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第二一章 狸妻(りさい)〔一三五七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第52巻 真善美愛 卯の巻 篇:第4篇 怪妖蟠離 よみ:かいようばんり
章:第21章 第52巻 よみ:りさい 通し章番号:1357
口述日:1923(大正12)年02月10日(旧12月25日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年1月28日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
四人は美しい奥の一間に導かれた。ガリヤは終始注意の眼であたりの不可解な光景を凝視していた。初と徳は、その場に現れた高宮姫を見て、どことなく高姫に似ていると首をひねっている。
高宮姫は、杢助が高宮彦となり、初と徳が奪い返してきた曲輪の神力によって、このような壮麗な城郭ができあがり、自分も若返ったのだと初と徳に自慢げに説明した。初は、杢助と高姫の仕打ちに文句を言うが、この曲輪城の左守と右守に任じるという高宮彦・高宮姫の言にすっかり有頂天になり、手なづけられてしまった。
高宮姫は、左守の妻は初稚姫、右守の妻は宮野姫と決められていると告げた。ケースは不服を言い、職務と結婚は別だと言い出した。そこで次の間に控えている初稚姫と宮野姫に、それぞれ言い寄って夫婦を決めることになった。
徳公は、考えてみれば、また狸にだまされているようでここは怪しいと注意をした。ガリヤは目がくらんですっかり高宮彦を信じてしまっている。そこへ四五人の美人が現れ、その中のサベル姫が徳公に言い寄ってきた。
徳公は、サベル姫の容貌に目がくらみ、目じりを下げてサベル姫の居間に導かれてしまった。そこへ四人の美人がやってきて、徳公の体に食らいつく。徳公は、体をかじられて血を吸われているのにもkがつかず、良い気分になり、しかし段々青くなってぐったりと寝てしまった。
ガリヤは心の中に神言を称えながら、警戒しつつ呆けたような顔を装って様子を考えていた。高宮姫はガリヤをうまく説きつけようと全力を尽くし、副城主の地位をもちかけた。ガリヤは副城主の地位に未練があるふりをして高宮姫を安心させた。
いつの間にか高宮彦がいなくなっていたので、後を追って高宮姫も出て行った。後にガリヤ一人が居間に残された。ガリヤが考え込んでいると、さきほどのサベル姫がやってきて、徳公は嫌になったとガリヤに色目を使う。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5221
愛善世界社版:251頁 八幡書店版:第9輯 469頁 修補版: 校定版:260頁 普及版:112頁 初版: ページ備考:
001 ガリヤ、002ケース、003(はつ)004(とく)四人(よにん)は、005八人(はちにん)美女(びぢよ)(みちび)かれ、006(うる)はしき(ひろ)(おく)一間(ひとま)(しやう)ぜられた。007ケースは(なん)となく、008(をんな)(うる)はしさと殿内(でんない)荘厳(そうごん)さに()たれて呆気(あつけ)()られてゐる。009ガリヤは始終(しじう)注意(ちゆうい)(まなこ)(はな)つて、010四辺(あたり)不可解(ふかかい)光景(くわうけい)凝視(ぎようし)してゐた。011(はつ)012(とく)両人(りやうにん)曲輪城(まがわじやう)城主(じやうしゆ)高宮彦(たかみやひこ)(およ)高宮姫(たかみやひめ)(この)()(あら)はれたのを()て、013余程(よほど)容貌(ようばう)(かは)つて()れども、014どこともなく、015高宮姫(たかみやひめ)小北山(こぎたやま)()高姫(たかひめ)()てゐるので、016しきりに(くび)(かたむ)けてゐた。017高宮姫(たかみやひめ)(はつ)018(とく)()打笑(うちわら)ひ、
019『ホホホホホ、020(はつ)さま、021(とく)さま、022これには(おそ)()りましただらう。023高宮彦(たかみやひこ)といふのは杢助(もくすけ)さまだよ。024そして高宮姫(たかみやひめ)はかう(わか)()えてもヤツパリ高姫(たかひめ)だよ。025(まへ)()つて()てくれた曲輪(まがわ)神力(しんりき)()つて、026(かく)(ごと)荘厳美麗(さうごんびれい)なる城廓(じやうくわく)(またた)(うち)出来上(できあが)がり、027(また)(わたし)容貌(ようばう)(もと)十八(じふはち)(かへ)り、028(かく)(ごと)容色(ようしよく)端麗(たんれい)なる美人(びじん)となつたのも曲輪(まがわ)神力(しんりき)だよ。029(まへ)はよいことをしてくれましたねえ』
030(はつ)貴女等(あなたがた)(わたし)たちに(ほね)()らせておきながら、031怪志(あやし)(もり)からドロンと()えて(しま)ひ、032(あし)()たない両人(りやうにん)置去(おきざ)りにした(うへ)033(いし)をぶつかけて()げるとは、034チツとひどいですな。035(はつ)(うら)んで()ましたよ』
036『ホホホホホ、037(まへ)度胸(どきよう)(ため)してみたのだよ。038サ、039(これ)からお(まへ)(この)(しろ)大番頭(おほばんとう)だ。040忠実(ちうじつ)御用(ごよう)をしなさい。041(はつ)左守(さもり)042(とく)右守(うもり)だ、043ねえ高宮彦(たかみやひこ)さま、044それでよいでせう』
045妖幻(えうげん)何事(なにごと)女王(ぢよわう)御意見(ごいけん)(まか)しませう。046女帝(によてい)崇拝(すうはい)現代(げんだい)だから、047仕方(しかた)がないワイ、048アハハハハ』
049(はつ)(おも)(がけ)なき抜擢(ばつてき)(あづ)かりまして、050まるで初公(はつこう)(たぬき)につままれたやうな気分(きぶん)(いた)します』
051『コレ初公(はつこう)052(いな)初司(はつつかさ)053(たぬき)につままれたやうだとは、054(なん)といふ不謹慎(ふきんしん)なことを仰有(おつしや)る。055ここは()高天原(たかあまはら)(ござ)るぞや。056(けつ)して曲津(まがつ)などは近寄(ちかよ)(こと)出来(でき)ませぬ。057今後(こんご)心得(こころえ)なされ』
058(とく)(わたし)異数(いすう)抜擢(ばつてき)(あづか)りまして、059右守(うもり)(にん)ぜられ、060()にあまる光栄(くわうえい)(ござ)ります。061これと(まを)すも、062(まつた)吾々(われわれ)(いのち)がけの大活動(だいくわつどう)(いた)し、063曲輪(まがわ)(たま)取返(とりかへ)して()(その)(むく)いで(ござ)いますれば、064(とく)右守(うもり)となつたとて、065(あま)出世(しゆつせ)のし()ぎでも(ござ)いませぬ。066当然(たうぜん)所得(しよとく)として(つつし)んでお()けを(いた)します』
067妖幻(えうげん)『アハハハハ、068(よろこ)んで()るのか不足(ふそく)()つてるのか、069チツとも(わけ)(わか)らぬぢやないか。070怪体(けつたい)挨拶(あいさつ)だなア』
071何分(なにぶん)(たぬき)相撲(すまふ)とり、072(いたち)()はかがされ、073精神(せいしん)異状(いじやう)(きた)したと()えまして、074(まを)()ぐることが前後(ぜんご)矛盾(むじゆん)075自家撞着(じかどうちやく)(かたむ)きが(ござ)いませう。076(なん)()つても曲輪城(まがわじやう)ですから、077本気(ほんき)徳公(とくこう)もお()けは出来(でき)ませぬ、078アハハハハ』
079 高姫(たかひめ)柳眉(りうび)逆立(さかだ)て、
080『コレ(とく)081(まへ)右守(うもり)(にん)じて(もら)ひながら、082左様(さやう)挨拶(あいさつ)(いた)すのは、083吾々(われわれ)侮辱(ぶじよく)してるのぢやないかい。084(けつ)してお(まへ)でなければ右守(うもり)(つと)まらぬといふのではない。085それなら(いま)から取消(とりけ)します。086(その)(かは)りとして、087ケースに(ねが)ひませう』
088ケース『ハイ、089右守(うもり)でも結構(けつこう)です。090(なん)なら左守(さもり)()ねても(よろ)しう(ござ)います』
091両方(りやうはう)といふ(わけ)には()きませぬ。092ヤツパリ貴方(あなた)右守(うもり)(つと)めて(くだ)さい。093()いては右守(うもり)094左守(さもり)とも夫婦(ふうふ)相並(あひなら)んで御用(ごよう)(いた)さねばならぬ。095左守(さもり)(つま)には初稚姫(はつわかひめ)096右守(うもり)(つま)には宮野姫(みやのひめ)ときまつて()りますれば、097やがて盛大(せいだい)なる結婚式(けつこんしき)取行(とりおこな)ふことに(いた)しませう』
098(はつ)『エヘヘヘヘ、099まるで(ゆめ)のやうだ。100オイ、101ケース、102初公(はつこう)失礼(しつれい)103すみまへんな』
104ケース『ウーン、105もし高宮姫(たかみやひめ)さま、106左守(さもり)107右守(うもり)といふことは(これ)職名(しよくめい)でせう。108人間(にんげん)(また)人間(にんげん)として各自(かくじ)夫婦(ふうふ)(えら)むのが至当(したう)ぢやありませぬか。109(をんな)左守(さもり)110右守(うもり)職名(しよくめい)附属物(ふぞくぶつ)にするとは、111チツと(へん)なものですな。112これだけは自由結婚(じいうけつこん)にして(いただ)きたいものです。113もしそれが出来(でき)ねば、114ケースを左守(さもり)にして(もら)ひたいものです』
115(しか)らば宮野姫(みやのひめ)116初稚姫(はつわかひめ)両人(りやうにん)(つぎ)()(ひか)へさしておきますから、117ケースに初公(はつこう)自由(じいう)(つま)をお(えら)びなさいませ。118(また)(をんな)(はう)にも(かんが)へがありませうから、119両方(りやうはう)から水火(いき)()うたものが夫婦(ふうふ)になれば、120(きは)めて円満(ゑんまん)(くら)されるでせうよ』
121『イヤ、122よく(わか)りました。123オイ初公(はつこう)124サア(これ)から選挙(せんきよ)競争(きやうそう)だ。125中原(ちうげん)鹿(しか)(たれ)()におちるか、126ここが(ひと)獅子(しし)奮迅(ふんじん)活動舞台(くわつどうぶたい)だ。127ケースの(おれ)上杉(うへすぎ)謙信(けんしん)だ。128貴様(きさま)武田(たけだ)信玄(しんげん)だ。129川中島(かはなかじま)(へだ)てて、130いよいよ女房(にようばう)争奪戦(さうだつせん)だ、131イヒヒヒヒ』
132(とく)『オイ初公(はつこう)133ケース、134(とく)(かんが)へりやチツとここは(あや)しいぞ。135(また)(たぬき)につままれて、136ドブへはめられなよ。137なア ガリヤ、138(この)立派(りつぱ)宮殿(きうでん)のやうに()えてるが、139どうやらすると(くさ)(ぱら)()えるやうですな。140かう()えて()つても、141ヤツパリ(たぬき)巣窟(さうくつ)かも()れませぬで』
142ガリヤ『ナアニ、143そんなことがあらうか、144結構(けつこう)曲輪城(まがわじやう)御殿(ごてん)だ。145杢助(もくすけ)さまに高姫(たかひめ)さま、146初稚姫(はつわかひめ)さままでが(ござ)るのだもの、147そんな心配(しんぱい)はするものでないワ』
148『ヘエー、149(めう)ですな』
150 かく()つてゐる(ところ)四五人(しごにん)美人(びじん)151盛装(せいさう)()らして(あら)はれ(きた)り、152一人(ひとり)(をんな)徳公(とくこう)首玉(くびたま)(くら)ひつき、153(やはら)かい(ほほ)(かほ)ににじりつけて、
154『あのマア(とく)さまの()(をとこ)155あたえ、156こんな()()いた気骨(きこつ)のある(ひと)は、157まだ()たことがないワ、158ねえ四人(よにん)のお(かた)
159 四人(よにん)一時(いちじ)にうなづく。160徳公(とくこう)(くら)ひついた(をんな)()をサベル(ひめ)といふ。
161(とく)さま、162そんな()つかしい小理窟(こりくつ)をいはずに(わたし)居間(ゐま)()頂戴(ちやうだい)ね。163(まへ)(たぬき)相撲(すまふ)とつたでせう。164(その)(とき)妄念(まうねん)(のこ)つてゐて、165(なに)もかも(たぬき)()えるのですよ。166あたえかて、167そんな(おそ)ろしい(たぬき)巣窟(さうくつ)にはよう()りませぬワ。168あたえが()ること(おも)へば、169(たぬき)()ぢやありますまい。170浮木(うきき)(もり)のランチ将軍様(しやうぐんさま)陣営(ぢんえい)(あと)ですもの、171(まゐ)りませう、172サベルと一緒(いつしよ)に』
173 (とく)半信半疑(はんしんはんぎ)(くも)(つつ)まれて、174(しばら)思案(しあん)をしてゐたが、175サベル(ひめ)容貌(ようばう)()うしても()(がた)(おも)はれ、176たうとう(こひ)曲者(くせもの)(とら)はれて、177目尻(めじり)()げ、178サベル(ひめ)居間(ゐま)(みちび)かれて()く。179(とく)立派(りつぱ)一間(ひとま)(しやう)ぜられ、180サベル(ひめ)(とも)に、181喋々喃々(てふてふなんなん)として(あま)(ささや)きを(つづ)けてゐた。182そこへ以前(いぜん)四人(よにん)美人(びじん)183ドアを()けて()(きた)り、
184『アレマア(ねえ)さま、185色男(いろをとこ)独占(どくせん)はチツと残酷(ざんこく)ですワ。186(わたし)(とく)さまの女房(にようばう)になります……あたえも……わらはも……』
187四方(しはう)より(とく)一人(いちにん)(からだ)(くら)()き、188(みみ)()めたり、189()()めたりして(こひ)しがる。190徳公(とくこう)(たましひ)有頂天(うちやうてん)となつて、191(みみ)()()られ、192(ゆび)(かじ)られて()るのも、193(すこ)しも痛痒(つうよう)(かん)ぜず、194(くち)立方形(りつぽうけい)にあけて(よだれ)をくつてゐる。195(みみ)爪先(つまさき)から()をチウチウと()はれて段々(だんだん)(あを)くなり、196よい気分(きぶん)になつて、197ぐつたりと()(しま)つた。198ガリヤは何処(どこ)までも(この)正体(しやうたい)見届(みとど)けねばおかぬと、199一分(いつぷん)()(こころ)(うち)にて神言(かみごと)をきらさず(とな)へながら、200(はう)けたやうな(つら)をして様子(やうす)(かんが)へてゐた。201高宮姫(たかみやひめ)は……このガリヤは容易(ようい)()へぬ(やつ)だ、202此奴(こいつ)をうまく()()けねばなるまい……と全力(ぜんりよく)(つく)してゐる。
203『ガリヤさま、204貴方(あなた)はバラモン(けう)でも智勇(ちゆう)兼備(けんび)勇士(ゆうし)(うけたま)はりましたが、205(なん)とはなしに威風(ゐふう)凛々(りんりん)として四辺(あたり)(はら)御人格者(ごじんかくしや)(ござ)いますねえ。206(じつ)(ところ)(わが)(をつと)高宮彦(たかみやひこ)さまも、207(まへ)自分(じぶん)代理(だいり)にしたいものだと、208それはそれは懇望(こんまう)して()られますよ。209どうか副城主(ふくじやうしゆ)になつて(くだ)さる(わけ)には()きませぬだらうか』
210 ガリヤは(いつは)つて承諾(しようだく)し、211一切(いつさい)様子(やうす)()きとめむと(おも)ひ、212ワザと(うれ)しさうな(こゑ)で、
213(わたし)(やう)不調法(ぶてうはふ)(もの)が、214()うしてそんな(たふと)いお(やく)(つと)まりませうか。215身分不相応(みぶんふさうおう)なことを(いた)して(あと)失敗(しくじ)るよりも、216一兵卒(いつぺいそつ)として(ひく)(つか)へるのが、217(わたし)()(ため)(もつと)安全(あんぜん)(ござ)います。218何卒(どうぞ)そればかりは(ひら)御免(ごめん)(かうむ)りませう』
219『そんな(まは)りくどい辞令(じれい)(もち)ゐるよりも、220本当(ほんたう)のことを()つて(くだ)さい。221(まへ)(なん)()つてもヤツパリ副城主(ふくじやうしゆ)(はう)がお(のぞ)みでせう。222(この)(いそが)しい時節(じせつ)に、223そんな(さぐ)るやうなことをいはずに、224素直(すなほ)承諾(しようだく)なさるが(よろ)しからう』
225(わたし)のやうな(もの)が、226そんな(やく)になれば、227世間(せけん)人間(にんげん)(たぬき)()けたと()ふでせう。228狇猴(もくこう)(かむり)したと(わら)ふでせう。229(しか)しながら(ひと)(なん)とも()はば()へ、230(わが)心根(しんこん)(かみ)のみぞ()る……と()(たとへ)(ござ)いますれば、231(よろこ)んでお()けを(いた)しませう』
232結構(けつこう)々々(けつこう)233それでこそお(まへ)(をとこ)があがる。234高宮彦(たかみやひこ)さまも(さぞ)(よろこ)びでせうねえ』
235(あと)振向(ふりむ)けば、236高宮彦(たかみやひこ)最早(もはや)(その)()姿(すがた)()えなかつた。237高宮姫(たかみやひめ)は、
238『アレまあ』
239(おどろ)きの(こゑ)(はな)ち、240ガリヤを(あと)(のこ)し、241(あわただ)しく(をつと)(あと)()うて(おく)()る。
242 あとにガリヤは(ただ)一人(ひとり)両手(りやうて)()吐息(といき)()らして、243どうしても此処(ここ)魔窟(まくつ)(ちが)ひない。244(なん)とかして暴露(ばくろ)させてくれむものと(かんが)()んでゐた。245そこへドアを押開(おしあ)()(きた)妙齢(めうれい)美人(びじん)があつた。246これはサベル(ひめ)である。247ガリヤは、
248『ああ貴女(あなた)はサベル(ひめ)さま、249こんな(ところ)へお()しになると、250徳公(とくこう)さまが()()みますよ、251ハハハハハ』
252『ホホホホホ、253あたえ、254徳公(とくこう)さまが(きら)ひで(きら)ひでたまらなくつて、255()げて()ましたのよ。256あたえのラブしてゐるのは、257ガの()のつくお(かた)ですワ、258ホホホホホ』
259(あか)(かほ)(そで)をあてて(うつむ)く。
260大正一二・二・一〇 旧一一・一二・二五 松村真澄録)
   
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6/22【霊界物語ネット】霊界物語読者アンケートに、三鏡の目次を以前のように戻して欲しいという要望があったので戻してみました。三鏡のトップページに「水鏡」「月鏡」「玉鏡」全部の目次が表示されます。