霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第一八章 鳳恋(ほうれん)〔一七八五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第70巻 山河草木 酉の巻 篇:第3篇 理想新政 よみ(新仮名遣い):りそうしんせい
章:第18章 鳳恋 よみ(新仮名遣い):ほうれん 通し章番号:1785
口述日:1925(大正14)年08月25日(旧07月6日) 口述場所:丹後由良 秋田別荘 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年10月16日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
千草姫は、王がなかなかジャンクの追放に踏み切れないでいるのを責めている。その場へジャンク本人がやってきて、国難を救った照国別たちを投獄した千草姫の処置を非難し、釈放するように上奏する。
千草姫はジャンクをたしなめるが、逆に矛盾だらけの言動をジャンクに指摘されてしまう。千草姫は「生命を取る」「地獄に落とす」とジャンクを脅すが、ジャンクはものともしない。
ジャンクは、人民が一致団結して、王妃の改心がなければクーデターを起こすつもりであることを告げ、逆に王妃に改心を促して去っていく。
千草姫はこれに怒り、ウラル彦命の神力でジャンクの命を取ろうと、ハリマの森に参拝し、わけのわからない儀式を行う。
その帰り道、千草姫の行列を横切ろうとした若者が、番僧に捕縛された。千草姫は輿の中からその若者を見たところ、たいへんな美男子であった。たちまち千草姫は恋慕の情にとらわれた。
千草姫は、その若者を自ら尋問するという名目で、城の中に連れ込む。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm7018
愛善世界社版:227頁 八幡書店版:第12輯 473頁 修補版: 校定版:234頁 普及版:115頁 初版: ページ備考:
001 千草姫(ちぐさひめ)傲然(がうぜん)()出神(でのかみ)気取(きどり)で、002刹帝利(せつていり)脚下(きやくか)(ひざまづ)かせ(なが)ら、
003三千(さんぜん)世界(せかい)救世主(きうせいしゆ)004底津(そこつ)岩根(いはね)(おほ)みろく太柱(ふとばしら)005第一(だいいち)霊国(れいごく)天人(てんにん)006()出神(でのかみ)生宮(いきみや)が、007(なんぢ)ガーデンに(まを)(わた)仔細(しさい)がある。008性根(しやうね)()ゑてしつかり()けよ』
009(わう)『ハイ010何事(なにごと)なり(とも)(おほ)(くだ)さりませ。011絶対(ぜつたい)服従(ふくじゆう)(ちか)つて()りまするから』
012千草(ちぐさ)(なんぢ)言葉(ことば)013()出神(でのかみ)014満足(まんぞく)々々(まんぞく)015(なんぢ)(これ)より三千(さんぜん)世界(せかい)覇者(はしや)となり、016世界(せかい)統一(とういつ)神業(しんげふ)(かか)らねばならぬ大責任(だいせきにん)があるぞや。017それに(つい)ては、018人間(にんげん)分際(ぶんざい)としては如何(いかん)(とも)することは出来(でき)ない。019(この)(たび)(てん)より天降(あまくだ)りたる()出神(でのかみ)020千草姫(ちぐさひめ)肉体(にくたい)宿(やど)(いた)し、021神変(しんぺん)不思議(ふしぎ)神力(しんりき)(もつ)て、022()第一(だいいち)にトルマン(ごく)足元(あしもと)(きよ)め、023逆臣(ぎやくしん)排除(はいぢよ)し、024水晶霊(すいしやうみたま)をよりぬいて(かみ)御用(ごよう)()て、025神政(しんせい)成就(じやうじゆ)基礎(きそ)(かた)むべき神界(しんかい)経綸(しぐみ)なれば、026一言(いちげん)一句(いつく)(いへど)027(けつ)して(そむ)いてはなりませぬぞ。028()承知(しようち)であらうなア』
029(わう)『ハイ、030(つつし)んで()神命(しんめい)(うけたま)はりませう』
031千草(ちぐさ)(なんぢ)(かみ)(めい)(もち)ひず、032八岐(やまた)大蛇(をろち)(みたま)憑依(ひようい)せし、033田舎育(いなかそだち)のジヤンクを依然(いぜん)として、034国政(こくせい)(あた)らしむるのは、035神界(しんかい)大命(たいめい)(そむ)き、0351反逆(はんぎやく)(つみ)(もつと)(おも)し。036(いち)()(はや)勇猛心(ゆうまうしん)発揮(はつき)し、037()れジヤンクを放逐(はうちく)せよ』
038(わう)『ハイ、039()神命(しんめい)(たしか)承知(しようち)(いた)して()りますが、040トルマン(ごく)()つての、041(かれ)人望家(じんばうか)042三十万(さんじふまん)(にん)国民(こくみん)()一人(ひとり)(ちから)(いた)し、043三千騎(さんぜんき)兵士(つはもの)(かれ)大将軍(たいしやうぐん)尊敬(そんけい)して()りますれば、044如何(いか)神命(しんめい)なればとて(かれ)頭上(づじやう)斧鉞(ふゑつ)(くは)ふる(こと)045国家(こくか)存立(そんりつ)(じやう)(いな)刹帝利(せつていり)()存立(そんりつ)(じやう)046(もつと)危険(きけん)至極(しごく)かと(ぞん)じます。047何卒(なにとぞ)(この)()のみは少時(しばし)保留(ほりう)(ねが)ひたう(ぞん)じます』
048千草(ちぐさ)『ホヽヽヽヽヽ、049(おろか)なり、050ガーデン(わう)051(かれ)(ごと)野武士(のぶし)(もつ)て、052トルマン神国(しんこく)統理(とうり)せしめむとするは、053(あたか)巨岩(きよがん)(いだ)いて(うみ)(とう)ずるより(あやふ)からむ。054神力(しんりき)無双(むさう)()出神(でのかみ)055天降(あまくだ)りたる以上(いじやう)は、056(なん)躊躇(ちうちよ)逡巡(しゆんじゆん)するところあらむ。057(すみや)かに英断(えいだん)(もつ)(かれ)ジヤンクを放逐(はうちく)せよ』
058(わう)(しか)らば是非(ぜひ)(およ)びませぬ。059(しか)(なが)ら、060(かれ)放逐(はうちく)すれば、061教政(けうせい)輔弼(ほひつ)する重僧(ぢうそう)御座(ござ)りませぬ。062沢山(たくさん)臣下(しんか)はあれ(ども)063(いづ)れも大衆(たいしう)信望(しんばう)をつなぐに()らず、064国帑(こくど)(わたくし)し、065(おのおの)(きそ)うて金殿(きんでん)玉楼(ぎよくろう)(つく)り、066豪奢(がうしや)生活(せいくわつ)(おく)り、067大衆(たいしう)怨府(ゑんぷ)となつて()りますれば、068ジヤンクに(かは)るべき適当(てきたう)人物(じんぶつ)なきに(くる)しみまする』
069千草(ちぐさ)『ハルナの(みやこ)大黒主(おほくろぬし)信任(しんにん)(あつ)きキユーバーを召出(めしいだ)し、070(かれ)国政(こくせい)(まか)せなば、071国家(こくか)益々(ますます)(さか)え、072天下(てんか)太平(たいへい)073(たみ)鼓腹(こふく)撃壤(げきじやう)聖代(せいだい)(きた)さむ(こと)074(かがみ)にかけて()(ごと)くであるぞや』
075(わう)(その)キユーバーを召出(めしいだ)さむにも、076(いま)(おい)行方(ゆくへ)(わか)らず、077何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)(かみ)(さま)()神眼(しんがん)にて、078在所(ありか)()()らせ(くだ)さらば、079(すみや)かに(かれ)(むか)()り、080()神慮(しんりよ)(かな)(やう)取計(とりはか)らうで御座(ござ)りませう』
081千草(ちぐさ)(なんぢ)(おい)(その)覚悟(かくご)がきまつた(うへ)は、082(なに)をか()はむ。083(かみ)引寄(ひきよ)せるに()つて、084(すみや)かにジヤンクの(しよく)()き、085国許(くにもと)()(かへ)すべし』
086(わう)『ハハア、087(たしか)承知(しようち)(つかまつ)りました』
088千草(ちぐさ)流石(さすが)(なんぢ)名君(めいくん)089(かみ)(こころ)(かな)ひし(もの)090ヤ、091満足(まんぞく)々々(まんぞく)
092 ()かる(ところ)恭々(うやうや)しく(あら)はれ()たのは093教務(けうむ)総監(そうかん)のジヤンクであつた。
094ジヤンク『(つつし)んでお(うかが)(いた)します。095()差支(さしつかへ)御座(ござ)いませぬか』
096千草(ちぐさ)(けつ)して遠慮(ゑんりよ)には(およ)ばぬ。097(かみ)(ゆる)す、098(なん)なりと(まを)()げて()よ』
099ジヤ『(おそ)(なが)ら、100殿下(でんか)(まを)()げます。101トルマン(ごく)危急(ききふ)(すく)(たま)ひし、102三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)1021照国別(てるくにわけ)103照公(てるこう)神柱(かむばしら)を、104(なん)(つみ)もなきに、105城外(じやうぐわい)牢獄(らうごく)(なげ)()(たま)ひしは、106教務(けうむ)総監(そうかん)のジヤンク、107合点(がてん)(まゐ)(まを)しませぬ。108如何(いか)なる(こと)間違(まちが)ひかは(ぞん)じませぬが、109(かれ)二柱(ふたはしら)神司(かむづかさ)(おい)ては、110一点(いつてん)(うたが)ふべき言行(げんかう)もなく、111(まつた)冤罪(ゑんざい)御座(ござ)いまする。112何者(なにもの)讒言(ざんげん)(いた)しましたか(ぞん)じませぬが、113賢明(けんめい)なる殿下(でんか)()(かんが)へを(もつ)て、114(すみや)かに解放(かいはう)(あそ)ばされ、115二柱(ふたはしら)(まへ)(その)無礼(ぶれい)陳謝(ちんしや)(あそ)ばさねば、116(この)国土(こくど)永遠(えいゑん)(たも)たれますまい。117(この)()とくと()(かんが)へを(ねが)ひます』
118(わう)『………』
119千草(ちぐさ)(おろか)なり、120ジヤンク。121(なんぢ)今日(こんにち)(ただ)(いま)より、122(この)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)が、123教務(けうむ)総監(そうかん)解職(かいしよく)する。124足元(あしもと)(あか)るい(うち)125旅装(りよさう)(ととの)国許(くにもと)蟄居(ちつきよ)したが()からう』
126ジヤ『これは心得(こころえ)(かみ)(さま)()言葉(ことば)127トルマン(ごく)教政(けうせい)はガーデン(わう)(さま)統治(とうち)(たま)(ところ)128(その)教政(けうせい)内助(ないじよ)(あそ)ばすのは王妃(わうひ)(きみ)129(しか)るに(なん)ぞや、130(わう)(また)王妃(わうひ)()(もち)ひざる()出神(でのかみ)命令(めいれい)()つて、131国家(こくか)代表(だいへう)したる教務(けうむ)総監(そうかん)解職(かいしよく)出来(でき)ませうか。132ジヤンク(だん)じて辞職(じしよく)(つかまつ)らぬ。133尚々(なほなほ)不審(ふしん)()へざるは、134トルマンの国土(こくど)将来(しやうらい)統治(とうち)(たま)ふべき地位(ちゐ)にあらせらるるチウイン太子(たいし)(さま)(はじ)め、135王女(わうぢよ)チンレイ(さま)を、136修行(しうぎやう)(ため)(しよう)し、137(あるひ)(かみ)命令(めいれい)(しよう)し、138世界(せかい)視察(しさつ)()(もと)放逐(はうちく)(あそ)ばしたのは、139いよいよ(もつ)()しからぬ次第(しだい)では御座(ござ)らぬか。140教務(けうむ)総監(そうかん)ジヤンクに一言(いちごん)のお(こた)へもなく、141()かる重大事(ぢうだいじ)を、142勝手(かつて)気儘(きまま)断行(だんかう)さるるは、143(おのづか)教国(けうこく)綱紀(かうき)紊乱(ぶんらん)し、144王家(わうけ)滅亡(めつぼう)(まね)くべき(いん)ともなるで御座(ござ)りませう。145どうか賢明(けんめい)なる()二方(ふたかた)(さま)146ジヤンクの言葉(ことば)(みみ)(かたむ)け、147冷静(れいせい)()思案(しあん)(ねが)ひまする』
148千草(ちぐさ)(だま)れジヤンク、149天地(てんち)神柱(かむばしら)言葉(ことば)二言(にごん)はないぞ。150一時(ひととき)(はや)(しよく)()つて郷里(きやうり)(かへ)れ』
151ジヤ『ハヽヽヽヽヽ、152これは()しからぬ。153(いま)教王(けうわう)殿下(でんか)より、154帰国(きこく)せよとの命令(めいれい)()けては()りませぬ。155(おそ)(なが)ら、156王妃(わうひ)(きみ)には(この)重臣(ぢうしん)任免(にんめん)黜陟(ちゆつちよく)(あそ)ばす権能(けんのう)御座(ござ)いませぬ。157(また)仮令(たとへ)教王(けうわう)殿下(でんか)より解職(かいしよく)厳命(げんめい)さるる(とも)158国家(こくか)危急(ききふ)(この)場合(ばあひ)159(この)ジヤンク、160一歩(いつぽ)(うご)きませぬ』
161千草(ちぐさ)左守(さもり)162右守(うもり)重臣(ぢうしん)他界(たかい)し、163邪魔者(じやまもの)()くなつたと(おも)うての(なんぢ)暴言(ばうげん)164最早(もはや)容赦(ようしや)(いた)さぬぞや、165覚悟(かくご)()され』
166ジヤ『容赦(ようしや)(いた)さぬとは、167どうしようと(あふ)せらるるので御座(ござ)りますか』
168千草(ちぐさ)三千(さんぜん)世界(せかい)救世主(きうせいしゆ)169底津(そこつ)岩根(いはね)(おほ)みろく太柱(ふとばしら)170第一(だいいち)霊国(れいごく)天人(てんにん)171()出神(でのかみ)生宮(いきみや)が、172立所(たちどころ)(なんぢ)生命(せいめい)()り、173(その)肉体(にくたい)(からす)餌食(ゑじき)となし、174(その)精霊(せいれい)最低(さいてい)地獄(ぢごく)(おと)してやるが()うぢや。175それでも辞職(じしよく)(いた)さぬか』
176ジヤ『アハヽヽヽ、177モウ(その)(なが)たらしい()神名(しんめい)は、178ジヤンク(きき)()きまして御座(ござ)います。179王妃(わうひ)には狂気(きやうき)()されたか。180狂気(きやうき)とならば危険(きけん)千万(せんばん)181座敷牢(ざしきらう)(つく)つて、182病気(びやうき)本復(ほんぷく)する(まで)()()めて()きますぞ』
183千草(ちぐさ)(なんぢ)不忠(ふちう)不義(ふぎ)曲者(くせもの)184肉体(にくたい)(じやう)から()へば、185王妃(わうひ)(きみ)186神界(しんかい)より(まを)さば、187三千(さんぜん)世界(せかい)救世主(きうせいしゆ)188底津(そこつ)岩根(いはね)(おほ)みろく……』
189()ひかけるのを、190ジヤンクは()()(かほ)(しか)めて、
191『モウモウ結構(けつこう)御座(ござ)います。192第一(だいいち)霊国(れいごく)天人(てんにん)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)は、193とつくに承知(しようち)(いた)して()ります。194(しか)(なが)()くお()(くだ)さいませ。195大衆(たいしう)同盟会(どうめいくわい)なるものが組織(そしき)され、196千草姫(ちぐさひめ)(さま)(おい)(この)(さい)()改心(かいしん)なき(とき)は、197(たちま)ちクーデターを(おこな)ひ、198教政(けうせい)根本(こんぽん)(てき)より改革(かいかく)せむと、199拙者(せつしや)(ところ)(まで)挙宗(きよしう)一致(いつち)(てき)(まを)()でて()りまするぞ。200(この)ジヤンクは王妃(わうひ)(さま)()危難(きなん)(すく)ふべく、201大衆(たいしう)同盟会(どうめいくわい)幹部(かんぶ)(れん)をいろいろと、202(くち)(きは)めて(とき)(さと)し、203(なだ)めてゐる最中(さいちう)御座(ござ)りまするが、204最早(もはや)拙職(せつしよく)(ちから)では(およ)ばない(ところ)(まで)205衆心(しうしん)激昂(げきかう)し、206何時(いつ)大暴風(だいばうふう)大怒濤(だいどたう)襲来(しふらい)して、207(この)殿堂(でんだう)根底(こんてい)より(くつが)へすやも(はか)()られませぬ。208(じつ)危急(ききふ)存亡(そんばう)(この)場合(ばあひ)209何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)()熟考(じゆくかう)(ねが)ひたう(ぞん)じます。210最早(もはや)(まを)()ぐることは御座(ござ)いませぬ。211(これ)にて教務所(けうむしよ)引下(ひきさが)りまする。212左様(さやう)ならば、213()両所(りやうしよ)(とも)214よき()返詞(へんじ)(くだ)さいます(やう)215鶴首(くわくしゆ)してお()(まを)して()りまする』
216()()て、217足音(あしおと)(たか)憤然(ふんぜん)として教務所(けうむしよ)()して()でて()く。218(あと)千草姫(ちぐさひめ)219ガーデン(わう)少時(しばし)無言(むごん)(まく)(おろ)してゐた。
220千草(ちぐさ)『ガーデン王殿(わうどの)221(なんぢ)(いま)ジヤンクの言葉(ことば)()き、222余程(よほど)(こころ)(なや)ませてゐる様子(やうす)()えるが、223(かれ)(ごと)悪魔(あくま)をして、224教政(けうせい)枢機(すうき)参与(さんよ)せしむるは危険(きけん)(この)(うへ)なし。225教王家(けうわうけ)一大事(いちだいじ)226天下(てんか)前途(ぜんと)(おも)はば、227(かみ)(めい)(したが)ひ、228(かれ)(いのち)()工夫(くふう)を、229(いち)()(はや)くめぐらされよ』
230(わう)『ハイ、231絶対(ぜつたい)(てき)教王家(けうわうけ)危害(きがい)(およ)ぼし、232天下(てんか)転覆(てんぷく)する悪魔(あくま)とならば、233非常(ひじやう)手段(しゆだん)(もち)ひ、234(かれ)(ほろ)ぼさねばなりますまいが、235(いやし)くもウラルの(かみ)(つか)ふる(もの)236()かる暴虐(ばうぎやく)()(くだ)すことは、237(わたくし)としては到底(たうてい)出来(でき)ませぬ。238何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)239最前(さいぜん)(おほ)せられた(とほ)り、240神徳(しんとく)(もつ)て、241(かれ)(いのち)立所(たちどころ)()()(くだ)さらば、242(じつ)仕合(しあは)せで御座(ござ)りまする。243一国(いつこく)教王(けうわう)刺客(しきやく)(もち)ひて、244重僧(ぢうそう)(ほろ)ぼす(ごと)きは、245(いん)紂王(ちうわう)にもまさる悪虐(あくぎやく)246かかる(こと)大衆(たいしう)(みみ)(はい)りますれば、247到底(たうてい)大衆(たいしう)承知(しようち)(いた)しますまい。248(かみ)(さま)より(いのち)をおめしになる方法(はうはふ)()()りになれば、249(これ)()したる良策(りやうさく)御座(ござ)いますまい』
250千草(ちぐさ)如何(いか)にも、251(なんぢ)(げん)一理(いちり)あり。252いざ(これ)より()出神(でのかみ)生宮(いきみや)253ハリマの(もり)参拝(さんぱい)(いた)し、254ウラル(ひこの)(みこと)協議(けふぎ)(うへ)255(かれ)(いのち)召取(めしと)るであらう。256ガーデン王殿(わうどの)257臣下(しんか)輿(こし)用意(ようい)(まを)しつけられよ』
258(わう)早速(さつそく)(まを)しつけ、259準備(じゆんび)(とり)かかりませう』
260 (その)()(なな)(どき)261(また)もや千草姫(ちぐさひめ)輿(こし)()り、262数多(あまた)番僧(ばんそう)護衛(ごゑい)され(なが)ら、263ハリマの(みや)(まう)で、264神殿(しんでん)にて何事(なにごと)(わか)らぬことをベチヤベチヤ(さへづ)り、265狂態(きやうたい)(えん)(なが)ら、266(ふたた)輿(こし)()つて行列(ぎやうれつ)いかめしく(かへ)()る。267(この)行列(ぎやうれつ)(あひだ)は、268大衆(たいしう)通行(つうかう)(きん)じ、269一間(いつけん)(ごと)番僧(ばんそう)()たせ、270物々(ものもの)しき警戒(けいかい)をやる(こと)となつてゐる。271そこへ、272宣伝歌(せんでんか)(こゑ)(たか)(うた)(なが)ら、273平然(へいぜん)として(あら)はれ(きた)り、274輿(こし)前方(ぜんぱう)横切(よこぎ)らむとするや、275警固(けいご)番僧(ばんそう)()()(これ)取押(とりおさ)へた。276(この)物音(ものおと)千草姫(ちぐさひめ)は、277輿(こし)(みす)()(なが)むれば、278眉目(びもく)清秀(せいしう)(いち)美男子(びだんし)である。279千草姫(ちぐさひめ)(たちま)恋慕(れんぼ)(じやう)(おこ)り、280如何(いか)にもして、281(この)美男子(びだんし)城内(じやうない)()(かへ)らむものと煩悶(はんもん)(なが)ら、282(おも)()つて、283輿(こし)(みす)をあげ、284半身(はんしん)(そと)(あら)はし、
285千草(ちぐさ)『ヤアヤア番僧(ばんそう)(ども)286(その)犯人(はんにん)(わらは)(おい)て、287(みづか)取調(とりしら)べたき仔細(しさい)あれば、288(わらは)(とも)城内(じやうない)引立(ひきた)(きた)れよ』
289厳命(げんめい)する。290番僧(ばんそう)王妃(わうひ)言葉(ことば)291(いち)()()承諾(しようだく)し、292(この)犯人(はんにん)(しば)つた(まま)293輿(こし)(あと)(したが)城内(じやうない)(おく)(とど)ける(こと)となりぬ。
294大正一四・八・二五 旧七・六 於丹後由良秋田別荘 松村真澄録)

王仁三郎が著した「大作」がこれ1冊でわかる!
飯塚弘明・他著『あらすじで読む霊界物語』(文芸社文庫)
絶賛発売中!

目で読むのに疲れたら耳で聴こう!
霊界物語の朗読 ユーチューブに順次アップ中!
霊界物語の音読まとめサイト
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→