霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二五章 万歳楽(ばんざいらく)〔一五〇〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第58巻 真善美愛 酉の巻 篇:第4篇 猩々潔白 よみ:しょうじょうけっぱく
章:第25章 第58巻 よみ:ばんざいらく 通し章番号:1500
口述日:1923(大正12)年03月30日(旧02月14日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年6月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5825
愛善世界社版:300頁 八幡書店版:第10輯 476頁 修補版: 校定版:318頁 普及版:122頁 初版: ページ備考:
001 テクは、002アキス、003カールと(とも)番頭頭(ばんとうがしら)になつたやうな気持(きもち)で、004捻鉢巻(ねぢはちまき)をしながら(まはし)(ひと)つになり(くら)から(さけ)(かつ)()し、005(たる)(つめ)()いて、006柄杓(ひしやく)(くち)からグイと一口(ひとくち)()んでは他愛(たあい)もなく(しやべ)りつづけて()る。007数百人(すうひやくにん)里人(さとびと)貴賤老若(きせんらうにやく)(へだ)てなく、
008『バーチルさまが(かへ)られた。009旦那様(だんなさま)無事(ぶじ)(かへ)りだ』
010()やに()めた()アさま、011(はな)()らしたお(ぢい)さま、012鼻曲(はなまが)り、013(つんぼ)014(めくら)(まで)()()(きた)り、015(ひろ)邸内(ていない)酒樽(さかだる)(かがみ)()いて一生懸命(いつしやうけんめい)(うた)()ひなどして(そこ)ぬけ(さわ)ぎをして()る。016テクは得意(とくい)頂上(ちやうじやう)(たつ)し、
017テク『オイ、018アキス、019カール(しつか)りせないか、020よくお(きやく)さまの様子(やうす)調(しら)べ、021()()のないやうに一人(ひとり)もお神酒(みき)(いただ)かぬ落伍者(らくごしや)のないやう()をつけるのだよ。022(なに)()ふても(おれ)のやうな清浄潔白(しやうじやうけつぱく)(みたま)でないものは隅々(すみずみ)(まで)()()かないからな。023(はし)(もと)024雪隠(せつちん)(なか)025物置(ものおき)隅々(すみずみ)(まで)()()(やつ)でないと(まこと)御用(ごよう)(つと)まらぬぞよ。026ああ(うま)(さけ)だ。027(おれ)(この)(いへ)部下(ぶか)だ、028猩々(しやうじやう)(ぐらゐ)()(たふ)したつて、029(なん)()つたつてイヅミの(くに)()つての豪家(がうか)だから(たい)したものだ。030立寄(たちよ)れば大樹(たいじゆ)(かげ)だ。031(はし)親方(おやかた)(おほ)きなのがよい」と()ふから、032(おれ)今日(けふ)からスパイを()めて、033バーチルさまの(いち)番頭(ばんとう)自分(じぶん)から()めて()つたのだから、034今後(こんご)(おれ)命令(めいれい)(したが)ふのだよ。035よいか、036アキス、037カール、038のうアキス、039カール、040それでよいだらう。041ヨイトサのヨイトサ、042()(さけ)043()(さけ)044()うて()うておいしうてようて、045(よひ)(まは)つて、046()うて、047(うま)うて()うて、048ヨイヨイのテクテクだ。049猩々彦(しやうじやうひこ)()()のテクさまと()へば(おれ)(こと)だぞ。050なんぼテクさまと()ふても手癖(てくせ)(わる)くないから、051(その)(つもり)()つて()れ』
052アキス『ヘン、053(にはか)番頭顔(ばんとうがほ)をしよつて(えら)さうに()ふない。054(しか)(なが)今日(けふ)はお目出度(めでた)()だから、055喧嘩(けんくわ)はやめて()かう。056今日(けふ)一日(いちにち)番頭(ばんとう)だから、057(なん)なりと勝手(かつて)(ねつ)()いたがよいわ。058のうカール』
059カール『ウンさうだ。060テクが()つて()るのぢやない、061振舞(ふるま)(ざけ)()つて()るのだ。062(さけ)()ふものは狂水(きやうすい)()ふが、063ほんとに面白(おもしろ)いものだなア。064俺達(おれたち)下戸(げこ)でも一口(ひとくち)()めば気持(きもち)がハキハキして()るやうだ』
065アキス『オイ、066たつた一口(ひとくち)()ふたが、067最前(さいぜん)から随分(ずゐぶん)沢山(どつさり)()つかけたぢやないか。068まるで(うし)(ざう)かが、069雑水(ざふすゐ)()むやうだつたよ』
070カール『()まつた(こと)だよ。071五升徳利(ごしようどつくり)一口(ひとくち)ぢやほんの少々(せうせう)ながら、072ごしよごしよとやつて()たら、073(おれ)(ほほ)べたにほんのりと(くれなゐ)(はな)()きかけたのだ、074エヘヘヘヘ』
075アキス『オイ貴様(きさま)奥様(おくさま)から、076(あま)(まる)(かほ)をして()るので望月(もちづき)とか(もち)()きだとか()はれたぢやないか。077(もち)()きな(やつ)(さけ)()まぬものだが、078貴様(きさま)山川道楽(やまかはだうらく)だな。079(おれ)(さけ)一滴(いつてき)()まないと()ふて(あか)(かほ)をしたり、080熟柿(じゆくし)(くさ)(いき)をしたりしたのは内証(ないしよう)()んで()たのだな、081たうとう(ばけ)(あら)はしやがつたな、082化虎(ばけとら)め』
083カール『(きま)つた(こと)だい。084いつも酒倉(さかぐら)(ばん)(ばか)りやらされて()るのだもの、085(たる)錐穴(きりあな)をあけ、086麦藁(むぎわら)()()んで、087チウチウと鼠鳴(ねずみな)きをして()たのだ。088そして(その)(あと)(くぎ)()()んで()くのだ。089貴様(きさま)(なが)らく(おれ)一緒(いつしよ)奉公(ほうこう)しておきながらノロ(さく)だなア』
090アキス『(しか)此方(こなた)旦那様(だんなさま)は、091(むかし)から(さけ)(ばか)沢山(たくさん)(つく)つて()るでもなく、092二十戸前(にじつとまへ)(くら)(さけ)(たくは)へて()るのは不思議(ふしぎ)(おも)つて()たら、093矢張(やつぱり)()()(とき)()(あは)さうと(おも)つて準備(じゆんび)して()たのだな。094ほんとに(えら)(ひと)ぢやないか』
095カール『(しか)しアキス、096旦那様(だんなさま)(おく)さまに天王(てんのう)(もり)猩々(しやうじやう)(つい)()ると()(こと)ぢやないか。097(おれ)一寸(ちよつと)(つぎ)()から()いて()たが、098ほんとに不思議(ふしぎ)(こと)だ。099貴様(きさま)どう(おも)ふか』
100アキス『ウンそれが、101しやうじやうむく清浄無垢(しやうじやうむく))の(みたま)()ふのだらうかい。102(なん)()つても旦那様(だんなさま)奥様(おくさま)人民(じんみん)(あはれ)みなさるから里人(さとびと)人望(うけ)はよし、103あんな慈悲(じひ)(ぶか)(ひと)が、104なぜ三年(さんねん)離島(はなれじま)()つて苦労(くらう)をなさつたかと(おも)へば、105(かみ)(ほとけ)(この)()()(こと)かと(おも)ふは。106(しか)しまアまア(かへ)つて(くだ)さつて奥様(おくさま)()ふに(およ)ばず、107スマの里人(さとびと)がどれ()(よろこ)(こと)()れないのう。108(なん)ぢや(もん)(はう)大変(たいへん)(にぎや)かうなつて()た。109(ひと)調(しら)べて()ようか』
110表口(おもてぐち)()()して()た。
111 ()ればテクは大柄杓(おほびしやく)(かた)にかつぎ(なが)大勢(おほぜい)中央(まんなか)()つて、112(みずか)(をど)(くる)うて()る。113大勢(おほぜい)(はや)()てて()る。
114テク『エーーーさても目出(めで)たや
115此方(こなた)(やかた)、ヨイヨイ
116三年振(さんねんぶり)御主人(ごしゆじん)
117目出度(めでたく)(かへ)(あそ)ばした
118第一(だいいち)(おく)さまのお(よろこ)
119(その)(つぎ)(ぼつ)ちやま番頭(ばんとう)さま
120アキス、カールを(はじ)めとし
121ヨイヨイ
122イヅミの(くに)のスマの(さと)
123老若男女(らうにやくなんによ)がより(つど)
124二十戸前(にじつとまへ)酒倉(さかぐら)
125ヨイヨイ
126開放(かいはう)(あそ)ばし(みな)さまに
127()んで()れよと()()した
128その肝玉(きもだま)(ふと)(こと)
129ヨイヨイ
130(この)テクさまは今日(けふ)よりは
131バーチル(やかた)番頭(ばんとう)さま
132バラモン(けう)のスパイをば
133さつぱりこんと辞職(じしよく)して
134(さけ)(くら)監督(かんとく)
135(みな)さま(いさ)んで(くだ)さんせ
136ヨイヨイ
137これからテクが()(うへ)
138これの(やかた)(こめ)(むぎ)
139(さけ)をどつさり(みな)さまに
140(のぞ)(どほ)りに(あた)へませう
141なに(ほど)(たから)があつたとて
142(いのち)がなければ仕様(しやう)がない
143ヨイヨイ
144()んだと(おも)ふた(あるじ)さま
145目出度(めでたく)(いへ)(かへ)られて
146(いはひ)(しるし)(みな)さまに
147(さけ)振舞(ふるまひ)なさるのだ
148(かた)(むす)んだ(にぎ)(めし)
149(なか)(ふく)れて瓢箪(へうたん)
150なる(とこ)までも()はしやんせ
151ヨイヨイ
152ほんに目出度(めでた)いお目出度(めでた)
153天王(てんわう)(もり)(かみ)さまが
154御守護(ごしゆご)(あそ)ばし御夫婦(おふたり)
155目出度(めでたく)(ここ)(かほ)(あは)
156(うれ)(なみだ)をドツサリと
157(なが)させ(たま)ふた有難(ありがた)
158ヨイヨイ
159(その)神様(かみさま)のお(かげ)にて
160(うま)れて此方(このかた)一度(ひとたび)
161(あぢ)はふた(こと)のない甘酒(うまざけ)
162鱈腹(たらふく)()んで(いさ)ましく
163()へよ(くる)へよ(をど)れよと
164(かみ)直々(ぢきぢき)御命令(ごめいれい)
165こんな(うれ)しい(こと)あろか
166ヨイヨイ
167アキスやカールの番頭(ばんとう)さま
168元来(ぐわんらい)肝玉(きもだま)(ちひ)さくて
169是程(これほど)沢山(たくさん)ある(さけ)
170番頭(ばんとう)(しよく)にありながら
171(おのれ)()まず(ひと)さまに
172振舞(ふるま)ひもせず()()いた
173冥加(みやうが)()らずの罰当(ばちあた)
174ヨイヨイ
175テクが(これ)から(この)(いへ)
176(いち)番頭(ばんとう)となるからは
177ケチなやり(かた)(いた)さない
178村中(むらぢう)上下(うへした)(へだ)てなく
179(むつ)(した)しみ神様(かみさま)
180(めぐみ)(つゆ)感謝(かんしや)して
181神酒(みき)沢山(たくさん)(いただ)けよ
182こんな目出度(めでた)(こと)あろか
183ヨイヨイ
184猩々(しやうじやう)(ひこ)猩々姫(しやうじやうひめ)
185不思議(ふしぎ)(えん)(めぐ)()
186夫婦様(ふたりさま)(たい)()
187これの(やかた)のお夫婦(ふたり)
188(あし)(ふた)つに()()ツつ
189夫婦(ふうふ)(あは)して()つの(あし)
190十二(じふに)のお手々(てて)()()らし
191アヅモス(さん)神様(かみさま)
192御前(みまへ)感謝(かんしや)太祝詞(ふとのりと)
193()らせたまへる崇高(けだか)さよ
194ヨイヨイ
195三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
196()玉国別(たまくにわけ)宣伝使(せんでんし)
197(こころ)まつ(くろ)真純彦(ますみひこ)
198(あたま)たたかれ伊太彦(いたひこ)
199(さけ)(たる)三千彦(みちひこ)
200綺麗(きれい)なお(かか)のデビス(ひめ)
201デビスかエビスか()らねども
202大黒(だいこく)さまの(ふく)(かみ)
203(くだ)つて()いたる(この)(いへ)
204(さけ)のイヅミの国人(くにびと)
205(さぞ)(よろこ)(こと)だらう
206(みな)さま(そろ)ふて()()てよ
207ヨイヨイ
208(よひ)(まは)つたテクさまは
209(いき)(くる)しうなつて()
210(みな)さまこれから(かく)(げい)
211(つつ)まず(かく)さず()()して
212今日(けふ)目出度(めでた)いお(いはひ)
213(はな)()かして(くだ)されよ
214ヨイヨイ』
215一生懸命(いつしやうけんめい)音頭(おんどう)()り、216数百人(すうひやくにん)老若男女(らうにやくなんによ)()()(をど)(くる)うて()る。217()かる(ところ)へキヨの(みなと)関所(せきしよ)(かた)めて()るバラモン(ぐん)のチルテルは数十人(すうじふにん)部下(ぶか)引率(ひきつ)(うま)(またが)り、218シトシトと門内(もんない)さして(すす)()り、219馬上(ばじやう)()ちて大音声(だいおんじやう)
220チルテル『ヤアヤア(それがし)はバラモン(けう)関所(せきしよ)(まも)る、221キャプテンのチルテルだ。222当館(たうやかた)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)223玉国別(たまくにわけ)以下(いか)(ひそ)みゐると、224スパイの注進(ちうしん)により召捕(めしとり)(むか)ふたり。225ヤアヤア村人(むらびと)ども宣伝使(せんでんし)所在(ありか)案内(あんない)(いた)せ』
226呶鳴(どな)りつけて()る。227これを()くより、228柄杓(ひしやく)にテク、229アキス、230カールは(さけ)をなみなみと()みチルテルの鼻先(はなさき)()()した。231チルテルは(さけ)()くより()(たて)(たま)らず(うま)をヒラリと()()り、232餓鬼(がき)(みづ)()むやうな(いきほひ)で、233ガブリガブリと()(はじ)めた。234(したが)(きた)れる数多(あまた)部下(ぶか)群衆(ぐんしう)(まじ)つて、235(われ)(おと)らずガブ()みを(はじ)め、236肝腎(かんじん)使命(しめい)(わす)れ、237(おのおの)捻鉢巻(ねぢはちまき)をして、238(しり)ふりながら、239ステテコ(をどり)夢中(むちう)になつてやつて()る。240中空(ちうくう)には迦陵頻伽(かりようびんが)241鳳凰(ほうわう)242孔雀(くじやく)瑞鳥(ずゐてう)243(つばさ)(ゆた)かに()(くる)うて()る。244ああ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
245大正一二・三・三〇 旧二・一四 於皆生温泉浜屋 加藤明子録)
246(昭和一〇・六・一五 王仁校正)
   
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