霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一五章 白熱化(はくねつくわ)〔一三七八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第53巻 真善美愛 辰の巻 篇:第2篇 貞烈亀鑑 よみ(新仮名遣い):ていれつきかん
章:第15章 白熱化 よみ(新仮名遣い):はくねつか 通し章番号:1378
口述日:1923(大正12)年02月13日(旧12月28日) 口述場所:竜宮館 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年3月8日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
鬼春別は、ヒルナ姫と上機嫌でくつろぎながら葡萄酒を傾けている。鬼春別は、ヒルナ姫が久米彦に秋波を送ったことを責めてからかった。ヒルナ姫は、自分が捨てられてはたまらないので、そうやって予防線を張っているのだと答えた。
ヒルナ姫は、鬼春別が自分にのろけきっているのを幸い、自分が鬼春別に非常に執着しているようなふりをして、つねったりたたいたりした。
そして、至善至愛のバラモン軍の将軍であれば、ビク国を破壊したり人々を苦しめるようなことはしないはずだと釘を刺し、そのような乱暴な所業は久米彦の指示だろうと吹き込んだ。そしてビク国の王や重臣たちを解放して実地を示すよう促した。
そこへ久米彦とカルナ姫がやってきた。鬼春別は、ヒルナ姫の手前、久米彦をいきなり怒鳴りつけてビク国侵略の乱暴を、彼のせいにしようとした。
久米彦はけげんな顔で、放火や捕囚はすべて鬼春別の命令でしたことだと答えて口論になった。ヒルナ姫は間に入り、カルナ姫は、久米彦がやってきたのは捕虜の解放についてだと話題を変えた。
鬼春別は言い遅れてはならないと、自分も同意見だと言って、副官たちとともに捕虜を解放するよう久米彦に命令した。久米彦はあきれながらも満足の意を表した。ヒルナ姫とカルナ姫は、すかさず二人を仁慈あふれる将軍だと持ち上げた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5315
愛善世界社版:170頁 八幡書店版:第9輯 566頁 修補版: 校定版:176頁 普及版:85頁 初版: ページ備考:
001 鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)はヒルナ(ひめ)(とも)に、002(すこぶ)上機嫌(じやうきげん)喋々(てふてふ)喃々(なんなん)雲雀(ひばり)のやうに(さへづ)(なが)ら、003葡萄酒(ぶだうしゆ)(かたむ)け、004舌鼓(したつづみ)()つてゐる。
005鬼春別(おにはるわけ)『アイヤ、006ヒルナ姫殿(ひめどの)007其方(そなた)拙者(せつしや)(きら)ひだと(まを)し、008非常(ひじやう)(はぢ)をかかし、009久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)非常(ひじやう)秋波(しうは)(おく)つたぢやないか。010さう(あき)(そら)(やう)にクレクレと(こころ)(かは)(をんな)は、011(こころ)(ゆる)して信用(しんよう)する(こと)出来(でき)ないぢやないか。012本当(ほんたう)飛切(とびき)上等(じやうとう)のお(きやん)だね』
013ヒルナ(ひめ)『そらさうですとも さうですとも、014貴方(あなた)()(こころ)()(こころ)ですもの、015何時(いつ)何方(どちら)(しり)()けらるるか、016険難(けんのん)でたまりませぬから、017(はぢ)をかかされない(うち)一寸(ちよつと)予防線(よばうせん)()つて()たのですよ。018妙齢(めうれい)のナイスがこんな(ところ)()()(をとこ)(はぢ)をかかされては、019両親(りやうしん)名折(なをれ)ですからね』
020鬼春別(おにはるわけ)『アハハハハ、021(まへ)中々(なかなか)(すみ)にはおけない代物(しろもの)だ。022男女(だんぢよ)(みち)にかけては徹底(てつてい)(てき)抜目(ぬけめ)のない(ひめ)(さま)ぢやなア。023千変(せんぺん)万化(ばんくわ)秘術(ひじゆつ)(つく)して戦陣(せんぢん)(のぞ)む、024流石(さすが)鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)も、025(まへ)辣腕(らつわん)には(した)()いたよ。026本当(ほんたう)(えら)いものだなア』
027ヒルナ(ひめ)『ホホホホホ、028一進(いつしん)一退(いつたい)秘術(ひじゆつ)(つく)すのが恋愛戦(れんあいせん)奥義(おくぎ)(ござ)いますからね』
029鬼春別(おにはるわけ)(なん)だか()らないが、030(まへ)天稟(てんぴん)美貌(びばう)()ひ、031その(やさ)しい(こゑ)()ひ、032雨後(うご)海棠(かいだう)か、033(つゆ)()びた白梅(しらうめ)(はな)か、034()(ほこ)つたダリヤか、035牡丹(ぼたん)芍薬(しやくやく)か、036形容(けいよう)(がた)いそのスタイルには、037三軍(さんぐん)叱咤(しつた)する勇将(ゆうしやう)も、038(はた)()(ほこ)(さか)しまにして降伏(かうふく)せなくちやならなくなつて()るわ、039ハハハハハ』
040ヒルナ(ひめ)『ようマア、041ソンナ(こと)()つて(ひと)のわるい……(わか)(をんな)揶揄(からかひ)(あそ)ばすのですか。042ほんに(にく)らしい(ひと)だわねー』
043横目(よこめ)使(つか)(なが)ら、044将軍(しやうぐん)()(かふ)()()(ほど)(つめ)つた。045将軍(しやうぐん)(やさ)しい()()()(ところ)まで(つめ)られ、046益々(ますます)相好(さうがう)(くづ)し、047(こゑ)調子(てうし)(まで)()へて、
048鬼春別(おにはるわけ)『オイ、049ヒルナ、050馬鹿(ばか)にすない。051これでも一人前(いちにんまへ)(をとこ)だぞ』
052 ヒルナ(ひめ)は、
053ヒルナ(ひめ)『エー(にく)らしいお(かた)054ヨウそんな(こと)仰有(おつしや)いますワイ。055貴方(あなた)三千人(さんぜんにん)(まへ)立派(りつぱ)(をとこ)さまぢやありませぬか。056三千(さんぜん)(にん)軍隊(ぐんたい)引率(ひきつ)れ、057その(そう)指揮官(しきくわん)となつて(ござ)るのでせう。058さうすれば貴方(あなた)一人(ひとり)(こころ)三千(さんぜん)(にん)(ぐん)が、059(まは)(みぎ)060(ひだり)へオイ、061三寸(さんずん)(した)()つて、062自由(じいう)自在(じざい)にゼンマイ仕掛(じかけ)人形(にんぎやう)(やう)(うご)くのぢや(ござ)いませぬか。063本当(ほんたう)(にく)らしい将軍(しやうぐん)(さま)だなア』
064()(なが)ら、065(やさ)しい()頬辺(ほほべた)(しび)れる(ほど)()()(つづ)()ちに()つた。
066 鬼春別(おにはるわけ)惚気切(のろけき)つてゐるので、067……ヒルナが仮令(たとへ)(なぐ)つても(つめ)つてもかまはぬ、068一遍(いつぺん)でも身体(からだ)(さは)つてくれたら、069それで満足(まんぞく)だ……と()気持(きもち)になつてゐる。070(その)(かん)消息(せうそく)()ぬいてゐるヒルナ(ひめ)は、071一口(ひとくち)()つては(ほほ)(たた)き、072一口(ひとくち)()つては(うで)(つめ)り、073しまひには(ひげ)をひつぱり、074(はな)(つま)み、075両手(りやうて)(かほ)をかかへて(つばき)()きかけたり、076玩弄物(いらへもの)にしてゐる。077鬼春別(おにはるわけ)はただ、
078鬼春別(おにはるわけ)『エヘヘヘヘ、079無茶(むちや)すない。080(たれ)()てゐるか()れないぞ。081(おれ)(つら)がそれ(ほど)面白(おもしろ)いか』
082なぞと、083笑壺(ゑつぼ)()つてゐる。
084ヒルナ(ひめ)古今(ここん)独歩(どつぽ)珍無類(ちんむるゐ)奇妙(きめう)奇天烈(きてれつ)085世界(せかい)(るゐ)()い、086何処(どこ)ともなしに惚々(ほれぼれ)する(をとこ)らしい(かほ)だね。087(あたい)こんな(かほ)(ひやく)(ねん)(せん)(ねん)(のぞ)いてゐたいわ』
088鬼春別(おにはるわけ)『エヘヘヘヘ、089(のぞ)かしてやりたいのは山々(やまやま)なれど、090(いやし)くも()軍籍(ぐんせき)にあるもの、091何時(いつ)馬腹(ばふく)(むち)(くは)へ、092砲煙(はうえん)弾雨(だんう)(なか)疾駆(しつく)せなければならないかも()れない職掌(しよくしやう)だからのー。093マア(いま)(うち)(あな)のあく(ほど)(たの)しんで()()くがよいわ』
094ヒルナ(ひめ)『オホホホホ、095本当(ほんたう)(たて)から()ても(よこ)から()ても申分(まをしぶん)のない()(をとこ)だわ。096(まる)(かみ)さまの(やう)()面付(かほつき)097あんまり可愛(かあい)くて(この)ふつくらとした頬辺(ほほべた)(にく)一口(ひとくち)()べたい(やう)だわ』
098鬼春別(おにはるわけ)『エヘヘヘヘ、099何程(なにほど)可愛(かあい)うても頬辺(ほほべた)()みつかれちや(こま)るよ』
100ヒルナ(ひめ)『それでも貴方(あなた)101よう(かんが)へて御覧(ごらん)なさいませ。102愛熱(あいねつ)極点(きよくてん)(たつ)した(とき)には屹度(きつと)()ぶり()くものですよ。103(ねこ)()()んで直様(すぐさま)(その)()()めてやつて()りますが、104(あま)可愛(かあい)くなつて(しまひ)には(みんな)()つて(しま)ひませうがなア。105(あたい)貴方(あなた)身体(からだ)(あたま)(さき)から(つめ)(さき)まで、106スツカリ()つて()たい(やう)()がいたしますわ』
107鬼春別(おにはるわけ)可愛(かあい)がつてくれるのも程度(ていど)があるからなア、108鬼娘(おにむすめ)かなんぞのやうに()はれて(たま)るものか。109さうでなくても(すで)(すで)精神(せいしん)(てき)にはお(まへ)肉体(にくたい)(たましひ)もスツカリ()はれて()るぢやないか。110(なん)猛烈(まうれつ)(こひ)だなア』
111ヒルナ(ひめ)『さうですとも、112あの蟷螂(かまきり)螽斯(ばつた)御覧(ごらん)なさいませ。113雌雄(しゆう)交尾(かうび)した(あと)で、114その(めす)(をつと)可愛(かあい)くなつて(みな)(あたま)から()つて(しま)ふぢやありませぬか。115(あたい)貴方(あなた)()つて()たいと()ふのは、116(おさ)()れない情熱(じやうねつ)()えさかつて()るからですよ』
117鬼春別(おにはるわけ)『アハハハハ、118エヘヘヘヘ、119ここ(まで)(をんな)にラブされるのは(をとこ)としては(あま)(わる)気持(きもち)ぢやないが、120一面(いちめん)から(かんが)へると(おそ)ろしい(やう)気分(きぶん)になつて()たワイ。121イヒヒヒヒ』
122ヒルナ(ひめ)『コレ将軍(しやうぐん)(さま)123貴方(あなた)(あたい)恋愛(れんあい)程度(ていど)何処(どこ)(まで)(ふか)いか(わか)りましただらうね』
124鬼春別(おにはるわけ)『ウーン、125オコツク(かい)(そこ)よりも()(ふか)(やう)だなア。126到底(たうてい)測定(そくてい)出来(でき)ないわ』
127ヒルナ(ひめ)『さうでせう。128(わらは)(こひ)真剣(しんけん)ですよ。129オコツク(かい)(そこ)()(おろ)か、130竜宮海(りうぐうかい)のドン(ぞこ)(まで)(とど)いてゐますよ。131貴方(あなた)(こひ)(なぎさ)(こひ)で、132満潮(まんてう)(とき)には(あさ)(みづ)(ただよ)うてゐますが、133干潮(かんてう)になつた(とき)には本当(ほんたう)殺風景(さつぷうけい)砂原(すなはら)(やう)なものですわ。134本当(ほんたう)にそんな(こと)(おも)うと貴方(あなた)(にく)らしうなつて()ました』
135()(なが)ら、136グツト(はな)(ねぢ)る。137鬼春別(おにはるわけ)鼻声(はなごゑ)になり、
138鬼春別(おにはるわけ)『コラコラ(はな)(はな)せ、139そう無暗(むやみ)(はな)をいぢつてもらつちや、140やりきれぬぢやないか。141可愛(かあい)がるのも()加減(かげん)にして()めて()いてくれ、142有難(ありがた)迷惑(めいわく)だから。143(まへ)猛烈(まうれつ)なラブには鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)本当(ほんたう)三舎(さんしや)()けざるを()ないわ』
144ヒルナ(ひめ)『さうでせう。145それ()なさい、146白状(はくじやう)なさいました。147(わらは)がうるさくなつて()()(あそ)ばす(かんが)へでせう。148ソンならそれで(よろ)しう(ござ)います。149(わらは)をこんな(つら)(おも)ひをさせて(じら)すよりも、150(てい)よう貴方(あなた)軍刀(ぐんたう)一思(ひとおも)ひに(ころ)して(くだ)さいませ。151それが(わらは)無上(むじやう)(のぞ)みで(ござ)います』
152鬼春別(おにはるわけ)『コレハ()しからぬ。153そこ(まで)(ふか)はまりをしちや駄目(だめ)だよ。154コレ、155ヒルナ、156(まへ)(おれ)美貌(びばう)恋着(れんちやく)(あま)り、157(まなこ)(くら)んでゐるのぢやないか。158頭脳(づなう)がどうかなつて()るのぢやあるまいかなア』
159ヒルナ(ひめ)『ソラさうですとも、160(ちつ)とは(あたま)(へん)にもなりませう。161摂氏(せつし)百度(ひやくど)以上(いじやう)にも逆上(のぼ)せあがつてゐるのですもの』
162鬼春別(おにはるわけ)『ヤー、163それも結構(けつこう)だが、164(おれ)もさう両方(りやうはう)()(ほほ)(かか)へられてゐると(くび)(まは)らないから、165マア一寸(ちよつと)一服(いつぷく)さしてくれ、166(かた)()るからなア』
167ヒルナ(ひめ)『エー(にく)らしい(この)(ひと)168(ひげ)むしつて()げませうか。169(かた)()るなんて、170そら、171さうでせう。172カルナさまだつたら()()()るのでせうけれど、173(あたい)(やう)土堤(どて)南瓜(かぼちや)(しち)多福(たふく)では()()には()しますまい』
174(あご)(ひげ)をグツと(にぎ)つてチヨイチヨイとしやくつた。
175鬼春別(おにはるわけ)『アイツタタタタ、176マア()つてくれ、177さう熱愛(ねつあい)されては、178イツカナ好色(かうしよく)男子(だんし)往生(わうじやう)だ。179(なん)とマア猛烈(まうれつ)恋慕者(れんぼしや)出来(でき)たものだなア。180ヘヘヘヘヘ』
181 ヒルナ(ひめ)鬼春別(おにはるわけ)(いき)(くさ)くて(たま)らなかつたけれども、182(わざ)(ほれ)(やう)(かほ)をして一秒(いちべう)時間(じかん)(はや)(はな)れたいのを辛抱(しんばう)し、183わざと鬼春別(おにはるわけ)(こま)(ところ)(まで)根比(こんくら)べをしてゐたのである。
184鬼春別(おにはるわけ)『オイ、185ヒルナ(ひめ)186(をとこ)()(あは)して(たの)むからチツト(ばか)(はな)れて()つてくれ。187()()つたつて(けつ)してお(まへ)(きら)ふのぢやないから、188(わる)うは(おも)はぬやうにして()れ』
189 ヒルナはわざと不足(ふそく)(さう)(かほ)をして、
190ヒルナ(ひめ)『ハイ、191()()りませぬからねー』
192()(なが)ら、193(ひだり)()()()(あひだ)平手(ひらて)でグツト()いた。
194鬼春別(おにはるわけ)『アーアー、195(やま)(かみ)さまのエライ()剣幕(けんまく)196イヤもう、197(おそ)入谷(いりや)鬼子(きし)母神(もじん)だ。198(おれ)(また)どうしてこんな(をんな)()かれる(をとこ)(うま)れて()たのだらう。199何故(なぜ)モツト(おれ)両親(りやうしん)不細工(ぶさいく)()みつけなかつただらう。200(いま)となつては(かへつ)(うら)めしいわ。201(をんな)(きら)はれるのも(あま)()()いものぢやないが、202()()かれるのも(あんま)有難(ありがた)迷惑(めいわく)ではない、203(うれ)しいわ』
204ヒルナ(ひめ)『ソラさうでせうとも、205迷惑(めいわく)でせうとも、206カルナさまの(やう)()()いたお(かた)だとねー、207()()すんですけれどねー、208(なん)()つても頓馬(とんま)ですから、209将軍(しやうぐん)()()には()りますまい。210さうだと()つて、211(なん)だか()らぬが(あたい)(この)(ひと)可愛(かあい)くて(たま)らないのだもの。212何程(なんぼ)(きら)はれたつて、213仮令(たとへ)仮情約(かりじやうやく)にもせよ、214(むす)んだ(なか)だもの、215モツト モツト(みみ)(つめ)つたり、216(ひげ)()いたり、217(はな)(つま)まして(もら)ひますわ』
218鬼春別(おにはるわけ)『オイ、219ヒルナ、220さう()(めん)221()小手(こて)222()(どう)223()(つき)()られちや将軍(しやうぐん)だつて(こら)()れないわ。224何程(なにほど)三千(さんぜん)(にん)代表者(だいへうしや)だと()つても軍服(ぐんぷく)()いで(はだか)になれば、225(ただ)人間(にんげん)だからなア』
226ヒルナ(ひめ)(あたい)(いま)()言葉(ことば)大変(たいへん)()()つてよ。227正直(しやうぢき)告白(こくはく)ですわ。228(をとこ)裸百貫(はだかひやくくわん)()ひましてね、229軍服(ぐんぷく)だの位階(ゐかい)だの、230爵位(しやくゐ)だのと()人工(じんこう)(てき)保護色(ほごしよく)(つつ)まれてゐる(ひと)は、231本当(ほんたう)人間味(にんげんみ)(わか)らない(ひと)ですわ。232貴方(あなた)はこれ()立派(りつぱ)地位(ちゐ)()()(なが)ら、233平民(へいみん)主義(しゆぎ)だから、234本当(ほんたう)()きですわ。235平民(へいみん)主義(しゆぎ)(ひと)(ちつと)女房(にようばう)にだつて(また)世間(せけん)(ひと)にだつて圧迫(あつぱく)(くは)へたり、236(くる)しめたりしませぬからね』
237鬼春別(おにはるわけ)『ウン、238そらさうだ。239(おれ)平民(へいみん)主義(しゆぎ)だよ。240人間(にんげん)作為(さくゐ)したレツテルなんか、241(そもそも)(すゑ)だからね。242人間(にんげん)(かみ)(さま)御子(みこ)だから、243何処(どこ)(まで)博愛(はくあい)仁義(じんぎ)とを(もつ)()()たねばならぬ。244殺伐(さつばつ)利己主義(われよし)悪行(あくぎやう)人間(にんげん)()()(こと)ぢやない。245(おれ)はさう()人間(にんげん)()ると(たちま)嘔吐(おうど)(もよほ)(やう)()になるのだ』
246ヒルナ(ひめ)本当(ほんたう)賢明(けんめい)仁慈(じんじ)(ふか)将軍(しやうぐん)(さま)ですな、247(あたい)それが大好(だいす)きですよ。248久米彦(くめひこ)さまは一寸(ちよつと)()(ところ)では男前(をとこまへ)貴方(あなた)さまより、249(すこ)立派(りつぱ)なやうですが、250(なん)()つても殺伐(さつばつ)()(かた)だから、251(あたい)御存(ごぞん)じの(とほ)思想(しさう)()ひませぬので肘鉄(ひじてつ)をかまして(はづか)しめてやつたのですよ。252貴方(あなた)仁慈(じんじ)将軍(しやうぐん)(さま)だから(けつ)してビクトリヤ(わう)()めたり、253(しろ)(やぶ)つたり数多(あまた)従臣(じゆうしん)捕虜(ほりよ)にしたり、254民家(みんか)()いたり、255そんな惨酷(ざんこく)(こと)はしませぬわねえ。256(みち)()(ひと)(はなし)()いても、257兵隊(へいたい)さんの(はなし)()いても鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)(さま)本当(ほんたう)聖人(せいじん)君子(くんし)のやうな将軍(しやうぐん)(さま)だ。258それに(ひき)かへ久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)()(あら)情知(なさけし)らずだから、259ビクの(くに)のビクトリヤ(じやう)()めたり、260刹帝利(せつていり)(さま)捕虜(ほりよ)にしたり、261城内(じやうない)従臣(じゆうしん)(むご)()(あは)すのだ。262これは(けつ)して鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)(さま)()(こころ)ではあるまい、263久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)(ぐん)頑張(ぐわんば)つて、264アンナ(こと)をするのだらう。265鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)(さま)(これ)()()きになつたならば、266屹度(きつと)久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)(しか)りとばし、267性来(しやうらい)()仁慈(じんじ)(もつ)てビクトリヤ(わう)(すく)()し、268(その)()従臣(じゆうしん)をお(たす)(あそ)ばすに(ちが)ひないと、269(じふ)(にん)(じふ)(にん)(まで)(うはさ)をしてゐましたよ。270貴方(あなた)人望(じんばう)本当(ほんたう)大変(たいへん)なものですから、271将軍(しやうぐん)(さま)後姿(うしろすがた)なりと一目(ひとめ)(をが)まして(いただ)()いと(おも)ひ、272一年前(いちねんぜん)から(かみ)(さま)(ねが)つてゐたのですよ。273本当(ほんたう)貴方(あなた)()(こころ)(かみ)(さま)()たやうですね』
274 鬼春別(おにはるわけ)最愛(さいあい)のヒルナに()()はれては言葉(ことば)(かへ)勇気(ゆうき)もなかつた。275(にはか)顔色(かほいろ)(やは)らげて、
276鬼春別(おにはるわけ)『ウーン、277(まへ)()(とほ)りだ。278あの久米彦(くめひこ)()(やつ)279獣性(じうせい)()びてるから仁慈(じんじ)道徳(だうとく)(なに)(わきま)へてゐないのだ。280(しか)(なが)大黒主(おほくろぬし)(さま)()命令(めいれい)()つて将軍(しやうぐん)になつたのだから、281(おれ)何程(なにほど)(そう)司令官(しれいくわん)だと()つて無暗(むやみ)免職(めんしよく)さす(わけ)には()かず、282(こま)つたものだ。283(おれ)一歩(いつぽ)(そと)()ないのだから、284久米彦(くめひこ)(やつ)285(なに)をして()るかわかつたものぢやない。286(そもそ)(へい)(うご)かすのは内乱(ないらん)鎮定(ちんてい)したり、287(また)外敵(ぐわいてき)(ふせ)いだりする(とき)(もち)ゆるもので、288無名(むめい)(いくさ)(おこ)すのは軍人(ぐんじん)として(もつと)()づべき(ところ)だからなア』
289ヒルナ(ひめ)(うけたま)はれば(うけたま)はる(ほど)290将軍(しやうぐん)(さま)(なん)とした至仁(しじん)291至愛(しあい)292至善(しぜん)293至美(しび)294至真(ししん)()(かた)(ござ)いませう。295斯様(かやう)勇将(ゆうしやう)仮令(たとへ)半時(はんとき)なりとも可愛(かあい)がられる(あたい)は、296世界(せかい)第一(だいいち)幸福者(しあはせもの)(ござ)いますわ。297どうぞ将軍(しやうぐん)(さま)298何処(どこ)(まで)可愛(かあい)がつて(くだ)さいませねえ』
299鬼春別(おにはるわけ)『ウーン、300(まへ)(こと)なら(なん)でも()いてやる』
301ヒルナ(ひめ)(あたい)それ()いて益々(ますます)貴方(あなた)()きになりますわ。302将軍(しやうぐん)(さま)()名誉(めいよ)(ため)303久米彦(くめひこ)(むか)ふを()つて(ひと)刹帝利(せつていり)以下(いか)従臣(じゆうしん)()(たす)けなさつたらどうで(ござ)いませう。304さうすれば天下(てんか)翕然(きふぜん)として将軍(しやうぐん)信用(しんよう)(あつ)まり、305大黒主(おほくろぬし)(さま)以上(いじやう)大将軍(だいしやうぐん)(あふ)がれます(やう)()()(あそ)ばすでせう。306将軍(しやうぐん)()出世(しゆつせ)をして(くだ)さらば女房(にようばう)(わらは)出世(しゆつせ)をさして(いただ)くのですからね。307()はば将軍(しやうぐん)()出世(しゆつせ)(わらは)出世(しゆつせ)308貴方(あなた)身体(からだ)(わらは)身体(からだ)309貴方(あなた)(かなし)みは(わらは)(かなし)み、310貴方(あなた)(よろこ)びは(わらは)(よろこ)び、311密着(みつちやく)不離(ふり)()つても()れぬ関係(くわんけい)(むす)ばれてゐるのですからね。312此処(ここ)(ひと)(をとこ)()つて(くだ)さる()はありますまいか』
313鬼春別(おにはるわけ)成程(なるほど)314(もと)より仁慈(じんじ)(それがし)315(まへ)()はなくても刹帝利(せつていり)(さま)(たい)左様(さやう)(こと)(いた)したとすれば、316聞捨(ききず)てにはならぬ。317左様(さやう)不都合(ふつがふ)(こと)(いた)せば、318(いち)(にち)(はや)部下(ぶか)(めい)(たす)けてやるであらう』
319ヒルナ(ひめ)『さうなさいませ。320将軍(しやうぐん)(さま)()名誉(めいよ)(ため)ですから、321(したが)つて(わらは)名誉(めいよ)ですからね』
322 ()(はな)(ところ)へ、323久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)はカルナと(とも)にほろ酔機嫌(よひきげん)になつてやつて()た。
324久米彦(くめひこ)『これはこれは鬼春別(おにはるわけ)将軍殿(しやうぐんどの)325エライ()機嫌(きげん)(ござ)るなア。326拙者(せつしや)(ひと)貴殿(きでん)()相談(さうだん)があつて(まゐ)りましたが、327拙者(せつしや)(まを)(こと)を、328(なん)()いては(くだ)さいますまいかなア』
329鬼春別(おにはるわけ)何事(なにごと)()らねども、330(その)(はう)(こと)331上官(じやうくわん)命令(めいれい)もきかず、332無性(むしやう)矢鱈(やたら)民家(みんか)()き、333敵人(てきじん)(きず)つけ、334(おそれおほ)くもビクトリヤ(わう)(はづか)しめ、335左守(さもり)右守(うもり)重臣(ぢうしん)(はじ)(その)()役人(やくにん)(ども)(しば)り、336(あるひ)(きず)つけ、337乱暴(らんばう)狼藉(ろうぜき)(いた)したな。338左様(さやう)命令(めいれい)一体(いつたい)(たれ)(くだ)した』
339 ヒルナ(ひめ)手前(てまへ)わざと呶鳴(どな)りつけた。340久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)怪訝(けげん)(かほ)をして、
341久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)狂気(きやうき)()されたか。342(ただ)しは御酒(ごしゆ)機嫌(きげん)か、343心得(こころえ)貴殿(きでん)()言葉(ことば)344拙者(せつしや)今回(こんくわい)戦争(せんそう)一切(いつさい)閣下(かくか)指揮(しき)命令(めいれい)(とほ)り、345遺憾(ゐかん)なく(いた)したので(ござ)る。346民家(みんか)()城内(じやうない)侵入(しんにふ)したのも、347刹帝利(せつていり)以下(いか)捕虜(ほりよ)(いた)獄内(ごくない)()()んだのも、348(みな)閣下(かくか)()命令(めいれい)()つて(いた)したので、349(じつ)将軍(しやうぐん)仁慈(じんじ)(わきま)へぬ虎狼(こらう)にひとしき()性格(せいかく)だから、350部下(ぶか)(おほい)(その)惨酷(ざんこく)さを嫌忌(けんき)して()ります』
351とカルナ(ひめ)手前(てまへ)352自分(じぶん)聖人(せいじん)たる(こと)(しめ)さむと横車(よこぐるま)(しきり)()してゐる。353鬼春別(おにはるわけ)は、
354鬼春別(おにはるわけ)(もつて)(ほか)(その)(はう)雑言(ざふごん)無礼(ぶれい)355拙者(せつしや)(かぎ)つて左様(さやう)(こと)命令(めいれい)いたす(はず)がないぢやないか。356一例(いちれい)()ぐれば(その)(はう)斎苑(いそ)(やかた)軍隊(ぐんたい)引率(ひきつ)れ、357片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)(とも)(かみ)(やかた)攻寄(せめよ)せむといたし、358河鹿(かじか)(たうげ)(おい)屁古垂(へこた)れ、359()(かへ)つたであらうがなア。360(それがし)はランチ将軍(しやうぐん)(とも)浮木(うきき)陣営(ぢんえい)()(かこ)み、361殺伐(さつばつ)戦争(せんそう)(あづか)らなかつたのを()ても、362拙者(せつしや)如何(いか)仁慈(じんじ)武士(ぶし)たる(こと)証明(しようめい)さるるであらう』
363久米彦(くめひこ)『ナント理窟(りくつ)無茶(むちや)(とほ)せば(とほ)るものですなア。364ヘヘヘヘヘ、365(あま)りの(こと)()いた(くち)(すぼま)りませぬわ』
366 ヒルナ(ひめ)二人(ふたり)(なか)()つて()り、
367ヒルナ(ひめ)仁慈(じんじ)(ふか)両将軍(りやうしやうぐん)(さま)368どうか左様(さやう)内輪(うちわ)喧嘩(げんくわ)()して(くだ)さいませ。369(あたい)(かな)しう(ござ)いますわ』
370カルナ(ひめ)『ヒルナ(さま)371久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)(さま)本当(ほんたう)にお情深(なさけぶか)いお(かた)(ござ)いますよ。372あの刹帝利(せつていり)(さま)以下(いか)()らはれ(びと)()(たす)(まを)したいが、373上官(じやうくわん)()意見(いけん)(うかが)はねばならないと()つて、374(いま)此処(ここ)へお()しになつた(ところ)ですよ』
375 鬼春別(おにはるわけ)()(おく)れては一大事(いちだいじ)()(いら)ち、376わざと空惚(そらとぼ)け、
377鬼春別(おにはるわけ)『ヤア久米彦(くめひこ)378貴殿(きでん)其処(そこ)(まで)改心(かいしん)(いた)したか、379天晴(あつぱれ)々々(あつぱれ)380(しか)らば拙者(せつしや)意見(いけん)()同意(どうい)()えるな。381ヤア満足(まんぞく)々々(まんぞく)382一時(いつとき)(はや)くスパール、383エミシ、384シヤム、385マルタの属僚(ぞくれう)(めい)じ、386刹帝利(せつていり)以下(いか)(すく)()厳命(げんめい)をなさるがよからう』
387久米彦(くめひこ)『ナント、388マア将軍(しやうぐん)(さま)389貴方(あなた)霊界(れいかい)()つた(ゆめ)()たと()えますね。390(なに)()もあれお(たがひ)満足(まんぞく)(ござ)る。391(しか)らば一時(いつとき)(はや)(その)(はこ)びにかかるで(ござ)いませう』
392鬼春別(おにはるわけ)早速(さつそく)承知(しようち)393鬼春別(おにはるわけ)満足(まんぞく)(おも)ふぞや。394(はや)(その)準備(じゆんび)におかかりめされ』
395ヒルナ(ひめ)流石(さすが)(わらは)(をつと)396鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)(さま)397(なん)見上(みあ)げた()人格(じんかく)だなア』
398カルナ(ひめ)(あたい)(をつと)399久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)(さま)は、400何故(なぜ)マア()んなにお情深(なさけぶか)武士(もののふ)だらう』
401()(なが)ら、402ヒルナの(かほ)一寸(ちよつと)(のぞ)き、403願望(ぐわんまう)成就(じやうじゆ)()目出度(めでた)し』と()にもの()はせ(なが)ら、404久米彦(くめひこ)(したが)ひ、405(その)(しつ)にかへつた。
406 (それ)より久米彦(くめひこ)は、407スパール、408エミシ、409シヤム、410マルタの属僚(ぞくれう)(めい)じ、411ビクトリヤ(わう)(はじ)左守司(さもりのかみ)のキユービツト、412右守司(うもりのかみ)のベルツ、413(およ)びハルナ、414カント、415エム、416ヱクス、417シエール、418タルマン、419(その)(ほか)一兵卒(いつぺいそつ)(いた)(まで)(ことごと)捕縄(ほじよう)()放免(はうめん)した。420(しか)してビクトリヤ(わう)は、421無事(ぶじ)城内(じやうない)に、422左守(さもり)423右守(うもり)(したが)へて立帰(たちかへ)り、424大神(おほかみ)祭壇(さいだん)(まへ)端坐(たんざ)し、425(なみだ)(とも)神恩(しんおん)感謝(かんしや)した。426鬼春別(おにはるわけ)427久米彦(くめひこ)両将軍(りやうしやうぐん)は、428和睦(わぼく)祝宴(しゆくえん)刹帝利(せつていり)より(まね)かれて、429ヒルナ(ひめ)430カルナ(ひめ)(ともな)ひ、431意気(いき)揚々(やうやう)として城内(じやうない)(すす)()り、432刹帝利(せつていり)より手厚(てあつ)饗応(きやうおう)()くる(こと)となつた。
433 アア今後(こんご)成行(なりゆき)如何(いか)展開(てんかい)するであらうか。
434大正一二・二・一三 旧一一・一二・二八 於竜宮館 外山豊二録)

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