霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二〇章 (みち)()〔一六二七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻 篇:第5篇 神検霊査 よみ:しんけんれいさ
章:第20章 第63巻 よみ:みちのく 通し章番号:1627
口述日:1923(大正12)年05月29日(旧04月14日) 口述場所:天声社 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年2月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm6320
愛善世界社版: 八幡書店版:第11輯 360頁 修補版: 校定版:282頁 普及版:64頁 初版: ページ備考:
001ブラヷーダ『月照彦(つきてるひこ)(むかし)より
002遠津御祖(とほつみおや)(つか)へてし
003三五教(あななひけう)信徒(まめひと)
004テルの里庄(りしやう)のルーブヤが
005(いへ)(うま)れしブラヷーダ
006バラモン(けう)醜神(しこがみ)
007(をしへ)のために朝夕(あさゆふ)
008(しひた)げられて表面(おもてむき)
009三五教(あななひけう)()(すて)
010バラモン(けう)(ほう)じつつ
011(いへ)(はしら)(あな)うがち
012(かみ)御名(みな)をば(きざ)みこみ
013(ひそ)かに(をが)みまつりつつ
014(とき)まつ(ほど)三五(あななひ)
015(かみ)(つかさ)伊太彦(いたひこ)
016(はと)(ごと)くに(くだ)りまし
017(ちち)(はは)との(ゆる)()
018妹背(いもせ)(えにし)(むす)ばせつ
019(あに)(みこと)(うれ)しみて
020伊太彦(いたひこ)(つかさ)神業(しんげふ)
021(たす)けむためとてスーラヤの
022湖水(こすい)(なみ)()()えて
023海抜(かいばつ)三千(さんぜん)有余尺(いうよしやく)
024竜王(りうわう)(ひそ)岩窟(がんくつ)
025(すす)みて(もも)(くる)しみを
026(あぢ)はひ(つひ)()(くに)
027入口(いりぐち)(まで)(すす)()
028(かみ)(めぐみ)御教(みをしへ)
029いと(ねもごろ)にさとされつ
030初稚姫(はつわかひめ)(すく)はれて
031岩窟(いはや)(すき)よりぬけ(いだ)
032(ひめ)御船(みふね)(たす)けられ
033(やうや)くエルの(みなと)まで
034安着(あんちやく)したる(をり)もあれ
035(かみ)(をしへ)(したが)ひて
036いとしき(をつと)(いき)(わか)
037()みも(なら)はぬ一人旅(ひとりたび)
038草鞋(わらぢ)(あし)()はれつつ
039(みち)小草(をぐさ)をあけに()
040(つゑ)(ちから)にハルセイ(ざん)
041(いま)(ふもと)につきにけり
042(おと)名高(なだか)(つき)(くに)
043大高山(だいかうざん)(きこ)えたる
044(この)(やま)()えてエルサレム
045聖地(せいち)(わた)(われ)なれど
046如何(いかが)はしけむ()(つか)
047(いき)(くる)しくなりにけり
048死線(しせん)()えし(その)(とき)
049妖邪(えうじや)空気(くうき)(からたま)
050(いま)(ひそ)むと(おぼ)えたり
051玉国別(たまくにわけ)()(きみ)
052伊太彦(いたひこ)(つかさ)(いま)何処(いづこ)
053様子(やうす)()かまく(おも)へども
054(かみ)(いまし)(つよ)くして
055()はむよしなき(たび)(そら)
056(くに)(のこ)せし父母(ちちはは)
057(あに)(みこと)(さぞ)やさぞ
058(ひる)はひねもす終夜(よもすがら)
059二人(ふたり)()をば(あん)じつつ
060(かみ)(ねが)ひをかけまくも
061(かしこ)(いづ)御恵(みめぐみ)
062二人(ふたり)(うへ)(あた)へよと
063(いの)らせ(たま)(こと)ならむ
064雲路(くもぢ)(はるか)(すす)()
065(われ)孱弱(かよわ)(をんな)()
066(あと)ふり(かへ)(なが)むれば
067(かぎ)りも()らぬ大野原(おほのはら)
068蓮華(はちす)(はな)遠近(をちこち)
069()(にほ)へども百鳥(ももどり)
070(こゑ)(すず)しく(うた)へども
071言問(ことと)ふよしも()逆吃(じやくり)
072(この)山口(やまぐち)にたち(なら)
073沙羅(さら)古木(こぼく)(れい)あらば
074()垂乳根(たらちね)兄君(あにぎみ)
075伊太彦(いたひこ)(つかさ)消息(せうそく)
076完全(うまら)()らして()れるだらう
077あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
078(かみ)(まか)せし(この)身体(からだ)
079()()苦労(くらう)禁物(きんもつ)
080(をしへ)言葉(ことば)()(きざ)
081(こころ)(しる)して(わす)れねど
082(また)もや(おこ)慕郷心(ぼきやうしん)
083(ぬぐ)はせたまへ惟神(かむながら)
084御前(みまへ)(ねが)(たてまつ)
085朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
086(つき)()つとも()くるとも
087仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
088三五教(あななひけう)御教(みをしへ)
089(この)現世(うつしよ)()ふも(さら)
090(わが)(たましひ)何処(どこ)(まで)
091つづく(かぎ)りは()てはせぬ
092(まこと)(ひと)つの大道(おほみち)
093(すす)(わが)()曲神(まがかみ)
094さやらむ(おそ)れはなけれども
095(こころ)にひそむ曲者(くせもの)
096(また)もや(かしら)(もた)げつつ
097(きよ)乙女(をとめ)(たましひ)
098(こひ)暗路(やみぢ)にさそひ()
099()れぬ(おも)ひの(わが)(からだ)
100(すく)はせたまへ惟神(かむながら)
101御前(みまへ)(いの)(たてまつ)る』
102 ()(うた)ひながら、103(やうや)くにしてハルセイ(ざん)(たうげ)中程(なかほど)(まで)(のぼ)りつき、104(ここ)(いき)(やす)めて来方(こしかた)行末(ゆくすゑ)(こと)(おも)(あん)じ、105一人旅(ひとりたび)(さび)しさに(そで)(うるほ)して()る。106()(やうや)西山(せいざん)(ぼつ)し、107四辺(あたり)薄墨(うすずみ)(まく)(おろ)したやうになつて()た。108(はな)(とびら)をとぢて(ねむ)りにつき109(とり)(ねぐら)をもとめて彼方(あちら)此方(こちら)森林(しんりん)目蒐(めが)けて(いそが)しげに(つばさ)(はや)めて()る。110ブラヷーダ(ひめ)独言(ひとりごと)
111『あゝ味気(あぢき)なき浮世(うきよ)ぢやなア、112テルの(さと)酋長(しうちやう)(むすめ)(うま)れ、113(あさ)(ゆふ)なに三五(あななひ)神様(かみさま)(こころ)(ひそ)かに(ねん)じつつ、114幾度(いくど)となくバラモンの(つかさ)(しひた)げられ、115(こころ)にもなきバラモンの信者(しんじや)となり()まし、116(わが)一家(いつか)()ふも(さら)117村人(むらびと)(まで)(こころ)にも()信仰(しんかう)(しひ)られ、118(つき)三度(さんど)火渡(ひわた)水底(みなそこ)(くぐ)り、119裸体(らたい)修業(しふげふ)120荊蕀(いばら)(むろ)にと(とう)ぜられ、121(これ)神様(かみさま)御心(みこころ)(やす)める第一(だいいち)(つと)めと、122阿鼻叫喚(あびけうくわん)(くるし)みを(しの)びて(やうや)孱弱(かよわ)(この)()十六(じふろく)(はる)(むか)へ、123天運(てんうん)(ここ)循環(じゆんくわん)して、124(たふと)三五教(あななひけう)神司(かむづかさ)(めぐ)()ひ、125親子(おやこ)兄弟(きやうだい)納得(なつとく)(うへ)126夫婦(ふうふ)(ちぎり)(むす)127如何(いか)なる艱難(かんなん)辛苦(しんく)(わが)()(きみ)(ひと)つにせばやと父母(ふぼ)(あに)(わか)れ、128此処(ここ)(まで)ぼつぼつ(あと)(した)ふて()たものの、129もはや一歩(いつぽ)(すす)めなくなつて()た。130あゝ如何(いか)にせば、131(この)(くる)しみが(のが)れるだらう。132(これ)矢張(やつぱり)表面(うはべ)(いつは)り、133バラモンの(かみ)(まつ)134勿体(もつたい)なや大慈(だいじ)大悲(だいひ)三五教(あななひけう)神様(かみさま)をせま(くる)しい(はしら)(あな)穿(うが)つて(まつ)()んだ(その)天罰(てんばつ)(むく)()たのであらうか。135燈火(とうくわ)をともして(ゆか)(した)()くものはない」とは聖者(せいじや)のお言葉(ことば)136(その)言葉(ことば)(そむ)き、137バラモンの悪神(あくがみ)尊敬(そんけい)して()重々(ぢうぢう)罪業(ざいごふ)(めぐ)()て、138(わが)()如何(いか)なる(くる)しみを()けやうとも、139最早(もはや)因縁(いんねん)づくと(あきら)めて(けつ)して(うら)みは(いた)しませぬ。140神様(かみさま)何卒(どうぞ)141垂乳根(たらちね)父母(ちちはは)(あに)や、142(わが)()(きみ)村人(むらびと)(つみ)をお(ゆる)(くだ)さいまして、143天晴(あつぱれ)御神業(ごしんげふ)にお使(つか)(くだ)さるやう、144(ひとへ)(ねが)(たてまつ)ります。145あゝ()うなつては()はや(あきら)めねばなるまい。146あゝ(にはか)(むね)(いた)くなつて()た。147(くすり)()(あは)せもない。148もはや(わが)()(つみ)神様(かみさま)にお(ゆる)(ねが)(わけ)にもゆくまい。149(わが)(つみ)(ゆる)されて、150父母(ふぼ)(わが)()(きみ)(いまし)めが()くやうであつてはならない。151どうぞ神様(かみさま)152(わらは)()をお()(くだ)さつて、153一同(いちどう)(つみ)(ゆる)して(くだ)さいませ。154それに()いても、155(こひ)しい伊太彦(いたひこ)(さま)臨終(いまは)(きは)一目(ひとめ)()にかかりたいものだ。156あゝどうしたらこの煩悶(はんもん)()(こと)出来(でき)やうぞ』
157一人(ひとり)道傍(みちばた)(くさ)(うへ)(こし)(おろ)し、1571悲歎(ひたん)(なみだ)()れて()る。158猛獣(まうじう)(こゑ)四方(しはう)八方(はつぱう)より山岳(さんがく)()るぐ(ばか)(きこ)えて()た。159(さすが)気丈(きぢやう)のブラヷーダも160(この)(おそ)ろしき(うな)(ごゑ)には()()弥立(よだ)ち、161()(けつ)した()にも恐怖(きようふ)(なみ)()()する(あは)れさ。162ブラヷーダは()()(ばか)()(さけ)びながら、163路傍(ろばう)(くさ)(うへ)()をなげ()せてひしひしと()(さけ)んで()る。
164三千彦(みちひこ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
165玉国別(たまくにわけ)(したが)ひて
166山野(さんや)(わた)(かは)()
167テルモン(やかた)()ちよりて
168種々(いろいろ)雑多(ざつた)村肝(むらきも)
169(こころ)(くだ)()(くだ)
170(やかた)難儀(なんぎ)(すく)ひつつ
171風塵(ふうぢん)(ここ)におさまりて
172デビスの(ひめ)(つま)となし
173(わが)()(きみ)諸共(もろとも)
174キヨメの湖水(こすい)横断(わうだん)
175アヅモス(さん)山麓(さんろく)
176(ひろ)(やかた)(かま)へたる
177バーチル主従(しゆじゆう)(いのち)をば
178(かみ)(めぐみ)(すく)()
179タクシャカ竜王(りうわう)言向(ことむ)けて
180夜光(やくわう)(たま)如意宝珠(によいほつしゆ)
181(さづ)かりながら()(きみ)
182(うづ)(みやこ)(すす)()
183スーラヤ湖水(こすい)(のり)()えて
184エルの(みなと)につきし(をり)
185三五教(あななひけう)神柱(かむばしら)
186御稜威(みいづ)(かがや)初稚姫(はつわかひめ)
187(まよ)ひの(くも)()らされて
188(わが)()(きみ)(たもと)をば
189いよいよ(わか)ちデビス(ひめ)
190(こひ)しき(たもと)(わか)ちつつ
191()みもならはぬ山野(やまの)をば
192いと雄々(をを)しくも(すす)()
193此処(ここ)()()うハルセイ(ざん)
194(けは)しき(たうげ)(のぼ)(ぐち)
195(にはか)(きこ)ゆる猛獣(まうじう)
196(こゑ)地震(ぢしん)(かみなり)
197()()弥立(よだ)(ばか)りなり
198(かみ)(をしへ)()(つた)
199(われ)男子(をのこ)()なれども
200かく(おそ)ろしき心地(ここち)する
201(この)山路(やまみち)(なん)として
202デビスの(ひめ)やブラヷーダ
203(すす)まむよしもなかるべし
204(おも)へば(おも)へば可憐(いぢら)しや
205(かみ)(おん)(ため)(みち)のため
206世人(よびと)()めとは()ひながら
207かくも(くる)しき草枕(くさまくら)
208(たび)()()女子(をみなご)
209行末(ゆくすゑ)(おも)(めぐ)らせば
210いとど(あは)れを(もよほ)して
211(なみだ)(そで)はひたされぬ
212あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
213御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましまして
214(わが)()(きみ)()ふも(さら)
215デビスの(ひめ)やブラヷーダ
216二人(ふたり)繊弱(かよわ)女子(をなご)をば
217(かみ)御稜威(みいづ)(まも)らせて
218いと易々(やすやす)神業(しんげふ)
219()たさせたまへ惟神(かむながら)
220御前(みまへ)(つつし)()ぎまつる
221(あさひ)()るとも(くも)るとも
222(つき)()つとも()くるとも
223仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
224(まこと)(ひと)つの三五(あななひ)
225(をしへ)(すす)(われ)なれば
226(おそ)るる(こと)はなけれども
227(かみ)(をしへ)(さと)()
228(よわ)(をんな)如何(いか)にして
229(この)難関(なんくわん)()ゆるべき
230(まも)らせたまへ天地(あめつち)
231皇大神(すめおほかみ)御前(おんまへ)
232(つつし)(ねが)(たてまつ)る』
233 三千彦(みちひこ)はかく(うた)(なが)ら、234(いや)らしい(うな)(ごゑ)のする山路(やまぢ)をとぼとぼと(のぼ)つて()く。235(かす)かに(きこ)ゆる(かな)しげなる(をんな)()(ごゑ)236(みみ)()るより三千彦(みちひこ)()()(なほ)し、
237三千(みち)『さてあの泣声(なきごゑ)(まさ)しく(をんな)()える。238(この)(よる)(やま)(かよ)(をんな)はよもや()にはあるまい。239(まさ)しく、240デビス(ひめ)かブラヷーダ(ひめ)間違(まちが)ひなからむ。241いで一走(ひとはし)242実否(じつぴ)(さぐ)()む』
243(にはか)(あし)(はや)め、244爪先(つまさき)(あが)りの山路(やまみち)(いきほひ)()んで(のぼ)()く。245()れば(みち)(かたはら)(くさ)(うへ)246(かな)しげな(をんな)姿(すがた)(よこ)たはつて()る。247三千彦(みちひこ)(おどろ)(なが)らツト(そば)により、
248三千(みち)『もしもしお女中様(ぢよちうさま)249(この)山路(やまみち)(ただ)一人(ひとり)(たふ)れて(ござ)るのは何処(どこ)(ひと)か、250(をり)(あし)(つき)黒雲(こくうん)(つつ)まれて、251姿(すがた)はハツキリ(わか)らねど、252どうやらブラヷーダ(ひめ)(さま)(やう)(おも)ひますが、253もし間違(まちが)つたらお(ゆる)しを(ねが)ひます。254(わたし)(けつ)して(あや)しい(もの)ではありませぬ。255三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)三千彦(みちひこ)(まを)(もの)256サア(はや)()(あが)つて257(あり)次第(しだい)をお(はな)(くだ)さいませ』
258 ブラヷーダ(ひめ)三千彦(みちひこ)(なさけ)()もつた言葉(ことば)にノアの方舟(はこぶね)出遇(であ)つたが(ごと)(よろこ)び、259(おも)()をやうやうに()(あが)り、
260ブラヷーダ『ハイ261(わらは)伊太彦(いたひこ)(つま)(ござ)います。262貴方(あなた)神徳(しんとく)(たか)三千彦(みちひこ)(さま)263ようまア(たづ)ねて(くだ)さいました。264(なに)()つても(つみ)(おほ)(この)(からだ)265神様(かみさま)(いまし)めに()ひましたか、266モウ一足(ひとあし)(ある)けなくなつて、267この草路(くさみち)断末魔(だんまつま)(こゑ)(しぼ)つて(はづか)しながら()いて()りました』
268 三千彦(みちひこ)(この)(てい)()るより(なみだ)をハラハラと(なが)(こゑ)(まで)(くも)らせ(なが)ら、
269三千(みち)御安心(ごあんしん)なさいませ。270神様(かみさま)屹度(きつと)貴女(あなた)御身(おんみ)をお(まも)(くだ)さるでせう。271(いな)(たましひ)(まで)永久(とこしへ)御守護(ごしゆご)(くだ)さいます。272(わたし)貴女(あなた)をお()(まを)してエルサレムまでお(おく)(いた)()いは山々(やまやま)ですが、273神様(かみさま)(おほ)せは、274貴女(あなた)もお()(およ)びの(とほ)大層(たいそう)(きび)しくなりまして、275御同行(ごどうかう)(かな)ひませぬ。276(しか)(なが)(ひと)(こころ)肝腎(かんじん)(ござ)います。277(こころ)さへ生々(いきいき)して()れば、278肉体(にくたい)(くらゐ)(なん)雑作(ざふさ)(ござ)いませぬ。279(なに)(ほど)(つか)れたと()ふても(やす)めば(すぐ)回復(くわいふく)するもので(ござ)います。280()(たしか)にお()ちなさいませ。281あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)282……あゝ三五教(あななひけう)神様(かみさま)283繊弱(かよわ)(をんな)のブラヷーダをお(すく)(くだ)さるやう一重(ひとへ)にお(ねが)(まをし)ます。284()れについては、285デビス(ひめ)繊弱(かよわ)(をんな)一人旅(ひとりたび)286何卒(なにとぞ)貴神(あなた)御恩寵(ごおんちよう)をもつて287無事(ぶじ)聖地(せいち)御参詣(ごさんけい)(かな)ふやう、288()(はか)らひを(ひとへ)(ねが)(たてまつ)ります。289あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
290合掌(がつしやう)しながら291二人(ふたり)(あひだ)には(しば)無言(むごん)(まく)(おろ)された。292猛獣(まうじう)(こゑ)一層(いつそう)(はげ)しく彼方(あなた)此方(こなた)谷々(たにだに)より百雷(ひやくらい)一時(いちじ)()つるが(ごと)(ひび)(きた)る。
293大正一二・五・二九 旧四・一四 於天声社 加藤明子録)