霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二一章 貴遇(きぐう)〔一七六六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第69巻 山河草木 申の巻 篇:第4篇 新政復興 よみ(新仮名遣い):しんせいふっこう
章:第21章 貴遇 よみ(新仮名遣い):きぐう 通し章番号:1766
口述日:1924(大正13)年01月25日(旧12月20日) 口述場所:伊予 山口氏邸 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1927(昭和2)年10月26日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
宣伝歌の主は、国照別一行であった。
国照別は、二人の女が山賊に襲われているところに出くわし、間に飛び込んで加勢をする。その勢いに山賊たちは切りたてられ、ほうほうの体で逃げていく。
清香姫・春子姫は、国愛別の密使により、国照別の素性をあらかじめ知っていた。また清香姫は兄より、国照別こそ将来の夫、と聞かされていた。そこで、一緒にヒルの国で立て直しの活動をしようともちかける。
国照別も、ヒルの国にやってきたのは、実は国愛別との約束「珍の国の改良は国愛別が、ヒルの国は国照別が改革する」にしたがってのことであったと、明かす。
一行はヒルの都の場末にやって来た。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm6921
愛善世界社版:289頁 八幡書店版:第12輯 378頁 修補版: 校定版:304頁 普及版:66頁 初版: ページ備考:
001桃上彦(ももがみひこ)(むかし)より
002万古(ばんこ)不易(ふえき)国体(こくたい)
003(たも)(きた)りし(うづ)(くに)
004(かみ)(めぐみ)もアルゼンチンの
005高砂城(たかさごじやう)国司(こくし)(せがれ)
006われは国照別(くにてるわけ)(つかさ)
007(この)()(やみ)()らさむと
008雲霧(くもきり)()けて(あま)さかる
009市井(しせい)(ちまた)()をやつし
010下人草(しもひとぐさ)窮状(きうじやう)
011(うかが)ひすまし(あたら)しき
012五六七(みろく)御代(みよ)(はしら)をば
013堅磐(かきは)常磐(ときは)()てむとて
014(うま)れついたる仁侠(にんけふ)
015()くに退()かれぬ男伊達(をとこだて)
016故郷(こきやう)(そら)(あと)にして
017()みもならはぬ(たび)(そら)
018(こころ)(みが)(きも)をねり
019(しこ)大蛇(をろち)曲神(まがかみ)
020地震(ぢしん)(かみなり)()(あめ)
021いつかな(おそ)れぬ(たま)となり
022(あめ)(つち)とに(わだか)まる
023八岐(やまた)大蛇(をろち)醜狐(しこぎつね)
024(その)(ほか)(もも)曲鬼(まがおに)
025言霊剣(ことたまつるぎ)()きもちて
026言向和(ことむけやは)天国(てんごく)
027御園(みその)(ひら)(わが)(のぞみ)
028(まも)らせ(たま)惟神(かむながら)
029(かみ)(つか)へし(わが)(ちち)
030(すで)年老(としお)(たま)へども
031新進(しんしん)気鋭(きえい)(たましひ)
032(ふか)(かく)して(しの)びます
033(その)御心(みこころ)(おも)ひやり
034()としていかで悠々(いういう)
035遊惰(いうだ)()をば(おく)らむや
036(おも)()つたる今日(けふ)(たび)
037日出(ひのでの)(かみ)(あら)はれて
038(ひら)(たま)ひしヒルの(くに)
039ヒルの(みやこ)()(かく)
040(みなみ)(きた)相応(あひおう)
041(この)高砂(たかさご)天地(てんち)をば
042(むかし)神代(かみよ)にねぢ(なほ)
043神人(しんじん)和合(わがふ)楽園(らくゑん)
044(すす)ませ(たま)惟神(かむながら)
045竜世(たつよ)(ひめ)(おん)(まへ)
046(つつし)(うやま)()ぎまつる
047(あさひ)()るとも(くも)るとも
048(つき)()(ほし)()するとも
049(かみ)(まも)りのある(かぎ)
050いかで(おそ)れむ敷島(しきしま)
051大和(やまと)男子(をのこ)(たましひ)
052金鉄(きんてつ)よりも(なほ)(かた)
053(いさ)めよ(いさ)乾児(こぶん)(ども)
054(すす)めや(すす)めヒルの(くに)
055高照山(たかてるやま)(さか)しとも
056()()(あらし)(つよ)くとも
057(みち)行方(ゆくへ)(とほ)くとも
058いかで(ひる)まむ男伊達(をとこだて)
059(をとこ)(なか)(をとこ)よと
060()(うた)はれて()(すく)
061(これ)(われ)()(のぞみ)なり
062(これ)(われ)()(ねがひ)なり
063あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
064御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
065 国照別(くにてるわけ)国州(くにしう)(はじ)駒治(こまはる)066(いち)067(うま)068(あさ)一行(いつかう)()(にん)捩鉢巻(ねぢはちまき)をし(なが)ら、069真黒(まつくろ)(うで)をヌツト()し、070(ほこり)まぶれの()だらけの(すね)(ひき)()(なが)ら、071此処(ここ)までやつて()た。072()れば(あや)しき(ひと)(わめ)(ごゑ)073唯事(ただごと)ならじと近寄(ちかよ)()れば、074孱弱(かよわ)二人(ふたり)(をんな)相手(あひて)(だい)(をとこ)()めかけて()る。075国州(くにしう)(をとこ)()るは(いま)(この)(とき)と、076赤裸(まつぱだか)(まはし)(ひと)つとなり、077喧嘩(けんくわ)(なか)矢庭(やには)(とび)()み、078大音声(だいおんじやう)にて、
079()つた()つた、080(この)喧嘩(けんくわ)081(おれ)(あづ)かつた』
082(だい)()になつて、083()ちはだかれば、084(この)(こゑ)(いづ)れも二三間(にさんげん)(ばか)(あと)退()いて(いき)(やす)めて()る。085源九郎(げんくらう)(ひや)やかに(これ)(なが)めて、
086『オイ、087どこの唐変木(たうへんぼく)()らねいが、088(おれ)(たち)喧嘩(けんくわ)這入(はい)つた以上(いじやう)は、089みん(ごと)090(らち)をあけるだらうのう。091なまじひ挨拶(あいさつ)なら、092やらねえが()いぞ、093みん(ごと)094甲斐性(かひしやう)があるか』
095(くに)『アツハヽヽヽ、096耄碌(まうろく)(ども)097(しつ)かり()け。098(その)(はう)()旅人(たびびと)(かす)むる悪逆(あくぎやく)無道(ぶだう)泥棒(どろばう)ぢやねえか、099(おれ)はかう()えても天下(てんか)侠客(けふかく)だ。100()(ため)には(いのち)(をし)まねえお(にい)さまだ。101泥棒(どろばう)旅人(りよにん)(かす)めてる(ところ)(いり)()んで()たのは102仲裁(ちうさい)ではねえぞ、103(こら)しめの(ため)にやつて()たのだ。104どうだ、105(その)(はう)(はじ)一同(いちどう)(やつ)106改心(かいしん)(いた)して真人間(まにんげん)になるか、107返答(へんたふ)()かう』
108(げん)『ワツハヽヽヽ、109蟷螂(かまきり)空威張(からゐばり)()110そんなおどし文句(もんく)(おどろ)(やう)源九郎(げんくらう)ぢやねえぞ、111(おれ)(たち)(ひと)(はだか)にして、112財物(ざいもつ)()れば()いのだ。113それを(いな)(やつ)は、114()(どく)(なが)(いのち)()つても目的(もくてき)(たつ)するのだ。115(その)(はう)もいらざる空威張(からゐば)りを(いた)すより、116赤裸(まつぱだか)のまま、1161トツトと(かへ)れ。117いらざるチヨツカイを()すと、118()(どく)(なが)(いのち)がねえぞ』
119(くに)『ハツハヽヽヽ、120盗人(ぬすびと)猛々(たけだけ)しいとはよく()つたものだ、121()れるなら()つて()よ』
122 源九郎(げんくらう)(かみ)逆立(さかだ)(なが)ら、
123『オイ乾児(こぶん)(ども)124(なに)躊躇(ちうちよ)して()る。125タカが侠客(けふかく)()(にん)()(にん)126ばらして(しま)へ』
127下知(げち)すれば、128(また)もや十数(じふすう)(にん)小盗人(こぬすびと)四方(しはう)八方(はつぱう)より()つてかかる。129清香姫(きよかひめ)130春子姫(はるこひめ)(これ)(ちから)()131前後(ぜんご)左右(さいう)(てき)(くぐ)つて、132(きり)()(なぎ)()てる。133(またた)(うち)に、134十数(じふすう)(にん)(やつ)(はな)()がれ、135(うで)をかすられ、136(あし)()かれ、137ホウボウの(てい)(さん)(みだ)して(にげ)(いだ)す。138源九郎(げんくらう)(この)(てい)()て、139大人気(おとなげ)なくも、140高照山(たかてるやま)山頂(さんちやう)目懸(めが)(かたな)(うち)()(なが)ら、141殿(しんがり)(まも)り、142味方(みかた)(さら)へて()げて()く。143国州(くにしう)()ひかけるも無用(むよう)と、144谷川(たにがは)(みづ)()(すく)ふて(のど)(うるほ)し、145()づくろひをし(なが)ら、
146『オイ(こま)147如何(どう)だつた、148チツト(あわ)()いただらうな』
149(こま)侠客(けふかく)喧嘩(けんくわ)なら喧嘩(けんくわ)仕応(しごた)へもありますが、150(なに)()つても151一方(いつぱう)泥棒(どろばう)だから険呑(けんのん)でなりませぬワ。152マアマア()(かげ)吾々(われわれ)一同(いちどう)には怪我(けが)()くて結構(けつこう)でした』
153(くに)泥棒(どろばう)だつて、154侠客(けふかく)だつて、155喧嘩(けんくわ)(かは)りは()い。156(しか)(なが)らお(まへ)(たち)も、157此処(ここ)でゆつくり一服(いつぷく)するが()い。158(この)(ひめ)(さま)如何(どう)して(また)あんな(もの)喧嘩(けんくわ)をなさつただらうかな』
159()(なが)ら、160清香姫(きよかひめ)(そば)()り、
161(くに)『エー(ひめ)(さま)162(あぶ)ねえこつて(ござ)えやした。163()()怪我(けが)()くて、164芽出度(めでた)(ござ)いやす。165わつちや、166国州(くにしう)()つて、167(うづ)(くに)(もの)168ヒルの(くに)()途中(とちう)169(はか)らずも泥棒(どろばう)出会(でつくは)し、170(ひと)目覚(めざま)しをやつて()ましたが、171イヤ(はや)もろい(もの)(ござ)えやした。172アツハヽヽヽ』
173清香(きよか)『ハイ有難(ありがた)(ござ)います、174(あやふ)(ところ)へお(いで)(くだ)さいまして、175こんな(うれ)しいことは(ござ)いませぬ。176貴方(あなた)(いま)177(うづ)(くに)国州(くにしう)()侠客(けふかく)だと仰有(おつしや)いましたが、178そんなら貴方(あなた)(わらは)(たづ)ぬるお(かた)179国照別(くにてるわけ)さまぢや(ござ)いませぬか』
180 浅公(あさこう)(そば)より、
181左様(さやう)々々(さやう)182(いま)こそ侠客(けふかく)になつて(ござ)るけれど、183(うづ)(みやこ)()世継(よつぎ)国照別(くにてるわけ)(さま)(ござ)いますよ。184(よう)()いのにヒルの(みやこ)()かうと仰有(おつしや)るので、185乾児(こぶん)(かな)しさ(やむ)()()いて()ましたが……ヘヽヽヽこんな別嬪(べつぴん)さまが(ござ)るので、186親分(おやぶん)さまも()()しになつたのだな、187イヤ(わか)りました、188親分(おやぶん)さま、189一杯(いつぱい)()うて(もら)はにやなりませぬぞ』
190(くに)『エ、191仕方(しかた)()(をとこ)だなア。192(これ)だから(くち)(かる)(やつ)ア、193(こま)ると()ふのだ。194チツト(ひか)へて()らう』
195(あさ)(なん)とマア、196親分(おやぶん)愉快(ゆくわい)(さう)(かほ)197そらさうだらう。198乾児(こぶん)(わし)だつて、199愉快(ゆくわい)(たま)らないもの……()(ひめ)さま(よろこ)びなさい。200貴女(あなた)遥々(はるばる)(した)ふて(こは)()をして、201(たづ)ねて()三国一(さんごくいち)婿(むこ)さまは、202ヘエー、203(この)親方(おやかた)(ござ)いますよ。204(なに)をグヅグヅして(ござ)る、205(はづ)かしい(こと)(なに)もない、206(およ)ばず(なが)207(この)浅公(あさこう)月下氷人(なかうど)となつて握手(あくしゆ)をさせませう。208(なん)(わる)うは(ござ)いますまいがな』
209清香(きよか)(わらは)(あま)りの(おどろ)きで(なに)(まをし)()げる(こと)出来(でき)ませぬ。210春子姫(はるこひめ)211(まへ)(かは)つて、212あの(くに)さまにお(はなし)をして(くだ)さいな』
213春子(はるこ)『これはこれは(あやふ)(ところ)214(たす)(くだ)さいまして、215(あつ)()(れい)(まをし)()げまする。216貴方(あなた)(うはさ)(たか)(うづ)(くに)国照別(くにてるわけ)(さま)(ござ)いますか、217(ぞん)ぜぬ(こと)とて()無礼(ぶれい)(いた)しました。218(ひめ)(さま)(おほ)せに(したが)ひ、219(わらは)(かは)つて()(はなし)(まをし)()()(ござ)いますが、220(ひめ)(さま)はお兄様(あにさま)(しめ)(あは)せ、221国家(こくか)窮状(きうじやう)(すく)はむとして、222色々(いろいろ)画策(くわくさく)(あそ)ばされ、223(いま)(また)兄様(あにさま)密使(みつし)()つて……(うづ)(くに)国州(くにしう)さまと()侠客(けふかく)にお(まへ)娶合(めあは)してやらう、224さうすればヒルの(くに)(すく)(こと)出来(でき)る……と()通知(つうち)(ござ)いましたので、225()(もの)取敢(とりあへ)此処(ここ)(まで)(まゐ)つたので(ござ)います。226(はた)して貴方(あなた)国照別(くにてるわけ)(さま)ならば、227こんな好都合(かうつがふ)(ござ)いませぬ。228(これ)からヒルの(くに)へお(とも)をして(かへ)()(ござ)います。229どうぞ(この)()()聞届(ききとどけ)(ねが)ひます』
230(くに)『ウン、231貴女(あなた)国愛別(くにちかわけ)(さま)のお妹御(いもうとご)(ござ)つたか。232兼々(かねがね)兄上(あにうへ)より貴女(あなた)思想(しさう)()器量(きりやう)(うけたま)はつて()りました。233(じつ)(ところ)234(この)国照別(くにてるわけ)もヒルの(みやこ)()して()たのは、235貴女(あなた)()()くもあり、236(また)(ひと)(うづ)(くに)国愛別(くにちかわけ)(さま)()(ねが)(まを)して改良(かいりやう)して(いただ)き、237(その)(かは)りとして拙者(せつしや)がヒルの(くに)根本(こんぽん)(てき)改革(かいかく)せむと、238侠客(けふかく)となつて浮世(うきよ)(しの)下層(かそう)生活(せいくわつ)をし(なが)ら、239回天(くわいてん)動地(どうち)大業(たいげふ)()さむと、240此処(ここ)(まで)やつて(まゐ)りました。241(これ)(ねが)ふても()(たがひ)奇遇(きぐう)242(しか)らば(これ)より(ひめ)(さま)()(とも)(いた)し、243ヒルの城下(じやうか)(まゐ)りませう』
244 (これ)より一行(いつかう)男女(だんぢよ)(しち)(にん)堂々(だうだう)として、245大道(だいだう)正中(まんなか)宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)ら、246ヒルの(みやこ)()して(すす)()く。247浅公(あさこう)(さき)()つて、248道々(みちみち)宣伝歌(せんでんか)(うた)ふ。
249『テルとカルとの国境(くにざかひ)
250高照山(たかてるやま)山麓(さんろく)
251高砂島(たかさごじま)()(たか)
252大親分(おほおやぶん)(くに)さまと
253あたりを(はら)堂々(だうだう)
254(つち)()みならし(すす)()
255(とき)しもあれや谷川(たにがは)
256傍辺(かたへ)(あや)しき(ひと)(こゑ)
257何事(なにごと)ならむと近寄(ちかよ)れば
258豈計(あにはか)らむや(くも)をつく
259ばかりの(おほ)きな泥棒(どろばう)
260(なが)(やつ)をば(ひき)()いて
261二人(ふたり)(ひめ)をまん(なか)
262前後(ぜんご)左右(さいう)から()りつける
263此奴(こいつ)(すく)はにやなるまいと
264親分(おやぶん)さまが赤裸(まつぱだか)
265喧嘩(けんくわ)(なか)(おど)()
266()つた()つたと四股(しこ)()めば
267さすがの泥棒(どろぼう)(きも)つぶし
268二足(ふたあし)三足(みあし)(あと)しざり
269蜥蜴(とかげ)欠伸(あくび)をした(やう)
270(そら)(あふ)いで(あき)(がほ)
271親分(おやぶん)さまの掛合(かけあひ)
272()()泥棒(どろぼう)(ことごと)
273大切(だいじ)大切(だいじ)仕事(しごと)をば
274可惜(あつたら)(ぼう)()(なが)
275手疵(てきず)()ふて()げて()
276(あと)国照別(くにてるわけ)さまは
277ヒルの(くに)からやつて()
278天女(てんによ)のやうな(ひめ)(さま)
279二世(にせ)約束(やくそく)(かた)めつつ
280(われ)()乾児(こぶん)(ひき)()れて
281そんならお(まへ)()(とほ)
282(これ)からヒルの都路(みやこぢ)
283()つてやらうと(うれ)()
284()はれた(とき)(ひめ)(かほ)
285(そば)()てゐる(おれ)さへも
286(なん)だか(うれ)しうなつてきた
287オイオイ駒治(こまはる)(いち)(うま)
288(まへ)(もと)取締(とりしまり)
289現在(げんざい)泥棒(どろぼう)()(まへ)
290(なが)(なが)らに(なん)のザマ
291コラツと一声(ひとこゑ)かけもせず
292(あを)(つら)して(ふる)ふて()
293こんな取締(とりしまり)()(なか)
294あると(おも)へば衆生(しゆじやう)
295(まくら)(たか)()られない
296何奴(どいつ)此奴(こいつ)腰抜(こしぬけ)
297親分(おやぶん)さまの()(ひか)りで
298ここまで()(とも)はしたものの
299()しも一人(ひとり)になつたなら
300キツト泥棒(どろばう)にこみわられ
301(かひな)一本(いつぽん)()()られ
302ベソをかいたに(ちが)ひない
303あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
304(これ)(おも)へば浅公(あさこう)
305矢張(やつぱ)(きも)(ふと)いワイ
306サア(これ)からは浅公(あさこう)
307親分(おやぶん)さまの(いち)(えだ)
308(まへ)乾児(こぶん)になるがよい
309ウントコドツコイ ドツコイシヨ
310(てん)(ふう)じた老木(らうぼく)
311並木(なみき)街道(かいだう)(すす)()
312(われ)()一行(いつかう)(なん)()
313勝利(しようり)(みやこ)()くやうな
314(すず)しい気分(きぶん)になつて()
315(たに)(なが)れは淙々(そうそう)
316飛沫(ひまつ)(たま)(かざ)りつつ
317(わが)一行(いつかう)歓迎(くわんげい)
318(こと)(だん)じて()つて()
319(みね)(あらし)松柏(しようはく)
320(こずゑ)()いて吾々(われわれ)
321謳歌(おうか)して()(いさ)ましさ
322ウントコドツコイ ドツコイシヨ
323(いま)侠客(けふかく)渡世(とせい)だが
324親分(おやぶん)さまがたつた(いま)
325ヒルの(みやこ)(あら)はれて
326清香(きよか)(ひめ)婿(むこ)となり
327(くに)政治(せいぢ)()られたら
328(かなら)抜擢(ばつてき)(あそ)ばして
329使(つか)ふて(くだ)さるだろ(ほど)
330駒公(こまこう)市公(いちこう)馬公(うまこう)
331それをば(さき)(たのし)みと
332(おも)つて(おれ)()いて()
333前途(ぜんと)はいよいよ有望(いうばう)
334(おも)へば(おも)へば()(たま)
335(いさ)みに(いさ)(おど)()
336(なに)(ほど)(さか)はきつくとも
337(なに)(ほど)()かげは(あつ)くとも
338前途(ぜんと)(のぞ)みを(かか)へたる
339(われ)()一行(いつかう)(たましひ)
340()にも()けない(また)(みづ)
341(おぼ)るる(こと)なき大丈夫(だいぢやうぶ)
342大和(やまと)男子(をのこ)典型(てんけい)
343末代(まつだい)(まで)()()げて
344(くに)(はしら)となるだらう
345あゝ(いさ)ましや(いさ)ましや
346全隊(ぜんたい)(すす)めいざ(すす)
347勝利(しようり)(みやこ)(ちか)づいた
348勝利(しようり)(みやこ)はヒルの(くに)
349あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
350国魂神(くにたまがみ)(おん)(まへ)
351(われ)()前途(ぜんと)幸福(かうふく)
352(まも)らせ(たま)へと()(まつ)る』
353 ()(かは)(がは)行進歌(かうしんか)(うた)(なが)ら、354十数日(じふすうじつ)()黄昏(たそがれ)(ごろ)ヒルの(みやこ)町末(まちすゑ)()茅屋(ばうをく)()いた。
355大正一三・一・二五 旧一二・一二・二〇 伊予 於山口氏邸、松村真澄録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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