霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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誰も知らなかった日本史
〈 2016年6月3日緊急発刊 〉
王仁三郎昇天50年目に発見された新事実が明らかになる!
『切紙神示と共に甦る孝明天皇の遺勅(予言) 誰も知らなかった日本史 皇室に隠された重大な真実』
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第一六章 誤辛折(ごしんせつ)〔一八二二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第64巻下 山河草木 卯の巻下 篇:第4篇 清風一過 よみ:せいふういっか
章:第16章 誤辛折 よみ:ごしんせつ 通し章番号:1822
口述日:1925(大正14)年08月20日(旧07月1日) 口述場所:丹後由良 秋田別荘 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年11月7日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:215頁 八幡書店版:第11輯 576頁 修補版: 校定版:219頁 普及版:63頁 初版: ページ備考:
001 トルコ(てい)(ほそ)路地(ろぢ)()(あた)りに、002(とら)設立(せつりつ)しておいた五六七(みろく)霊城(れいじやう)には、003トンク、004テクの両人(りやうにん)が、005(とら)(とも)に、006三人(さんにん)(くび)(あつ)めて、007ヒソビソと(はなし)(ふけ)つて()る。
008『コレ、009トンクさま、010一体(いつたい)あの守宮別(やもりわけ)さまとあやめのお(はな)は、011どこへ()つたのか、012(まへ)どうしても(わか)らぬのかい』
013『ハイ、014(まる)(けむり)のやうな、015魔者(まもの)のやうなお(かた)ですもの、016サーッパリ、017見当(けんたう)がつきませぬがな。018(しか)(うはさ)()けば、019(はな)さまは守宮別(やもりわけ)さまと、020夫婦(ふうふ)約束(やくそく)をしられたとかいふ(はなし)ですよ。021一昨日(おととひ)(ばん)(ある)(ひと)から十字街頭(じふじがいとう)(その)(はなし)()きましたので、022早速(さつそく)報告(はうこく)しようと(おも)ひましたが、023生宮様(いきみやさま)御病中(ごびやうちう)024()をもませましては……と(じつ)(ひか)えてをりました』
025 お(とら)顔色(かほいろ)()へ、
026『ナニ、027二人(ふたり)結婚(けつこん)した。028ソラ本当(ほんたう)かいな、029ヨモヤ本当(ほんたう)ぢやあるまい』
030『イエイエ、031実際(じつさい)(こと)()やア、032貴方(あなた)が、033(なん)でせう。034二人(ふたり)よつて、035(なん)でせう。036守宮別(やもりわけ)とお(はな)さまと()()いてやつて()(ところ)を、037ペツタリ出会(でくは)し、038肚立(はらたち)(まぎ)れに卒倒(そつたう)なさつたのぢやありませぬか。039(うはさ)()いたと()ふのは(じつ)はお正月(しやうぐわつ)言葉(ことば)で、040実際(じつさい)041(わたし)(むつ)まじ(さう)にして(ある)いてる(ところ)目撃(もくげき)したのですもの。042なア、043テク、044さうだつたな』
045『ウンさうともさうとも、046あの(とき)生宮(いきみや)さまがクワアッと逆上(ぎやくじやう)して、047(めまひ)(あそ)ばし、048大地(だいち)転倒(てんたう)されたぢやないか、049警察医(けいさつい)がやつて()る、050群集(ぐんしふ)(やま)(ごと)くに()てくるし、051もうエライ乱痴気(らんちき)(さわ)ぎで、052やつとの(こと)生宮(いきみや)さまの()がつき、053三台(さんだい)(くるま)で、054生宮(いきみや)さまの警護(けいご)をし(なが)ら、055此処(ここ)(かへ)つて()たのですワ』
056『なる(ほど)057さう()くと、058(ゆめ)のやうにボーッと記憶(きおく)(うか)んで()るやうだ。059ハテナ、060コンナ大問題(だいもんだい)今迄(いままで)スツカリ(わす)れて()たのかいな』
061『そらさうです(とも)062エライ発熱(はつねつ)でしたよ。063昨日(さくじつ)(まで)ウサ(ごと)(ばか)仰有(おつしや)つて、064吾々(われわれ)二人(ふたり)はどれ(だけ)介抱(かいほう)したか()れやしませぬワ』
065『いかにも、066(にく)(にく)いあやめのお(はな)()067十年(じふねん)(あひだ)068懇篤(こんとく)教育(けういく)をうけ(なが)ら、069師匠(ししやう)(わたし)揚壺(あげつぼ)をくはし、070おまけに(ひと)(をとこ)横領(わうりやう)して()()くとは、071犬畜生(いぬちくしやう)にも(おと)つた代物(しろもの)だ。072これが(この)(まま)見逃(みのが)しておけるものか。073仮令(たとへ)両人(りやうにん)(てん)()けり()をくぐる(とも)074(この)生宮(いきみや)(いのち)のあらむ(かぎ)り、075(いは)をわつても(さが)()し、076生首(なまくび)かかねがおくものか……』
077面色(めんしよく)(しゆ)をそそぎ、078(にぎ)(こぶし)(かた)めて、079(ふた)(みつ)自分(じぶん)(むね)をうち(なが)ら、080(また)もやパタリと(たふ)()しけり。
081『オイ、082テク()うせうかな。083しまひにや気違(きちが)ひになつて(しま)やしまいかな』
084『サ、085さうだから、086守宮別(やもりわけ)087(はな)(こと)はいふないふなと(おれ)注意(ちうい)するのに、088トンク(きさま)(かる)はずみな(こと)()ふから、089コンナ(こと)になつたのだよ。090(をとこ)(くち)(かる)いのも(こま)るぢやないか』
091『それだと()つて、092いつ(まで)もかくしてゐる(わけ)にも()かず、093モウ余程(よほど)精神(せいしん)安定(あんてい)したとみたものだから、094一寸(ちよつと)()つてみたのだよ。095(おれ)だつて、096コンナになると(おも)や、097うつかり(しやべ)るのぢやなかつたけれどなア』
098()(かく)099冷水(ひやみづ)でも()んで、100(あたま)(ひや)してやらうぢやないか。101コンナ(ところ)()なれて()よ、102俺達(おれたち)(ころ)した(やう)警察(けいさつ)から(にら)まれたらつまらぬからな』
103一層(いつそう)(こと)104(いま)(うち)にトンクトンク テクテクと逃出(にげだ)したら()うだ、105到底(たうてい)駄目(だめ)だらうよ』
106馬鹿(ばか)()ふな。107ソンナ(こと)をせうものなら、108益々(ますます)(うたが)はれて(しま)ふよ。109一樹(いちじゆ)(かげ)雨宿(あまやど)一河(いちが)(なが)れを()んでさへ、110(ふか)因縁(いんねん)があるといふぢやないか。111仮令(たとへ)三日(みつか)でも(やしな)つて(もら)つたお(とら)さまを見捨(みす)てて(かへ)れるものか。112そんな不義理(ふぎり)(こと)をすると、113アラブ一党(いつたう)面汚(つらよご)しになるぢやないか。114絶対(ぜつたい)服従(ふくじゆう)(もつ)主義(しゆぎ)とする回教(くわいけう)のピュリタンを(もつ)(にん)ずる吾々(われわれ)が、115ソンナ(こと)がどうして出来(でき)ようかい。116天道(てんだう)さまが御許(おゆる)(あそ)ばさないからの』
117『そらーあ、118さうだ。119天道様(てんだうさま)御弔(おとむら)ひだ、120空葬(そらさう)だ、121(おほ)いに(わる)かつた。122ヨシ、123(これ)からお(まへ)(おれ)両人(りやうにん)(ちから)(あは)(こころ)(いつ)にして、124(この)生宮(いきみや)さまの(いのち)(たす)け、125天晴(あつぱれ)全快(ぜんくわい)して(もら)つて、126(この)霊城(れいじやう)立派(りつぱ)(ひら)かうぢやないか。127(おれ)(これ)から橄欖山(かんらんざん)へお(とら)さまの病気(びやうき)祈願(きぐわん)(ため)(まゐ)つて()るから、128(まへ)()をつけて介抱(かいほう)してあげてくれ』
129『そら、130()(ところ)()がついた。131サ、132(はや)(まゐ)つて()()れ。133(あと)(おれ)引受(ひきう)けるからな』
134『ヨーシ、135ソンナラ(これ)からお(まゐ)りして()うよ』
136()(なが)ら、137夕日(ゆふひ)()びて、138橄欖山(かんらんざん)へと(のぼ)()く。139山上(さんじやう)(ほこら)(まへ)()()れば、140ブラバーサが一生懸命(いつしやうけんめい)何事(なにごと)祈願(きぐわん)をこめてゐる。141トンクは(そば)により、
142『もしもし貴方(あなた)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(さま)ぢや(ござ)いませぬか』
143『ハイ、144左様(さやう)(ござ)います。145貴方(あなた)はトンクさまぢやありませぬか。146何時(いつ)やらはエライ失礼(しつれい)(いた)しました』
147『イヤもう、148御挨拶(ごあいさつ)(いた)()ります。149(まつた)(わたし)(わる)かつたので(ござ)いますから、150どうぞモウソンナこたア()はないでおいて(くだ)さいませ』
151(とき)にお(とら)さまは御壮健(ごさうけん)にゐらつしやいますかな』
152『ハイ有難(ありがた)(ござ)います。153(じつ)(ところ)は、154(とら)さまと、155(はな)さま守宮別(やもりわけ)さまが大喧嘩(おほげんくわ)をせられまして、156終局(しまひ)(はて)にや、157守宮別(やもりわけ)さまはお(はな)さまと一緒(いつしよ)結婚(けつこん)とか(なん)とか()つて、158()()()つて、159面当(つらあて)霊城(れいじやう)()()して(しま)はれたものですから、160生宮(いきみや)さまの御立腹(ごりつぷく)()つたら、161()れは()れは言語(げんご)(ぜつ)する有様(ありさま)(ござ)いました。162そこへ受付(うけつけ)にをつたヤクの(やつ)163生宮(いきみや)さまの()のもめてる最中(さいちう)毒舌(どくぜつ)(ふる)つたものですから、164生宮様(いきみやさま)がクワツとなり、165ヤクを(たた)きつけようと(あそ)ばした(その)刹那(せつな)166ヤクの(やつ)167庭箒(にはばうき)をひつかたげて飛出(とびだ)し、168途中(とちう)生宮(いきみや)さまの御面体(ごめんてい)泥箒(どろばうき)(なぐ)りつけたり、169いろいろ雑多(ざつた)侮辱(ぶじよく)(くは)へたものですから、170(かん)(つよ)生宮様(いきみやさま)はたうとう逆上(ぎやくじやう)して(しま)ひ、171それが(もと)となつて、172(いま)では発熱(はつねつ)し、173ウサ(ごと)(ばか)()つてゐられます。174こんな塩梅(あんばい)では、175生命(いのち)もどうやら覚束(おぼつか)なからうと(ぞん)じ、176テクに介抱(かいほう)させておき、177(わたくし)(この)(ほこら)御祈願(ごきぐわん)(まゐ)つた(ところ)(ござ)います。178いやモウエライ心配(しんぱい)(こま)りますワイ』
179(はなし)(うけたまは)れば、180(じつ)にお()(どく)次第(しだい)です。181コンナ(こと)()いて聞逃(ききのが)(わけ)にも()きませぬから、182平常(ふだん)平常(ふだん)として、183(わたし)霊城(れいじやう)(まゐ)りませう。184そして一時(いつとき)(はや)御全快(ごぜんくわい)なさる(やう)御祈願(ごきぐわん)をさして(もら)ひませう』
185『ハイ、186そら御親切(ごしんせつ)有難(ありがた)(ござ)いますが、187常平生(つねへいぜい)から、188貴方(あなた)(かたき)(やう)(ののし)つてゐられますから、189貴方(あなた)がお(いで)になつたのをみて、190益々(ますます)逆上(ぎやくじやう)し、191(あげ)(おろ)しもならないやうになつちや(かへつ)御親切(ごしんせつ)()になりますから、192(なん)ならお(ことわ)りが(いた)したいので(ござ)いますワイ』
193『ハヽヽヽ非常(ひじやう)御警戒(ごけいかい)ですな。194(しか)人間(にんげん)といふ(もの)はさうしたものぢや(ござ)いませぬよ。195災難(さいなん)()(とき)にや(たがひ)(たす)()ふのが人間(にんげん)義務(ぎむ)ですからな。196何程(なにほど)()(つよ)いお(とら)さまだつて、197滅多(めつた)(わたし)親切(しんせつ)()になさる道理(だうり)はありますまい。198キツと(よろこ)んで(くだ)さるでせう。199そして(これ)機会(きくわい)にお(とら)さまの(こころ)(やは)らげ、200(おな)日出島(ひのでじま)から()人間(にんげん)です。201和合(わがふ)曙光(しよくわう)(みと)めたいと(おも)ひますから、202たつて御訪問(ごはうもん)(いた)します』
203『ヘーエ、204(まこと)(もつ)て、205(こころざし)有難(ありがた)(ござ)いますが。206(しか)(なが)(わたし)()りませぬで、207どうか生宮(いきみや)さまに、208(わたし)から病気(びやうき)次第(しだい)()いた、209なんて()つて(もら)つちや(こま)りますからな。210貴方(あなた)勝手(かつて)御越(おこ)しになつた(こと)にしておいて(いただ)かねば、211(あと)(たた)りが面倒(めんだう)ですから』
212『エ、213それなら、214(わたし)(これ)から霊城(れいじやう)訪問(はうもん)(いた)しますから、215トンクさま、216貴方(あなた)はゆつくり御祈願(ごきぐわん)をなし、217エヽ加減(かげん)時間(じかん)見計(みはか)らつて(なに)くはぬ(かほ)御帰(おかへ)りなさい。218そすりやお(とら)さまだつて、219貴方(あなた)小言(こごと)はありますまいからな』
220『あ、221さう(ねが)へば(わたし)安心(あんしん)です。222どうか(よろ)しう(たの)みませぬワ』
223 ブラバーサは(いそ)いで(やま)(くだ)り、224(なに)くはぬ(かほ)して、225トルコ(てい)(ほそ)路地(ろぢ)(つた)ひ、226霊城(れいじやう)()てみると、227テクが甲斐々々(かひがひ)しく(あたま)(ひや)してゐる。
228『ヤ、229これはこれは、230テクさまで(ござ)いますか。231生宮(いきみや)さまは御不例(ごふれい)にゐらつしやるのですかな』
232『ハイ、233左様(さやう)です。234そして(また)(まへ)さまは(なん)御用(ごよう)御出(おいで)になりました。235(まへ)さまの(かほ)()ると生宮(いきみや)さまの御機嫌(ごきげん)益々(ますます)(わる)くなり、236病気(びやうき)(また)(おも)くなりますから、237トツトと(かへ)つて(くだ)され』
238(かへ)らうと(おも)へば、239さう追立(おひた)てられなくても(かへ)りますよ。240(しか)(なが)同国人(どうこくじん)病気(びやうき)()いて、241宣伝使(せんでんし)たる(わたし)242見逃(みのが)(わけ)()きませぬから…』
243()(なが)ら、244枕許(まくらもと)にツカツカとより、245熱誠(ねつせい)()めて(あま)数歌(かずうた)三唱(さんしやう)し、246大国常立尊(おほくにとこたちのみこと)247神素盞嗚尊(かむすさのをのみこと)(たす)(たま)へ、248(ゆる)(たま)へ…と祈願(きぐわん)するや、249今迄(いままで)()(ごと)発熱(はつねつ)(くる)しみてゐたお(とら)(うそ)ついた(やう)(ねつ)()り、250(たちま)()(あが)座布団(ざぶとん)(うへ)にキチンと行儀(ぎやうぎ)よく両手(りやうて)をのせ、
251『ハ、252これはこれは、253何方(どなた)かと(おも)へば、254ブラバーサさまで(ござ)いましたか。255ようマ御親切(ごしんせつ)()(くだ)さいましたね。256(わたし)(この)(あひだ)からチツと(ばか)風邪(ふうじや)()()せつてをりましたが、257夜前(やぜん)あたりからスツパリと全快(ぜんくわい)(いた)し、258モウ()てゐるのも(なん)だか辛気(しんき)(くさ)くて(たま)らないのですが、259()()さまの御忠告(ごちうこく)()つて、260養生(やうじやう)(ため)261ねて()りました。262(けつ)してお(まへ)さまの算盤(そろばん)(こゑ)(なほ)つたのぢや(ござ)いませぬから、263ヘン、264どうか(おん)()せて(くだ)さいますなや。265(しか)(なが)(この)霊城(れいじやう)へお(まへ)さまが御参(おまゐ)りさして(いただ)いたのも、266ヤツパリ(かみ)さまのおかげだよ。267(この)(とら)病気(びやうき)だといふ(うはさ)をパーッと()たせておき、268(まへ)さまの(こころ)()(ため)に、269(この)生宮(いきみや)をチツと(ばか)(くる)しめ(あそ)ばしたのだから、270(かなら)(かなら)(あだ)(おも)つちやなりませぬよ。271結構(けつこう)結構(けつこう)御霊城(ごれいじやう)さまへお(まへ)さまが(おほ)きな(かほ)参拝(さんぱい)出来(でき)たのも(この)(とら)がチツと(ばか)(わる)かつたおかげだ。272神様(かみさま)御仕組(おしぐみ)といふものは(えら)いものだな。273サ、274(これ)からブラバーサさま、275チツと()()つて日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)(みと)めて(くだ)さい。276いつ(まで)もいつ(まで)変性女子(へんじやうによし)のガラクタ身魂(みたま)にトチ(はう)けて()つちやダメですよ。277神政(しんせい)成就(じやうじゆ)(ちか)よつた(この)時節(じせつ)に、278(なん)(こと)ですいな。279(はや)改心(かいしん)して、280()出神(でのかみ)片腕(かたうで)となつて、281ウラナイ(けう)(ひら)き、282天下(てんか)万民(ばんみん)塗炭(とたん)()より(すく)つて(くだ)さいや』
283『ハイ、284(また)(かんが)へておきませう。285()()御病気(ごびやうき)御本復(ごほんぷく)()いて安心(あんしん)(いた)しました。286(わたし)一寸(ちよつと)(よう)(ござ)いますので、287(これ)から御暇(おいとま)(いた)します』
288『ホヽヽヽ、289ヤツパリ(こころ)(くも)りがあると、290(この)霊城(れいじやう)(くる)しうて、291ゐたたまらぬと()えますワイ。292第一霊国(だいいちれいごく)天人(てんにん)のお住居(すまゐ)293どうして八衢(やちまた)人足(にんそく)がヌツケリコと()れるものかい、294ウツフヽヽヽ』
295『お(とら)さま、296(あま)りぢやありませぬか。297どこ(まで)貴方(あなた)(わたし)(てき)にする(かんが)へですか』
298『きまつた(こと)ですよ、299三千世界(さんぜんせかい)救世主(きうせいしゆ)300底津岩根(そこついはね)大弥勒(おほみろく)生身魂(いくみたま)301日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)(みと)めない(やう)妄昧頑固(まうまいぐわんこ)身魂(みたま)()うして(あい)する(こと)出来(でき)ませうぞ。302()出様(でさま)一生懸命(いつしやうけんめい)艱難(かんなん)辛苦(しんく)(あそ)ばして、303立派(りつぱ)立派(りつぱ)な、304結構(けつこう)な、305心易(こころやす)い、306(くら)しよい、307みろくの大御代(おほみよ)()てようと(あそ)ばしてるのに、308悪魂(あくみたま)変性女子(へんじやうによし)にとぼけて、309(この)()(みだ)さうと憂身(うきみ)をやつしてゐるお(まへ)さまだもの、310(これ)(ぐらゐ)(おほ)きな(てき)世界(せかい)にありませぬぞや。311(この)(かみ)(したが)うて()れば(まこと)結構(けつこう)(あい)のある(かみ)なれど、312敵対(てきた)うて()身魂(みたま)には(おに)大蛇(をろち)のやうになる(かみ)ざぞえ。313(まへ)さまの(こころ)(ひと)つで(らく)立派(りつぱ)御用(ごよう)(いた)さうと、314(くる)しみてもがいて地獄落(ぢごくおち)悪魔(あくま)(よう)(いた)さうと、315心次第(こころしだい)()うでもなるですよ。316コンナ(こと)(わか)らぬやうで、317ヘン、318宣伝使(せんでんし)などと、319()()はれたものですワイ。320改心(かいしん)なされ、321足元(あしもと)から(とり)()ちますぞや』
322『ハイ、323有難(ありがた)(ござ)います。324(また)()して(うかが)ひますから左様(さやう)なら』
325『ホヽヽヽたうとう、326八衢人足(やちまたにんそく)()327生宮(いきみや)さまの御威光(ごゐくわう)()たれて、328ドブにはまつた(ねずみ)のやうに、329シヨンボリとした、330みすぼらしい姿(すがた)で、331()(また)へはさみて()げよつたぞ。332ホヽヽヽ、333コラ、334テク、335ブラバーサなんて偉相(えらさう)()つてるが、336(わたし)にかかつたら三文(さんもん)値打(ねうち)もなからうがな。337(まる)(はうき)(おさ)へられた蝶々(てふてふ)(やう)(いのち)カラガラ()げていつたぢやないか、338イツヒヽヽヽ』
339『モシ生宮(いきみや)さま、340ヒドイですな、341テクも(あき)れましたよ』
342『ひどからうがな。343いかなお(まへ)でも(あき)れただらう。344耄碌魂(もうろくだましひ)のヒョロ小便使(せうべんし)めが、345あの()げて()くザマつたらないぢやないか。346それだから(この)生宮(いきみや)神力(しんりき)(しん)じなさいといふのだよ』
347生宮(いきみや)さま、348そら(ちが)やしませぬか。349(いま)今迄(いままで)人事不省(じんじふせい)(おちい)つて御座(ござ)つたのを、350ブラバーサさまがお(いで)になり、351指頭(しとう)から五色(ごしき)霊光(れいくわう)発射(はつしや)して、352(まへ)さまの病気(びやうき)(たす)けて(くだ)さつたぢやありませぬか。353それに貴方(あなた)は、354昨夜(ゆふべ)から病気(びやうき)(なほ)つてたナンテ、355ようマア(うそ)()へたものですな。356(わたし)(その)我慢心(がまんしん)(つよ)いお(まへ)さまの遣口(やりくち)(あき)れた、357といふのですよ』
358『お(だま)りなさい。359アラブの(くろ)(ばう)のクセに神界(しんかい)御経綸(ごけいりん)(わか)つてたまるかいな。360ソンナ(こと)いつて、361(この)生宮(いきみや)(てき)たふやうな(ひと)はトツトと(かへ)つて(もら)ひませう。362アタ気分(きぶん)(わる)い。363エーエーそこら(ぢう)がウソウソとして()た。364これ、365テク、366(しほ)をもつてお()で、367(まへ)(からだ)悪魔(あくま)()いてる、368(これ)からスツパリと(はら)つて()げるからな』
369『イヤもう結構(けつこう)です』
370といつてる(ところ)へ、371トンクはドンドンと露地口(ろぢぐち)細路(ほそみち)威嚇(ゐかく)させ(なが)(かへ)(きた)り、
372『ヤア、373これはこれは、374生宮様(いきみやさま)375いつの()にさう()くおなりなさいましたか。376(わたし)心配(しんぱい)(いた)しまして、377テクに貴女(あなた)介抱(かいほう)(めい)じおき、378エルサレムの(みや)御病気(ごびやうき)祈願(きぐわん)(ため)御参拝(ごさんぱい)して()たのです。379(なん)御神徳(ごしんとく)といふものは、380アラ(たか)いものですな』
381『それは(おほ)きに御親切(ごしんせつ)有難(ありがた)う……とかういつたらお(まへ)さまはお()()るだらうが、382ヘン(たれ)がそんな(こと)(まへ)さまに(たの)みました。383大弥勒様(おほみろくさま)生宮(いきみや)384三千世界(さんぜんせかい)救世主(きうせいしゆ)385日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)さまの肉体(にくたい)の、386病気(びやうき)(なほ)すやうな神様(かみさま)がどこにありますか、387()加減(かげん)(とぼ)けておきなさいや』
388『オイ、389テク、390チツと可怪(あや)しいぢやないか、391()(はう)けて(ござ)るのだらうよ』
392『マアマア(やかま)しう()ふな、393何時迄(いつまで)()つたつて(かぎ)りがないからな。394(なん)()つても三千世界(さんぜんせかい)救世主様(きうせいしゆさま)だから、395維命(これめい)396維従(これしたが)うてゐさへすりや()いのだ』
397()(なが)ら、398(あま)相手(あひて)になるなといふ意味(いみ)()()らした。399(とら)布団(ふとん)(あたま)からひつかぶり、400スヤスヤと(ねむり)()きぬ。
401大正一四・八・二〇 旧七・一 於丹後由良秋田別荘 松村真澄録)