霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一六章 妖魅返(よみがへり)〔一八〇五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第71巻 山河草木 戌の巻 篇:第3篇 惨嫁僧目 よみ:さんかそうもく
章:第16章 第71巻 よみ:よみがえり 通し章番号:1805
口述日:1926(大正15)年02月01日(旧12月19日) 口述場所:月光閣 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1929(昭和4)年2月1日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
玄真坊、コブライ、コオロの3人は、淵に流れ着いたときに漁をしていた首陀たちに引き上げられ、弔われようとしていたのだった。
そこへやってきた千草の高姫が、3人を蘇生させて従者にしようと、ウラナイ教の神に一生懸命祈願をするが、何も起きない。最後に我を折って三五教の大神に祈願したところ、ようやく息を吹き返した。
高姫は玄真坊と偽の夫婦となって一仕事しようともちかける。玄真坊は幽冥界での戒めも忘れて、またもや色欲を出すが、高姫は相手にしない。
高姫は3人が一文無しと聞いて、愛想をつかして去ろうとするが、コブライ・コオロが黄金を掘り出す。
それを見て高姫は態度をがらっと変える。そして、コブライとコオロに、ダイヤモンドがあるからといって、さらに穴を掘らせる。
玄真坊と高姫は、いきなりコブライとコオロの上から土をかけて生き埋めにし、黄金を奪って行ってしまう。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm7116
愛善世界社版: 八幡書店版:第12輯 578頁 修補版: 校定版:223頁 普及版:104頁 初版: ページ備考:
001 タラハン城市(じやうし)西(にし)()三十里(さんじふり)(ばか)りの(ところ)岩滝村(いはたきむら)()小部落(せうぶらく)がある。002此所(ここ)には魚ケ淵(うをがふち)()つて、003(あを)()つた()なり(ひろ)水溜(みづたまり)があり、004沢山(たくさん)(うを)四季(しき)(とも)集中(しふちう)してゐる。005印度(いんど)(くに)風習(ふうしふ)として(みだり)生物(いきもの)()はないので、006魚類(ぎよるゐ)()()繁殖(はんしよく)する(ばか)りであつた。007(みづ)一升(いつしよう)(うを)一升(いつしよう)(とな)へらるる(この)魚ケ淵(うをがふち)時々(ときどき)(れう)()首陀(しゆだ)があつた。008浄行(じやうぎやう)刹帝利(せつていり)毘舎(びしや)(など)(けつ)して(うを)()つたり、009殺生(せつしやう)(など)はやらないが、010首陀(しゆだ)となると、0101身分(みぶん)(ひく)(ため)011(ほと)んど人間扱(にんげんあつかひ)をされてゐないので、012(なに)(ほど)殺生(せつしやう)をしても神仏(しんぶつ)(とがめ)()いといふ信念(しんねん)一般(いつぱん)(つた)はつてゐた。013(しか)(なが)浄行(じやうぎやう)014刹帝利(せつていり)015毘舎(びしや)(いへども)016()きた(もの)()はない(ばか)りで017店舗(てんぽ)()つてゐる(うを)ならば代価(だいか)(はら)つて買求(かひもと)め、018(これ)食膳(しよくぜん)にのぼす(こと)(べつ)殺生(せつしやう)とも(かん)じてゐないのである。019夏木(なつき)(しげ)れる川縁(かはべり)木蔭(こかげ)(こし)(うち)かけ雑談(ざつだん)(ふけ)(なが)ら、020四五人(しごにん)首陀(しゆだ)魚漁(うをとり)用意(ようい)をやつてゐると、021(ふち)舞込(まひこ)んで()(みつ)つのコルブスがあつた。022首陀(しゆだ)()岩上(がんじやう)から(この)コルブスに(むか)つて(あみ)()ちかけ、023(やうや)くにして道傍(みちばた)(ひろ)()げてみた(ところ)024一人(ひとり)はどうしても修験者(しゆげんじや)(はて)らしく、025二人(ふたり)(やつ)何処(どこ)(とも)なしに泥棒(どろばう)らしい面相(めんさう)をしてゐるので、026古寺(ふるでら)坊主(ばうず)()葬式(さうしき)をすることとなつた。027泥棒(どろばう)なんかは(その)死骸(しがい)虎狼(こらう)餌食(ゑじき)(まか)して(かへり)みないが028修験者(しゆげんじや)となれば()うしても()てて()(わけ)には()かぬと()ふので、029珠露海(しゆろかい)といふ吉凶禍福(きつきようくわふく)卜筮(ぼくぜい)(など)(しる)した経文(きやうもん)記事(きじ)(あん)じて、030五行葬(ごぎやうさう)(いづ)れに()さむかとやつてみた(ところ)031(この)修験者(しゆげんじや)()うしても土葬(どさう)にせにやならぬ032()(うらなひ)()たので、033村人(むらびと)()つて(かか)つて、034(からだ)(その)(まま)(つち)(なか)()け、035(しるし)()てる(かは)りに(みみ)から(うへ)(かほ)()して()いたのである。036五行葬(ごぎやうさう)(なか)には野葬(やさう)037木葬(もくさう)038火葬(くわさう)039土葬(どさう)040水葬(すいさう)()(いつ)つの葬式法(さうしきはふ)がある。041そして木葬(もくさう)()ふのは、042コルブスを()(うへ)()けて()き、043(かぜ)(さら)葬式法(さうしきはふ)である。044(この)珠露海(しゆろかい)卜筮(ぼくぜい)にかからない(もの)(かみ)冥護(めいご)のない(もの)として045死屍(しかばね)路傍(ろばう)()てて()(こと)になつてゐた。046()かる(ところ)四十前後(しじふぜんご)美人(びじん)宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)(ちか)より(きた)り、047路傍(ろばう)遺棄(ゐき)してある(ふた)つの死骸(しがい)(なが)(なが)ら、
048(をんな)『あ、049何処(どこ)何人(なにびと)()らぬが可哀相(かあいさう)に、050コラ、051土佐衛門(どざゑもん)になつた(ところ)(たれ)かに()()げられたのだらう、052まだ着物(きもの)はズクズクになつてゐる。053かふいふ(ところ)()つて()けば、0531(いぬ)(からす)餌食(ゑじき)になるだらう。054(なん)とかして此奴(こいつ)(たす)自分(じぶん)従者(じゆうしや)にしてやりたいものだなア、055ウラナイ(けう)大神(おほかみ)(まも)(たま)(さきは)(たま)へ』
056()(なが)ら、057(しろ)(ほそ)鼈甲細工(べつかふざいく)()うな()両人(りやうにん)(ひたひ)にあて、058一生懸命(いつしやうけんめい)祈願(きぐわん)(はじ)めた。059(しか)(なが)(なに)(ほど)ウラナイ(けう)大神(おほかみ)(ねん)じても効験(ききめ)()いので、060今度(こんど)(こころ)みに、061三五教(あななひけう)大神(おほかみ)神名(しんめい)()へて一心不乱(いつしんふらん)念願(ねんぐわん)すると、062両人(りやうにん)(からだ)追々(おひおひ)(ぬく)みが(まは)り、063半時(はんとき)(ばか)りの(のち)にやうやう(いき)()(かへ)し、064ムクムクと()(あが)つて、065救命主(きうめいしゆ)大恩(だいおん)(しや)し、066(なみだ)(なが)らに感謝(かんしや)した。067(この)(をんな)はトルマン(じやう)脱出(だつしゆつ)した千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)である。068千草(ちぐさ)城内(じやうない)()()してから、069人通(ひとどほり)(すく)(さう)山野(さんや)(えら)んで此所(ここ)(まで)やつて()たが、070(はじ)めて二人(ふたり)死者(ししや)(よみがへ)らせ、071得意(とくい)頂点(ちやうてん)(たつ)し、
072『コレコレお(まへ)(たち)何処(どこ)泥棒(どろばう)かは()らね(ども)073(この)千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)此処(ここ)(とほ)らなかつたならば、074(たま)()(いのち)(すで)(すで)十万億土(じふまんおくど)()(ところ)()つて(しま)つて、075二度(にど)(ふたたび)(この)()(かへ)(こと)出来(でき)ないのだよ。076一体(いつたい)(まへ)()(なん)()()だい、077それを()いて()かねば、078日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)(おほ)ミロク(さま)へお(れい)(まをし)()げることが出来(でき)ないからなア』
079(をとこ)『ハイ、080(わたくし)はコブライと(まを)します。081一人(ひとり)はコオロと(まをし)まして、082(じつ)はタラハン(じやう)左守(さもり)(つかさ)幕下(ばくか)御座(ござ)いましたが、083フトした(こと)から勘当(かんだう)()けまして()()(どころ)なく、084タラハン(がは)()()げましたので御座(ござ)います。085其所(そこ)貴女様(あなたさま)にお(たすけ)(ねが)ひ、086斯様(かやう)(うれ)しい(こと)御座(ござ)いませぬ』
087千草(ちぐさ)『ア、088さうかいナ、089そりやお(まへ)090(いのち)のよい拾物(ひろひもの)だよ。091(この)千草姫(ちぐさひめ)地上(ちじやう)人間(にんげん)ぢやありませぬぞえ。092第一霊国(だいいちれいごく)天人(てんにん)093日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)094(おほ)ミロクの太柱(ふとばしら)095千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)(まを)(もの)だが、096衆生済度(しゆじやうさいど)(ため)(これ)から(つき)(くに)七千余国(しちせんよこく)巡歴(じゆんれき)する(つもり)だから、097(まへ)(たち)二人(ふたり)(この)千草(ちぐさ)両腕(りやううで)となつて、098天下(てんか)国家(こくか)(ため)大々的(だいだいてき)活動(くわつどう)()し、099天下(てんか)()()げる()はないかい。100そしてお(まへ)(たち)二人(ふたり)はどんな(わる)(こと)をしたのだい。101主人(しゆじん)から勘当(かんだう)()けるといふ(こと)は、102よくよくの(こと)でなければ()(はず)だが』
103コ『ハイ、104(はづか)しう御座(ござ)いますが、105玄真坊(げんしんばう)()天帝(てんてい)化身(けしん)(しよう)する修験者(しゆげんじや)泥棒様(どろばうさま)一緒(いつしよ)に、106左守(さもり)(つかさ)(やかた)(しのび)()み、107金庫(かねぐら)(ぢやう)捩折(ねぢを)つてる(ところ)(つかま)へられ、108牢獄(らうごく)打込(ぶちこ)まれたので御座(ござ)います』
109()(なん)とまア、110(まへ)も、111(つら)にも似合(にあは)悪党(あくたう)だな、112アハヽヽヽ。113(ぜん)(つよ)ければ(あく)にも(つよ)いと()(ことわざ)もある、114その(はう)(かへつ)(たの)もしい。115そして(その)玄真坊(げんしんばう)()修験者(しゆげんじや)如何(どう)なつたのかい』
116コ『ハイ、117三人(さんにん)一緒(いつしよ)身投(みなげ)をしましたが、118(その)()気絶(きぜつ)をしたものですから、119如何(どう)なつた(こと)()うなつた(こと)か、120チツとも(ぞん)じませぬ』
121()如何(いか)にも、122そらさうだろ。123(しか)(なが)此所(ここ)(くび)(だけ)()して()けられて()るコルブスがあるが、124(この)(つら)にお(まへ)(おぼ)えはないかの』
125三間(さんげん)(ばか)りの(かたはら)新墓(しんばか)()(しめ)す。126コブライ、127コオロの両人(りやうにん)一目(ひとめ)()るより、
128両人(りやうにん)『ア、129玄真(げんしん)さま……で御座(ござ)います。130(なん)とマア(えら)(こと)になつたものですな、131何卒(どうぞ)此奴(こいつ)(たす)けてやつて(くだ)さいますまいか。132(わたし)(たち)二人(ふたり)貴女(あなた)(たす)けられたとは()きますが、133()んでゐたので(なに)(わか)りませぬ。134本当(ほんたう)のこた、135(まへ)さまの神力(しんりき)(たす)かつたか、136(また)はハタの(ひと)(たす)けられたか(わか)りませぬが、137()(まへ)(この)玄真(げんしん)さまを(たす)けて(くだ)さつたら138弥々(いよいよ)吾々(われわれ)二人(ふたり)をお(まへ)さまが(たす)けて(くだ)さつたといふ証拠(しようこ)になりますからなア』
139()『コーラ、140(やつこ)141(なん)といふ(くち)(はば)つたい(こと)(まを)すのだい。142(この)千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)神力(しんりき)によつて(いのち)(たす)けられ(なが)ら、143左様(さやう)挨拶(あいさつ)があるものか。144(しか)(なが)無智(むち)蒙昧(もうまい)人外人足(にんぐわいにんそく)だから(なに)(わか)ろまい、145議論(ぎろん)よりも実地(じつち)だ。146それではお(まへ)(うたがひ)()らす(ため)に、147千草姫(ちぐさひめ)(いま)神力(しんりき)()せてやらうぞや。148(この)修験者(しゆげんじや)(たす)かつたが最後(さいご)149どこ(まで)(この)千草(ちぐさ)絶対服従(ぜつたいふくじゆう)をするだらうナ』
150コブ『そら、151さうですとも。152さうでなくても、153貴方(あなた)にどこ(まで)(したが)ひますと約束(やくそく)をしたのですもの、154現当利益(げんたうりやく)()せて(もら)へば文句(もんく)はありませぬワ』
155()(これ)から(わたし)(この)修験者(しゆげんじや)(よみがへ)らして()せるから、156キツと神様(かみさま)のお()(おぼ)えて()つて、157(その)御神徳(ごしんとく)(わす)れないやうにするのだよ』
158()(なが)ら、159(くび)から(うへ)()てゐるコルブスの(ひたひ)(しろ)(やはら)かい()をあて、160「ウラナイ(けう)大神(おほかみ)(すく)(たま)(たす)(たま)へ、161惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)」と一生懸命(いつしやうけんめい)(あせ)をタラタラ(なが)し、162(いの)れど(いの)れどビクともせぬ、163(よみがへ)(さう)気配(けはい)もない。164千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)二人(ふたり)(まへ)大法螺(おほぼら)()いた手前(てまへ)165如何(どう)しても此奴(こいつ)()かさねばおかぬと益々(ますます)一生懸命(いつしやうけんめい)になる。166(ほと)んど半時(はんとき)(ばか)(いの)れど(ねが)へど、167矢張(やつぱり)コルブスは(こほり)(ごと)(つめ)たい。168流石(さすが)千草(ちぐさ)()()169三五教(あななひけう)大御神(おほみかみ)(まも)(たま)(ゆる)(たま)へ」と宣直(のりなほ)した。170(たちま)(ひたひ)(ぬく)みが(まは)り、171青黒(あをぐろ)(つら)鮮紅色(せんこうしよく)()びて()た。172千草(ちぐさ)此処(ここ)ぞと173一生懸命(いつしやうけんめい)に「三五(あななひ)大神(おほかみ)(まも)(たま)(さきは)(たま)へ」と(いの)るにつれ、174大地(だいち)はビリビリと(ふる)()し、175コルブスを中心(ちうしん)として四方(しはう)八方(はつぱう)地割(ぢわれ)がなし、176「ウン」と一声(ひとこゑ)(れい)をかけるや(いな)や、177玄真坊(げんしんばう)死体(したい)三間(さんげん)(ばか)中天(ちうてん)()(あが)り、178ドスンと(もと)(ところ)()ちた拍子(ひやうし)にパツと()がつき、179目鼻(めはな)一所(ひとところ)へよせて、180四辺(あたり)二三回(にさんくわい)見廻(みまは)(なが)ら、
181(げん)『ヤ、182其処(そこ)()るのは、183コブライにコオロぢやないか。184あーア、185(こは)(ゆめ)()たものだのう』
186コブ『()し、187玄真坊(げんしんばう)さま、188(ゆめ)(どころ)(さわぎ)ぢやありませぬよ。189吾々(われわれ)三人(さんにん)追手(おつて)出会(であ)つて進退(しんたい)(きは)まり、190谷川(たにがは)投身(とうしん)して(すで)土佐衛門(どざゑもん)となつて()つた(ところ)191村人(むらびと)死体(したい)(ひろ)()げられ、192(まへ)さまは修験者(しゆげんじや)(こと)とて、193(くび)(だけ)()して、1931鄭重(ていちよう)(はうむ)られてあつたが、194吾々(われわれ)二人(ふたり)地上(ちじやう)遺棄(ゐき)されてゐたのだ。195そこへ(この)(ひめ)さまが(とほ)りかかつて、196(れい)とか(なん)とかをかけて(たす)けて(くだ)さつたのですよ。197(げん)にお(まへ)さまを(たす)けて(くだ)さつたのを実地目撃(じつちもくげき)したのは(この)コブライ、198コオロ、199サアサア御礼(おれい)(まを)しなさい。200(この)(ひめ)さまで御座(ござ)いますワイ』
201(げん)『あ、202これはこれは、203()くまアお(たす)(くだ)さいました。204ても(さて)御容貌(ごきれう)のよいお(ひめ)さまで御座(ござ)いますこと、205エヘヽヽヽ。206(これ)といふのも(まつた)神様(かみさま)のお仕組(しぐみ)御座(ござ)いませう。207(まる)(きり)(やみ)(くに)から日出国(ひのでのくに)(うま)(かは)つたやうな気分(きぶん)(いた)します。208(いのち)(おや)のお(ひめ)さま、209(これ)から如何(どん)(こと)でも貴女(あなた)御用(ごよう)なら(つと)めますから、210何卒(どうぞ)可愛(かあい)がつて使(つか)つて(くだ)さいませや』
211()『ホヽヽヽ、212(なん)とまア、213(これ)(だけ)念入(ねんい)りに不細工(ぶさいく)出来上(できあが)つた(つら)()(こと)はありませぬワ。214(しか)(なが)215どこ(とも)なしにキユーバーさまに()(ところ)がある(やう)だ、216(これ)からお(まへ)さまも、217(この)千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)がおイドを()けと()ふたら、218おイドでも()くのですよ。219(いのち)(たす)けて(もら)ふた御恩返(ごおんがへ)しと(おも)ふて、220口答(くちごたへ)(ひと)つしちや()けませぬぜ』
221(げん)『ヤ、222如何(どん)(こと)でも(うけたま)はりませうが、223(しり)()(こと)(だけ)は、224(わたし)人格(じんかく)(めん)じて(ゆる)して(いただ)きたいものです。225貴女(あなた)尻拭(しりふ)きする(くらゐ)なら、226(たす)けて(もら)はぬ(はう)(なに)(ほど)幸福(かうふく)()れませぬからなア』
227()『ホヽヽ、228(うそ)だよ(うそ)だよ、229(まへ)さまの(つら)一寸(ちよつと)人並(ひとなみ)(すぐ)れて(かは)つてゐるが、230どこ(とも)なしに()(おく)才気(さいき)()ちてゐるやうだ。231(まへ)さまを(なに)かの(たま)使(つか)つて、232(ひと)仕事(しごと)をやつたら面白(おもしろ)からう』
233(げん)『ヤ、234そこ(まで)(わたし)器量(きりやう)(みと)めて(いただ)けば満足(まんぞく)です。235(わたし)(いま)()うなつて、236みすぼらしい(ふう)(いた)して()りますが、237オーラ(さん)立籠(たてこも)り、238シーゴー、239依子姫(よりこひめ)などの豪傑(がうけつ)幕下(ばくか)使(つか)ひ、240三千(さんぜん)部下(ぶか)(したが)へ、241印度(いんど)七千余国(しちせんよこく)(わが)()(にぎ)らむと計画(けいくわく)してゐた天晴(あつぱれ)大丈夫(だいぢやうぶ)ですよ』
242()『あ、243(まへ)さまが、244()名高(なだか)いオーラ(さん)山子坊主(やまこばうず)だつたのか。245ヤ、246そら()(ところ)()ふた、247()(もの)見付(みつ)かつた、248()拾物(ひろいもの)をした。249さア、250(これ)からお(まへ)さまと夫婦(ふうふ)(ばけ)()んで、251(ひと)仕事(しごと)をやらうぢやないか』
252(げん)成程(なるほど)253面白(おもしろ)からう、254夫婦(ふうふ)にならうと()ふたな、255(その)(した)()(かわ)かぬ(うち)女房(にようばう)()んで()く。256コラ女房(にようばう)257千草姫(ちぐさひめ)258第一霊国(だいいちれいごく)天人(てんにん)259天来(てんらい)救世主(きうせいしゆ)260天帝(てんてい)化身(けしん)261天真坊(てんしんばう)宿(やど)(つま)262ヨモヤ不服(ふふく)はあるまいなア』
263()『お(まへ)さまと夫婦(ふうふ)になる(こと)(だけ)異議(いぎ)ありませぬ。264(しか)(なが)(わらは)こそ、265第一霊国(だいいちれいごく)天人(てんにん)266日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)267底津岩根(そこついはね)(おほ)ミロクの太柱(ふとばしら)268三千世界(さんぜんせかい)救世主(きうせいしゆ)269千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)だから、270神格(しんかく)(うへ)から、271(この)千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)(しゆ)であり、272(まへ)さまは従僕(じゆうぼく)となつて(もら)はねばならぬ(みたま)因縁(いんねん)だよ。273肉体上(にくたいじやう)からはお(まへ)さまが(をつと)千草(ちぐさ)(つま)()めて()きませう。274(まへ)さまの天帝(てんてい)化身(けしん)自分(じぶん)(こしら)へたのだらう。275そんな山子(やまこ)(これ)からは駄目(だめ)ですよ。276正真正銘(しやうしんしやうめい)第一霊国(だいいちれいごく)天人(てんにん)でなけら、277肝腎(かんじん)場合(ばあひ)(おい)て、278名実(めいじつ)ともなふ活動(はたらき)出来(でき)ませぬからな。279こんな(ところ)(くび)(だけ)()して()けられてるやうな神力(しんりき)()(こと)で、280天帝(てんてい)化身(けしん)なんて()つて(もら)へますまい』
281(げん)『イヤ、282モウ、283天帝(てんてい)化身(けしん)も、284第一霊国(だいいちれいごく)天人(てんにん)285(かぶ)を、2851女房(にようばう)のお(まへ)(ゆづ)らう、286(まへ)女房(にようばう)にさへすりや、287(おれ)やモウ満足(まんぞく)だからのう』
288()(いや)ですよ、289(ゆづ)つて(もら)はなくても、290(もと)から第一霊国(だいいちれいごく)天人(てんにん)291日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)292(おほ)ミロクの太柱(ふとばしら)293三千世界(さんぜんせかい)救世主(きうせいしゆ)294千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)ですもの』
295(げん)『あ、296(なん)(うへ)には(うへ)のあるものだな。297これ(だけ)美貌(びばう)弁舌(べんぜつ)とでやられたら、298大抵(たいてい)(をとこ)(まゐ)つて(しま)ふだろ』
299()『そら、300さうです(とも)301トルマン(ごく)王妃(わうひ)(ぼう)()つて、302(ただ)一人(ひとり)猛獣(まうじう)(たけ)(くる)原野(げんや)をやつて()るといふ(がう)(をんな)ですもの、303そんなこた、304()(だけ)野暮(やぼ)ですワ、305ホヽヽヽ』
306コオ『(なん)とマア、307(えら)(かた)(ばか)()られたものですな。308のうコブライ、309(まる)()(きつね)(つま)まれたやうぢやないか』
310コ『(おれ)ヤ、311モウ()いた(くち)がすぼまらぬワイ』
312()『コレコレ其処(そこ)(やつこ)さま、313(なん)()無礼(ぶれい)(こと)()ふのだ。314ミロクの太柱(ふとばしら)(あら)はれてゐるのに、315(きつね)(つま)まれたやうだとは(なん)ぢやいな。316(これ)から(きつね)のキの()()つては()けませぬよ』
317コオ『ハイ(おそ)()りまして御座(ござ)います、318玉藻前(たまものまへ)芝居(しばゐ)()金毛九尾(きんまうきうび)さまの御面相(ごめんさう)(あま)りによく()てるものだから、319つい(きつね)のやうだと(まを)して、320御機嫌(ごきげん)(そこ)ねましたのは(ひら)御託(おわび)(いた)します』
321(げん)『あ、322()うやら()()(さう)だ。323どつかへ324宿(やど)(もと)めて、325今晩(こんばん)はゆつくりと(かた)(あか)さうぢやありませぬか、326………ナニ(ちが)(ちが)ふ。327オイ女房(にようばう)千草(ちぐさ)328どつかで、329宿(やど)(もと)めて(ゆつ)くり(やす)まうかい、330ヨモヤ(いや)とは(まを)すまいのう』
331()『ホツホヽヽ、332立派(りつぱ)御主人(ごしゆじん)出来(でき)たものだ、333(これ)でもひだるい(とき)不味(まづい)ものなしだから……ホヽヽヽヽ』
334小声(こごゑ)(わら)ふ。335玄真坊(げんしんばう)半分(はんぶん)(ばか)(きき)かじり、
336『コラ女房(にようばう)337さう心配(しんぱい)するものぢやない、338(けつ)して不味物(まづいもの)()はさないよ。339ひだるい()もささないから、340(おれ)(まか)しておけ。341(かね)(この)(とほ)り、342胴巻(どうまき)一杯(いつぱい)つめてあるからのう』
343といひ(なが)ら、344(こし)(あたり)()をやつてみてビツクリ、
345『ヤ、346何時(いつ)()にか所持金(しよぢきん)()くなつてゐる。347コラ、348コブライ、349(きさま)()つたのぢやないか』
350コ『そんな殺生(せつしやう)(こと)()ひなさるな、351(なに)(ほど)泥棒(どろばう)でもお(まへ)さまの(かね)まで()りませぬよ。352(わたし)(ども)(かは)()()んだ(とき)353(みな)川底(かはぞこ)(おと)して(しま)つたのです。354(この)(とほり)無一文(むいちもん)です。355コオロだつて(その)(とほ)り、356一文(いちもん)だつて()つてゐやしませぬで』
357(げん)『あゝ、358(こま)つた(こと)だの、359それぢや、360今晩(こんばん)宿屋(やどや)(とま)(わけ)にはゆかず、361(なん)とか工夫(くふう)はあるまいかのう』
362()『ホヽヽヽ、363(なん)とまア、364スカン(ぴん)寄合(よりあひ)だこと、365(かね)でも()つて()(さう)なと(おも)ひ、366こんな茶瓶頭(ちやびんあたま)蜥蜴面(とかげづら)秋波(しうは)(おく)つて()たのだけれど、367文無(もんな)しと()いちや、368愛想(あいさう)もコソも()()てて(しま)つた。369エーエ(けが)らはしい、370何所(どこ)なつとお(まへ)さま勝手(かつて)()きなさい、371(この)千草(ちぐさ)一文(いちもん)(かね)()くても(この)美貌(びばう)(たね)に、372如何(どん)宿屋(やどや)にでも贅沢三昧(ぜいたくざんまい)をして(とま)つて()せませう。373(しか)(なが)らお(まへ)さまのやうなガラクタが()いてると、374女盗賊(をんなたうぞく)間違(まちが)へられるから御免(ごめん)(かうむ)りませう、375左様(さやう)なら』
376(たち)(あが)らうとする。377玄真坊(げんしんばう)一生懸命(いつしやうけんめい)(あし)にくらひつき、
378『コラ女房(にようばう)379一夜(いちや)(まくら)もかはさずに、380(うち)()()すと()(こと)があるか、381せめて今宵(こよひ)一夜(いちや)()つてくれ』
382()()(ぱら)(なか)で、383(うち)()()()()さぬもあるかい、384宿無(やどな)(もの)()385死損(しにぞこな)ひの蛸坊主(たこばうず)386おイドが(あき)れて雪隠(せんち)(をど)()すワイ』
387とふり()()(やう)ともがく。
388(げん)『オイ、389コブライ、390コオロの両人(りやうにん)391女房(にようばう)(しつか)(つかま)へてくれ。392(おれ)一人(ひとり)ではどうやら取放(とりはな)しさうだ』
393 コブライ、394コオロ両手(りやうて)(ひろ)げて、395(まへ)突立(つつた)ち、
396『コレコレ(おく)さま、397さう短気(たんき)(おこ)しちや()けませぬ、398(あんま)水臭(みづくさ)いぢやありませぬか。399小判(こばん)吾々(われわれ)三人(さんにん)(うご)けぬ(ほど)(こし)()いて()て、400(ふち)(おと)したのですから、401御入用(ごにふよう)とあれば(いのち)(まと)川底(かはそこ)から(ひろ)うて()せます、402どうか短気(たんき)(おこ)さぬ(やう)にして(くだ)さいませ』
403()『ホヽヽヽ、404一寸(ちよつと)405(あま)(すき)玄真(げんしん)さまだから、406(あい)程度(ていど)(ため)(ため)嘲弄(からか)つてみたのですよ。407どこ(まで)玄真(げんしん)さまは(この)千草姫(ちぐさひめ)(あい)して(くだ)さると()(こと)が、408只今(ただいま)行動(かうどう)()つて証明(しようめい)されました。409一遍(いつぺん)沢山(たくさん)黄金(わうごん)必用(ひつよう)()いけれど、410(この)千草(ちぐさ)命令(めいれい)する(ごと)に、411(まへ)さまは(この)(ふち)()()んで、412(その)(かね)(ひろ)つて()るでせうなア』
413コブ『ヘー、414(おほ)(まで)御座(ござ)いませぬ、415(わたし)だつて416可惜(あたら)(たから)水底(みなそこ)()てて()くのは勿体(もつたい)なう御座(ござ)います。417のうコオロ418さうぢやないか』
419コオ『ウンさう(とも)さう(とも)420(おれ)(きさま)(たから)はキーツと()()んだあの(ふち)(をさ)まつてるに(ちがひ)ない。421(しか)玄真(げんしん)さまのお(たから)は、422滅多(めつた)(かは)()()んでも(からだ)(はな)れる理由(りいう)がない。423あれ(だけ)しつかりと胴巻(どうまき)(くく)りつけてあつたのだもの。424ヒヨツとしたら、425(この)(はか)()つて()よ。426(この)(そこ)にあるかも()れぬ。427モシ玄真坊(げんしんばう)さま、428一寸(ちよつと)天帝(てんてい)さまに(うかが)つて(くだ)さいな』
429(げん)『ウン、430(たしか)にある、431()つてみてくれ』
432コ『ヤ、433貴方(あなた)のお言葉(ことば)とあらア間違(まちがひ)御座(ござ)いますまい、434()らう』
435二人(ふたり)(つめ)坊主(ばうず)になる(ところ)(まで)(つち)()()けて(そこ)(そこ)へと()()んだ。436五尺(ごしやく)(ばか)()つた(ところ)胴巻(どうまき)ぐるめ、437ドスンと(おも)たい(ほど)黄金(わうごん)()をむいてゐた。438コブライは()()(ばか)(よろこ)んで、
439『モシモシ玄真(げんしん)さま、440()りました()りました、441(よろこ)んで(くだ)さい』
442(げん)『そらさうだろ、443汝等(きさまら)二人(ふたり)黄金(わうごん)()についてゐないのだ、444(おれ)()についた(かね)だから(この)(とほり)(のこ)つてるのだ。445サ、446両人(りやうにん)(はや)()()げてくれ。447コレコレ女房(にようばう)448どうだ、449一寸(ちよつと)(この)(かね)()ろ、450(これ)(みな)(おれ)(かね)だ。451これ(だけ)ありや452(まへ)(おれ)とが三年(さんねん)五年(ごねん)(のみ)つづけても大丈夫(だいぢやうぶ)だよ』
453()(なん)貴方(あなた)(えら)いお(かた)ですな、454(わたし)(をつと)として(はづか)しからぬ人格者(じんかくしや)ですワ、455ホヽヽヽヽ。456コレコレ コブライ、457コオロの両人(りやうにん)458御苦労(ごくらう)だつたが、459まだ(この)(そこ)三尺(さんじやく)二尺(にしやく)()つて(くだ)さい、460ダイヤモンドがありますよ。461(わたし)神勅(しんちよく)によつて黄金(わうごん)以上(いじやう)(もの)があるといふ(こと)(わか)つたから……』
462コ『エ、463承知(しようち)しました、464貴女(あなた)(おほ)せなら()(そこ)(まで)()りますよ』
465とコオロと両人(りやうにん)(あせ)みどろになつて、466(つち)()()げてゐる。467玄真坊(げんしんばう)468千草(ちぐさ)二人(ふたり)(した)をペロリと()し、469手早(てばや)二人(ふたり)生埋(いきう)めにせむと、470一生懸命(いつしやうけんめい)(つち)(うへ)から()()み、471(そば)にあつた立石(たていし)をドスンと()せ、472立石(たていし)(うへ)(こし)うちかけ(なが)ら、473モウ(これ)大丈夫(だいぢやうぶ)()ふやうな面構(つらがまへ)で、474スパリスパリと千草姫(ちぐさひめ)煙草(たばこ)(ひつ)たくつて()うてゐる。
475()(なん)とマア厄介者(やくかいもの)二人(ふたり)ゐやがる、476如何(どう)したら()からうと心配(しんぱい)でならなかつたが、477矢張(やはり)以心伝心(いしんでんしん)478(まへ)さまの(こころ)(わたし)(こころ)はピツタリ()ふてゐたとみえて、479一言(ひとこと)()はずにこんな(はな)(わざ)をやつたのだから(めう)ですなア』
480(げん)本当(ほんたう)にさうだ、481(じつ)(おれ)此奴(こいつ)埋込(うめこ)んでやろと(おも)つたが、482(まへ)もさうだつたか、483こんな(やつ)がウロツキやがると二人(ふたり)(こひ)邪魔(じやま)になるし484将来(しやうらい)手足(てあし)(まとひ)になるが、485(これ)から二人(ふたり)でどつか宿(やど)(とま)るか、486見晴(みはらし)のよい(やま)(あが)つて神秘(しんぴ)(とびら)(ひら)くか、487(あるひ)神楽舞(かぐらまひ)でもやつて、488今日(こんにち)結婚(けつこん)内祝(うちいはひ)でもせうぢやないか』
489()『そら面白(おもしろ)いでせう。490宿屋(やどや)()つても(あや)しまれると一寸(ちよつと)具合(ぐあひ)(わる)いから、491そんなら今夜(こんや)月夜(つきよ)(さいはひ)492あのコンモリした(もり)(まで)()きませう。493あの(もり)にはキツと古堂(ふるだう)(ぐらゐ)()つてゐるでせうからね』
494(げん)『オイ、495モウ少時(しばらく)(この)(うへ)頑張(ぐわんば)つて()らねば、496彼奴(あいつ)生返(いきかへ)つて(あと)(おつ)かけて(きた)大変(たいへん)だぞ』
497()『ナーニそんな心配(しんぱい)()りますものか、498(この)千草姫(ちぐさひめ)神力(しんりき)霊縛(れいばく)をかけておきましたから、499(あな)(そこ)(いし)()うに(かた)まつてゐますよ。500サ、501(まゐ)りませう、502コレ玄真(げんしん)さま、503みつともない、504(よだれ)()きなさいナ』
505 玄真(げんしん)(あわて)(りやう)()(よだれ)手繰(たぐ)り、506(ひざ)のあたりに両手(りやうて)をこすりつけてゐる。
507()『マアマア(いや)なこと、508玄真(げんしん)さま509(よだれ)()(ひざ)()いたり、510(まる)着物(きもの)雑巾(ざふきん)(ひと)つだワ、511ホヽヽ』
512 (これ)より両人(りやうにん)月夜(つきよ)(みち)(みなみ)()り、513コンモリとした(やま)目当(めあて)(はし)りゆく。
514大正一五・二・一 旧一四・一二・一九 於月光閣 松村真澄録)
   
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