霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
テキストのタイプ[?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示[?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌[?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注[?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
外字1の色
外字2の色

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


誰も知らなかった日本史
〈 2016年6月3日緊急発刊 〉
王仁三郎昇天50年目に発見された新事実が明らかになる!
『切紙神示と共に甦る孝明天皇の遺勅(予言) 誰も知らなかった日本史 皇室に隠された重大な真実』
出口恒(著) 飯塚弘明(協力) ヒカルランド
アマゾン等で絶賛発売中!
本書の中に出てくる資料は「出口王仁三郎大学」でダウンロードできます
【新着情報】2017/3/17 王仁三郎関連書籍のPDFがこちらでダウンロードできます。たくさんあります。
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第二章 哀別(あいべつ)(うた)〔一三三八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第52巻 真善美愛 卯の巻 篇:第1篇 鶴首専念 よみ:かくしゅせんねん
章:第2章 哀別の歌 よみ:あいべつのうた 通し章番号:1338
口述日:1923(大正12)年01月29日(旧12月13日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年1月28日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
人間は天の高天原であろうと地の高天原であろうと、霊域に昇りその内に入るにしたがい、智慧と証覚はいよいよ増して来て、かつて難解と思っていた問題もおいおいと感得することができるようになる。いずれも、大神より来る愛の力によるものである。
大神の御神格をその内分に受けることが多い人間を、天的人間、また内的天人、高処天人ともいうのである。天国にある天人がいるところの愛を天愛といい、霊国にある天人がいるところの愛を霊愛という。天国には大神は太陽と現れ給ひ、霊国には月と現れ給う。
初稚姫は天国天人の部類に属し、現の御魂にして太陽の熱すなわち愛を全部となし給う。言依別命は霊国にある天人にして、信の真におり、月の光をもってその全部となし給う。
ゆえに初稚姫はよく神を祭り、祝詞を奏上し、宣伝使や信者の模範となりたまう。言依別命は智的方面に住し、宇宙の真理を説き諭し、現幽神三界の真相を明らかにし、すべての原動力とならせ給う霊的天人である。
天国は大神の祭司的国土にして大神の御住所である。霊国は大神の王土にしてこれを王座または瑞の法座ともいう。天国と霊国の交通の機関は、大神の思し召しによって置かせられた媒介的天人団体の手によって行われている。
初稚姫はこの媒介的天人の手によってある時は天国と交通し、ある時は霊国と交通し、また天国霊国一度に交通し給うこともあった。初稚姫のような地上の天人であっても、肉体人の境遇に居る間は、どうしても媒介者を通じる必要があったのである。
初稚姫は、祠の森を立ち出でていよいよ遠征の途に就こうとした。珍彦夫婦をはじめとする幹部役員、信徒たちは親のごとく神のごとく慕っていた初稚姫と別れることを非常に嘆き悲しみ、今しばしの逗留を望んだが、神業のため初稚姫がさらに祠の森に留まる余地はなかった。
初稚姫は愛別離苦の情もあり、また自分が去った後に再び強烈な曲津神のために祠の森が惑わされることがあるまいかと案じていた。しかし斎苑の館からほど遠くないこの地点なら、まさかのときには宣伝使たちが応援に来てくれるだろうと思い直し自らの心を励まして、出立を決意した。
初稚姫は神殿の前にて、珍彦以下の神の僕たちが悪魔に狂惑されることがないようにと祈りの歌を歌い、また神業の使命を全うせんことを懇願して、送別の宴に臨んだ。珍彦は別れを惜しむ歌を歌い、以下祠の森の神司たちは、初稚姫と別れの歌を交わした。
別れを交換し哀別の涙を流しながら、初稚姫はスマートを従えて宣伝歌を歌いながら降って行った。至マートも祠の森の人々に別れを惜しむごとく、二声三声悲しげな声を残して、尾を振りながら初稚姫に従いゆく。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:25頁 八幡書店版:第9輯 389頁 修補版: 校定版:26頁 普及版:14頁 初版: ページ備考:
001 人間(にんげん)(てん)高天原(たかあまはら)()高天原(たかあまはら)とを()はず、002その霊域(れいゐき)(のぼ)るに(さい)し、003(いよいよ)(うち)()るに(したが)ひ、004(すなは)(いよいよ)(たか)きに(のぼ)るに(したが)ひ)証覚(しようかく)智慧(ちゑ)とは(いよいよ)()(きた)りて、005(その)霊魂(れいこん)光明(くわうみやう)(はな)ち、006真理(しんり)(ぢゆう)し、007(かつ)難解(なんかい)問題(もんだい)思惟(しゐ)した(こと)も、008追々(おひおひ)感得(かんとく)するに(いた)()るものである。009(いづ)れも(みな)(かく)(ごと)情態(じやうたい)(すす)むは、010大神(おほかみ)より(きた)(あい)(ちから)()るものである。011(この)(あい)なるものは高天原(たかあまはら)一切(いつさい)のものを()るべき(うつは)なるが(ゆゑ)である。012大神(おほかみ)御神格(ごしんかく)(その)内分(ないぶん)()くること(おほ)(ところ)人間(にんげん)(しよう)して天的天人(てんてきてんにん)といふ。013(また)内的天人(ないてきてんにん)014高処天人(かうしよてんにん)とも別称(べつしよう)するのである。015高天原(たかあまはら)にも(また)内的(ないてき)016外的(ぐわいてき)区別(くべつ)があり、017内的(ないてき)天界(てんかい)高処天界(かうしよてんかい)といひ、018外的(ぐわいてき)天界(てんかい)低処天界(ていしよてんかい)(とな)へられてゐる。019(しか)して天国(てんごく)()天人(てんにん)()(ところ)(あい)天愛(てんあい)といひ、020在霊国(ざいれいごく)天人(てんにん)()(ところ)(あい)霊愛(れいあい)といふ。021(しか)して天国(てんごく)には大神(おほかみ)太陽(たいやう)(あら)はれ(たま)ひ、022霊国(れいごく)()つては(つき)(あら)はれ(たま)ふ。023初稚姫(はつわかひめ)(ごと)きは、024どちらかと()へば天国天人(てんごくてんにん)部類(ぶるい)(ぞく)し、025(いづ)御霊(みたま)にして太陽(たいやう)(ねつ)(すなは)(あい)全部(ぜんぶ)とも()つても()いのである。026(また)言依別命(ことよりわけのみこと)霊国(れいごく)()天人(てんにん)にして、027(しん)(しん)()り、028(つき)(ひかり)(もつ)(その)全部(ぜんぶ)となし(たま)ふものである。029(ゆゑ)初稚姫(はつわかひめ)()(かみ)(まつ)り、030祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、031(しか)して宣伝使(せんでんし)信者(しんじや)模範(もはん)となり(たま)ひ、032言依別命(ことよりわけのみこと)智的方面(ちてきはうめん)(しゆ)として(ぢゆう)(たま)ふが(ゆゑ)に、033宇宙(うちう)真理(しんり)()(さと)し、034現幽神(げんいうしん)三界(さんかい)真相(しんさう)(あきら)かにし、035すべての原動力(げんどうりよく)とならせ(たま)霊的天人(れいてきてんにん)である。036木花姫命(このはなひめのみこと)(ごと)きは霊的天人(れいてきてんにん)()(ぞく)(たま)ひ、037()出神(でのかみ)天的天人(てんてきてんにん)部類(ぶるい)(ぞく)(たま)神人(しんじん)である。038されども(いづ)れの(かみ)も、039霊的天人(れいてきてんにん)にして天的天人(てんてきてんにん)たり、040天的天人(てんてきてんにん)にして霊的天人(れいてきてんにん)たることは、041(その)平素(へいそ)御活動(ごくわつどう)状態(じやうたい)()つて(さと)()るのである。
042 天国(てんごく)はすべて大神(おほかみ)祭司的(さいしてき)国土(こくど)にして大神(おほかみ)御住所(ごぢゆうしよ)である。043霊国(れいごく)大神(おほかみ)王土(わうど)にして(これ)王座(わうざ)(また)(みづ)宝座(はうざ)とも()ふ。044(しか)して天国(てんごく)霊国(れいごく)との交通(かうつう)機関(きくわん)は、045(いづ)れも媒介的(ばいかいてき)天人団体(てんにんだんたい)()によつて(おこな)はれてゐる。046これも(みな)大神(おほかみ)思召(おぼしめし)()つておかせ(たま)うた(ところ)交通機関(かうつうきくわん)である。047初稚姫(はつわかひめ)(また)(この)媒介的(ばいかいてき)天人(てんにん)()によつて、048(ある)(とき)天国(てんごく)交通(かうつう)し、049(ある)(とき)霊国(れいごく)交通(かうつう)し、050(また)天国(てんごく)霊国(れいごく)一度(いちど)交通(かうつう)(たま)(こと)があつた。051初稚姫(はつわかひめ)(ごと)地上(ちじやう)天人(てんにん)は、052媒介的(ばいかいてき)団体(だんたい)()()らなくても、053(すぐ)交通(かうつう)()べきものと(かんが)へらるるなれども、054一旦(いつたん)地上(ちじやう)(くだ)りて肉体人(にくたいじん)境遇(きやうぐう)()らるる(あひだ)は、055()うしても媒介者(ばいかいしや)(つう)ずる必要(ひつえう)があるのである。056如何(いかん)とならば、057内的(ないてき)外的(ぐわいてき)両方面(りやうはうめん)(うち)介在(かいざい)(たま)天人(てんにん)なるが(ゆゑ)である。
058 初稚姫(はつわかひめ)(ほこら)(もり)立出(たちい)でて、059(いよいよ)遠征(ゑんせい)()()かむとした。060(この)(とき)珍彦(うづひこ)夫婦(ふうふ)(はじ)(かへで)(およ)幹部(かんぶ)役員(やくゐん)(はじ)め、061(ただ)しき信徒(しんと)は、062(おや)(ごと)(かみ)(ごと)(した)うてゐた(この)神人(しんじん)(わか)るる(こと)非常(ひじやう)(なげ)(かな)しみ、063せめてモウ一日(いちにち)なりとも(あし)(とど)められむことをと赤心(まごころ)より懇願(こんぐわん)して()まなかつた。064されど初稚姫(はつわかひめ)は、065如何(いか)(あい)らしき信仰(しんかう)()てる人々(ひとびと)熱涙(ねつるゐ)(なが)しての哀願(あいぐわん)も、066(これ)受入(うけい)るる余地(よち)がなかつた。067何故(なにゆゑ)ならば、068自分(じぶん)大神(おほかみ)より(まか)されたる大神務(だいしんむ)(はた)さねばならぬ()(うへ)である。069そして一日(いちにち)(はや)神業(しんげふ)完成(くわんせい)天下(てんか)(がい)(のぞ)大神(おほかみ)(まへ)復命(ふくめい)せなくてはならぬからであつた。070初稚姫(はつわかひめ)哀別離苦(あいべつりく)(じやう)(ほだ)されて、071(その)内心(ないしん)は、072此処(ここ)立去(たちさ)(こと)非常(ひじやう)()しんだのである。073万一(まんいち)(われ)此処(ここ)()らば、074(いま)(とく)(まつた)からず智慧証覚(ちゑしようかく)(うす)珍彦(うづひこ)(はじ)(その)()役員(やくゐん)信者(しんじや)は、075(また)もや強烈(きやうれつ)なる曲神(まがかみ)(ため)誑惑(きやうわく)され、076折角(せつかく)信仰(しんかう)失墜(しつつゐ)せざらむやとの(あん)じが(のこ)つてゐたからである。077(しか)(なが)斎苑(いそ)(やかた)(あま)(とほ)からざる地点(ちてん)なれば、078正勝(まさか)(とき)には綺羅星(きらぼし)(ごと)立並(たちなら)宣伝使(せんでんし)が、079(なん)とか事務(じむ)繰合(くりあは)して応援(おうゑん)()()れるであらう。080さうすれば、081自分(じぶん)はここを()つても、082さまで(うれ)ふべき失態(しつたい)(きた)さないであらうと一縷(いちる)(のぞ)みを(のこ)して、083いよいよ(こころ)(はげ)まし、084人情(にんじやう)(そと)()つて、085(かみ)(ため)活動(くわつどう)せむことを決意(けつい)した。086初稚姫(はつわかひめ)神殿(しんでん)(むか)つて訣別(けつべつ)()()べられた。087(その)(ことば)
088高天原(たかあまはら)霊国(れいごく)
089地上(ちじやう)(うつ)しまつりたる
090(ほこら)(もり)聖場(せいぢやう)
091(うづ)宮居(みやゐ)(さだ)めまし
092(した)巌根(いはね)宮柱(みやばしら)
093(ふと)しく()てて永久(とこしへ)
094しづまりいます三五(あななひ)
095皇大神(すめおほかみ)(はじ)めとし
096左右(さいう)(わき)にあれまする
097(もも)(かみ)(たち)御霊(みたま)(たち)
098(うづ)御前(みまへ)(つつし)みて
099初稚姫(はつわかひめ)真心(まごころ)
100披陳(ひちん)(つか)(たてまつ)
101三千世界(さんぜんせかい)(うめ)(はな)
102一度(いちど)(ひら)御神業(ごしんげふ)
103精霊界(せいれいかい)地獄界(ぢごくかい)
104(その)(ほか)()しき邪神界(じやしんかい)
105(やみ)彷徨(さまよ)(みたま)(たち)
106(のこ)(くま)なく大神(おほかみ)
107至善(しぜん)至愛(しあい)高徳(かうとく)
108なびかせまつり(おろ)かなる
109おのもおのもの(みたま)をば
110(みが)(きよ)めて心身(しんしん)
111(ひかり)(あた)天界(てんかい)
112(かみ)(ひかり)(むか)はしめ
113宇宙(うちう)一切(いつさい)万有(ばんいう)
114高天原(たかあまはら)楽園(らくゑん)
115(すく)はむ()めの鹿島立(かしまだ)
116(わらは)(わか)()(もつ)
117魔神(まがみ)のたけぶ荒野原(あらのはら)
118()けゆき(すす)()にしあれば
119(しこ)曲津(まがつ)隙間(すきま)なく
120(わらは)(ほろ)ぼしなやめむと
121(すき)(うかが)()つならむ
122ああ大神(おほかみ)大神(おほかみ)
123如何(いか)なる(まが)(おそ)ふとも
124(しこ)魔風(まかぜ)のすさぶとも
125(きよ)(たふと)御光(みひかり)
126(あい)(ねつ)とに(わが)身魂(みたま)
127(まも)らせ(たま)皇神(すめかみ)
128()さし(たま)ひし神業(しんげふ)
129いと(たひら)けく(やす)らけく
130(こと)()へしめて大前(おほまへ)
131一日(ひとひ)(はや)復命(かへりごと)
132(まを)させ(たま)惟神(かむながら)
133御前(みまへ)(つつし)()ぎまつる
134(あさひ)()るとも(くも)るとも
135(つき)()つとも()くるとも
136天変地妖(てんべんちえう)(おそ)ふとも
137(かみ)(まか)せし(この)身体(からだ)
138生死(せいし)(ほか)超越(てうゑつ)
139(あい)善徳(ぜんとく)(たて)となし
140(しん)真徳(しんとく)(ぬき)として
141(たゆ)まず(くつ)せず何処(どこ)までも
142(わが)天職(てんしよく)(まも)るべく
143(ちか)ひまつりし(うへ)からは
144仮令(たとへ)(わが)()(ほろ)ぶとも
145(かみ)()けたる霊身(れいしん)
146千代(ちよ)八千代(やちよ)永久(とこしへ)
147()ちず(ほろ)びず活動(くわつどう)
148幾万年(いくまんねん)(のち)までも
149顕幽(けんいう)二界(にかい)出没(しゆつぼつ)
150(この)目的(もくてき)(たつ)せずば
151いかでか()まむ大和魂(やまとだま)
152(わが)()(うち)天国(てんごく)
153(ひら)きて(すす)(いさ)ましさ
154(たちま)地獄(ぢごく)天国(てんごく)
155(かみ)のまにまに立直(たてなほ)
156(わが)霊魂(れいこん)天分(てんぶん)
157完全(うまら)委曲(つばら)(つく)すべし
158(まも)らせ(たま)惟神(かむながら)
159皇大神(すめおほかみ)大前(おほまへ)
160(かしこ)(かしこ)()ぎまつる』
161(ねん)(をは)り、162(かつ)珍彦(うづひこ)以下(いか)(かみ)下僕(げぼく)悪魔(あくま)誑惑(きやうわく)さるることなく、163惟神(かむながら)大道(だいだう)遵奉(じゆんぽう)し、164(その)使命(しめい)(まつた)うせむことを懇願(こんぐわん)して大前(おほまへ)退(しりぞ)き、165珍彦(うづひこ)(やかた)()りて送別(そうべつ)(えん)(のぞ)み、166いよいよ此処(ここ)(はな)るることとなつた。
167 珍彦(うづひこ)(わか)れに(のぞ)んで(うた)をよむ。
168久方(ひさかた)天津空(あまつそら)より(くだ)りましし
169(きみ)(わか)るる今日(けふ)(かな)しさ。
170(ねが)はくばせめて一日(ひとひ)(この)(もり)
171(すご)させ(たま)(いづ)生宮(いきみや)
172初稚姫(はつわかひめ)珍彦(うづひこ)(かみ)御言(みこと)如何(いか)にして
173(そむ)くべきかは、ああされどされど。
174惟神(かむながら)(かみ)言葉(ことば)(そむ)かれず
175()しき(わか)れを()ぐる(くる)しさ。
176()(とほ)くハルナの(みやこ)(すす)むとも
177(わが)(たましひ)(なれ)()ひなむ』
178珍彦(うづひこ)有難(ありがた)(その)御言葉(みことば)(ちから)とし
179(はしら)となして(かみ)(つか)へむ。
180()(やま)()れに()れたる醜草(しこぐさ)
181()けて(すす)ます(きみ)(たふと)き。
182何事(なにごと)(さち)あれかしと大前(おほまへ)
183(あさ)(ゆふ)なに(ねが)ひまつらむ』
184静子(しづこ)(うづ)(きみ)これの(やかた)()でまして
185(きよ)(たから)(あた)(たま)ひぬ。
186()()えぬ(もも)(たから)(あた)へられぬ
187(みが)きすまして(かみ)(ささ)げむ』
188初稚姫(はつわかひめ)()()えぬ(たから)()ちず(むし)()はず
189いや永久(とこしへ)()(もの)となるも。
190信仰(しんかう)(とく)()ちぬれば曲津見(まがつみ)
191如何(いか)なる(あだ)(おそ)ふべしやは』
192静子(しづこ)妖幻坊(えうげんばう)高姫(たかひめ)(ごと)曲津見(まがつみ)
193(きた)りし(とき)如何(いか)になさむか。
194これのみが(こころ)にかかり()(よる)
195(ねむ)られぬ()(すく)はれにけり。
196さりながら(また)(おも)ふかな曲津見(まがつみ)
197(おそ)(きた)らむ(ため)しなきやと』
198初稚姫(はつわかひめ)珍彦(うづひこ)静子(しづこ)(きみ)楓姫(かへでひめ)
199(こころ)(やす)かれ(うづ)聖地(せいち)ぞ。
200(なれ)()高天原(たかあまはら)(ひら)けなば
201大蛇(をろち)(おに)(おそ)()べきや。
202(おそ)るべき(わが)()(あだ)(こころ)より
203(かみ)(そむ)きし(つみ)とこそ()れ』
204珍彦(うづひこ)有難(ありがた)(きよ)(をしへ)(かうむ)りて
205(よみがへ)りたる心地(ここち)しにけり』
206楓姫(かへでひめ)初稚姫(はつわかひめ)(かみ)(みこと)(かへ)りまさば
207(たれ)をたよりに()をや(すご)さむ。
208この(きみ)(いのち)(おや)(あが)めつつ
209(つか)(きた)りしわれぞ(かな)しき。
210(わか)れても(また)()(こと)のあるものと
211(かみ)(をしへ)をたよりに()つも』
212初稚姫(はつわかひめ)楓姫(かへでひめ)名残(なごり)()きず(わが)(なみだ)
213(かみ)(ひかり)()して()くべし』
214楓姫(かへでひめ)(いま)(なが)(なみだ)(あめ)もやがて(また)
215()れて(うれ)しき神国(かみくに)(その)
216イル『いかにして(この)()でましを(とど)めむと
217(いの)りし甲斐(かひ)なく(わか)れむとぞする』
218イク『どうしても御供(みとも)(つか)へまつらむと
219(あさ)(ゆふ)なに(ねが)ひてしかも』
220サール『何処(どこ)までも(きみ)御後(みあと)(したが)ひて
221(われ)()くなり(かみ)のまにまに』
222初稚姫(はつわかひめ)『ますらをの(こころ)(うれ)しさりながら
223(かみ)(おほ)せに(そむ)くよしなし』
224サール『さりとても(これ)(この)(まま)(なん)として
225(わか)れらりようか(むね)(くる)しさ』
226ハル『はるばると荒野(あらの)()えて(つき)(くに)
227()でます(きみ)雄々(をを)しかりけり。
228われも(また)御供(みとも)(つか)へまつらむと
229(ねが)ひしことも(ゆめ)となりぬる』
230テル『如何(いか)にして(きみ)首途(かどで)をとどめむと
231(おも)ひし甲斐(かひ)()()くわかるる』
232初稚姫(はつわかひめ)『いざさらば珍彦(うづひこ)(その)()(つかさ)(たち)
233(かみ)(まも)りに(やす)くましませ』
234珍彦(うづひこ)(きみ)()かば(ほこら)(もり)(こがらし)
235()()()りし(ごと)くなるらむ』
236初稚姫(はつわかひめ)()()()るも(はる)陽気(やうき)(うま)()
237(めぐみ)(はな)(にほ)聖場(せいぢやう)
238いつまでも此処(ここ)にあるとも如何(いか)にせむ
239(かみ)(こころ)(かな)はざりせば。
240皇神(すめかみ)大御心(おほみこころ)逸早(いちはや)
241ハルナに()けと()らせ(たま)へば』
242 ()(たがひ)訣別(けつべつ)(うた)交換(かうくわん)し、243哀別(あいべつ)(なみだ)(なが)しながら、244愛犬(あいけん)スマートを(したが)へ、245宣伝歌(せんでんか)(うた)ひつつ、246初稚姫(はつわかひめ)崎嶇(きく)たる山路(やまぢ)を、247宣伝使服(せんでんしふく)()をかため、248(つゑ)(ちから)(くだ)()く。249スマートも(ほこら)(もり)人々(ひとびと)(わか)れを()しむものの(ごと)く、250二声(ふたこゑ)三声(みこゑ)(かな)しげな(こゑ)(のこ)し、251初稚姫(はつわかひめ)(あと)になり(さき)になり、252(また)もや(うれ)しげに(かしら)をふり、253()()(したが)()く。
254大正一二・一・二九 旧一一・一二・一三 松村真澄録)