ)()るのが(ほまれ)だと()きました。158イヤ天晴(あつぱれ)々々(あつぱれ)159見上(みあ)げたお(こころざし)160(じつ)(かん)()りました』
161(そで)(なみだ)(ぬぐ)うてゐる。162千代(ちよ)(そば)から、
163『これ、164文助(ぶんすけ)さま、165(まへ)(めくら)だから化物(ばけもの)(だま)されてゐるのだよ。166(かあ)さままでが、167(なん)ですか、168あんな(やつ)()たと()つて此処(ここ)()()(つも)りですか。169()斎苑(いそ)(やかた)から(なん)とも御沙汰(ごさた)がないぢやありませぬか。170仮令(たとへ)()んな(かた)()えても相手(あひて)になつちやいけませぬよ。171(この)(あひだ)もお(とら)さまが魔我彦(まがひこ)()れて()かれてから、172もう四五十日(しごじふにち)になるのに、173(なん)沙汰(さた)もないぢやありませぬか。174(おな)斎苑(いそ)(やかた)から()えるのだから、175八島主(やしまぬし)神様(かみさま)から御内報(ごないほう)がある(はず)176(また)魔我彦(まがひこ)さまからも(なん)とか()らせがある(はず)です。177()づトツクリと調(しら)べた(うへ)でないと、178えらい()()はされますよ』
179松姫(まつひめ)『いかにもさうだな。180(まへ)()ふのも一理(いちり)がある。181いや文助(ぶんすけ)さま、182(なに)(その)高姫(たかひめ)さまは斎苑(いそ)(やかた)から辞令(じれい)でも()つて()(ござ)るか。183それとも教主様(けうしゆさま)魔我彦(まがひこ)さまの手紙(てがみ)でも御所持(ごしよぢ)か、184それを()いて()(くだ)さいな』
185『ハイ、186()いて(まゐ)りませうが、187(なに)()つても三羽烏(さんばがらす)一人(いちにん)時置師(ときおかし)神様(かみさま)御出張(ごしゆつちやう)になつてゐるのだから、188(たづ)ねるにも(およ)びますまい。189(ほか)(かた)なら()(かく)190(なん)()つても斎苑(いそ)(やかた)総務(そうむ)さまだから、191(たづ)ねない(はう)()いでせう』
192千代(ちよ)『これ文助(ぶんすけ)さま、193(まへ)がよう(たづ)ねにや(わたし)(これ)から()つて、194本真物(ほんまもの)か、195偽物(にせもの)か、196検査(けんさ)をして()ますわ。197(かあ)さま、198それで()いでせう』
199『これこれお千代(ちよ)200(なに)()ふのだ。201(まへ)今日(けふ)(なん)にも()つちやなりませぬぞや。202(はは)箝口令(かんこうれい)()きますぞや』
203『だつて千騎一騎(せんきいつき)(この)場合(ばあひ)204(かあ)さまの箝口令(かんこうれい)(くらゐ)閉口(へいこう)出来(でき)ますか』
205『ああ(こま)つた(むすめ)だな』
206『ああ(こま)つたお(かあ)さまだな』
207文助(ぶんすけ)(こま)つた(こと)出来(でき)たものだな』
208千代(ちよ)『ハツハハハハ』
209(わら)(こゑ)(そと)から()きつけて這入(はい)つて()たのはお(きく)であつた。
210『お千代(ちよ)さま、211(なに)可笑(をか)しいの、212よく(わら)つてゐますね』
213『お(きく)さまか、214よう()(くだ)さいました。215(いま)ね、216文助(ぶんすけ)さまが()()て、217あの化物(ばけもの)杢助(もくすけ)さまだ、218高姫(たかひめ)さまだと()つてゐますのよ。219それをお(かあ)さまが本当(ほんたう)にしてるのだもの、220可笑(をか)しうて(たま)らないわ』
221本当(ほんたう)にね。222怪体(けたい)(やつ)()たものですわ。223(あた)高姫(たかひめ)()つたら、224もつと立派(りつぱ)小母(をば)さまと(おも)つてゐたのに、225まるで化物(ばけもの)だわ。226杢助(もくすけ)さまだと()つてるが(けだもの)(やう)(みみ)がペロペロ時々(ときどき)(うご)くのだもの。227(なん)でも彼奴(あいつ)可笑(をか)しい(ばけ)さまですよ。228(しか)しあの(ばば)が「(わたし)高姫(たかひめ)だ、229松姫(まつひめ)さまの師匠(ししやう)だから(はや)()んで()い」と()つたので仕方(しかた)なしに()たのよ。230もし松姫(まつひめ)さま、231あんな(やつ)()つちやいけませぬよ。232(しか)(なん)とか返事(へんじ)をせなくちやなりませぬから、233一寸(ちよつと)御報告(ごほうこく)(かたがた)やつて()ましたの』
234松姫(まつひめ)『それは、235まアよう()(くだ)さつた。236(きく)さま、237(まへ)(あや)しいと(おも)つたのかい』
238如何(どう)可笑(をか)しい(やつ)ですわ。239キツト、240ありや(にせ)ですよ』
241『お(きく)さま、242それなら貴女(あなた)御苦労(ごくらう)だが、243その高姫(たかひめ)さまとやらに()()つて(くだ)さいね、244(いま)松姫(まつひめ)神様(かみさま)御用(ごよう)最中(さいちう)だから、245()次第(しだい)()にかかります。246それまで教主館(けうしゆやかた)で、247(さけ)なつと(あが)つて()つて()(くだ)さい」と(わたし)()つたと(つた)へて(くだ)さいね。248文助(ぶんすけ)さまも一緒(いつしよ)(かへ)つて(くだ)さい。249そして粗忽(そそう)のない(やう)にもてなしを(たの)みますよ』
250文助(ぶんすけ)『ハイ、251承知(しようち)(いた)しました。252サアお(きく)さま、253(かへ)りませう』
254とお(きく)()()かれコチコチと階段(かいだん)(くだ)つて()く。255(あと)にお千代(ちよ)(こゑ)(ひそ)めて、
256『お(かあ)さま、257高姫(たかひめ)本当(ほんたう)のよ。258けれど(あと)からついて()杢助(もくすけ)()ふのは屹度(きつと)化物(ばけもの)よ。259その(つも)りでつき()はなくちやいけませぬよ』
260『そんな(こと)261どうしてお(まへ)(わか)つたのかい』
262『それでも、263(わたし)耳許(みみもと)でエンゼルが(ささや)いて(くだ)さいましたもの。264(かあ)さまによく()をつける(やう)にと()はれましたよ』
265『お(まへ)時々(ときどき)エンゼルの御降臨(ごかうりん)があるのですから本当(ほんたう)重宝(ちようほう)(からだ)ね。266そして(その)化物(ばけもの)何物(なにもの)だと仰有(おつしや)つたかい』
267『あれは妖幻坊(えうげんばう)()兇党界(きようたうかい)相当(さうたう)位地(ゐち)()めてる大悪魔(だいあくま)ださうです。268(しか)日輪様(にちりんさま)(おそ)れる(こと)非常(ひじやう)なもので、269(ひる)(ある)(とき)深編笠(ふかあみがさ)(かぶ)り、270中々(なかなか)(そと)へは()ないさうですよ。271昼間(ひるま)何時(いつ)(もり)(なか)()てると()(こと)ですわ。272その妖幻坊(えうげんばう)高姫(たかひめ)さまが()かされて、273(また)義理天上(ぎりてんじやう)をふり(まは)してゐるのだから尚々(なほなほ)始末(しまつ)(わる)いのよ』
274『ハテ、275(こま)つた(こと)だな。276(なん)とか工夫(くふう)があるまいかな』
277『お(かあ)さま、278屹度(きつと)()つちやいけませぬよ。279そして高姫(たかひめ)自分(じぶん)勝手(かつて)に、280此処(ここ)教主(けうしゆ)だと()つてるのですよ。281斎苑(いそ)(やかた)からお沙汰(さた)のあるまで(うご)いちやいけませぬぞえ。282(かあ)さまは小北山(こぎたやま)神司(かむづかさ)だから、283(たれ)指一本(ゆびいつぽん)さへられる(からだ)ぢやありませぬからね。284屹度(きつと)調(しら)べて()たら、285斎苑(いそ)(やかた)書付(かきつけ)()つてゐない(こと)はきまつてゐますわ。286それで面白(おもしろ)いから、287一遍(いつぺん)調(しら)べてやらうと(おも)つたのよ』
288『そんな()らぬ(こと)をせなくてもいいぢやないか。289高姫(たかひめ)さまに(はぢ)をかかさない(やう)にして、290なるべく御改心(ごかいしん)(あそ)ばす(やう)真心(まごころ)(つく)して御意見(ごいけん)申上(まをしあ)げるのだな。291(まへ)出過(です)ぎた(こと)()はない(やう)にして(くだ)さいや』
292『それでも(あま)馬鹿(ばか)にしてゐるのだもの、293ちつとは()ひたくなつて()るのよ。294一遍(いつぺん)神様(かみさま)(をが)ましてやつたら吃驚(びつくり)するだらうね。295それを()るのが(たの)しみだわ』
296(なん)とまア(くち)(わる)()だな。297(ひと)がビツクリするのが、298(まへ)はそれ(ほど)面白(おもしろ)いのかい。299(こま)つたお転婆(てんば)だな』
300『それでも()(なか)(たぶら)かし(ひと)(くる)しめ、301大神様(おほかみさま)(みち)妨害(ばうがい)する悪魔(あくま)だから、302チツとは(こら)しめてやらなくちや、303神様(かみさま)にお(つか)へしてゐるお(かあ)さまの(やく)()みますまい。304(わたし)だつて化物(ばけもの)看過(かんくわ)しちや職務不忠実(しよくむふちうじつ)()ふものですわ。305こんな(とき)こそは審神(さには)充分(じうぶん)しなくちやなりませぬわ』
306(しか)高姫(たかひめ)さまは本物(ほんもの)だとあれば、307(わたし)大恩(だいおん)ある御師匠様(おししやうさま)308()にかかつて御挨拶(ごあいさつ)申上(まをしあ)げねばなるまい。309そして(その)(やう)悪魔(あくま)(だま)されて()りなさるなら、310()をつけて()げなくちや師弟(してい)(やく)()むまい。311ああ(こま)つた(こと)出来(でき)たものだ』
312 ()(はな)(ところ)()をふつて(いさぎよ)這入(はい)つて()たのは巨大(きよだい)なる猛犬(まうけん)であつた。313()れば(くび)たまに(なに)手紙(てがみ)(やう)なものが(さが)つて()る。
314松姫(まつひめ)『ア、315これは何処(どこ)からか手紙(てがみ)()つてお使(つか)ひに()たのだな。316これこれお(いぬ)さま、317何処(どこ)からか()らぬが御苦労(ごくらう)だつたな。318どれどれ、319手紙(てがみ)()せて(いただ)きませう』
320とやさしく()ひながら(ふた)(みつ)(くび)(あた)りを()でて可愛(かあい)がり、321(くく)りつけた手紙(てがみ)()り、322上書(うはがき)()れば、323小北山(こぎたやま)神司(かむづかさ)松姫(まつひめ)(さま)へ、324(ほこら)(もり)(おい)て、325初稚姫(はつわかひめ)より」と(しる)してある。
326『ああ(これ)初稚姫(はつわかひめ)(さま)御手紙(おてがみ)だ。327(なに)(かは)つた(こと)出来(でき)たのかな。328これお千代(ちよ)や、329一寸(ちよつと)門口(かどぐち)()めて(くだ)さい。330秘密(ひみつ)御用(ごよう)かも()れないから』
331 お千代(ちよ)(そと)をキヨロキヨロ見廻(みまは)し、332(たれ)()()ないので安心(あんしん)(むね)()(おろ)し、333ソツと()をしめて(かた)くツツパリをかうた。334(この)猛犬(まうけん)()はずと()れた初稚姫(はつわかひめ)愛犬(あいけん)スマートなる(こと)()ふまでもない。
335大正一二・一・二五 旧一一・一二・九 北村隆光録)
   
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