霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
テキストのタイプ[?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示[?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌[?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注[?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
外字1の色
外字2の色

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第二〇章 九官鳥(きうくわんてう)〔一八二九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻 篇:第3篇 転化退閉 よみ:てんかたいへい
章:第20章 九官鳥 よみ:きゅうかんちょう 通し章番号:1829
口述日:1926(大正15)年07月01日(旧05月22日) 口述場所:天之橋立なかや別館 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1929(昭和4)年4月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版: 八幡書店版:第12輯 691頁 修補版: 校定版:260頁 普及版:98頁 初版: ページ備考:
001 キユーバーは、002杢助(もくすけ)呶鳴(どな)りつけられ003高姫(たかひめ)には嘲笑(てうせう)され、004(ため)ごかしに五百円(ごひやくゑん)()つた北町(きたまち)(いへ)(もら)つた(こと)(もら)つたものの、005杢助(もくすけ)006高姫(たかひめ)(こと)だから、007何時(いつ)変替(へんがへ)()うて()るかも(わか)らない。
008キユーバー『エヽ本当(ほんたう)につまらない、009高姫(たかひめ)さまの提灯持(ちやうちんもち)をして町々(まちまち)をふれ(まは)り、010杢助(もくすけ)(やつ)()(ぬら)さずして結構(けつこう)神館(かむやかた)占領(せんりやう)し、011千草姫(ちぐさひめ)喋々喃々(てふてふなんなん)012意茶(いちや)ついて()るかと(おも)へば、013ごふ(ばら)(たま)らないワ。014()()015(ここ)(ひと)辛抱(しんばう)のし(どころ)だ、016時節(じせつ)()つて杢助(もくすけ)(たた)()し、017完全(くわんぜん)高姫(たかひめ)此方(こつち)(もの)となし018スガの神館(かむやかた)神司(かむづかさ)となつて(ひと)羽振(はぶり)()かしてやらう』
019と、0191伊万里焼(いまりやき)達磨(だるま)出来損(できそこ)なひのやうな面構(つらがまへ)(さら)(なが)悄々(しほしほ)(かへ)つて()く。020北町(きたまち)神館(かむやかた)(かへ)つて()ればきちん(ぢやう)()り、021こじても()ぢても、0211(ちつ)とも()かない。
022キユ『エヽ杢助(もくすけ)(やつ)023(ひと)馬鹿(ばか)にして()やがる。024()()て、025ひよつとしたら(となり)(もと)家主(やぬし)(かぎ)(あづ)けて()きやがつたかも()れぬ』
026(つぶや)(なが)樽屋(たるや)(おもて)(たち)はだかり、
027キユ『御免(ごめん)なさい、028拙僧(せつそう)はウラナイ(けう)本部(ほんぶ)高等役員(かうとうやくゐん)キユーバーですが、029もしや杢助(もくすけ)さまが(かぎ)でも(あづ)けては()かなかつたでせうか、030一寸(ちよつと)(たづ)(いた)します』
031 主人(しゆじん)久助(きうすけ)(かへる)()くやうな(めう)(こゑ)がするので(おもて)()()ると妖僧(えうそう)()つて()る。
032久助(きうすけ)『ヤ、033御用(ごよう)御座(ござ)いますかな』
034キユ『(べつ)(よう)()ふやうな(こと)はありませぬが、035今日(けふ)からあの神館(かむやかた)拙僧(せつそう)所有物(しよいうぶつ)となり居住(すまゐ)する(つも)りです。036杢助(もくすけ)さまが(かぎ)でも(あづ)けて()きはしませぬかな』
037(きう)(たしか)(あづ)かつて()ますが、038………この(かぎ)(たれ)()ても(わた)して()れな………との(おほ)せ、039仮令(たとへ)貴方(あなた)がお()ひになつても滅多(めつた)にお(わた)(まを)(わけ)には(まゐ)りませぬ』
040キユ『元来(ぐわんらい)この()代金(だいきん)拙者(せつしや)三百円(さんびやくえん)041杢助(もくすけ)さまが三百円(さんびやくえん)()して()つたのですから、042当然(たうぜん)半分(はんぶん)拙者(せつしや)(もの)043(しか)(なが)044(まへ)さまも()いて()られるだらうが、045スガの(みや)神館(かむやかた)問答(もんだふ)結果(けつくわ)046杢助(もくすけ)さまの領有(りやういう)となり、047最早(もはや)(この)神館(かむやかた)不必用(ふひつよう)となつたので、048拙僧(せつそう)()つて()れぬかとのお(たの)みだから、049(のこ)三百円(さんびやくえん)をおつ()()(いま)()つて()たのですよ。050(あや)しう(おも)はれるのなら、051(あま)(とほ)くもないからスガの神館(かむやかた)(まで)()つて調(しら)べて()(くだ)さい』
052(きう)『あのお(かね)はさうすると貴方(あなた)半分(はんぶん)()しなさつたのですか、053ヘエー』
054キウ『さうですとも、055拙僧(せつそう)はスコブッツエン(しう)教祖(けうそ)大黒主(おほくろぬし)(さま)片腕(かたうで)とも()ふべき豪僧(がうそう)だ、056何時(いつ)もお(かね)(ふところ)()()いて()る。057杢助(もくすけ)(ごと)きは諸国修業(しよこくしうげふ)遍歴者(へんれきしや)だからお(かね)()らう(はず)はなし、058(はなし)()けば、059ハルの(みづうみ)高砂丸(たかさごまる)()()み、060高姫(たかひめ)暴風雨(しけ)()うて沈没(ちんぼつ)したので、061夫婦(ふうふ)(とも)真裸(まつぱだか)となり、062(いのち)辛々(からがら)スガの(みなと)()いた(くらゐ)だから、063一文半銭(いちもんきなか)(かね)()つて()道理(だうり)がないのだ。064あの三百円(さんびやくえん)(じつ)(あや)しいものだよ。065どこかで何々(なになに)して()よつたのかも()れたものぢやない』
066(きう)『アヽ左様(さやう)御座(ござ)いますか。067そんなら如才(じよさい)御座(ござ)いますまいから(かぎ)をお(わた)(まをし)ます』
068(ふところ)より()()しキユーバーに(わた)した。069キユーバーは機嫌(きげん)(なほ)しながら(かた)四角(しかく)(ゆす)り、070北町(きたまち)小路(こうぢ)大股(おほまた)(また)げて(かへ)()く。
071キユ『ヤア(ひさ)(ぶり)(おれ)()出来(でき)たワイ、072()では()073御本丸(ごほんまる)出来(でき)たのだ。074弥々(いよいよ)今日(けふ)から北町城(きたまちじやう)城主(じやうしゆ)天然坊(てんねんばう)キユーバーの君様(きみさま)だ。075()うなると第一(だいいち)必要(ひつえう)なものは嬶村屋(かかむらや)だ、076(いな)女帝様(によていさま)だ。077(いづ)れこの神館(かむやかた)へは()つとは(うつく)しい(をんな)(まゐ)つて()るだらう、078四五日(しごにち)(うち)物色(ぶつしよく)して、079これぞと()(やつ)(えら)()し、080当座(たうざ)(はな)ふさぎに()()()んで()かう、081その(あひだ)千草姫(ちぐさひめ)(なん)とかならうから』
082(など)(ひとり)(ごと)をほざき(なが)ら、083押入(おしい)れから夜具(やぐ)()つぱり()し、084揚股(あげまた)をうつて()仕舞(しま)つた。
085 (しばら)くすると、086トントンと表戸(おもてど)(たた)いて(となり)のお(さん)がやつて()た。
087(さん)御免(ごめん)なさいませ、088キユーバー(さま)はお(たく)御座(ござ)いますか』
089武士(ぶし)()(くつわ)(おと)()()まし
090乞食(こじき)()茶碗(ちやわん)(おと)()()まし
091キユーバーは(をんな)(こゑ)()()ます
092寝呆(ねぼ)けた(かほ)()でながら
093ひびきのいつた濁声(だくせい)
094キユ『ハイハイハイハイようお()
095何用(なによう)あつて御座(ござ)つたか
096御用(ごよう)(おもむ)()きませう』と
097寝床(ねどこ)()つて(あが)(ぐち)
098火鉢(ひばち)(まへ)四角(しかく)ばり
099(さん)(かほ)(ねめ)つける
100(さん)はぎよつとしながらも
101揉手(もみで)をなして丁寧(ていねい)
102(すず)()るよな(こゑ)()して
103(さん)『これはこれは当家(たうけ)(あるじ)のキユーバー(さま)
104(やす)(ちう)(おどろ)かしまして
105(まこと)(まをし)(わけ)御座(ござ)いませぬ
106(わたし)主人(しゆじん)()ひつけで
107(うかが)(まを)しに(まゐ)りました
108やがて主人(しゆじん)()えますから
109何処(どこ)へも()つては(くだ)さるな』
110()へばキユーバーは禿頭(はげあたま)
111(たて)(ゆすぶ)つて(よだれ)()
112キウ『てもまア綺麗(きれい)(をんな)だな
113(おれ)もお(まへ)()(とほ)
114今日(けふ)から此所(ここ)(あるじ)とはなつたれど
115(めし)たく(をんな)もない始末(しまつ)
116(まへ)のやうな渋皮(しぶかは)
117()けた(をんな)をいつ(まで)
118宿屋(やどや)下女(げぢよ)にしておくは
119可惜(あつたら)ものよ勿体(もつたい)ない
120おほかたお(まへ)(おれ)女房(にようばう)
121(もら)うて()れとの掛合(かけあひ)
122久助(きうすけ)さまがエチエチと
123媒介(なかうど)せうとて()るのだらう
124(まへ)(おれ)()うたなら
125今日(けふ)から此方(ここ)奥様(おくさま)
126この家屋敷(いへやしき)もすつかりと
127(まへ)(おれ)共有物(きよういうぶつ)
128(にはか)蠑螈(いもり)(りう)となり
129天上(てんじやう)したよな出世(しゆつせ)ぞや
130キユーバー(つかさ)救世主(きうせいしゆ)
131(まへ)(ため)には(ふく)(かみ)
132あまり(にく)うはあるまい』と
133(まが)つた(くち)から()()てる
134(さん)(かほ)(あか)くして
135(さん)『これこれ(まを)しキユーバーさま
136そんな(はなし)ぢやありませぬ
137(ふか)様子(やうす)()らね(ども)
138杢助(もくすけ)さまが(わた)された
139(かね)がさつぱり(よる)()
140()()になつて仕舞(しま)うたと
141親方(おやかた)さまの御立腹(ごりつぷく)
142これや()うしては()られない
143役人衆(やくにんしう)(うつた)へて
144(まへ)杢助(もくすけ)夫婦(ふうふ)をば
145(しば)つて(もら)ふかと御相談(ごさうだん)
146(わたし)()くに()()ねて
147まうしまうし御主人様(ごしゆじんさま)
148御立腹(ごりつぷく)(あそ)ばすは(もつと)もなれど
149短気(たんき)損気(そんき)(まをし)ます
150(ひと)()(となり)のキユーバーさまに
151実否(じつぴ)(ただ)した(その)(うへ)
152(うつた)へなさるが()からうと
153(まをし)()げたら御主人(ごしゆじん)
154そんならお(まへ)(まか)すから
155キユーバーが()るか()らないか
156調(しら)べて()いとの御命令(ごめいれい)
157よもや如才(じよさい)はありますまいが
158贋札(にせさつ)などを使(つか)うたら
159(かみ)規則(きそく)()らされて
160(くさ)いお(まんま)()はにやならむ
161それが()(どく)(おも)うた(ゆゑ)
162主人(しゆじん)鋭鋒(えいほう)()めおいて
163親切(しんせつ)づくで()ましたよ』
164()へばキユーバーは(おどろ)いて
165キユ『そんな怪体(けたい)(こと)あろか
166正真正銘(しやうしんしやうめい)百円札(ひやくゑんさつ)
167()()れさうな(あたら)しい
168立派(りつぱ)なお(かね)ぢやなかつたか
169昨夜(さくや)(あひだ)泥棒(どろばう)
170(まへ)(うち)()()んで
171(かね)をすつかりかつ(さら)
172()()とかへておいたのだらう
173そんな馬鹿(ばか)らしい出来事(できごと)
174三千世界(さんぜんせかい)にあるものか
175(なに)()(かく)久助(きうすけ)
176()れて()()いキユーバーが
177天地(てんち)道理(だうり)()(きか)
178疑念(うたがひ)(はら)してやる(ほど)
179アハヽヽハヽヽ(わけ)もない
180しやつちもない(こと)()うて()る』
181などと(うそぶ)(とり)()はぬ
182(さん)()むなく(たち)(かへ)
183主人(しゆじん)(まへ)両手(りやうて)つき
184キユーバーの言葉(ことば)(その)(まま)
185委曲(つぶさ)(かた)れば久助(きうすけ)
186しきりに(くび)()(なが)
187キユーバー(やかた)をさして()
188キユーバーは(また)もや揚股(あげまた)
189()つて鼻歌(はなうた)(うた)ひつつ
190冥想(めいさう)(ふけ)(をり)もあれ
191表戸(おもてど)ガラリと引開(ひきあ)けて
192血相(けつさう)(あら)()(きた)
193樽屋(たるや)(あるじ)久助(きうすけ)
194御免(ごめん)なさいと慳貪(けんどん)
195言葉(ことば)(はし)(あら)らかに
196(には)にすつくと()つたまま
197久助(きうすけ)山子坊主(やまこばうず)のキユーバーさま
198(まへ)はよつぽど悪党(あくたう)
199杢助(もくすけ)夫婦(ふうふ)(はら)(あは)
200魔法(まはふ)使(つか)つて()落葉(おちば)
201(かね)()せかけ甘々(うまうま)
202大事(だいじ)大事(だいじ)(わが)(いへ)
203横領(わうりやう)いたした曲者(くせもの)
204もう了見(れうけん)はならない(ほど)
205如何(どん)()(わけ)なさろとも
206(けつ)して(みみ)()しませぬ
207バラモン役所(やくしよ)(うつた)へて
208(わたし)(しろ)いかお前等(まへら)
209(はら)(くろ)いかきつぱりと
210()けて(もら)はにやおきませぬ
211覚悟(かくご)()めて()(くだ)されよ
212いま番頭(ばんとう)をお役所(やくしよ)
213出頭(しゆつとう)さしておきました
214やがて縄目(なはめ)(はぢ)をかき
215町内(ちやうない)(くま)なく籐丸籠(とうまるかご)()せられて
216詐欺(さぎ)横領(わうりやう)罪人(ざいにん)
217()(まは)されて町人(まちびと)
218(わら)ひの(たね)となつた(うへ)
219(まへ)(いのち)風前(ふうぜん)
220燈火(とうくわ)となつて()えるだろ
221南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)阿弥陀仏(あみだぶつ)
222頓生菩提(とんしやうぼだい)惟神(かむながら)
223目玉(めだま)()()しましませ』と
224(からだ)をぷりぷりゆすりつつ
225(しきゐ)()たてて(かへ)()
226(あと)にキユーバーは()()んで
227キユ『自分(じぶん)(かね)でもないものを
228自分(じぶん)(かね)だと法螺(ほら)()いた
229(その)天罰(てんばつ)(むく)()
230杢助(もくすけ)夫婦(ふうふ)罪科(つみとが)
231相伴(しやうばん)せなくちやならないか
232ほんに(おも)へば口惜(くちを)しい
233(むかし)聖人(せいじん)(をしへ)にも
234(くち)(わざはひ)(もん)とやら
235もうこれからは心得(こころえ)
236(けつ)して(うそ)()はうまい
237とは()ふものの(この)(あか)
238どしたらはつきり()つだらう』
239などと青息吐息(あをいきといき)つき
240表戸(おもてど)ぴしやりと()きしめて
241離棟(はなれ)(やかた)立籠(たてこも)
242(なか)から(ぢやう)(おろ)しおき
243長持(ながもち)()けて(なか)()
244布団(ふとん)(かぶ)つて(ふる)()
245キユーバーの()こそ(あは)れなり。
246大正一五・七・一 旧五・二二 於天之橋立なかや別館 加藤明子録)