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第一六章 開窟(かいくつ)〔一五一六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第59巻 真善美愛 戌の巻 篇:第3篇 地底の歓声 よみ(新仮名遣い):ちていのかんせい
章:第16章 開窟 よみ(新仮名遣い):かいくつ 通し章番号:1516
口述日:1923(大正12)年04月02日(旧02月17日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年7月8日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
伊太彦が入り口に座っていると、今度はワックス、エキス、ヘルマン、エルの四人が転がり落ちていた。またバラモン軍の兵士たちも十七八人落ち込んできた。伊太彦は相変わらず宿屋の受付気取りで応対する。
チルテルは、部下たちが全員落ち込んでしまったので、外から岩窟の出入り口を上げてくれる者がいなくなってしまったと心配する。三千彦は、玉国別たちが助けてくれるだろうと安堵するが、夜になって玉国別一行が落とし穴に落ち込んできた。
一行が岩窟に入ってみると、バラモン軍たちは、もうここから出る手段がないと嘆いている。玉国別は朗々と宣伝歌を歌って、改心して心静かに助けを待つようにと教えを示した。
一同が述懐の歌を歌い合っていると、スマートを先頭に初稚姫が燈火を捧げながらやってきた。初稚姫は関所の岩窟の入り口の錠を外して、石段を降って皆を助けに来てくれたのであった。
この初稚姫は白狐の化身ではなく、本物の初稚姫がイクとサールを従えて、落とし穴に落ちた人々を助けるためにやってきたのであった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5916
愛善世界社版:211頁 八幡書店版:第10輯 560頁 修補版: 校定版:223頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 伊太彦(いたひこ)依然(いぜん)として、002入口(いりぐち)(すわ)つて()ると003ワックス、004エキス、005ヘルマン、006エルの()(にん)(ころ)()むだ。007(つぎ)に、0071(たちま)ちバラスをぶち()けたやうに、008ドサドサドサと十七八(じふしちはち)(にん)のチュウリック姿(すがた)若者(わかもの)()(かさ)なつて()()(きた)る。
009伊太(いた)『ヤア、010大勢(おほぜい)さま、011よく()下向(げかう)になりました、012サア此処(ここ)(さか)(した)小竹屋(こたけや)(ござ)います。013大竹屋(おほたけや)のやうに(けつ)してお(きやく)さまを(ゆか)(した)から手槍(てやり)でついて、014(いのち)をとり着物(きもの)(はぎ)()つて(たる)()めて(うみ)()りに()くやうな(こと)はありませぬ。015まア安心(あんしん)してお(とま)(くだ)さい。016せいぜい勉強(べんきやう)してお(やす)(ねが)ひます。017昼飯(ひるめし)もこめまして、018一人(ひとり)さまに(さん)(ゑん)づつで(とま)つて(いただ)きます。019あゝ、0191大繁昌(だいはんじやう)だ。020宿屋(やどや)もこれだけ(きやく)があれば()てたものぢやないわい。021番頭(ばんとう)さまも随分(ずいぶん)(いそが)しい(こと)だなア』
022 一同(いちどう)はムクムクと()(あが)り、023(たがひ)にがやがやと(つぶや)いて()る。
024(かふ)『オイ、025貴様(きさま)(おれ)()(こと)()かないから、026たうとうこんな奈落(ならく)()ちて仕舞(しま)つたのだ。027一体(いつたい)どうして()れるのだい』
028(おつ)馬鹿(ばか)()ふない。029いつも目標(もくへう)(くろ)棒杭(ぼうぐひ)()つて()たぢやないか、030あの(わき)(とほ)ればよいのだ。031(たれ)かが、032棒杭(ぼうぐひ)位置(ゐち)()へて()きやがつたと()えて033こんな失策(しつさく)をしたのだ』
034(かふ)馬鹿(ばか)()ふない。035ありや棒杭(ぼうぐひ)ぢやない、036様子(やうす)(ちが)つて()るから、037()をつけと()つたぢやないか、038(しか)るに貴様(きさま)が「ナニ」と()ふて()()つたものだから、039こんな(ところ)(みな)()ちて仕舞(しま)つたのだよ。040(たれ)様子(やうす)()つて()るものが(すく)()して()れるより(ほか)()(みち)はない。041まア042ミイラになる(とこ)まで辛抱(しんばう)するのだなア』
043伊太(いた)『お客様(きやくさま)044ようお(いで)なさいました。045新規(しんき)開業(かいげふ)宿屋(やどや)(ござ)います。046(やす)(ねが)ひます』
047(かふ)『ヤア貴様(きさま)三五教(あななひけう)(やつ)ぢやないか、048どうして()るのだえ』
049伊太(いた)『エイ、050(あま)宣伝使(せんでんし)()商売(しやうばい)()()ひませぬので、051(にはか)岩窟(がんくつ)ホテルを(ひら)き、052商売替(しやうばいがへ)(いた)しました。053(おく)にチルテルのキャプテンも、054ヘールのユゥンケルもお(いで)です。055サア()遠慮(ゑんりよ)なくお(とほ)(くだ)さい、056毎度(まいど)()贔屓(ひいき)有難(ありがた)(ござ)います』
057(おつ)(なん)だ、058怪体(けたい)(こと)があるものだなア。059(しか)(なが)(おく)這入(はい)つてキャプテンに()060(いち)()(はや)(たす)からねばならぬ』
061委細(ゐさい)かまはずどやどやと(おく)(すす)むで()く。
062チルテル『ヤアお(まへ)(たち)大勢(おほぜい)一度(いちど)にこんな(ところ)()()むで()たのか』
063(かふ)『ハイ、064旦那(だんな)のお行方(ゆくへ)(さが)しました(ところ)065何処(どこ)にもお姿(すがた)()えないので、066大方(おほかた)岩窟(がんくつ)ホテルに()投宿(とうしゆく)かと(おも)ひまして、067部下(ぶか)()()れ、068(むか)ひに(まゐ)りました』
069チルテル『ヤ、070それは()苦労(くらう)だ。071よく(むか)へに()()れた。072関所(せきしよ)入口(いりぐち)()けて()いたらうなア。073其処(そこ)さへ()けてあれば()るのは(うま)いものだ。074三千彦(みちひこ)さま、075デビスさま、076もう()安心(あんしん)なさい。077万古(まんご)末代(まつだい)()られないかと(おも)ひましたら078入口(いりぐち)()けて部下(ぶか)(むか)ひに()てくれました』
079(かふ)『ヘエ、080折角(せつかく)(なが)(その)入口(いりぐち)から、081()けてお(むか)ひに()たのなら都合(つがふ)がよいのですが、082(おも)はず()らず()()むで()たので、083ヘエ、084(まこと)(こま)つて()ります。085何処(どこ)かに抜穴(ぬけあな)(ござ)いますまいかな』
086チルテル『あゝもう駄目(だめ)だ。087一人(ひとり)(のこ)らず、088此処(ここ)()()むで仕舞(しま)つた。089誰一人(たれひとり)(たす)けに()るものは()いではないか。090残念(ざんねん)ながら(おれ)(たち)一同(いちどう)此処(ここ)でミイラになるより仕方(しかた)()いわ。091三千彦(みちひこ)(さま)092貴方(あなた)()うお(かんが)へですか』
093三千(みち)(なん)だか()りませぬが、094(わたし)玉国別(たまくにわけ)神司(かむづかさ)が、095きつと(すく)ひに()()れるやうな()がします。096それだから、097(すこ)しも(あん)じては()りませぬ。098(みな)さま099()()ちつけて()休息(きうそく)なさいませ』
100 一同(いちどう)はガサガサ()(たたみ)(よこ)になり、101ガヤガヤと(ささや)(なが)ら、102(すく)ひの(ひと)(あら)はれ(きた)るのを()つて()た。103三千彦(みちひこ)はデビス(ひめ)(とも)拍手(かしはで)()つて一生(いつしやう)懸命(けんめい)―『三五教(あななひけう)大神(おほかみ)104バラモン(けう)大神(おほかみ)105(まも)りたまへ(すく)ひたまへ』と祈願(きぐわん)(はじ)めた。106伊太彦(いたひこ)(くち)()依然(いぜん)として胡床(あぐら)をかいて()る。
107 ()()れたと()えて108(また)もや燐光(りんくわう)キラキラと(ひらめ)(はじ)めた。
109伊太(いた)(なん)(よる)になると綺麗(きれい)なものだな。110まるで不夜城(ふやじやう)のやうだ。111燈火(ともしび)(とも)必要(ひつえう)()(あぶら)()らず、112(じつ)経済(けいざい)出来(でき)()るわい』
113相変(あひかは)らず阿呆口(あはうぐち)(たた)いて()る。114そこへドスン ドスン ドスンと雪崩(なだれ)(ごと)()()むだのは(おも)ひがけなき、115玉国別(たまくにわけ)116真純彦(ますみひこ)117アンチー、118テクの()(にん)であつた。119伊太彦(いたひこ)(また)バラモンの連中(れんちう)()ちて()たと(おも)(なが)ら、120宿屋(やどや)番頭(ばんとう)気分(きぶん)になり、
121伊太(いた)『お(いで)やすお(いで)やす。122これはこれはお客様(きやくさま)123毎度(まいど)()贔屓(ひいき)有難(ありがた)(ござ)います。124開業(かいげふ)()もなき岩窟(がんくつ)ホテル、125伊太屋(いたや)番頭(ばんとう)です。126一名(いちめい)(さか)(した)小竹屋(こたけや)とも(まを)します。127サア(ひと)十分(じふぶん)勉強(べんきやう)(いた)しておきますから、128(とま)(くだ)さいませ。129その(かは)木賃(もくちん)ホテルですから食物(しよくもつ)はさし()げませぬ。130エヘヽヽヽ』
131玉国(たまくに)(なん)だか(めう)(こゑ)がするぢやないか、132なア真純彦(ますみひこ)
133真純(ますみ)玉国別(たまくにわけ)(さま)134(えら)(ところ)()()むだものですワ。135どこか出口(でぐち)がありさうなものですなア』
136 伊太彦(いたひこ)(この)言葉(ことば)()いて玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)()(うれ)しげに、137言葉(ことば)元気(げんき)よく、
138伊太(いた)『あ、139先生(せんせい)(ござ)いましたか。140(わたし)伊太彦(いたひこ)ですよ。141たうとう陥穽(おとしあな)()()むで()(ところ)がないので因果腰(いんぐわごし)()めて()りましたが、142貴方(あなた)どうしてまア、143こんな(ところ)へお(いで)になつたのです』
144玉国(たまくに)『あゝお(まへ)伊太彦(いたひこ)であつたか、145(めう)(ところ)()ふたものだなア。146さうして三千彦(みちひこ)や、147デビス(ひめ)此処(ここ)()るのかなア』
148伊太(いた)『ヘエヘエ、149(おく)()られます。150どうか(はや)()対面(たいめん)(くだ)さい。151(ついで)にチルテル、152ヘールを(はじ)153バラモン(ぐん)兵士(へいし)がザツと()ダース(ばか)()()むであります。154(かげ)(この)岩窟(がんくつ)ホテルも(にぎ)やかになりました』
155真純(ますみ)『オイ伊太彦(いたひこ)156気楽(きらく)(こと)()つて()(とき)ぢやない。157(なん)とかして此処(ここ)(のが)()工夫(くふう)をせなくてはならないぢやないか』
158伊太(いた)『お(まへ)真純彦(ますみひこ)だな、159ようまアおつき(あひ)()()むで()れたな。160(しか)しもうかうなれば万事(ばんじ)(きう)す矣だ。161(あせ)つた(ところ)仕方(しかた)がない。162万事(ばんじ)(てん)(まか)せて、163(さわ)がず、164(あせ)らず、165従容(しようよう)として死期(しき)(いた)るを()つのだな』
166テク『あゝもう、167()うなりや仕方(しかた)がない、168因果腰(いんぐわごし)()めるのだな。169(たす)かるものなら(みな)一度(いちど)(たす)かり、170()ぬものなら(みな)一同(いちどう)()ぬのだ。171最早(もはや)肉体(にくたい)完全(くわんぜん)(たも)(こと)出来(でき)まい。172此処(ここ)()ちれば食料(しよくれう)はなし、173誰人(たれ)()()むでは()れまいし、174あゝ(こま)つた(こと)になつたものだなア』
175 玉国別(たまくにわけ)(さん)(にん)(したが)へ、176伊太彦(いたひこ)(とも)(おく)(すす)むで()く。177大勢(おほぜい)種々(いろいろ)半泣(はんな)(ごゑ)()して(つぶや)いて()る。178玉国別(たまくにわけ)(こゑ)(たか)らかに(うた)(はじ)めた。
179玉国別(たまくにわけ)(ひと)(かみ)()(かみ)(みや)
180天地(てんち)(かみ)()(かぎ)
181(すく)はせたまはぬ(こと)やある
182三千彦(みちひこ)(つかさ)(はじ)めとし
183チルテル、ヘール(その)(ほか)
184(あめ)益人(ますひと)村肝(むらきも)
185(こころ)(やす)(たひら)けく
186()たせたまへよ惟神(かむながら)
187(かみ)(めぐみ)(くさ)()
188片葉(かきは)(つゆ)(いた)(まで)
189宿(やど)らせたまふものなるぞ
190如何(いか)地底(ちてい)岩窟(がんくつ)
191()()日蔭(ひかげ)()ぬとても
192三五教(あななひけう)(まも)ります
193(たふと)(きよ)皇神(すめかみ)
194(かなら)(すく)ひたまふべし
195朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
196(つき)()つとも()くるとも
197仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
198(まこと)(ちから)()(すく)
199(この)岩窟(がんくつ)(あつ)まりし
200(われ)()一同(いちどう)(こころ)をば
201(ひと)つになして皇神(すめかみ)
202(その)大恩(だいおん)()(たた)
203(こころ)(そこ)から改良(かいりやう)して
204(まこと)(みち)(かな)ひなば
205(かなら)(すく)ひたまふべし
206(こころ)(らう)する(こと)(なか)
207(いさ)めよ(いさ)めよ(みな)(ひと)
208(いさ)めば(いさ)(こと)()
209()やめば()やむ(こと)()
210仮令(たとへ)千尋(ちひろ)海底(うなぞこ)
211()(しづ)むとも(なに)かあらむ
212(かみ)(まも)りのある(うち)
213()なむと(おも)へど()()れず
214これに(はん)して大神(おほかみ)
215(われ)()見放(みはな)したまひなば
216地上(ちじやう)(やす)()むとても
217(いのち)()させたまふべし
218(ただ)何事(なにごと)惟神(かむながら)
219(かみ)(まか)して赤心(まごころ)
220(すめ)大神(おほかみ)(おん)(まへ)
221(あら)はしまつるに()くはなし
222(いは)へよ(いは)へよ(かみ)(とく)
223あがめよ あがめよ (かみ)のいづ
224(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
225(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
226(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
227直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
228()(あやまち)()(なほ)
229三五教(あななひけう)吾々(われわれ)
230如何(いか)なる(なやみ)()ふとても
231(すこ)しも(おそ)れぬ大和魂(やまとだま)
232生言霊(いくことたま)()()して
233これの岩窟(いはや)委曲(まつぶさ)
234(ひら)きて(すく)(たす)くべし
235(こころ)(やす)かれ諸人(もろびと)
236(すめ)大神(おほかみ)(おん)(まへ)
237玉国別(たまくにわけ)赤心(まごころ)
238(あら)はし(いの)(たてまつ)
239あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
240御霊(みたま)(さち)(はへ)ましませよ』
241真純彦(ますみひこ)『いや(ふか)(かみ)仕組(しぐみ)(あやつ)られ
242千尋(ちひろ)(そこ)天下(あまくだ)りけり。
243黄昏(たそがれ)地上(ちじやう)世界(せかい)(くら)けれど
244(この)岩窟(いはやど)(ひか)(あや)しさ』
245伊太彦(いたひこ)光明(くわうみやう)世界(せかい)(かみ)(みちび)きて
246(こころ)岩戸(いはと)(ひら)きたまひぬ』
247玉国別(たまくにわけ)摩訶(まか)不思議(ふしぎ)(くら)(はず)なる岩窟(いはやど)
248キラキラ(ひか)るものは(なん)ぞや』
249伊太彦(いたひこ)(この)岩窟(いはや)みな燐砿(りんくわう)(かた)めあり
250(かみ)のまにまに(ひか)るのみなり』
251テク『テクテクと(やみ)(みち)をば(あゆ)みつつ
252(つち)(そこ)にと()()みにけり。
253初稚姫(はつわかひめ)(かみ)(みこと)(めと)らむと
254(あらそ)ひし()(はづ)かしきかな』
255アンチー『案内(あんない)()()(なが)()(そこ)
256岩窟(いはや)(おち)(われ)()やしき。
257()(きみ)()らず()らずに()(くに)
258(みちび)きし(われ)(つみ)(おも)さよ。
259如何(いか)にして(この)(あやまち)()びむかと
260(おも)ふも(せん)なき(むね)(やみ)かな』
261玉国別(たまくにわけ)『アンチーよテクの(つかさ)村肝(むらきも)
262(こころ)(なや)めな(かみ)御業(みわざ)ぞ。
263()(そろ)(かみ)(おん)()()()げて
264(われ)(ひと)(とも)()(かが)やかむ』
265三千彦(みちひこ)岩窟(いはやど)(すめ)大神(おほかみ)(しばら)くは
266(かく)れましたるためしありけり。
267尻込(しりく)めの(なは)をおろして吾々(われわれ)
268(すく)(たす)くる(ひと)()よかし。
269三五(あななひ)(すめ)大神(おほかみ)吾々(われわれ)
270(いま)(なやみ)()ろし()すらむ』
271チルテル『(わが)(まも)屋敷(やしき)(なか)陥穽(おちあな)
272(みづか)()ちし(こと)のうたてさ。
273兵士(つはもの)一人(ひとり)(のこ)らず陥穽(おちあな)
274(ころ)()みしも不思議(ふしぎ)なるかな。
275(あさ)からぬ(かみ)仕組(しぐみ)のある(こと)
276(くび)(かた)げて(いぶ)かり()るも』
277ヘール『初稚姫(はつわかひめ)(つかさ)(こひ)(あらそ)ひし
278(ひと)仕組(しぐみ)如何(いか)であるべき。
279(ただ)(いや)(こころ)(くも)()()はれ
280奈落(ならく)(おち)()(をは)りかも』
281テク『何事(なにごと)(おは)しますかは()らねども
282(くる)しさ(いた)さに(なみだ)こぼるる。
283(この)(あな)()ちたる(ひと)(あひだ)には
284(つま)もあるべし御子(みこ)もあるべし。
285(つま)()()ふも(さら)なり垂乳根(たらちね)
286御親(みおや)はさこそ(なげ)きますらむ』
287 ()(たが)ひに述懐(じゆつくわい)()べ、288(むね)(くる)しみを(まぎ)らして()る。289(たちま)何処(いづく)ともなく、290(あたま)(うへ)から、
291『ウーウ、292ウーウ、293ワウワウワウ』
294猛犬(まうけん)(こゑ)(きこ)えて()た。295三千彦(みちひこ)雀躍(こをど)りし(なが)ら、
296三千彦(みちひこ)有難(ありがた)初稚姫(はつわかひめ)(ともな)ひし
297スマートの(こゑ)(きこ)()にけり。
298スマートが此処(ここ)(あら)はれたる(うへ)
299初稚姫(はつわかひめ)(ちか)()まさむ』
300デビス(ひめ)初稚姫(はつわかひめ)(きみ)(みこと)神人(かみびと)
301(あれ)ます(うへ)(なに)(おそ)れむ。
302人々(ひとびと)(はや)(すく)はるる(とき)()
303()吠声(なきごゑ)(かみ)(おん)(こゑ)
304 かく(うた)()(とき)しも、305スマートを(さき)()てて初稚姫(はつわかひめ)関所(せきしよ)(には)(ぢやう)(はづ)306石段(いしだん)(くだ)つて燈火(あかり)左手(ゆんで)(ささげ)ながら307莞爾(くわんじ)として(あら)はれ(きた)る。308玉国別(たまくにわけ)(ほか)一同(いちどう)欣喜(きんき)雀躍(じやくやく)(あま)309初稚姫(はつわかひめ)(そば)(ちか)くよつて(こゑ)(はな)つて()()しぬ。310一同(いちどう)()せずして両手(りやうて)(あは)せ、311初稚姫(はつわかひめ)(あと)(したが)つて312(やうや)岩窟(いはや)無事(ぶじ)()()(こと)()た。313(この)初稚姫(はつわかひめ)(けつ)して白狐(びやくこ)化身(けしん)では()かつた。314(かみ)(めい)()玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)危難(きなん)(すく)ふべく(むか)はせたまふたのである。315一同(いちどう)初稚姫(はつわかひめ)316スマートの(あと)(したが)ひ、317入口(いりぐち)(まで)(かへ)つて()れば、318イク、319サールの両人(りやうにん)厳然(げんぜん)として警固(けいご)して()た。
320大正一二・四・二 旧二・一七 於皆生温泉浜屋 加藤明子録)
321(昭和九・一一・三〇 王仁校正)

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