霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一八章 八当狸(やつあたり)〔一三八一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第53巻 真善美愛 辰の巻 篇:第3篇 兵権執着 よみ(新仮名遣い):へいけんしゅうちゃく
章:第18章 八当狸 よみ(新仮名遣い):やつあたり 通し章番号:1381
口述日:1923(大正12)年02月14日(旧12月29日) 口述場所:竜宮館 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年3月8日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
自宅に戻った右守は、刹帝利・左守・タルマンによって兵権を奉還させられた悔しさに、召使に八つ当たりして殴りつけた。この騒ぎに家令のシエールが駆け付けたが、右守の様子から兵権を失ったことを悟り、主君の腹立ちに同調して、家具・家財をめちゃめちゃにして荒れ狂った。
さすがの右守もシエールが自分の家財をめちゃめちゃにするのを目にして、落ち着きを取り戻し、シエールを止めに入った。右守は、家財を壊したことを咎めたが、自分の心中を知る者はシエールだけだと憮然としてうなだれた。
右守は、家の中でうっぷんを晴らしていても気が利かないと、シエールにクーデターの計画をもちかけた。王城の四方をバラモン軍が固めている中でどうするのか、とシエールは心配したが、右守は何事かシエールにささやいた。
シエールは右守の案に賛同し、何事かよからぬことをしめし合せると、二人は黒頭巾に黒装束となって裏口からそっと抜け出した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5318
愛善世界社版:221頁 八幡書店版:第9輯 585頁 修補版: 校定版:228頁 普及版:110頁 初版: ページ備考:
001 右守司(うもりのかみ)のベルツは不機嫌(ふきげん)(かほ)して、002入口(いりぐち)(なら)べてあつた(はうき)やバケツを()(たふ)し、003はね()ばし(なが)玄関(げんくわん)から(あが)つて、004そこにおとなしく留守番(るすばん)をしてゐた(きり)火鉢(ひばち)無残(むざん)にも()(たふ)し、005欄間(らんま)(がく)(ひき)おろし、006バチバチバチと(あし)にて()(くだ)き、007(ふすま)押倒(おしたふ)し、008(たたみ)ざわりも荒々(あらあら)しく(おく)()(はい)つて、
009右守(うもり)『コラーツ、010何奴(どいつ)此奴(こいつ)一寸(ちよつと)()い』
011呶鳴(どな)()てた。012上女中(かみぢよちう)下女中(しもぢよちう)下男(しもをとこ)も、013(この)(こゑ)(おどろ)いて(ちぢ)(あが)り、014(つぎ)()(かしら)()げ、
015旦那(だんな)(さま)016(なん)御用(ごよう)(ござ)いますか』
017(ふる)(ふる)(うかが)つてゐる。018右守(うもり)()がモシヤクシヤしてたまらず、019()(もの)さはる(もの)八当(やつあた)りに(あた)らねば(むね)(しづ)まらなかつた。
020右守(うもり)何奴(どいつ)此奴(こいつ)も、021此処(ここ)()いツ』
022 七八(しちはち)(にん)男女(だんぢよ)(おそ)(おそ)(そば)により、
023 『旦那(だんな)(さま)024気分(きぶん)(わる)(ござ)いますか、025(かた)()まして(いただ)きませう』
026(やさ)しい(をんな)左右(さいう)からかかるのを、
027右守(うもり)『エーエ、028(うる)さい、029そつちへ()けツ』
030(しか)()ばし、031(そば)にあつた火鉢(ひばち)をポンとぶつつけた。032男女(だんぢよ)(おどろ)いて()げようとするのを()て、033(また)ベルツは、
034右守(うもり)『コリヤ、035どこへ()く、036主人(しゆじん)(ゆる)しを()けずに勝手(かつて)(うご)くといふ(こと)があるかツ』
037 『ハイハイ』『ヘイヘイ』と一同(いちどう)(しやが)んでゐる。038右守(うもり)(また)もや、
039右守(うもり)何奴(どいつ)此奴(こいつ)一斉(いつせい)(つら)()げい』
040呶鳴(どな)る。041()むを()一同(いちどう)(かほ)()げた。042右守(うもり)はツト()つて、043塵払(ちりはらひ)()り、
044右守(うもり)『エエ刹帝利(せつていり)()
045()つて、046下男(げなん)横面(よこづら)(なぐ)りつける。047(なぐ)られて悲鳴(ひめい)をあげ、048そこに(たふ)れるのを組付(くみつ)け、049()(たふ)し、050(また)(つぎ)へまはつて、
051右守(うもり)『コレ、052タルマン』
053()(なが)横面(よこづら)をポンと()りちらし、
054右守(うもり)貴様(きさま)左守(さもり)だ……ハルナだ。055……』
056とメツタ()ちに()ちのめし、057(つぎ)(をんな)(はう)(ほこ)()け、
058右守(うもり)貴様(きさま)はヒルナだ、059……カルナだ……』
060(かみ)()をひん(にぎ)り、061座敷中(ざしきちう)()きまはす。062(をとこ)(をんな)悲鳴(ひめい)をあげキヤーキヤー ワンワンと(たちま)右守(うもり)(おく)()阿鼻(あび)叫喚(けうくわん)(ちまた)(くわ)して(しま)つた。063そこへ(ちう)()んで(かへ)つて()たのは家令(かれい)のシエールであつた。064シエールは(この)(てい)()て、065(おほい)(おどろ)き、
066シエール『旦那(だんな)(さま)067腹立(はらだち)御尤(ごもつと)もで(ござ)います、068()心中(しんちう)(さつ)(まを)しまする。069(この)シエールとても()同様(どうやう)(ござ)いまする』
070()ふより(はや)く、071(とこ)()掛地(かけぢ)をバリツと引破(ひきやぶ)り、072置物(おきもの)庭先(にはさき)にぶつつけ、073障子(しやうじ)押倒(おしたふ)し、074()(くだ)き、075(ふすま)をパリパリパリと残酷(ざんこく)制敗(せいばい)()はせ、076(なほ)(くる)()つて、077炊事場(すゐじば)闖入(ちんにふ)し、078手当(てあた)次第(しだい)に、079(ぜん)080(はち)081茶碗(ちやわん)082徳利(とくり)などを()げつけ、083ガラガラパチパチ、084メチヤメチヤ ケレンケレンカリカリと阿修羅(あしゆら)(わう)()れたる(ごと)()()もなく()(くる)ふ。085流石(さすが)右守(うもり)もシエールの乱暴(らんばう)(あき)()て、086自分(じぶん)鬱憤(うつぷん)はどこへやら、087(たちま)(この)()()(きた)つて、
088右守(うもり)『コリヤコリヤ、089シエール、090さう乱暴(らんばう)なことをしちや()けないぞ、091マアマア(しづ)まつてくれ。092(まへ)腹立(はらだち)(おれ)()つてる』
093 シエールは(なほ)(くる)()ち、
094シエール『エエ残念(ざんねん)や、095口惜(くちをし)や』
096水瓶(みづがめ)(には)(いし)をなげつけ、097ポカンと(はら)(やぶ)つて(たちま)(には)一面(いちめん)(みづ)(くわ)せしめ、098(なほ)(かまど)(ひつ)くり(かへ)し、099衝立(ついたて)(たふ)し、100(ちから)(かぎ)()(くる)ふ。101右守(うもり)(やうや)くにして取押(とりおさ)へ『マアマアマア』と(なだ)(なが)ら、102あれはてた自分(じぶん)居間(ゐま)()(かへ)り、103(むね)をなで(なが)ら、
104右守(うもり)『オイ、105シエール、106(なん)といふ不都合(ふつがふ)(こと)をするのだ。107()しからぬ代物(しろもの)だな』
108シエール『へ、109今日(こんにち)殿中(でんちう)(おい)て、110右守家(うもりけ)(つた)はる重大(ぢうだい)兵権(へいけん)取上(とりあ)げられ、111旦那(だんな)(さま)より(わたし)(はう)(ごふ)()えてたまらず、112殿中(でんちう)(おい)て、113所在(あらゆる)器物(きぶつ)一切(いつさい)をメチヤメチヤに(たた)(こは)鬱憤(うつぷん)()らさむと(おも)ひましたが、114タルマンの(やつ)(ゆみ)()(つが)へて、115矢大臣(やだいじん)(やく)(つと)めてゐやがるものですから、116無念(むねん)をこらえ、117此処(ここ)(まで)(かへ)つて(まゐ)りました。118(その)余憤(よふん)勃発(ぼつぱつ)(いた)しまして、119かやうな狼藉(らうぜき)(およ)びました。120マアこれでスツと(いた)しましたよ』
121右守(うもり)『ソリヤ貴様(きさま)はスツとするだらうが、122右守家(うもりけ)財産(ざいさん)をさうメチヤメチヤにやられちや(たま)らぬだないか。123かやうな不都合(ふつがふ)(こと)(いた)せば(ただち)免職(めんしよく)(いた)し、124(くび)()(ところ)なれど、125(もと)(ただ)せば(この)(はう)同情(どうじやう)しての腹立(はらだち)だから、126(むし)ろ、127()むべき(もの)だ。128(わが)(こころ)(なか)()(もの)(ただ)シエール一人(ひとり)のみだ』
129撫然(ぶぜん)として項低(うなだ)れる。
130シエール『旦那(だんな)(さま)131貴方(あなた)随分(ずいぶん)おやりなさつたやうですな。132玄関口(げんくわんぐち)から(おく)(もの)まで、133随分(ずいぶん)落花(らくくわ)狼藉(らうぜき)134(わたし)もつい旦那(だんな)(さま)感染(かんせん)(いた)しました。135(しか)しまだ(すこ)鬱憤(うつぷん)(のこ)つて()りまするから、136一層(いつそ)(こと)(この)(やかた)主従(しゆじゆう)(ちから)(あは)せて(たた)(こは)したら()うでせうか、137鬱憤(うつぷん)のやり(どころ)がありませぬがな』
138右守(うもり)(うち)わばりの(そと)すぼりでは、139()つから()()かぬだないか。140オイ、141シエール、142徹底(てつてい)(てき)鬱憤(うつぷん)をはらし、143(ふたた)兵馬(へいば)(けん)(にぎ)り、144あはよくば刹帝利(せつていり)になり、145(この)(うらみ)()らす()はないか』
146シエール『エエ(なん)仰有(おつしや)います。147徹底(てつてい)(てき)鬱憤(うつぷん)()らすとは、148軍隊(ぐんたい)(もつ)王城(わうじやう)(かこ)み、149クーデターをやらうと仰有(おつしや)るのですか。150一方(いつぱう)にはバラモン(ぐん)徘徊(はいくわい)(いた)してをるなり、151味方(みかた)勇士(ゆうし)四方(しはう)散乱(さんらん)したではありませぬか』
152右守(うもり)『そこには(ひと)つの計略(けいりやく)があるのだ。153オイ、154シエール、155(みみ)をかせ』
156 シエールは右守(うもり)口許(くちもと)(みみ)()せ、157何事(なにごと)()(をは)り、158(いや)らしい(ゑみ)(うか)べて、
159シエール『成程(なるほど)160(きみ)妙案(めうあん)奇策(きさく)には感服(かんぷく)(いた)しました。161(しか)らば(とき)(うつ)さず、162(さいはひ)()()れましたなれば(まゐ)りませう』
163何事(なにごと)かよからぬ(こと)(しめ)(あは)せ、164黒頭巾(くろづきん)黒装束(くろしやうぞく)(まま)165裏口(うらぐち)より、166ソツとぬけ()したり。
167大正一二・二・一四 旧一一・一二・二九 於竜宮館 松村真澄録)

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