霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一八章 (よる)(たび)〔一六二五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻 篇:第4篇 四鳥の別 よみ:しちょうのわかれ
章:第18章 夜の旅 よみ:よるのたび 通し章番号:1625
口述日:1923(大正12)年05月29日(旧04月14日) 口述場所:天声社 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年2月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版: 八幡書店版:第11輯 350頁 修補版: 校定版:252頁 普及版:64頁 初版: ページ備考:
001 伊太彦(いたひこ)は、002()(まへ)最愛(さいあい)のブラヷーダ(ひめ)(なや)(くる)しみ、003最後(さいご)握手(あくしゆ)(もと)むるその心根(こころね)不愍(ふびん)さ、0031(むね)(せま)嗚咽(をえつ)涕泣(ていきふ)(やや)(ひさ)しうし、004(また)もや(かうべ)をあげ(なみだ)(はら)ひながら、
005伊太(いた)『ブラヷーダ(ひめ)よ、006(まへ)がこの(やう)(くる)しむのも(わたし)意志(いし)(よわ)かつた(ため)だ。007テルの(さと)にて(てい)よく(ことわ)れば、008(まへ)(まよ)ひもさめ、009(わたし)斯様(かやう)(かみ)(いまし)めに()ふのではなかつたのに、010どうぞ(ゆる)して()れ。011生死(せいし)(とも)にすると(ちか)つた女房(にようばう)其女(そなた)に、012(ただ)一度(いちど)握手(あくしゆ)(ゆる)さぬと()(ほど)伊太彦(いたひこ)無情漢(むじやうかん)ではなけれども、013使命(しめい)()けた()(からだ)014仮令(たとへ)肉体(にくたい)(くち)()つるとも、015()うして(この)(ちか)ひを(やぶ)(こと)出来(でき)よう。016本当(ほんたう)(こころ)(そこ)から其女(そなた)(あい)するために、017かかる無残(むご)所置(しうち)をするのだ、018(けつ)して無情(むじやう)(をとこ)とせめて()れるな。019伊太彦(いたひこ)(おも)ひは千万無量(せんまんむりやう)020如何(いか)なる(つみ)(むく)ひにや(はじ)めて()つた(こひ)(くる)しみ、021其女(そなた)もルーブヤの(むすめ)022ブラヷーダと()はるる(をんな)023よもや伊太彦(いたひこ)言葉(ことば)(わか)らぬ道理(だうり)はあるまい』
024ブラヷーダ『伊太彦(いたひこ)さま、025左様(さやう)ならばこれにてお(いとま)(いた)します。026隠世(かくりよ)大神(おほかみ)(まも)りたまへ幸倍(さきはへ)たまへ』
027()ふより(はや)懐剣(くわいけん)をすらりと()(はな)ち、028(わが)(のど)()()てむとす。029伊太彦(いたひこ)(おどろ)いて(その)()(おさ)へむとすれども、030刻々(こくこく)(おも)(やまひ)(ため)手足(てあし)(かな)はず、031如何(いかが)はせむと()焦心(あせ)り、032あはや一大事(いちだいじ)(おも)刹那(せつな)033杣人(そまびと)()びかかつてブラヷーダの懐剣(くわいけん)(もぎ)()り、034(かたはら)密林(みつりん)()()んで仕舞(しま)つた。035杣人(そまびと)(たちま)容色(ようしよく)端麗(たんれい)なる二人(ふたり)美人(びじん)(くわ)した。036伊太彦(いたひこ)はハツと(おどろ)(さし)俯向(うつむ)く。037ブラヷーダ(ひめ)(たちま)ち、038以前(いぜん)化身(けしん)弥益(いやます)高尚(かうしやう)優美(いうび)なる女神(めがみ)(くわ)して仕舞(しま)つた。039伊太彦(いたひこ)(やうや)うにして(あたま)(もた)()れば摩訶(まか)不思議(ふしぎ)040ブラヷーダ(ひめ)杣人(そまびと)(かげ)もなく、041三人(さんにん)女神(めがみ)儼然(げんぜん)として(わが)(まへ)()つて()る。042()てはブラヷーダと()せかけ木花咲耶姫(このはなさくやひめ)(わが)(まへ)(あら)はれたまひしか、043あら有難(ありがた)(かたじけ)なやと(おも)はず()らず合掌(がつしやう)した。044(にはか)伊太彦(いたひこ)(やまひ)(ぬぐ)ふが(ごと)く、045(わす)れたるが(ごと)く、0451どこへか()()せて、046さも爽快(さうくわい)気分(きぶん)()たされ、047(すわ)(なほ)つて両手(りやうて)(つか)へ、
048伊太(いた)『ハハー、049有難(ありがた)(たふと)木花姫(このはなひめ)(みこと)(さま)050どこ(まで)もお(こころ)()められたる御教訓(ごけうくん)051(じつ)感謝(かんしや)(いた)りに()へませぬ。052何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)(この)伊太彦(いたひこ)053途中(とちう)(おい)悪魔(あくま)誘惑(いうわく)(おちい)らざる(やう)御守護(ごしゆご)(ねが)ひます。054(また)ブラヷーダ(ひめ)繊弱(かよわ)(をんな)一人旅(ひとりたび)055何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)御守護(ごしゆご)(ねが)(たてまつ)ります』
056木花姫(このはなひめ)(なんぢ)(ねが)(たしか)承知(しようち)した。057(しか)(なが)ら、058玉国別(たまくにわけ)()(うへ)(なん)(いた)すのだ』
059伊太(いた)(おそ)()りました。060これだけのお試練(ためし)()ひながら、061自分(じぶん)()(うへ)(つま)()(うへ)のみをお(ねが)(まを)し、062()(きみ)御身(おんみ)(うへ)(あと)(いた)しました。063どうぞお(ゆる)(くだ)さいませ』
064木花姫(このはなひめ)其方(そなた)は、065玉国別(たまくにわけ)066真純彦(ますみひこ)067三千彦(みちひこ)宣伝使(せんでんし)神徳(しんとく)(そな)はり、068(かみ)御加護(ごかご)(あつ)ければと、069安心(あんしん)(うへ)(ねが)はなかつたのだらう』
070直日(なほひ)見直(なほ)()(なほ)したまふ(なさけ)言葉(ことば)に、071伊太彦(いたひこ)(おそ)()り、072両掌(りやうて)(あは)せて感謝(かんしや)(なみだ)(たき)(ごと)くに(なが)して()る。073(たちま)虚空(こくう)音楽(おんがく)(きこ)え、074芳香(はうかう)(くん)じ、075カラビンガの祥鳥(しやうてう)(とり)まかれて(くも)(かすみ)御姿(みすがた)をかくしたまふた。076(あと)()りかへり、077伊太彦(いたひこ)幾度(いくど)となく御空(みそら)(あふ)()て、
078()(はな)一度(いちど)(ひら)伊太彦(いたひこ)
079(こころ)(そら)()(わた)りけり。
080天教(てんけう)(やま)より天降(あも)りたまひたる
081木花姫(このはなひめ)(めぐみ)(たふと)し。
082いたづきの()(すこや)かになりにけり
083(かみ)(めぐみ)(ふか)きをぞ()る。
084玉国別(たまくにわけ)(つかさ)(きみ)(いま)何処(いづこ)
085(まも)らせたまへ天津神(あまつかみ)(たち)
086(あふ)()真純(ますみ)(そら)(わが)(とも)
087(こころ)(いろ)(あら)はれとぞ()る。
088神徳(しんとく)(きよ)御霊(みたま)三千彦(みちひこ)
089(わが)友垣(ともがき)(しの)びてぞ()く。
090三千彦(みちひこ)(さぞ)(いま)(ごろ)はデビス(ひめ)
091(こころ)(くも)らせたまふなるらむ。
092デビス(ひめ)ブラヷーダ(ひめ)御教(みをしへ)
093(なら)ひて山路(やまぢ)一人(ひとり)()くらむ。
094(おに)大蛇(をろち)(とら)(おほかみ)(たけ)ぶなる
095野路(のぢ)()(ひと)(あやぶ)まれける。
096さりながら(たふと)(かみ)のましまさば
097やすく(すす)まむ(をんな)(たび)も。
098いざ()ちて(うづ)(みやこ)(すす)()かむ
099国治立(くにはるたち)()あとたづねて』
100口吟(くちずさ)みながら、101元気(げんき)回復(くわいふく)した伊太彦(いたひこ)は、102ハルセイの(たうげ)宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら(くだ)()く。
103伊太彦(いたひこ)三千世界(さんぜんせかい)(うめ)(はな)
104一度(いちど)(ひら)(とき)()
105(この)()(すく)生神(いきがみ)
106天教山(てんけうざん)神集(かむつど)
107斎苑(いそ)(やかた)やエルサレム
108コーカサス(さん)顕恩郷(けんおんきやう)
109自転倒島(おのころじま)聖場(せいぢやう)
110(いづ)御魂(みたま)(くば)りまし
111豊葦原(とよあしはら)国中(くになか)
112(ひそ)みて世人(よびと)(なや)ませる
113(しこ)大蛇(をろち)鬼神(おにがみ)
114言向(ことむ)(やは)天国(てんごく)
115地上(ちじやう)建設(けんせつ)せむために
116神素盞嗚(かむすさのを)大神(おほかみ)
117(いづ)御霊(みたま)御言(みこと)もて
118(かみ)(はしら)四方八方(よもやも)
119使(つか)はしたまふぞ(たふと)けれ
120(われ)(ちひ)さき()なれども
121(かみ)御言(みこと)(かかぶ)りて
122玉国別(たまくにわけ)()(きみ)
123魔神(まがみ)(たけ)(つき)(くに)
124ハルナの(みやこ)征討(せいたう)
125(のぼ)(たふと)神司(かむつかさ)
126()けられたるぞ有難(ありがた)
127朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
128(つき)()つとも()くるとも
129仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
130(まこと)(ちから)()(すく)
131スダルマ(さん)(ふもと)にて
132カークス、ベースに(めぐ)()
133スーラヤ(さん)(たま)ありと
134()くより心機(しんき)一変(いつぺん)
135矢猛心(やたけごころ)伊太彦(いたひこ)
136(わが)()(ゆる)しを強請(がうせい)
137間道(かんだう)(くぐ)りて三人(みたり)()
138テルの磯辺(いそべ)安着(あんちやく)
139(おも)はぬ(をんな)(めぐ)()
140妹背(いもせ)(やく)(かた)めつつ
141八大竜王(はちだいりうわう)随一(ずいいち)
142()(きこ)へたるウバナンダ
143ナーガラシャーの岩窟(がんくつ)
144一行(いつかう)五人(ごにん)(すす)()
145幽世(あのよ)現世(このよ)(さかひ)まで
146(すす)みし(とき)(おそ)ろしさ
147(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
148(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
149見直(みなほ)しまして現世(うつしよ)
150(よみがへ)りたる(たふと)さよ
151(をり)から(きた)宣伝使(せんでんし)
152初稚姫(はつわかひめ)(たす)けられ
153(いは)隙間(すきま)(あかり)をば
154目当(めあて)(くぐ)()()れば
155玉国別(たまくにわけ)()(きみ)
156磐樟船(いはくすぶね)(よこ)たへて
157吾等(われら)()たせたまひけり
158あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
159(かみ)経綸(しぐみ)のはかりなき
160千尋(ちひろ)(うみ)(なん)のその
161御稜威(みいづ)(たか)くスメールの
162(やま)(もの)かは伊太彦(いたひこ)
163(よろこ)(いさ)()(きみ)
164御船(みふね)()りてエル(みなと)
165順風(じゆんぷう)真帆(まほ)をかかげつつ
166(こと)なく(のぼ)ればこは如何(いか)
167初稚姫(はつわかひめ)一行(いつかう)
168埠頭(ふとう)()たせ(たま)ひつつ
169いと(ねもごろ)()ちたまふ
170(わが)()(きみ)一行(いつかう)
171無事(ぶじ)再会(さいくわい)(よろこ)びつ
172前途(ぜんと)(しゆく)する(をり)もあれ
173初稚姫(はつわかひめ)御教訓(ごけうくん)
174(かしこ)みまつり最愛(さいあい)
175(つま)(たもと)(わか)ちつつ
176夜光(やくわう)(たま)捧持(ほうぢ)して
177(うづ)(みやこ)(のぼ)()
178一人旅路(ひとりたびぢ)となりにける
179()()についでハルセイ(ざん)
180(たうげ)(うへ)()()れば
181(あたま)(いた)(むね)つかへ
182手足(てあし)自由(じいう)にならぬ()
183(その)(くる)しさに山頂(さんちやう)
184芝生(しばふ)(うへ)()()めて
185感謝(かんしや)祈願(きぐわん)()らしつつ
186懺悔(ざんげ)(なみだ)()るる(をり)
187二人(ふたり)(そま)にたすけられ
188(いのち)辛々(からがら)(のぼ)()
189一人(ひとり)(をんな)誰人(たれびと)
190(うかが)()ればこは如何(いか)
191(ゆめ)にも(わす)れぬブラヷーダ
192(いも)(みこと)()りしより
193(こころ)(おに)()(なほ)
194(かみ)使命(しめい)(まも)らむと
195(こころ)(なか)曲者(くせもの)
196力戦苦闘(りきせんくとう)(その)結果(けつくわ)
197(やうや)()れし(むね)(やみ)
198ブラヷーダ(ひめ)()えたるは
199いとも(かしこ)()花姫(はなひめ)
200(うづ)化身(けしん)にましましぬ
201二人(ふたり)(そま)()えたるも
202木花姫(このはなひめ)のお脇立(わきだち)
203かくまでいやしき伊太彦(いたひこ)
204(まこと)(つかさ)(つく)らむと
205千々(ちぢ)(こころ)(くだ)きます
206三十三相(さんじふさんさう)観自在(くわんじざい)
207天尊様(てんそんさま)御情(おんなさけ)
208(あふ)ぐも(かしこ)次第(しだい)なり
209あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
210()(すこや)かになりぬれば
211これより(すす)んでエルサレム
212(わが)()(きみ)(あと)()
213(まこと)(みち)一筋(ひとすぢ)
214脇目(わきめ)もふらず(すす)むべし
215(あさひ)()るとも(くも)るとも
216(つき)()つとも()くるとも
217仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
218(わが)身体(からたま)()つるとも
219(かみ)()けたる(この)(みたま)
220如何(いか)曲霊(まがひ)(けが)さむや
221直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
222()(なほ)しつつ惟神(かむながら)
223(をしへ)のままに(すす)()
224四辺(あたり)景色(けしき)(やうや)くに
225(あき)(いろ)をば(たた)へつつ
226山野(さんや)木草(きぐさ)はさわさわと
227(そら)()(かぜ)(ひるがへ)
228いとも(ゆか)しくなりにけり
229あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
230一日(ひとひ)(はや)くエルサレム
231(かみ)(あら)はれましまして
232黄金山下(わうごんさんか)神館(かむやかた)
233埴安彦(はにやすひこ)埴安(はにやす)
234(ひめ)(みこと)永久(とこしへ)
235(しづ)まりたまふ大前(おほまへ)
236(すす)ませたまへと()ぎまつる』
237(うた)(なが)238緩勾配(くわんこうばい)山道(やまみち)をトントントンと(くだ)()く。239()西山(せいざん)(かたむ)いて殊更(ことさら)(すず)しき(ゆふべ)(かぜ)240伊太彦(いたひこ)(おもて)()く。241伊太彦(いたひこ)(やうや)くにして242さしもに(たか)(この)大峠(おほたうげ)中程(なかほど)(まで)()りつき(かたはら)(いはほ)(こし)()ちかけて、243ウトリウトリと(ねむ)りについた。244()かる(ところ)(たうげ)(うへ)(はう)から、
245イク『バラモン(けう)(つか)へたる
246(しこ)(つかさ)のイク、サール
247清春山(きよはるやま)岩窟(がんくつ)
248松彦(まつひこ)(つかさ)(をし)へられ
249三五教(あななひけう)正道(せいだう)
250帰順(きじゆん)しまつり玉国別(たまくにわけ)
251(かみ)(つかさ)(したが)ひて
252伊太彦(いたひこ)(つかさ)諸共(もろとも)
253(ほこら)(もり)宮普請(みやぶしん)
254(つか)へまつりて()(きみ)
255(をし)(わか)れを()げながら
256(うづ)(やかた)受付(うけつけ)
257(しば)(つか)ふる()もあらず
258三五教(あななひけう)高姫(たかひめ)
259妖幻坊(えうげんばう)杢助(もくすけ)
260ブラリブラリとやつて()
261暴威(ばうゐ)()るふ(にく)らしさ
262()かる(ところ)霊国(れいごく)
263天女(てんによ)()れし初稚姫(はつわかひめ)
264()()りまして妖邪(えうじや)をば
265(はら)はせたまひ吾々(われわれ)
266(たふと)(をしへ)(つた)へつつ
267(また)もや聖場(せいぢやう)()ちたまふ
268吾等(われら)二人(ふたり)姫君(ひめぎみ)
269(その)神徳(しんとく)憧憬(どうけい)
270ハルナの(みやこ)御伴(みとも)をば
271(つか)へむものと(あと)(さき)
272(ひめ)御身(おんみ)(まも)りつつ
273(この)()()らす生神(いきがみ)
274()()(かみ)瑞宝(ずゐはう)
275(あた)へられたる(うれ)しさに
276(ひめ)(ゆる)しはなけねども
277(まこと)(ひと)つを(ちから)とし
278此処(ここ)(まで)(すす)(きた)りけり
279初稚姫(はつわかひめ)(いま)何処(いづく)
280スマートさまの(こゑ)さへも
281(いま)(まつた)(わが)(みみ)
282(きこ)えず(とほ)くなりにけり
283あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
284(かみ)(めぐみ)(さち)はいて
285一日(ひとひ)(はや)姫君(ひめぎみ)
286()はさせたまへスマートの
287(きよ)(たふと)竜声(りうせい)
288()かさせたまへと()ぎまつる
289山野河海(さんやかかい)()(わた)
290(かげ)日向(ひなた)につき()ひて
291此処(ここ)(まで)御身(おんみ)(まも)りつつ
292水晶玉(すいしやうだま)捧持(ほうぢ)して
293()たりし吾等(われら)有難(ありがた)
294あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
295清春山(きよはるやま)岩窟(がんくつ)
296いと懇切(ねもごろ)(まじ)はりし
297伊太彦(いたひこ)(つかさ)()(うへ)
298如何(いか)になり()きたまひしか
299()かまほしやと(おも)へども
300(かみ)ならぬ()吾々(われわれ)
301如何(いか)詮術(せんすべ)(なみ)(うへ)
302()みも(なら)はぬ山路(やまみち)
303(のぼ)りつ(くだ)りつ(すす)()
304あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
305皇大神(すめおほかみ)()(あは)
306伊太彦(いたひこ)(つかさ)今一度(いまいちど)
307()はさせたまへと()ぎまつる』
308(うた)ひつつ(たうげ)(くだ)つて()るのはイクであつた。309伊太彦(いたひこ)(つか)()てて、310ウトリウトリと(ねむ)つて()(みみ)(かす)かに(この)(こゑ)(きこ)えて()た。311ふと目覚(めざま)せば、312二人(ふたり)(をとこ)(わが)(まへ)(ちか)づいて()(こと)()がついた。
313大正一二・五・二九 旧四・一四 於天声社楼上 加藤明子録)