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第一〇章 追懐念(ついくわいねん)〔一六三九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第64巻上 山河草木 卯の巻上 篇:第2篇 聖地巡拝 よみ(新仮名遣い):せいちじゅんぱい
章:第10章 追懐念 よみ(新仮名遣い):ついかいねん 通し章番号:1639
口述日:1923(大正12)年07月11日(旧05月28日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年10月16日
概要: 舞台:エルサレム市街近郊 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm64a10
愛善世界社版:108頁 八幡書店版:第11輯 417頁 修補版: 校定版:107頁 普及版:62頁 初版: ページ備考:
001 その翌日(よくじつ)(また)002スバツフオード(およ)びマリヤと(とも)にブラバーサは自動車(じどうしや)(やと)つて、003死海(しかい)004ヨルダン、005エリコ(とう)地方(ちはう)見物(けんぶつ)()かけたりける。
006 ジヤツフアの(もん)からダマスカスの(もん)007ヘロデの(もん)(まへ)(とほ)つてキドロンの(たに)からエリコの(みち)へと()た。008自動車(じどうしや)がしばらく(はし)ると、009橄欖山(かんらんざん)東南(とうなん)ベタニヤの(むら)(とほ)る。010ベタニヤはアラブの()ではエル・アザリエと()つて()る。011この()はラザロから()たので、012アラブはラザロの(エル)冠詞(くわんし)(みと)めて省略(しやうりやく)したのだといふことである。013ラザロは回教徒(くわいけうと)(あひだ)(おい)ても聖者(せいじや)として尊敬(そんけい)されて()るのである。014ベタニアの(むら)はキリストに(くわん)する種々(しゆじゆ)(うつく)しい物語(ものがたり)()ちて()て、015その()()いただけでも(こころ)(あたた)かく()つて()る。016癩者(らいしや)シモンの(いへ)017そこで(むかし)マグダラのマリヤがキリストの(あし)(なみだ)にて湿(しめ)し、018頭髪(とうはつ)(もつ)てぬぐひ香油(かうゆ)をこれに()つた。019マルタ、020マリヤの姉妹(しまい)(いへ)(ここ)にあつたと()ふ。021ラザロが死後(しご)四日(よつか)()(よみが)へらせられた(ところ)(また)ここで()つたといふ。022(いま)はミゼラブルな四五十(しごじふ)回教徒(くわいけうと)(いへ)が、023其処(そこ)此処(ここ)散在(さんざい)して()るに()ぎないのである。
024 (さん)(にん)下車(げしや)してラザロの(はか)やシモン、025マルタ、026マリヤの(いへ)廃趾(はいし)(しよう)せられて()るものを見物(けんぶつ)した。027ラザロの(はか)()はれて()るものは非常(ひじやう)大規模(だいきぼ)なもので、028(すべ)りさうな階段(かいだん)地下(ちか)()かつて二十二(にじふに)(だん)(くだ)つて()かねばならぬ。029内部(ないぶ)穴蔵(あなぐら)のやうに()(くら)で、030()つて()つた蝋燭(らふそく)(てら)して()なければ()らなかつた。031丁度(ちやうど)桶伏山(をけぶせさん)(ろく)神苑内(しんゑんない)地下(ちか)修行室(しうぎやうしつ)をブラバーサは(おも)()さずには()られ()かつた。032(むら)のアラブの子供(こども)()が「バクシツシユ」(小銭(こぜに)のこと)と(さけ)びながら、033(くるま)周囲(しうゐ)(むら)がつて()てブラバーサ一行(いつかう)(きよう)()ますのであつた。
034 ベタニアの(みなみ)でこれに(たい)して()(をか)(うへ)にベツフアージエの(むら)がある。035ここで使徒(しと)たちがキリストの指示(しじ)のままに()につながれた一頭(いつとう)(めん)驢馬(ろば)見付(みつ)け、036キリストはそれに()つて(みやこ)へのり()んだと(つた)ふる(ところ)である。
037 ベタニアを()(すこ)しばかり(あゆ)むと、038路傍(ろばう)(ちひ)さいチヤペルが()つて()る。039馭者(ぎよしや)(しゆ)(むか)へに()たマルタが(ここ)(かれ)()つた(ところ)だと説明(せつめい)する。040(みち)段々(だんだん)(たに)(くだ)つて()く。041(いた)(ところ)(いは)(やま)ばかりで(うす)(おほ)はれた(つち)橄欖(かんらん)勿論(もちろん)灌木(くわんぼく)草類(くさるゐ)さへも(しやう)じない。042自然(しぜん)(まつた)()んだ(やう)でその光景(くわうけい)(もの)すごい(くらゐ)である。043所々(ところどころ)駱駝(らくだ)(むれ)飼放(かひはな)しにしてあるのは、044(いま)まで他所(よそ)見受(みう)けなかつた光景(くわうけい)である。045マリヤはよくエルサレムと聖者(せいじや)キリストとの関係(くわんけい)熟知(じゆくち)せるものの(ごと)く、046(しき)りに新約(しんやく)文句(もんく)引出(ひきだ)して説明(せつめい)して()る。
047 (さん)(にん)はエリコとエルサレムとの中間(ちうかん)まで()()た。048道路(だうろ)(ふたた)(のぼ)(ざか)となる。049自然(しぜん)(まつた)()()てて()て、050生物(せいぶつ)らしきものは何一(なにひと)見当(みあた)らない。051伝説(でんせつ)によれば()きサマリア(びと)(はなし)(この)あたりだとか、052小山(こやま)(いただき)にサマリア(じん)旅宿(りよしゆく)()()いた、053(ちひ)さい建物(たてもの)のルインが(さび)()()つて()る。
054 それより(さき)道路(だうろ)山々(やまやま)中腹(ちうふく)()ふて死海(しかい)(たに)へと急転(きふてん)直下(ちよくか)するばかりである。055(みち)時々(ときどき)(ひつじ)(むれ)()つた。056その(むれ)(なか)には、057(いま)(うま)れたばかりの二三匹(にさんびき)(ひつじ)()(あら)いメリケン()(ふくろ)()れて、058背負(せお)はされた驢馬(ろば)(まじ)つて()るのは、059(なん)となく可憐(かれん)光景(くわうけい)であつた。060(した)(はう)時々(ときどき)(たに)()()から死海(しかい)(おもて)(かがや)いて()えて()る。
061 (さん)(にん)(つひ)にヨルダンの(たに)(くだ)つた。062両側(りやうがは)(やま)(けづ)つた(やう)屹立(きつりつ)して()るが、063(なか)広々(ひろびろ)として()て、064これが地中海(ちちうかい)(めん)以下(いか)四百(よんひやく)メートルの谷底(たにそこ)にあるとは到底(たうてい)()けとれない(くらゐ)である。065葦草(あしぐさ)所々(ところどころ)()えて泥路(どろみち)砂地(すなぢ)(なか)死海(しかい)(はま)へと()かつた。066野生(やせい)(つる)(はな)(がひ)駱駝(らくだ)途々(みちみち)出会(であ)ふ。
067 (はま)(ちか)(しほ)()るための水溜(みづたま)りがあつて、068(はし)には真白(まつしろ)結晶(けつしやう)附着(ふちやく)して()る。069そして二三(にさん)()すぼらしいアラブの小屋(こや)(あら)(すな)(うへ)()つて()るばかりで、070驢馬(ろば)駱駝(らくだ)(つな)()になつて()るので(おそ)ろしい(ほど)不潔(ふけつ)(いや)臭気(しうき)(はな)()く。071水面(すゐめん)(まつた)波浪(はらう)なく(あさ)(うらら)かな日光(につくわう)にかがやいて()て、072死海(しかい)()(おそ)ろしい名称(めいしよう)(ふさ)はしく()いやうに(おも)はれる。073(みづ)には強度(きやうど)混和物(こんわぶつ)()るために多少(たせう)(にご)りを()びて()る。074(みづ)指頭(しとう)につけて(あぢ)はつて()ると強烈(きやうれつ)(にが)みがかつた塩辛(しほから)鉱物質(くわうぶつしつ)含蓄(がんちく)して()る。075鉱物質(くわうぶつしつ)割合(わりあは)百分(ひやくぶん)二十四(にじふし)乃至(ないし)二十六(にじふろく)塩分(えんぶん)百分(ひやくぶん)(しち)だと()ふことである。076(みづ)(おも)いので(およ)がうとしても、077身体(しんたい)全部(ぜんぶ)水面(すゐめん)()かみでて(しま)つて(およ)ぐことが出来(でき)ぬのである。078生卵子(なまたまご)でも三分(さんぶ)(いち)水面(すゐめん)()かみ()ると()(こと)である。079死海(しかい)(みづ)一種(いつしゆ)(なめら)かな(はだ)ざはりを(あた)へるが、080容易(ようい)一旦(いつたん)(ひと)()()れた以上(いじやう)塩気(しほけ)(はな)れないので気持(きもち)(わる)い。
081 (さん)(にん)はそれよりヨルダン(がは)へと()かつて(すす)んだ。082(ひろ)平野(へいや)一面(いちめん)(くろ)ずんだ(つち)で、083一見(いつけん)した(ところ)非常(ひじやう)豊饒(ほうぜう)らしく(おも)はれるが、084土地(とち)(ふく)まれて()塩分(えんぶん)のために全然(ぜんぜん)不毛(ふまう)()となつて耕作物(かうさくぶつ)駄目(だめ)なのである。
085 しばらくあつて(さん)(にん)は、086()(たけ)以上(いじやう)もある(あし)(なか)をすれずれに(とほ)りながらヨルダンの河畔(かはん)マハヂツト・ハヂレと()ふポプラや(やなぎ)()えて()渡船場(とせんば)(やう)場所(ばしよ)到着(たうちやく)した。087(ほそ)()(えだ)組合(くみあは)(あし)屋根(やね)をふき、088湿気(しつき)(ふせ)ぐため(ほそ)材木(ざいもく)一丈(いちぢやう)ばかりを(ゆか)(たか)め、089梯子様(はしごやう)階段(かいだん)でのぼつて()くやうにした南洋風(なんやうふう)土人(どじん)原始(げんし)(てき)小屋(こや)木蔭(こかげ)旅客(りよきやく)休憩(きうけい)のため二三(にさん)のベンチとがある。090イタリー()(はな)すスペイン(じん)二三(にさん)のフランチエスカンの(ばう)さまが、091そこで休憩(きうけい)して()た。092今日(けふ)日曜日(にちえうび)(こと)とて、093(あさ)(はや)くからここへ()野天(のてん)でメスをしましたと(はな)して()た。
094 木立(こだ)ちの(した)から(かは)水面(すゐめん)()える。095平常(へいじやう)から(にご)つて()(はず)(みづ)昨日(きのふ)大雨(おほあめ)のために猶更(なほさら)黄色(きいろ)になつて()た、096水量(すゐりやう)(おほ)くして(しか)(なが)れは(きふ)である。097有名(いうめい)なのに似気(にげ)なく(ちひ)さいと()いて()(とほ)りで、098(かは)(はば)一百(いつぴやく)(しやく)前後(ぜんご)程度(ていど)である。099ここは巡礼(じゆんれい)人々(ひとびと)浴場(よくぢやう)になつて()てキリストが洗礼者(せんれいしや)のヨハネから洗礼(せんれい)()けられた(ところ)(つた)へられて()る。100(むかし)のキリスト教徒(けうと)(あひだ)にはヨルダン(がは)洗礼(せんれい)()ける(こと)非常(ひじやう)大切(たいせつ)(こと)とし、101多勢(おほぜい)巡礼者(じゆんれいしや)はアラブの案内者(あんないしや)引率(いんそつ)されて(ひつじ)(むれ)(やう)にヨルダンの(たに)をここ(まで)(くだ)つて()たものである。102それから当時(たうじ)この場所(ばしよ)河岸(かがん)大理石(だいりせき)でおほはれて()たと()ふことだ。
103 馭者(ぎよしや)(とく)にロシアよりの巡礼者(じゆんれいしや)敬虔(けいけん)態度(たいど)()いて(はな)した。104(かれ)()所在(あらゆる)窮乏(きうばふ)(しの)んで(ちや)とパンとのみで旅行(りよかう)(つづ)け、105その()つて()(かね)全部(ぜんぶ)寺々(てらでら)(ささ)げて(しま)ふのだと()ふ。106ブラバーサはエルサレムの方々(はうばう)(てら)でロシア(じん)奉献(ほうけん)したと()金銀(きんぎん)宝玉(はうぎよく)づくしの聖母(せいぼ)(ざう)見受(みう)けた(こと)(おも)()して、107高砂島(たかさごじま)聖地(せいち)()ける信者(しんじや)態度(たいど)比較(ひかく)長大(ちやうだい)嘆息(たんそく)(きん)()ないので()つた。108三千(さんぜん)世界(せかい)救世主(きうせいしゆ)(いづ)御魂(みたま)(みづ)御魂(みたま)神柱(かむばしら)現在(げんざい)面会(めんくわい)便宜(べんぎ)ある高砂島(たかさごじま)のルートバハーの信徒(しんと)態度(たいど)は、109このロシア(じん)信仰(しんかう)(くら)べては(じつ)天地(てんち)霄壤(せうぜう)()ある(こと)(ふか)(たん)じたのである。110ヨルダン(かは)(およ)死海(しかい)から程遠(ほどとほ)からぬ(ところ)にエリコがある。111現在(げんざい)のものは旧新約(きうしんやく)時代(じだい)のエリコとは(ちが)つてゐる。112(これ)から多少(たせう)ヨルダンの中央部(ちうあうぶ)(はう)(はな)れて()る。113()すぼらしい(ちひ)さい村落(そんらく)で、114土人(どじん)家屋(かをく)質素(しつそ)教会(けうくわい)やモスクが二三(にさん)()えるばかりである。115谷底(たにぞこ)(くらゐ)して()るので気温(きをん)非常(ひじやう)(たか)く、116()(あつ)植物(しよくぶつ)(みな)准熱帯(じゆんねつたい)(てき)のものである。117無花果(いちぢく)(なつめ)芭蕉実(ばなな)(ほか)118黄色(わうしよく)(かを)りの()いミモザが()(しき)つて()る。
119 (さん)(にん)(しん)エリコの村落(そんらく)(とほ)つて西方(せいはう)(やま)(ちか)くの発掘(はつくつ)された新約(しんやく)のエリコを()()つた。120(ここ)にヘロデ(わう)(その)宮殿(きうでん)()てたとの(はなし)がある。121その一角(いつかく)(いま)より十余(じふよ)年前(ねんぜん)ドイツ(じん)()によつて発掘(はつくつ)されて()た。122旧約(きうやく)のエリコの所在(ありか)其処(そこ)とは(ちが)つて、123現在(げんざい)のエリコから東北(とうほく)(はう)徒歩(とほ)二十五(にじふご)(ふん)ばかりの(ところ)にある。
124 エリコからエルサレムの方角(はうがく)断崖(だんがい)になつて()岩山(いはやま)眺望(てうばう)(もの)すごい(やう)である。125中腹(ちうふく)にギリシヤ正教(せいけう)(いち)僧院(そうゐん)()つて()る。126その背後(はいご)(やま)はそこでキリストが悪魔(あくま)誘惑(いうわく)()けた(ところ)から「誘惑(いうわく)(やま)」と()()()いてゐる。127四十(しじふ)(にち)四十夜(しじふや)断食(だんじき)荒野(あらの)もこの(さき)(はう)にあると馭者(ぎよしや)(はな)しであつた。
128 (さん)(にん)帰路(きろ)についた途中(とちう)129橄欖山(かんらんざん)(ふもと)にあるゲツセマネの(その)聖母(せいぼ)(てら)とを(おとづ)れて()た。130ゲツセマネの(その)三方(さんぱう)(みち)(かこ)まれ不規則(ふきそく)四角形(しかくけい)()し、131(あつ)石壁(いしかべ)(もつ)(めぐ)らされて()てフランチエスカンの所有(しよいう)()つてゐる。132ここを新約(しんやく)のゲツセマネと(さだ)めたのは()世紀(せいき)以前(いぜん)のことだと()ふ。133(もん)(そと)には自然(しぜん)(いは)(あたま)地上(ちじやう)(あら)はれてゐてその(うへ)でペテロ、134ヤコブ(およ)びヨハネが(ねむ)つたのだと(つた)へられてゐる。135園内(ゑんない)には非常(ひじやう)(ふる)数本(すうほん)橄欖(かんらん)老樹(らうじゆ)()わつて()て、136その(とき)からの(もの)だと()われてゐる。137橄欖樹(かんらんじゆ)人間(にんげん)()れさへしなければ(みき)()れた(のち)でも、138(その)()から(あたら)しい芽生(めばえ)()(かく)して世紀(せいき)から世紀(せいき)へと生延(いきの)びると()(こと)であるから、139この伝説(でんせつ)(あるひ)事実(じじつ)(ちか)いものかも()れない。140(その)()ユダがキリストに接吻(せつぷん)した地点(ちてん)まで明示(めいじ)されて()る。141エルサレムや橄欖山(かんらんざん)地位(ちゐ)からしてゲツセマネの(その)(この)(あた)りに()つたことは事実(じじつ)らしい。142(しか)七十歩(しちじつぽ)四方(しはう)ばかりの(せま)土地(とち)(おも)くるしい石垣(いしがき)(かこ)んで(その)(なか)墓地(ぼち)のやうに、143また近代(きんだい)(てき)庭園(ていえん)のやうに(かざ)つて(これ)をゲツセマネの(その)()すことは、144無限(むげん)(おほ)きさと(ふか)さを()つたものを無残(むざん)にも(かぎ)()るものの(なか)()()めて()くことは(じつ)残念(ざんねん)である。145ブラバーサは(すべ)ての在来(ざいらい)法則(はふそく)(やぶ)つて(れい)のみで(ゑが)かれた(やう)なロンドンのナシヨナル・ガラリーにあるエル・グレコの(ふで)(おも)()かべて、146()物足(ものた)りない(かん)じを(おぎな)つて()た。
147 聖母(せいぼ)(てら)はゲツセマネの(その)(たい)して()紀元(きげん)()世紀(せいき)以来(いらい)存在(そんざい)してゐる(ふる)寺院(じゐん)である。148その主要(しゆえう)部分(ぶぶん)地下(ちか)()つて()大理石(だいりせき)階段(かいだん)四五十(しごじふ)(くだ)つて()くとマリアの(くわん)149その両親(りやうしん)(くわん)150ヨセフの(はか)151キリストの()(あせ)(なが)された場所(ばしよ)(とう)がある。
152 ケドロンの(たに)をシロアムの(むら)(はう)(すこ)しばかり(くだ)ると、153(やま)(ふもと)奇妙(きめう)(みつ)つの建築物(けんちくぶつ)(なら)んで()てアラブが()んでゐる。
154 ブラバーサは(はじ)めて()()()たり、155親切(しんせつ)なるアメリカンコロニーの人々(ひとびと)沢山(たくさん)聖書(せいしよ)(じやう)由緒(ゆいしよ)ある場所(ばしよ)案内(あんない)され満足(まんぞく)(てい)であつた。156アヽ聖地(せいち)エルサレムそれは学者(がくしや)とパリサイ(じん)(みやこ)157()せる儀礼(ぎれい)中枢(ちうすう)また死海(しかい)(およ)びヨルダン、158それは荒野(あらの)(さけ)洗礼者(せんれいしや)ヨハネの(くに)すべてが単調(たんてう)(かわ)()つて()んで()(くに)159ルナンをして世界(せかい)(おい)(もつと)(かな)しき地方(ちはう)()はしめたエルサレムの近郊(きんかう)よ。160(いち)()(はや)くキリストの再臨(さいりん)()てこの聖地(せいち)太古(たいこ)光栄(くわうえい)(みやこ)復活(ふくくわつ)し、161神政(しんせい)成就(じやうじゆ)神願(しんぐわん)達成(たつせい)せしめ()きものであるとブラバーサは内心(ないしん)(ふか)祈願(きぐわん)()らしつつ一先(ひとま)(さん)(にん)はアメリカンコロニーへと(かへ)()く。
162 その翌日(よくじつ)(また)もやブラバーサはマリヤに案内(あんない)されて、163(みづうみ)(みづ)(きよ)山々(やまやま)(みどり)(かげ)()(うつく)しく(はな)()小鳥(ことり)(こゑ)()えない自然(しぜん)全体(ぜんたい)(わら)つて()る、164さうして(その)(みづうみ)のほとりでキリストが黙想(もくさう)祈祷(きたう)()(をしへ)()れられたガリラヤの()へと(すす)んだ。165エルサレムとガリラヤ、166それはキリスト(けう)(しめ)二元(にげん)主義(しゆぎ)象徴(しやうちやう)である。167()経験(けいけん)すること()しに(せい)恩恵(おんけい)(わか)らない、168律法(りつぱう)()りて()信仰(しんかう)によりて(いく)ること、169この転換(てんくわん)こそ宗教(しうけう)そのものの奇蹟(きせき)(てき)(ちから)であるべきものなり。
170大正一二・七・一一 旧五・二八 加藤明子録)

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