霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一〇章 転香(てんこう)〔一四六〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第57巻 真善美愛 申の巻 篇:第2篇 顕幽両通 よみ:けんゆうりょうつう
章:第10章 第57巻 よみ:てんこう 通し章番号:1460
口述日:1923(大正12)年03月25日(旧02月9日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年5月24日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5710
愛善世界社版: 八幡書店版:第10輯 307頁 修補版: 校定版:138頁 普及版:62頁 初版: ページ備考:
001 寒風(かんぷう)()()くる四辻(よつつじ)若布(わかめ)のやうな弊衣(へいい)(まと)うて(くちびる)まで紫色(むらさきいろ)()め、002(ふる)(ふる)()つて()一人(ひとり)(をとこ)はシャルであつた。003シャルは道別(みちわけ)立石(たていし)(もた)れてブルブル(ふる)(なが)一人(ひとり)(つぶや)いて()る。
004シャル『エー(くそ)面白(おもしろ)うもない。005(この)(かぜ)()きつ(ぱな)しに(つみ)もないのに()たされて……石地蔵(いしぢざう)でもあるまいに……(おれ)(たち)はこれでも血液(けつえき)(かよ)つて()るのだぞ。006高姫(たかひめ)(ばば)()007(ひと)滅多(めつた)矢鱈(やたら)にこき使(つか)ひやがつて、008馬鹿(ばか)にしてやがる。009()(さむ)いのに()んな(ところ)亡者引(もさひ)きに()(くらゐ)なら矢張(やつぱ)泥坊(どろばう)でもやつて()(はう)何程(なにほど)(をとこ)らしいか()れやしないわ。010(みづ)(なが)れと(ひと)行末(ゆくすゑ)011(かは)れば(かは)るものだな。012(おれ)もバラモン(けう)軍人(ぐんじん)さまで公然(こうぜん)強姦(がうかん)もやり、013強盗(がうたう)もやり、014法螺(ほら)()き、015喇叭(ラツパ)()いて()たものだが()零落(おちぶ)れては、016もう仕方(しかた)がない。017(はら)空腹(くうふく)となる(のど)(かわ)く、018着物(きもの)(やぶ)(しらみ)はしがむ、019何処(どこ)ともなしに身体(からだ)(ふる)()す、020宛然(まるで)地獄(ぢごく)(やう)だワイ。021一丈(いちぢやう)二尺(にしやく)(まはし)をかいた荒男(あらをとこ)がアトラスの(やう)(つら)した(ばば)にこき使(つか)はれて、022アタ胸糞(むねくそ)(わる)い、023(くそ)面白(おもしろ)うもない、024ケツタ(くそ)(わる)いワイ。025それにまだまだケツタ(くさ)(こと)は、026高姫(たかひめ)(やつ)(おのれ)()れた(くそ)小便(せうべん)掃除(さうぢ)せいと(ぬか)しやがる。027金勝要(きんかつかね)大神(おほかみ)さまだつて雪隠(せつちん)(おと)されたのだから、028(まへ)(たち)雪隠(せつちん)掃除(さうぢ)するのは結構(けつこう)御神徳(おかげ)(など)本当(ほんたう)馬鹿(ばか)にして()やがる。029(じつ)糞慨(ふんがい)(いた)りだ。030だと()つて何処(どこ)()(ところ)もなし、031八尺(はつしやく)(からだ)置場(おきば)(こま)つて()るのだからチツトは()()はいでも、032あの(ばば)(くら)ひついて()るより仕方(しかた)がないわ。033エー(くそ)忌々(いまいま)しい。034(たれ)かモ一人(ひとり)(おれ)()(こと)()(やつ)()()れると雪隠(せつちん)掃除(さうぢ)をさしてやるのだが、035()(やつ)()(やつ)036高姫(たかひめ)喧嘩(けんくわ)して()げて()にやがるものだから、037宛然(まるで)(かご)(みづ)()れて()(やう)なものだ。038何時(いつ)(まで)かかつたつて満足(まんぞく)信者(しんじや)一人(ひとり)だつて出来(でき)やしないわ。039ウラナイ(けう)(なに)()らぬが教祖(けうそ)もし、040役員(やくゐん)もし、041信者(しんじや)一人(ひとり)()ねてるのだから(ばば)(いそが)しいだらう。042(この)(あひだ)信者(しんじや)幾何(いくら)あると()いて()たら四十一人(しじふいちにん)あると(ぬか)しよつた。043よく(かんが)へて()ればアタ阿呆(あはう)らしい、044四十(しじふ)()意味(いみ)始終(いつも)()意味(いみ)だつた。045今年(ことし)(ほとん)四十四年(しじふしねん)布教(ふけう)してると()ひやがつたが、046まだ三人(さんにん)四人(しにん)信者(しんじや)出来(でき)ぬのだから(たい)したものだワイ。047(しうとめ)十八(じふはち)ばつかり(あさ)から(ばん)まで(なら)()てやがつて、048一人(ひとり)よがりの一人自慢(ひとりじまん)049()げも(おろ)しもならぬ糞婆(くそばば)だ。050(とし)幾才(いくつ)だと()いて()たら四十九才(しじふくさい)だと(ぬか)しやがる。051(おれ)()(ところ)では、052どうしても五十五六(ごじふごろく)()えるがヤツパリ年寄(としより)()られるのが(つら)いと()えるワイ。053(なん)だか()らぬが始終(しじう)(くさ)(こと)ばかり(ぬか)しやがる。054アタ辛気臭(しんきくさ)い もう(いや)になつて(しま)つた。055(たれ)かよい馬鹿野郎(ばかやらう)()()(おれ)仕事(しごと)手伝(てつだ)つて()れる(やつ)があるまいかな』
056自暴糞(やけくそ)になり四股(しこ)()(なが)一人(ひとり)呶鳴(どな)つて()る。057そこへ(むか)ふの(はう)から(さむ)さうな風姿(ふう)をして(やや)俯向(うつむ)気味(ぎみ)(やぶ)(がさ)(かぶ)臭気(しうき)紛々(ふんぷん)たる着物(きもの)をつけ(なが)ら、058やつて()蒼白(あをじろ)中肉中背(ちうにくちうぜい)(をとこ)があつた。059シャルは(この)(をとこ)()るより大喝一声(だいかついつせい)()てツ』と(さけ)んだ。060(をとこ)(この)(こゑ)(おどろ)いてハツと立止(たちど)まり、061(すこ)(しり)(うしろ)()し、062両手(りやうて)金剛杖(こんがうづゑ)(うへ)にキチンと()(なが)ら、
063(をとこ)何用(なによう)(ござ)いますかな』
064シャル『何用(なによう)でもない。065一寸(ちよつと)(たづ)ねたい(こと)があるのだ。066貴様(きさま)姓名(せいめい)(なん)()ふか』
067(をとこ)『ハイ、068(わたし)(もと)はアブナイ(けう)信者(しんじや)(ござ)いまして鰐口曲冬(わにぐちまがふゆ)()ひ、069(いま)人間(にんげん)一等(いつとう)(きら)一等厭(いつとうえん)()偽君子(ぎくんし)団体(だんたい)這入(はい)つて懺悔(ざんげ)生活(せいくわつ)をやつてる(もの)(ござ)います。070どうか小便壺(せうべんつぼ)071雪隠壺(せつちんつぼ)072塵芥場(ごもくば)掃除(さうぢ)をさして(いただ)けませぬだらうかな』
073シャル『ヤ、074そいつは感心(かんしん)だ。075(おほい)(わが)()()たりと()ふべしだ。076(じつ)(ところ)077(おれ)(やかた)はここ三月(みつき)(ばか)小便(せうべん)078(くそ)()ふに(およ)ばず、079(きたな)塵芥(ごもくた)(には)(すみ)にかためてあるのだ。080どうだ、081掃除(さうぢ)して(もら)(わけ)には()くまいかな』
082曲冬(まがふゆ)(つつし)んで掃除(さうぢ)をさして(いただ)きます。083十分(じふぶん)活動(くわつどう)(いた)しますから、084何卒(どうぞ)麦飯(むぎめし)でも()いから()んで(いただ)きたいものです』
085シャル『小便(せうべん)シシ()ひ、086(くそ)フン()塵埃(ごもく)ジン(あい)()ふから獅子(しし)奮迅(ふんじん)活動(くわつどう)をやつて()せて()れ。087さうすりや(おれ)師匠(ししやう)八釜(やかま)しやの高姫(たかひめ)麦飯(むぎめし)一杯(いつぱい)(ぐらゐ)()んで()れぬ(こと)もあるまい。088()(かく)089(まへ)(はたら)次第(しだい)だ。090(げい)()(たす)けると()ふから屹度(きつと)(まへ)高姫(たかひめ)さまに重宝(ちようほう)がられるだらう。091サアこれから(ひと)(かへ)つて高姫(たかひめ)さまに(たい)して信者(しんじや)(つく)つたのを土産(みやげ)となし、092(おれ)仕事(しごと)(たす)けて(もら)(こと)ともなり一挙両得(いつきよりやうとく)だ。093マアこれで(おれ)一寸(ちよつと)(いき)出来(でき)ると()ふものだ。094オイ曲冬(まがふゆ)とやら、095(なが)らく(おれ)部下(ぶか)となつて雪隠(せんち)掃除(さうぢ)だけ受持(うけも)つて()れ。096(なん)懺悔(ざんげ)生活(せいくわつ)()ふものは重宝(ちようほう)なものだのう』
097曲冬(まがふゆ)初稚姫(はつわかひめ)さまは天刑病者(てんけいびやうしや)膿血(うみち)()うて(たす)けてやられた(こと)があるでせう。098(くそ)小便(せうべん)掃除(さうぢ)(ぐらゐ)(なん)ですか。099人間(にんげん)(みな)(くそ)小便(せうべん)(よろこ)んで()つて()るのですよ。100直接(ちよくせつ)()(やつ)(いぬ)だけど間接(かんせつ)()うのは(みな)人間(にんげん)です。101(くそ)たれては大根(だいこん)102(かぶら)103(いね)104(むぎ)(など)にかけ、105その肥料(こやし)野菜(やさい)成長(せいちやう)し、106米麦(こめむぎ)(みの)るのだ。107()はば間接(かんせつ)糞喰(くそく)ひ、108小便呑(せうべんの)人間(にんげん)だ。109(くそ)掃除(さうぢ)(ぐらゐ)(なに)それ(ほど)(きたな)いものか。110(よろこ)んで(きたな)(ところ)掃除(さうぢ)をする(こころ)にならないと本当(ほんたう)(ぜん)にはなりませぬよ。111これが(まこと)神心(かみごころ)ですからな。112(おのれ)(ほつ)する(ところ)(ひと)(ほどこ)し、113(おのれ)(ほつ)せざる(ところ)(つと)めて(おこな)はなくては懺悔(ざんげ)生活(せいくわつ)ではありませぬワイ』
114シャル『イヤ感心(かんしん)(いた)した。115サ、116()(くだ)さい。117(まへ)事業(じげふ)何程(いくら)でも(たま)つてる、118随分(ずいぶん)()顧客(とくい)だよ』
119曲冬(まがふゆ)『ハイ、120有難(ありがた)(ござ)います』
121()(なが)らシャルの(あと)(したが)(つめた)野分(のわけ)()かれ(なが)岩山(いはやま)(ふもと)茅家(あばらや)(みちび)かれた。
122 シャルは(はすかい)になつた()を、123がたつかせ(なが)(やうや)うに()()け、
124シャル『サ、125曲冬(まがふゆ)さま、126此処(ここ)大弥勒様(おほみろくさま)金殿玉楼(きんでんぎよくろう)だ。127マア這入(はい)つて(つめた)(ちや)なつと一杯(いつぱい)(あが)つて(くだ)さい。128モシ高姫(たかひめ)さま、129よい(とり)一羽(いちは)生捕(いけど)つて()ました。130サア何卒(どうぞ)(まへ)さまの大和魂(やまとだましひ)で、131()きすつぽうに料理(れうり)して(くだ)さい。132屹度(きつと)此奴(こいつ)アお()()るかも()れませぬぜ』
133高姫(たかひめ)『これこれシャル、134結構(けつこう)人間様(にんげんさま)御案内(ごあんない)(なが)(なん)()御無礼(ごぶれい)(こと)(まを)すのだ。135何故(なぜ)善言美詞(ぜんげんびし)(もち)ひないのか。136悪言醜詞(あくげんしうし)禁物(きんもつ)だと、137何時(いつ)()つてあるぢやないかい』
138シャル『エ、139()につけ、140味噌(みそ)につけ、141(なん)とかかんとか叱言(こごと)()はねば()()まぬ(ひと)ですな。142(この)(ひと)一等厭(いつとうえん)曲冬(まがふゆ)さまとか()つて懺悔(ざんげ)生活(せいくわつ)をして()偽君子(ぎくんし)ですよ。143貴方(あなた)弁舌(べんぜつ)(ひと)帰順(きじゆん)させて御覧(ごらん)なさいませ。144そして便所(べんじよ)掃除(さうぢ)をさして()れと仰有(おつしや)るのです。145(なん)とマア結構(けつこう)なお(かた)もあればあるものですな』
146高姫(たかひめ)『ア、147曲冬(まがふゆ)さまとやら、148そこは端近(はしぢか)149マア囲炉裏(ゐろり)(そば)へお()りなさいませ。150(さぞ)(さむ)かつたで(ござ)いませう。151(この)(ばば)()()えても()かけによらぬ(やさ)しい(もの)だから安心(あんしん)して(くだ)さい。152そしてお(まへ)153懺悔(ざんげ)生活(せいくわつ)をしてると()ふことだが、154懺悔(ざんげ)せにやならぬやうな悪事(あくじ)をしたのかい』
155曲冬(まがふゆ)『ハイ、156これと()つて(べつ)(わる)(こと)をしたやうにも(おも)ひませぬが、157人間(にんげん)()ふものは()らず()らずの(つみ)(つく)つてるものですから懺悔(ざんげ)のために、158(ひと)一等(いつとう)(いや)便所(べんじよ)掃除(さうぢ)塵芥場(ごもくば)掃除(さうぢ)をさして(いただ)き、159其処辺(そこらぢう)(めぐ)つてるので(ござ)います』
160高姫(たかひめ)()()奇特(きとく)(こと)だ。161(しか)(なが)らよう(かんが)へて御覧(ごらん)なさい。162便所(べんじよ)掃除(さうぢ)をするのは女房(にようばう)女衆(をんなしう)(やく)ぢやありませぬか。163(をとこ)(をとこ)としての立派(りつぱ)事業(じげふ)があるでせう。164それに(なん)ぞや、165睾丸(きんたま)さげた(をとこ)卑怯(ひけふ)未練(みれん)にも便所(べんじよ)掃除(さうぢ)をするとは、166チト可笑(をか)しいぢやありませぬか。167(まへ)さま(たち)がそんな(こと)をするものだから(この)(ごろ)女中(ぢよちう)(みな)増長(ぞうちよう)して(しま)ひ、168(わたし)下女(げぢよ)には()たが便所(べんじよ)掃除(さうぢ)約束外(やくそくぐわい)だ」と、169自分(じぶん)()いたもの(まで)主人(しゆじん)(おく)さまに掃除(さうぢ)さす(やう)になつたのも、170(みな)(まへ)(たち)(わる)いからだ。171世界(せかい)男子(だんし)が、172()れも(これ)一等厭(いつとうえん)這入(はい)り、173便所(べんじよ)掃除(さうぢ)になつたら如何(どう)するのです。174自分(じぶん)()いた(くそ)まで(ひと)掃除(さうぢ)させたり、175(また)(ひと)(くそ)まで掃除(さうぢ)して(ある)(やう)不合理(ふがふり)罰当(ばちあた)りの(こと)何処(どこ)にありますかい。176それだから世間(せけん)(ひと)一等厭(いつとうえん)(やつ)はド(やつこ)糞奴(くそやつこ)(ばか)りだと()ふのですよ。177(なん)だか怪体(けたい)(にほひ)がすると(おも)へばお(まへ)着物(きもの)尿糞塵(ししふんじん)(にほひ)()みこんで()る。178地獄(ぢごく)(せき)()いたものは(はな)をつく(やう)堆糞(たいふん)場所(ばしよ)便所(べんじよ)塵芥場(ごもくば)(よろこ)ぶものだ。179(その)臭気(しうき)をまるで高天原(たかあまはら)天香(てんかう)(やう)(おも)うて()るのだから(こま)つたものだな。180(はな)もそこ(まで)痳痺(まひ)しては善悪美醜(ぜんあくびしう)区別(くべつ)もつかなくなり、181(かへつ)(らく)かも()れない。182(しか)(なが)折角(せつかく)(かみ)分霊(ぶんれい)(もら)つてる人間(にんげん)酔生夢死(すゐせいむし)生活(せいくわつ)(おく)るのも勿体(もつたい)ない、183自分(じぶん)()いた(くそ)自分(じぶん)掃除(さうぢ)すれば()いのだ。184(ひと)()いた(くそ)まで掃除(さうぢ)させたり、185したりするものぢやない。186他人(ひと)(くそ)掃除(さうぢ)をさせるのは(あか)(ばう)(うち)だ。187(また)その(ふん)掃除(さうぢ)するものは赤坊(あかんばう)()うた母親(ははおや)か、188子守(こもり)仕事(しごと)だ。189チツト(かんが)へて御覧(ごらん)なさい』
190曲冬(まがふゆ)『さう一口(ひとくち)にコキ(おろ)されては便(べんめい)()がありませぬ。191(しか)(なが)一等厭(いつとうえん)一等厭(いつとうえん)としての主義(しゆぎ)綱領(かうりやう)があります。192どうか便所(べんじよ)掃除(さうぢ)をさして(いただ)()いものですな』
193高姫(たかひめ)『イヤイヤなりませぬ。194(なん)心得(こころえ)(ござ)る。195ここの便所(べんじよ)普通(ふつう)一般(いつぱん)便所(べんじよ)とは(ちが)ひますぞや。196勿体(もつたい)なくも大弥勒様(おほみろくさま)のお(いど)から()たお肥料様(こえさま)だ。197そこへシャルの(きたな)(やつ)(まじ)つて()るが、198(しか)(この)(やかた)にはシャルと()ふものが()りますから……ここの便所(べんじよ)なんか身魂(みたま)(みが)けない(ひと)(かま)つて(もら)(こと)出来(でき)ませぬ。199中々(なかなか)大弥勒(おほみろく)さまの便所(べんじよ)掃除(さうぢ)をさして(もら)はうと(おも)へば(なみ)大抵(たいてい)(こと)ぢやありませぬぞや。200余程(よほど)神徳(しんとく)(もら)はなくちや出来(でき)ませぬ。201そんな(こと)()つて麦飯(むぎめし)一杯(いつぱい)()ばれようと(おも)つてるのだらうが、202()(から)()(なか)に、203(たれ)がそんな糞奴(くそやつこ)(めし)一杯(いつぱい)()はす(もの)がありますかい。204それよりもチツト()出神(でのかみ)義理天上(ぎりてんじやう)(まを)(こと)(はら)()()んで()きなされ。205さうすれば結構(けつこう)出世(しゆつせ)出来(でき)ますぞや。206折角(せつかく)結構(けつこう)人間(にんげん)(うま)れて便所(べんじよ)掃除(さうぢ)をやつて()つては神様(かみさま)(たい)しても()まぬぢやありませぬか。207(まへ)さまの(やう)連中(れんちう)沢山(たくさん)出来(でき)便所(べんじよ)掃除(さうぢ)引受(ひきう)けて(くだ)さるのは(よろ)しいが、208これが百年(ひやくねん)将来(さき)()つて御覧(ごらん)なさい。209世間(せけん)から特種部落(とくしゆぶらく)(あつか)ひをされて、210便族(べんぞく)()()がつきますぞや。211さうすりや普通(ふつう)人間(にんげん)縁組(えんぐみ)出来(でき)ませぬぞえ。212()加減(かげん)テンコウして()くが(よろ)しからう。213特種部落(とくしゆぶらく)開祖(かいそ)になる(つも)りだらうが、214そんな(こと)するより三千世界(さんぜんせかい)(たす)けるウラナイ(けう)にお這入(はい)りなさい(なに)(ほど)結構(けつこう)だか()れませぬぞや』
215曲冬(まがふゆ)『それもさうですな。216(じつ)(ところ)(いや)(たま)らないのだけど、217()はんが(かな)しさに(ひと)(いや)がる便所(べんじよ)掃除(さうぢ)をして(その)()(うゑ)(しの)いで()るのです。218それでも世間(せけん)馬鹿者(ばかもの)(おほ)いと()えて一種(いつしゆ)(てい)のよい乞食(こじき)聖人(せいじん)だ、219君子(くんし)だと(あが)めて()れますからな。220新聞(しんぶん)雑誌(ざつし)()()てて()めるのですもの、221チツト(ぐらゐ)(くさ)くても辛抱(しんばう)出来(でき)たものですよ。222(しか)(なが)天香宗(てんかうしう)教祖様(けうそさま)(おもて)から()れば随分(ずいぶん)立派(りつぱ)なお(かた)ですが、223ヤツパリ(かぶ)売買(ばいばい)したり、224(まう)かりさうな鉱山(くわうざん)買占(かひし)めたり、225()つたものは(なん)とか()つて(かへ)さず、226()()(こと)随分(ずいぶん)上手(じやうず)ですよ。227それでも上流社会(じやうりうしやくわい)から非常(ひじやう)()めそやされ、228沢山(たくさん)書物(かきもの)()れるのですから、229()(なか)(めう)なものですな。230児島(こじま)高徳(たかのり)(さくら)()に「天香(てんかう)雪隠(せんち)(むな)しうする(なか)れ、231(とき)飯礼(はんれい)()きにしも(あら)ず」と()つて、232(わたくし)狂祖(きやうそ)さまの(こと)予言(よげん)しておいた(くらゐ)ですもの、233(あま)馬鹿(ばか)にはなりませぬワイ』
234高姫(たかひめ)『サ、235それが(くら)がりの()(なか)()ふのだよ。236善人(ぜんにん)(あく)とせられ、237悪人(あくにん)善人(ぜんにん)推称(すゐしよう)せらるる逆様(さかさま)()(なか)だから、238それで(この)(たび)(てん)から大弥勒様(おほみろくさま)が、239(この)()(うへ)にお(くだ)(あそ)ばし、240(この)高姫(たかひめ)肉体(にくたい)宿(やど)として衆生済度(しうじやうさいど)(ため)にウラナイの(みち)をお(ひら)(あそ)ばしたのだ、241(なん)有難(ありがた)(こと)ではないかな。242天香教(てんかうけう)とウラナイ(けう)何方(どちら)(まこと)(おも)ひますか』
243曲冬(まがふゆ)天香教(てんかうけう)には(なが)らく這入(はい)つて()りましたので大抵(たいてい)教理(けうり)(わか)りましたが、244まだウラナイ(けう)(なに)()いて()りませぬから、245どちらが()いか(わる)いか、246判断(はんだん)がつきませぬ。247()御説教(おせつけう)()かして(もら)つた(うへ)でお返事(へんじ)(いた)しませう』
248高姫(たかひめ)成程(なるほど)249何程(なにほど)おいしいものでも()つて()ねば(あぢ)(わか)らぬ道理(だうり)だ。250(まへ)()(こと)には一理(いちり)がある。251(こめ)(めし)(むぎ)(めし)()(くら)べて()れば、252(こめ)(めし)がうまいと(たれ)()ふだらう。253(この)ウラナイ(けう)(じつ)農業(のうげふ)(もと)とする(をしへ)だ。254それだから北山村(きたやまむら)農園(のうゑん)(ひら)いて種物(たねもの)神社(じんじや)(まつ)つてるのだよ。255ウラナイ(けう)(しるし)()御覧(ごらん)なさい。256八木(はちぼく)()いてあるでせう。257八木(はちぼく)所謂(いはゆる)(こめ)といふ()だ。258米国(べいこく)から(わた)つて()常世姫(とこよひめ)(をしへ)だからな』
259曲冬(まがふゆ)()出神(でのかみ)さまの御紋(ごもん)(こめ)()とはチツト釣合(つりあ)ひがとれぬぢやありませぬか』
260高姫(たかひめ)『お(まへ)(かんが)へが(あさ)いから、261そんな(こと)()ふのだ。
262()()()()朝日(あさひ)()()
263米国(べいこく)(べい)()(こめ)()
264(やが)()()ままとなる。
265()(うた)があるだらう。266(この)(うた)()出神(でのかみ)義理天上(ぎりてんじやう)世界(せかい)人間(にんげん)()らす(ため)(つく)つて()いたのだよ。267(なん)()のつんだ(うた)だらうがな。268到底(たうてい)人間(にんげん)作物(さくぶつ)ぢやありますまい。269それだから()()(かみ)()(こと)()いて()れば(この)()(なか)ままになるのだ。270(わか)りましたかな』
271曲冬(まがふゆ)(なん)言霊(ことたま)()ふものは(えら)いものですな。272よく()がつんで()りますワイ』
273高姫(たかひめ)『エ、274(また)しても、275こましやくれた言霊(ことたま)なんて……(なに)仰有(おつしや)るのだ。276言霊(ことたま)変性女子(へんじやうによし)緯身魂(よこみたま)()(こと)だ。277ここは誠生粋(まこときつすゐ)()()(だましひ)(をしへ)(いた)(たて)御用(ごよう)だから、278言霊(ことたま)なんか()つて(くだ)さるな。279こと()(やつ)(よこ)()さされて、280沢山(たくさん)(すぢ)(なら)べてピンピンシヤンシヤンと誤魔化(ごまくわ)(やつ)だ。281ここは誠一筋(まことひとすぢ)立通(たてとほ)善一筋(ぜんひとすぢ)(をしへ)だから、282その(つも)りで()つて(くだ)さいや』
283曲冬(まがふゆ)『イヤ、284(おほ)きに有難(ありがた)う。285こんなお(はなし)何時(いつ)(まで)()いて()つても(らち)()きませぬから御免(ごめん)(かうむ)りませう』
286高姫(たかひめ)『コレコレ、287さう短気(たんき)(おこ)さずにジツクリ落着(おちつ)いて()きなされ。288結構(けつこう)結構(けつこう)誠一厘(まこといちりん)仕組(しぐみ)(をし)へてあげますぞや』
289曲冬(まがふゆ)一厘(いちりん)二厘(にりん)()りませぬ。290左様(さやう)なら』
291()(なが)足早(あしばや)門口(かどぐち)さして()()す。292高姫(たかひめ)は、
293高姫(たかひめ)(この)(まま)()がしてなるものか、294(いや)でも(おう)でも(あと)おつ()けて引捉(ひつとら)へ、295ウラナイ(けう)信者(しんじや)になさねば()くものか、296シャル、297つづけ』
298()(なが)家鴨(あひる)火事見舞(くわじみまひ)(やう)(あし)つきでペタペタペタと内鰐足(うちわにあし)(あと)追駆(おひか)けて()く。299曲冬(まがふゆ)細長(ほそなが)いコンパスに()(かる)くトントントンと四辻(よつつじ)まで引返(ひきかへ)し、300(きた)(きた)へと(はし)()く。
301大正一二・三・二五 旧二・九 於皆生温泉浜屋 北村隆光録)
   
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