霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二〇章 酒談(しゆだん)〔一四九五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第58巻 真善美愛 酉の巻 篇:第4篇 猩々潔白 よみ(新仮名遣い):しょうじょうけっぱく
章:第20章 酒談 よみ(新仮名遣い):しゅだん 通し章番号:1495
口述日:1923(大正12)年03月30日(旧02月14日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年6月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
初稚丸は白帆を畳んでようやく磯辺に着いた。アキスとカールの両人は小躍りして遠浅の海を走って行き、船に近づいて中をのぞいた。多くの宣伝使たちに交じって、髯茫々にになったバーチルとアンチーが乗っているのに二人は驚いて喜びの声を上げ、早くもうれし涙にくれた。
玉国別は下船にあたって船頭のイールに心付けを渡した。イールは初稚姫から十分な代金をもらっているからと、玉国別からの心付けを湖の竜神への幣帛料として捧げ、一同に別れを告げると舟歌を歌いながら帰って行った。
バーチルは、アキス・カールと再会を喜んだ。二人はバーチルの奥方も一人息子も壮健で変わりないこと、ただ奥方のサーベルが数日前から神がかりのようになり、その命を受けて自分たちが浜辺に待っていたことを伝えた。
一行がバーチルの家に行こうとするとテクが現れて、三五教の宣伝使は捕縛しなければならないと走ってきて遮った。玉国別は持っていた酒をテクに渡した。テクは酒を飲み干すと途端に態度を変えて揉み手をし、これほどよい酒をもっと飲みたいと要求し始めた。
バーチルは、これから自分の帰還のお祝いをするからそこに来て好きなだけ酒を飲むようにとテクを丸め込んでしまった。三千彦も手持ちの酒をテクに差し出すと、テクはすっかり自分の役目など放り出してしまった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5820
愛善世界社版:251頁 八幡書店版:第10輯 459頁 修補版: 校定版:266頁 普及版:101頁 初版: ページ備考:
001 初稚丸(はつわかまる)白帆(しらほ)(たた)んだまま、002(やうや)くにして磯辺(いそべ)()いた。003アキス、004カールの両人(りやうにん)雀躍(こをど)りし(なが)ら、005(しり)(まく)ママつて遠浅(とほあさ)(うみ)をバサバサバサと()(かね)(はし)()き、006(ふね)(くら)ひつき、007(なか)(のぞ)()れば(ひげ)蓬々(ぼうぼう)(はえ)(をとこ)二人(ふたり)008(ほか)眉目(びもく)清秀(せいしう)宣伝使(せんでんし)美人(びじん)()つて()るに()(おどろ)き、009(おも)はず大声(おほごゑ)()げて、
010アキス『ア、011旦那(だんな)(さま)012ヤ、013番頭(ばんとう)(さま)
014()つた()り、015(はや)くも(うれ)(なみだ)()れ、016(あと)一言(いちごん)(はつ)()ず、017(ふね)(うしろ)(まは)遠浅(とほあさ)(さいはひ)(ちから)(かぎ)りに()して()く。018(やうや)一同(いちどう)玉国別(たまくにわけ)先頭(まつさき)に、019順々(じゆんじゆん)上陸(じやうりく)した。
020玉国(たまくに)『ヤ、021イールさま、022(その)(ほか)()一同(いちどう)023()苦労(くらう)(ござ)いました。024サア(これ)(わたし)(こころ)だけだ。025(さけ)なと(あが)つて(くだ)さい』
026(ふところ)より若干(じやくかん)(かね)()()(わた)さうとする。
027イール『旦那(だんな)(さま)028(けつ)して(けつ)して()心配(しんぱい)(くだ)さいますな。029初稚姫(はつわかひめ)(さま)から沢山(たくさん)(ちん)(いただ)いて()りますから、030(この)(うへ)(いただ)いては冥加(みやうが)につきます、031(こころざし)有難(ありがた)(いただ)きます。032何卒(どうぞ)(をさ)(くだ)さいませ』
033玉国(たまくに)宣伝使(せんでんし)(いつ)たん()()したもの、034(なん)()つても(もと)(もど)(こと)出来(でき)ぬ。035何卒(どうぞ)受取(うけと)つて(もら)ひたい』
036イール『左様(さやう)なれば()辞退(じたい)(まを)すも(かへつ)失礼(しつれい)037有難(ありがた)頂戴(ちやうだい)(いた)します』
038()(いただ)き、039(ただ)ちに海面(かいめん)(むか)ひ、
040イール『竜神(りうじん)(さま)041(かげ)無事(ぶじ)(おく)らして(いただ)きました。042何卒(どうぞ)これから(かへ)(みち)(なが)(ござ)いますれば、043キタの(みなと)(かへ)れますやう()守護(しゆご)(ねが)ひます。044これは幣帛料(へいはくれう)として差上(さしあ)げます』
045()ふより(はや)く、046湖中(こちう)(むか)つてバラバラと()()んで仕舞(しま)ひ、047一同(いちどう)(わか)れを()(いさぎよ)櫓櫂(ろかい)(あやつ)り、048欵乃(ふなうた)(うた)(なが)(かへ)()く。
049玉国(たまくに)『アア船頭(せんどう)()ふものは信心(しんじん)(つよ)いものだなア。050本当(ほんたう)正直(しやうぢき)なものだ。051寡欲(くわよく)恬淡(てんたん)にして(すこ)しも(むさぼ)(こころ)のないのは(かん)()つたものだ。052あの船頭(せんどう)純潔(じゆんけつ)(こころ)()るにつけ、053自分(じぶん)(たち)(こころ)(はづ)かしくなつて()た。054いや吾々(われわれ)はまだまだ修養(しうやう)()りない。055ああ(かみ)(さま)056有難(ありがた)教訓(けうくん)(いただ)きました。057惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
058感謝(かんしや)(なみだ)()れながら無事(ぶじ)着港(ちやくかう)(しゆく)した。
059 バーチルは、060アキス、061カールの二人(ふたり)()()り、
062バーチル『お(まへ)下僕(かぼく)であつたか、063よう(むか)ひに()()れた。064(おく)はどうして()るか』
065アキス『ハイ()壮健(さうけん)でゐらつしやいます。066(ばう)(さま)(きは)めてお元気(げんき)(ござ)います』
067カール『(なん)だか二三(にさん)日前(にちまへ)から神懸(かむがかり)のやうになられまして、068時々(ときどき)(めう)(こと)仰有(おつしや)いますが、069(じつ)感心(かんしん)(いた)しました。070旦那(だんな)(さま)がお(かへ)りになるからスマの(はま)まで()つて()いと、071それはそれは(やかま)しう仰有(おつしや)いますので、072(わたくし)此処(ここ)三日(みつか)()()ちをして()ました。073ようまア(かへ)つて(くだ)さいました。074(うれ)しう(ござ)います』
075バーチル『ああさうであつたか、076それは不思議(ふしぎ)(こと)だ。077()(かく)もこの先生(せんせい)のお(とも)して(いち)()(はや)(わが)()(かへ)り、078(ゆつ)くりと休息(きうそく)をして(いただ)かう。079サア(はや)()案内(あんない)(まを)せ』
080 両人(りやうにん)(いち)()に、
081『ハイ、082(しか)らば皆様(みなさま)()案内(あんない)(いた)しませう』
083(はや)くも(さき)()つて(あゆ)みかけた。084(むか)ふの(はう)より一人(ひとり)(をとこ)085大手(おほで)(ひろ)げて(はし)(きた)り、
086(をとこ)『オイ()つた()つた、087此奴(こいつ)()三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)だ。088神変(しんぺん)不思議(ふしぎ)魔法使(まはふづかひ)だ。089貴様(きさま)主人(しゆじん)はバラモン(けう)でありながら、090三五教(あななひけう)魔法使(まはふづかひ)()れて(かへ)ると()叛教者(はんけうしや)だ。091バラモン(けう)(たい)しての、092プロテスタントだ。093イヤ、094バーチルスだ。095オイ、096バーチル一寸(ちよつと)調(しら)べる(こと)がある。097キヨの(みなと)関所(せきしよ)(まで)一寸(ちよつと)()い』
098アキス『貴様(きさま)泥酔漢(よひどれ)のテクぢやないか。099グヅグヅ(ぬか)すと(この)鉄拳(てつけん)がお見舞(みまひ)(まを)すぞ』
100テク『ヘン(この)(はう)(からだ)三葉葵(みつばあふひ)(もん)(からだ)一面(いちめん)について()るのだ。101指一本(ゆびいつぽん)でもさへるならさへて()よ』
102 玉国別(たまくにわけ)(たづさ)へもつた瓢箪(へうたん)(くち)をあけて、103テクの(はな)(さき)につきつけ、104微笑(びせう)しながら、
105玉国(たまくに)『お役目(やくめ)()苦労(くらう)(ござ)いますな。106暑気払(しよきばら)ひに一寸(ちよつと)()(あが)つたらどうですか』
107テク『エヘヘヘヘ。108三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)でも一寸(ちよつと)(はな)せるわい、109(おほい)()()つた。110()(なか)()うなくては、111人間(にんげん)(わた)れないものだ、112(さけ)なくて、113(なん)(おのれ)宣伝使(せんでんし)かな」だ。114まづまづ一杯(いつぱい)頂戴(ちやうだい)(つかまつ)らう』
115とホクホクしながら(ひさご)(くち)から(いき)もつかず、116(のど)をゴロゴロ()らせながら()()のタンクに臨時(りんじ)灌漑(くわんがい)し、117(ひさご)(さか)さにして(てのひら)(うへ)(ふた)(みつ)舞踏(ぶたふ)させながら、118(したた)二滴(にてき)ばかりの(さけ)()叮嚀(ていねい)にゲソゲソと(なめ)(にはか)態度(たいど)をかへ、
119テク『ヤどうも、120()()上等(じやうとう)醍醐味(だいごみ)頂戴(ちやうだい)(いた)しまして、121テク(じつ)乾盃(かんぱい)(いた)りで(ござ)います。122(ひさご)ぶりに、123どうした拍子(ひやうし)瓢箪(へうたん)やら、124スコタンやら、125コンタンやら、126邯鄲(かんたん)(ゆめ)(まくら)のやうな、127(うれ)しい心持(こころもち)(いた)しますわい。128(わたくし)(これ)からずつと改心(かいしん)をして貴方(あなた)のお弟子(でし)にして(いただ)き、129ドツサリドツサリ瓢箪酒(へうたんざけ)を、130この(うま)(うま)い、131瓢箪酒(へうたんざけ)を、132チヨコチヨコ、133サイサイ()まして(いただ)()にはゆきますまいかな、134(わけ)にはゆきますまいか。135本当(ほんたう)()()いた先生(せんせい)だ、136イヤ()()つた先生(せんせい)だ。137専制(せんせい)主義(しゆぎ)のバラモンよりも四民(しみん)平等(べうどう)主義(しゆぎ)の、138四民(しみん)平等(べうどう)人類愛(じんるゐあい)三五教(あななひけう)余程(よつぽど)139余程(よつぽど)140余程(よつぽど)甘味(うまみ)(ござ)いますわい。141ウマ()がたつぷり(ござ)います。142甘味(うまみ)()つたら(いま)()んだ(さけ)(ちつ)(ばか)り、143チヨツクラチヨツト、144(すこ)(ばか)り、145(すこ)しでも沢山(たくさん)146ドツサリと(いただ)()いもので(ござ)います。147(さけ)さへ()ましておけば、148(さけ)()さへあれば、149このテクも、150(ねこ)のやうな(やさ)しい、151温順(をんじゆん)な、152柔和(にうわ)な、153柔順(じうじゆん)な、154結構(けつこう)な、155目出度(めでた)人間(にんげん)ですよ。156それはそれはお目出度(めでた)人間(にんげん)です。157エヘヘヘヘ』
158玉国(たまくに)『アハハハハ』
159バーチル『これ、160テクさま(わたし)三年振(さんねんぶり)目出度(めでたく)(わが)()(かへ)つたのだから、161(ここ)(いつ)週間(しうかん)(ばか)り、162(いへ)財産(ざいさん)()くなつても(かま)はぬ、163大祝宴(だいしゆくえん)(ひら)くのだから、164(まへ)さま(ひと)(さけ)(はう)世話(せわ)をして(もら)へまいかな。165そして()()上等(じやうとう)(さけ)何十石(なんじつこく)でもよい取寄(とりよ)せて、166献立(こんだて)をして(もら)()いものだ』
167テク『もつとももつとも、168御尤(ごもつと)千万(せんばん)169(わた)りに(ふね)170追手(えて)()171(をんな)(をとこ)172テクに甘酒(うまざけ)173(さけ)にテク、174テクにお(さけ)175(さけ)がテクか、176テクが(さけ)か、177(さけ)(なか)から(うま)れたテクぢや、178いやはや承知(しようち)(いた)しました。179(たしか)承諾(しようだく)(つかまつ)りました。180ああああ(なん)だか甘酒(うまざけ)()くと(のど)(やつ)181(のど)(ねこ)()がゴロゴロと(うな)()しやがつた。182(つば)(やつ)(さけ)(かほ)()(さき)から門口(かどぐち)(まで)出迎(でむか)へに()()る。183イヤ(つば)184(さけ)のつばものも(すこ)辛抱(しんばう)せ。185(いま)(ただ)ちに供給(きようきふ)してやる。186(いな)灌漑(くわんがい)してやる。187蒸気(じやうき)ポンプ装置(さうち)が、188いや据付(すゑつ)けが出来(でき)()だけ辛抱(しんばう)したらよからう。189いや、190とは()ふものの(おれ)辛抱(しんばう)仕悪(しに)くなつた。191オイ先生(せんせい)192この(ほか)臨時(りんじ)()携帯(けいたい)のお()()はせの瓢箪(へうたん)193(ふくべ)194ひよう ひようは(ござ)いませぬかな』
195三千(みち)『アハハハハ。196随分(ずゐぶん)タンクと()えますな、197そんなら拙者(せつしや)(ぶん)進上(しんじやう)(いた)さう。198(また)(いづ)れバーチルさまのお(たく)()つて(あたら)しいのと詰替(つめかへ)ますから………大分(だいぶ)(なみ)(うへ)(わた)つて()たから(この)(さけ)くたびれ()りますれど()辛抱(しんばう)(くだ)さい』
199テク『ヤ、200そいつは有難(ありがた)い、201瓢箪酒(へうたんざけ)(ふる)くなる(ほど)(あぢ)がよいのだ。202風味(ふうみ)があるのだ。203三日(みつか)四日(よつか)(ゆす)つた(さけ)はねんばりとして、204むつくりとして口当(くちあた)りがよいものだ。205有難(ありがた)有難(ありがた)い』
206()(なが)らグイと三千彦(みちひこ)()より引手繰(ひつたく)るやうにして受取(うけと)り、207(ひさご)(ひたひ)(あた)りまで()()(しり)()て、
208テク『エヘヘヘヘこの瓢助(へうすけ)(やつ)209随分(ずいぶん)(さけ)(くら)ひよつたと()えて、210イヤ()ふたと()えて(あか)(かほ)をして()やがる。211いや(あか)(けつ)をして()やがる。212(まる)でお(さる)()たやうだ。213(さる)(けつ)(あか)い。214やア面白(おもしろ)うなつて()おつた。215いや(けつ)(あか)い、216()白狸(しろだぬき)腹鼓(はらづつみ)217()れる(ほど)(いただ)きませう。218ヤ、219頂戴(ちやうだい)(いた)しませう』
220(くち)をポンと()餓鬼(がき)のやうに喇叭呑(らつぱの)みを(はじ)()した。221瓢酒(ふくべざけ)(おと)トブ トブ トブ トブ、222(のど)(おと)ゴロゴロ、223キユウ キユウ キユウ、224チユウー。
225テク『アア、226よう()般若湯(はんにやたう)だ。227醍醐味(だいごみ)だ。228(いのち)(みづ)だ。229百薬(ひやくやく)(ちやう)だ。230(なん)とまア、231調法(てうはふ)なものだなア。232結構(けつこう)()だらけ猫灰(ねこはひ)だらけ。233(あま)(うま)くて美味(おい)しうて、234(あぢ)がようて、235()いた(くち)がすぼまりませぬよ。236()いた(くち)牡丹餅(ぼたもち)237兎口(みつくち)にしんこ、238四角口(よつぐち)羊羹(やうかん)239○○に(きびす)240テクの(くち)般若湯(はんにやたう)241(わた)りに(ふね)242順風(じゆんぷう)()243(のみ)(つち)244女房(にようばう)(おやぢ)245老爺(ぢいさん)初孫(うひまご)246どうした拍子(ひやうし)瓢箪(へうたん)やら、247(うま)(おい)しい、248(のめ)(うま)い、249(うま)(こと)づくめが(かさ)なつたものだ。250目出度(めでた)目出度(めでた)い、251目出度(めでた)い。252目出度(めでた)253目出度(めでた)()(かさ)なりて(つる)御門(ごもん)()をかける、254(おく)さま(やかた)にお()ちかね。255(われ)()もスパイをすつかりやめて、256(ひと)(いや)がる探偵(たんてい)やめて、257バーチルさまの()厄介(やくかい)になり、258世話(せわ)によつてお(さけ)御用(ごよう)(しつか)(つと)めませう。259エヘヘヘ』
260アキス『アハハハハ、261此奴(こいつ)面白(おもしろ)い。262(さけ)(あぢ)のよい()愛嬌(あいけう)だ、263さア旦那(だんな)(さま)264(はや)(かへ)りませう』
265(さき)()ち、266道々(みちみち)元気(げんき)よく(うた)(うた)ひ、267ヤッコス(をどり)(をど)りながら、268(なつ)草野(くさの)炎天(えんてん)(かへ)()く。269アヅモス(さん)南麓(なんろく)老樹(らうじゆ)()(しげ)つた(ひと)つの(もり)()える。270それがバーチルの広大(くわうだい)邸宅(ていたく)であつた。
271大正一二・三・三〇 旧二・一四 於皆生温泉浜屋 加藤明子録)

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