霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

霊界物語 特別篇 筑紫潟(つくしがた)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻 篇:後付 よみ(新仮名遣い):
章:筑紫潟 よみ(新仮名遣い):つくしがた 通し章番号:
口述日:1926(大正15)年06月29日(旧05月20日) 口述場所:天之橋立 掬翠荘 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1929(昭和4)年4月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm729901
愛善世界社版:289頁 八幡書店版:第12輯 707頁 修補版: 校定版:301頁 普及版:116頁 初版: ページ備考:
001()烏羽玉(うばたま)(やみ)となり
002山河(さんか)草木(さうもく)ことごとく
003言問(ことと)ひさやぐ()(なか)
004常磐(ときは)堅磐(かきは)(まつ)()
005(をさ)めむ()めと厳御魂(いづみたま)
006天津(あまつ)御神(みかみ)御言(みこと)もて
007豊葦原(とよあしはら)瑞穂国(みづほくに)
008(あや)高天(たかま)天降(あも)りまし
009至善(しぜん)至美(しび)なる御教(みをしへ)
010蒼生(あをひとぐさ)()(さと)
011(あした)(ひがし)(よる)西(にし)
012南船(なんせん)北馬(ほくば)(なん)()
013(かみ)稜威(みいづ)伊都能売(いづのめ)
014天津誠(あまつまこと)()べませど
015(あく)(おぼ)れし()(なか)
016(かみ)言葉(ことば)(まつろ)はで
017(ちから)かぎりに刃向(はむか)ひつ
018沐雨(もくう)櫛風(しつぷう)苦業(くげふ)さへ
019水泡(みなわ)()せむとなせし(をり)
020天津(あまつ)御神(みかみ)(かしこ)くも
021(いづ)御霊(みたま)杖柱(つゑはしら)
022(うづ)御教(みのり)(たす)けむと
023(みづ)(みたま)(くだ)しまし
024瑞穂(みづほ)(くに)中心(ちうしん)
025高天原(たかあまはら)(きづ)かせつ
026(たて)(よこ)との(はた)をおり
027(こころ)(きよ)(くれなゐ)
028(にしき)(のり)()れたまふ
029手段(てだて)となして(かしこ)くも
030明治(めいぢ)二十五(にじふご)(ねん)より
031天津(あまつ)御神(みかみ)御心(みこころ)
032(ふで)(うつ)して詳細(つばらか)
033蒼生(あをひとぐさ)(をし)へます
034(その)神文(かみぶみ)一々(いちいち)
035清書(きよがき)せよと(めい)ぜられ
036()()(ばか)(いさ)()
037()()もなしに慢心(まんしん)
038階段(かいだん)えちえち(よぢ)(のぼ)
039(かみ)見出(みだ)しに(あづか)りし
040(われ)こそ(まこと)信仰(しんかう)
041(こころ)(くろ)黒姫(くろひめ)
042神書(みふみ)(こころ)をとり(ちが)
043(みづ)(みたま)()(ごと)
044(のこ)らず(まが)(へん)しつつ
045小北(こぎた)(やま)()ぐひたる
046ウラナイ(けう)偽教主(にせけうしゆ)
047鼻高姫(はなたかひめ)諸共(もろとも)
048魔我彦(まがひこ)(いざな)聖地(せいち)をば
049(あと)見捨(みす)てて()でてゆく
050いよいよ陰謀(いんぼう)七八分(しちはちぶ)
051成功(せいこう)なさむとせし(とき)
052(みづ)(みたま)(おごそ)かに
053(あま)岩屋戸(いはやど)()(ひら)
054天地(てんち)(ふさ)がる叢雲(むらくも)
055伊吹(いぶき)(はら)ひに(はら)ひまし
056御空(みそら)(たちま)五色(いついろ)
057祥雲(しやううん)(たな)()日月(じつげつ)
058(きよ)(ひかり)曲神(まがかみ)
059(かしら)(たちま)射照(いてら)せば
060黒姫(くろひめ)身魂(みたま)巣食(すく)ひたる
061常世(とこよ)(くに)曲神(まがかみ)
062(けが)れし身体(からたま)ぬけ(いだ)
063(ちから)()ちて身体(からたま)
064(たちま)(かみ)冥罰(めいばつ)
065(かうむ)百日(ももか)百夜(ももよさ)
066修祓(しうばつ)うけて()へなくも
067(いのち)(おや)(たの)みたる
068高山彦(たかやまひこ)(のこ)()
069黒白(あやめ)()かぬ烏羽玉(うばたま)
070(くら)黄泉路(よみぢ)旅立(たびた)ちて
071八衢(やちまた)街道(かいだう)()(つじ)
072鼻高姫(はなたかひめ)精霊(せいれい)
073出会(でくは)種々(しゆじゆ)物語(ものがた)
074天国(てんごく)地獄(ぢごく)問答(もんだふ)
075いと諄々(じゆんじゆん)(はじ)めける
076()経緯(いきさつ)瑞霊(みづみたま)
077或夜(あるよ)(ゆめ)八衢(やちまた)
078精霊(せいれい)()でて()()りし
079一伍(いちぶ)一什(しじふ)顛末(てんまつ)
080(ここ)にあらあら()()つる
081(とき)昭和(せうわ)第二(だいに)(ねん)
082(しん)(じふ)(ぐわつ)十九(じふく)(にち)
083(かみ)(こころ)筑紫潟(つくしがた)
084肥前(ひぜん)(くに)島原(しまばら)
085南風楼(なんぷうろう)二階(にかい)()
086北極星(ほくきよくせい)(まくら)とし
087加藤(かとう)明子(はるこ)(ふで)とらせ
088(くち)(ほど)きたる物語(ものがたり)
089()ぶるも(たの)惟神(かむながら)
090(かみ)のまにまに(はじ)めゆく
091あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
092御霊(みたま)(さち)(はへ)()しませよ。
093 天地(てんち)寂然(せきぜん)として黒雲(くろくも)(みなぎ)り、094濃霧(のうむ)四辺(あたり)(つつ)み、095(ひる)なほ(くら)()(ごと)くにして咫尺(しせき)(べん)ぜず、096(むし)(あつ)(いや)らしき悪臭(あくしう)()びたる空気(くうき)身辺(しんぺん)(おそ)ふ。097八万(はちまん)地獄(ぢごく)草枕(くさまくら)098(たび)()()黒姫(くろひめ)(まが)精霊(せいれい)は、099(ただ)一人(ひとり)小声(こごゑ)(つぶや)きながら、100(なほ)現界(げんかい)(わが)肉体(にくたい)のあるものと(しん)じ、
101黒姫(くろひめ)『いよいよ()終末(しうまつ)(ちか)づけり、102日月(じつげつ)(てん)(かがや)けども、103世道(せだう)人心(じんしん)紊乱(ぶんらん)(きよく)(たつ)104中空(なかぞら)妖雲(えううん)(おこ)りて105(しも)万民(ばんみん)1051飢渇(きかつ)(くる)しむ。106(とき)(いま)なり(とき)(いま)なり、107(わらは)こそは、108(いづ)(みたま)恩命(おんめい)(はい)し、109(この)暗黒(あんこく)()をして110光明(くわうみやう)世界(せかい)転換(てんくわん)すべき大責任(だいせきにん)双肩(さうけん)(にな)へり。111あゝ高山彦(たかやまひこ)は、112(なに)(くる)しみてか躊躇(ちうちよ)逡巡(しゆんじゆん)する、113()()(かみ)(にく)(みや)114高姫司(たかひめつかさ)何処(いづこ)にありや。115神諭(しんゆ)()()(をは)りの(とき)(いた)らば、116至誠(しせい)至実(しじつ)神柱(かむばしら)(さん)(にん)あれば()なりと()く、117その(さん)(にん)とは、118竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)殿(どの)(にく)(みや)(この)黒姫(くろひめ)身魂(みたま)(はじ)め、119()()(かみ)肉宮(にくみや)とあれます小北山(こぎたやま)高姫司(たかひめつかさ)120高山彦(たかやまひこ)をおきて(ほか)(まこと)神柱(かむばしら)()(あら)じ、121あゝ(おも)へば(おも)へば()身魂(みたま)責任(せきにん)(ぢう)()(だい)なる、122古今(ここん)(その)()()ず、123東西(とうざい)(その)(れい)()かず。124変性(へんじやう)女子(によし)身魂(みたま)自称(じしよう)せる(かれ)贋神柱(にせかむばしら)末路(まつろ)()よ、125(かれ)(ひかり)螢火(ほたるび)にも()かず、126(かれ)()(しん)瑞霊(ずゐれい)なりせば127(この)()終末(しうまつ)(さい)し、1271一大(いちだい)火光(くわくわう)となりて、128せめては地上(ちじやう)低空(ていくう)飛翔(ひしやう)往来(わうらい)万民(ばんみん)()()ませ、129神聖(しんせい)神国(しんこく)樹立(じゆりつ)すべきに(あら)ずや。130口先(くちさき)ばかりの瑞霊(ずゐれい)131(その)(かげ)(うす)きこと、132(ふゆ)夕日(ゆふひ)()かず。133あゝ(いた)れり(いた)れり、134()願望(ぐわんまう)成就(じやうじゆ)時期(じき)135高姫(たかひめ)(きた)れ、136高山彦(たかやまひこ)137(われ)につづけ』
138()ばはりながら、139木枯(こがらし)(すさ)茅野原(かやのはら)を、140神官扇(しんくわんあふぎ)右手(めて)()ち、141左手(ゆんで)にコーランを(たづさ)へて、142八衢(やちまた)街道(かいだう)入口(いりぐち)に、143かかる(をり)しも(むか)ふより、144(はぎ)(あら)はにいそいそと、145金剛杖(こんがうづゑ)をつき(なが)ら、146(かみ)()(みだ)しだん(じり)を、147ぷりんぷりんと右左(みぎひだり)148振舞(ふりま)ひながらやつて()る。149(をんな)()はずと()れた小北山(こぎたやま)150()()(かみ)自称(じしよう)する高姫司(たかひめつかさ)精霊(せいれい)ぞ。
151高姫(たかひめ)『マアマアマアマア、152黒姫(くろひめ)さまぢやないかいな。153此処(ここ)何処(どこ)ぢやと(おも)つて()ますか。154生前(せいぜん)()()(かみ)()(こと)を、155半信(はんしん)半疑(はんぎ)態度(たいど)()いて()たものだから神罰(しんばつ)覿面(てきめん)156(まへ)さまはこれから地獄(ぢごく)(たび)(むか)ふのぢやないか。157生前(せいぜん)には比較(ひかく)(てき)豊満(ほうまん)霊衣(れいい)もすつかりと剥脱(はくだつ)され、158(かたち)ばかりの三角形(さんかくけい)霊衣(れいい)(ひたひ)(いただ)いて()るスタイルは、159まるきり地獄(ぢごく)八丁目(はつちやうめ)(ある)いとる亡者(まうじや)ですよ。160あゝもう(いま)となつては161(この)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)も、1611(まへ)さまを(たす)ける(わけ)には()きませぬわ、162マアマアマア163えらい(こと)になりましたなア』
164()(まる)うし、165(くち)(とが)らして名乗(なの)りかけた。
166黒姫(くろひめ)『どこの乞食婆(こじきばば)がやつて()るのかと(おも)へばお(まへ)さまは高姫(たかひめ)さまぢやないか、167(この)(ごろ)天地(てんち)暗澹(あんたん)として四辺(しへん)(くら)く、168空気(くうき)(わる)いので169まあまあ()(どく)な、170()(まへ)病気(びやうき)()発狂(はつきやう)しなさつたのだらう。171(ちつ)(しつか)りして(もら)はぬと竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)肉宮(にくみや)(こま)るぢやありませぬか、172ホヽヽヽ。173あのまあ()むつかしいスタイルだこと、174こんな(とこ)大将軍(たいしやうぐん)(さま)にお()にかけたら175(せん)(ねん)(こひ)一度(いちど)にさめますぞや』
176高姫(たかひめ)『ほつといて(くだ)さい、177黒姫(くろひめ)さま、178(まへ)さまは聖地(せいち)(おい)慢心(まんしん)した結果(けつくわ)179日出(ひのでの)(かみ)(をしへ)(そむ)き、180神罰(しんばつ)(かうむ)つて百日(ももか)百夜(ももよ)修祓(しうばつ)()け、181筍笠(たけのこがさ)のやうに(ほね)(かは)とになつて182国替(くにが)へをなさつたのぢやないか。183それでもまだ現界(げんかい)()きて()(つも)りですか。184(なん)とまあ慢心(まんしん)した身魂(みたま)(まよ)ふたのは可愛(かあい)さうなものだなア。185あゝ底津(そこつ)岩根(いはね)(おほ)ミロク(さま)186(この)黒姫(くろひめ)さまも一度(いちど)竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(にく)(みや)(まで)(つと)めた神界(しんかい)殊勲者(しゆくんしや)ですから、187如何(いか)なる(つみ)がありませうとも、188神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)()(なほ)し、189どうか地獄(ぢごく)()きだけはお(ゆる)(くだ)さいまして、190せめては第三(だいさん)天国(てんごく)入口(いりぐち)(まで)なと(あげ)てやつて(くだ)さいませ、191惟神(かむながら)(たま)()(はへ)()()
192両眼(りやうがん)より(たま)(なみだ)(したた)らせながら、193(てん)(むか)つて合掌(がつしやう)する。
194黒姫(くろひめ)高姫(たかひめ)さま、195(しつか)りして(くだ)さい。196(けつ)してこの竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)()んだ(おぼ)えは御座(ござ)いませぬよ。197(まへ)さま(あま)慢心(まんしん)(つよ)くて信仰(しんかう)()(ぱら)つたものだから、198これ(ほど)ピチピチして()(わたし)亡者(まうじや)間違(まちが)へてゐるのですよ、199なる(ほど)百日(ももか)百夜(ももよ)修祓(しうばつ)()けたのは事実(じじつ)です。200(しか)しまだ()んだ(おぼ)えはありませぬ。201かう常暗(とこやみ)()(なか)となつては、202世界(せかい)万民(ばんみん)(たす)ける()めに、203底津(そこつ)岩根(いはね)(おほ)ミロク(さま)神柱(かむばしら)204日出(ひのでの)(かみ)生宮(いきみや)(かね)たお(まへ)さまが(しつか)りして(もら)はなくちや、205どうしてミロクの()建設(けんせつ)せられませう。206(まへ)さまは、207あまり大将軍(たいしやうぐん)さまに(うつつ)()かし、208(こひ)()(くら)んで千騎(せんき)一騎(いつき)(この)場合(ばあひ)になつて(はう)けたのでせう。209あゝ高姫(たかひめ)さま、210()(どく)(かた)ぢやなア、211伊都能売(いづのめ)大神(おほかみ)(さま)212(てん)(おほ)ミロク(さま)213三千(さんぜん)世界(せかい)人民(じんみん)可愛(かあい)さうと(おぼ)()すなら、214どうぞこの高姫(たかひめ)さまの狂人(きちがひ)本心(ほんしん)()(なほ)らして(くだ)さいませ、215高姫(たかひめ)さまさへ(もと)正気(しやうき)にお(かへ)りなされば(わたし)肉体(にくたい)はいつ国替(くにがへ)しても(かま)ひませぬ』
216高姫(たかひめ)『あーあ、217仕方(しかた)のないものぢやな。218これ(ほど)()うても黒姫(くろひめ)さまの精霊殿(せいれいどの)(わか)らぬのかいな。219エヽぢれつたい、220惟神(かむながら)(たま)()(はへ)()()
221黒姫(くろひめ)『あゝ高姫(たかひめ)さまも(わか)らぬやうになつたものぢやなア、222(なが)らく聖地(せいち)(はな)れて小北山(こぎたやま)(ぢん)どり、223(いわし)昆布巻(こぶまき)になつて()るものだから、224肝腎(かんじん)(とき)に、225発狂(はつきやう)して仕舞(しま)つたのだらう。226(いき)()るか、227()んで()るか、228見分(みわ)けのつかぬやうになつては、229神柱(かむばしら)(なに)もあつたものぢやない。230あゝ()(どく)だなア』
231
232高山彦(たかやまひこ)朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
233(つき)()つとも()くるとも
234たとへ大地(だいち)(しづ)むとも
235曲津(まがつ)(かみ)(すさ)ぶとも
236(まこと)(こころ)にや(かな)はない
237小北(こぎた)(やま)より遥々(はるばる)
238高姫(たかひめ)さまや黒姫(くろひめ)
239山川(やまかは)千里(せんり)()(なが)
240幾十回(いくじつくわい)(かぎ)()
241(あし)(はこ)びし熱誠(ねつせい)
242つい(うご)かされ老骨(ろうこつ)
243ひつさげ(なが)神界(しんかい)
244御用(ごよう)(はし)(つか)へむと
245妻子(つまこ)(あと)振捨(ふりすて)
246浪花(なには)(さと)(なが)()
247花柳(くわりう)(ちまた)(いと)ひなく
248(かみ)(おん)()(みち)()
249(からす)のやうな黒姫(くろひめ)
250老後(らうご)(つま)(さだ)めつつ
251小北(こぎた)(やま)()きかへり
252(にせ)(をしへ)()らずして
253()出神(でのかみ)自称(じしよう)する
254高姫(たかひめ)さまの筆先(ふでさき)
255一字(いちじ)(のこ)らず()(つく)
256(その)収穫(しうくわく)五里(ごり)霧中(むちう)
257荒野(あらの)彷徨(さまよ)心地(ここち)にて
258三年(みとせ)四年(よとせ)()ぎけるが
259(すめ)大神(おほかみ)御心(みこころ)
260(そむ)きし()めか黒姫(くろひめ)
261百日(ももか)百夜(ももよ)(くるし)みを
262()()(なが)(さび)しげに
263(われ)見捨(みす)てて神去(かむさ)りぬ
264さは()(なが)人間(にんげん)
265神代(かみよ)(むかし)因縁(いんねん)
266()ちて(うま)れしものなれば
267如何(いか)(きたな)黒姫(くろひめ)
268()女房(にようばう)(あきら)めつ
269くだらぬ(をしへ)(つつし)みて
270()()たるこそ(うた)てけれ
271今日(けふ)吾妹(わぎも)昇天(しようてん)
272百日祭(ひやくにちさい)になりぬれば
273(こころ)手向(たむけ)をなさむとて
274(みたま)(しづ)まる奥津城(おくつき)
275(はな)(そな)へむと(すす)むなり
276黒姫(くろひめ)(はた)して(れい)あらば
277(われ)一言(ひとこと)(いま)(まで)
278誤解(ごかい)(しや)せよ天地(あめつち)
279(かみ)御前(みまへ)()()して
280(かみ)(そむ)きし罪業(ざいごふ)
281()(あらた)めて()(くに)
282(そこ)(くに)なる(くる)しみを
283よく(たす)かれよ惟神(かむながら)
284(かみ)(なんぢ)(とも)ならば
285(かなら)地獄(ぢごく)()(のが)
286天津(あまつ)御国(みくに)安々(やすやす)
287(かみ)(たす)けに(のぼ)るべし
288あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
289頓生(とんしやう)菩提(ぼだい)黒姫(くろひめ)
290(あと)(のこ)りし()(いのち)
291あまり(をし)くはなけれ(ども)
292自殺(じさつ)をなせば(てん)(つみ)
293自然(しぜん)()して()(あと)
294(した)ひて()かむ(その)()(まで)
295身魂(みたま)(みが)いて天国(てんごく)
296(かみ)御苑(みその)復活(ふくくわつ)
297半座(はんざ)()けて(われ)()てよ
298(なれ)昇天(しようてん)せし(のち)
299一人(ひとり)くよくよ(おい)()
300(さび)しさ(まさ)(ふゆ)(よる)
301(ころも)(うす)()はふるひ
302(あし)もわなわな()(なや)
303この窮状(きうじやう)(あはれ)みて
304国治立(くにはるたち)大御神(おほみかみ)
305一日(ひとひ)(はや)黒姫(くろひめ)
306御後(みあと)()はせ(たま)へかし
307あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
308御霊(みたま)恩頼(ふゆ)()ぎまつる』
309()(うた)(なが)
310高山彦(たかやまひこ)精霊(せいれい)
311枯草(かれくさ)(しげ)荒野原(あれのはら)
312(つゑ)(ちから)にとぼとぼと
313八衢(やちまた)さして(すす)()
314黒姫(くろひめ)()るより狂喜(きやうき)して
315黒姫(くろひめ)『お(まへ)(わが)(つま)(たか)さまか
316何処(どこ)にどうして(ござ)つたの
317合点(がてん)のゆかぬ(こと)(ばか)
318()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
319高姫(たかひめ)さまが発狂(はつきやう)して
320(わたし)亡者(まうじや)誤解(ごかい)する
321百万言(ひやくまんげん)(つく)せども
322(こころ)(くる)ふた高姫(たかひめ)
323(わたし)言葉(ことば)(ぬか)(くぎ)
324豆腐(とうふ)(かすがひ)(こた)へなく
325如何(いかが)はせむと(おも)(をり)
326かすかに(きこ)ゆる(わが)(つま)
327(こゑ)(ちから)(たたず)めば
328まがふ(かた)なき(わが)(つま)
329()りたる(とき)(うれ)しさは
330百万(ひやくまん)(にん)味方(みかた)をば
331()たるが(ごと)(おも)ひます
332()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
333高姫(たかひめ)さまよよつく()
334高山彦(たかやまひこ)のハズバンド
335ここに(あら)はれます(うへ)
336(わたし)亡者(まうじや)になつてるか
337あなたが発狂(はつきやう)して()るか
338いと明白(めいはく)(わか)るだろう
339まさかの(とき)(たす)(ぶね)
340あゝ天道(てんだう)(ひと)(ころ)さない
341あゝ有難(ありがた)有難(ありがた)
342(わが)(つま)さま』と(すが)りつく
343高山彦(たかやまひこ)仰天(ぎやうてん)
344高山彦(たかやまひこ)『これやこれや黒姫(くろひめ)(まよ)ふなよ
345(まへ)(この)()(ひと)でない
346百日(ももか)百夜(ももよ)(わづら)ひに
347天命(てんめい)つきて現界(げんかい)
348(あと)見捨(みす)てて()つた(もの)
349誤解(ごかい)するな』とたしなめば
350高姫(たかひめ)(はな)をつんとかみ
351いとも()はしき口元(くちもと)
352高姫(たかひめ)高山彦(たかやまひこ)がよい証拠(しようこ)
353(まへ)亡者(まうじや)(ちが)ひない
354(はや)神言(かみごと)奏上(そうじやう)
355地獄(ぢごく)関門(くわんもん)突破(とつぱ)して
356天国(てんごく)浄土(じやうど)()くがよい
357高山彦(たかやまひこ)執着(しふちやく)
358のこしちやならぬ黒姫(くろひめ)さま
359左様(さやう)ならば』と()()けて
360一目散(いちもくさん)()()せば
361(ほね)(かは)との瘠腕(やせうで)
362グツと()ばして黒姫(くろひめ)
363鼻高姫(はなたかひめ)(うしろ)(がみ)
364むんずと(つか)んで()(もど)
365高姫(たかひめ)地上(ちじやう)転倒(てんだう)
366高姫(たかひめ)『あゝいやらしや いやらしや
367亡者(まうじや)になつても(この)(とほ)
368執着心(しふちやくしん)(ふか)婆々(ばば)
369地獄(ぢごく)()つるは当然(あたりまへ)
370()出神(でのかみ)()りませぬ
371これから高山彦(たかやまひこ)さまに
372とつつき散々(さんざん)愚知(ぐち)こぼし
373()んなら冥途(めいど)(みち)づれに
374()れて()かんせ左様(さやう)なら』
375悪垂口(あくたれぐち)(たた)きつつ
376(また)()げだすを黒姫(くろひめ)
377(かしら)(つの)()(なが)
378線香(せんかう)のやうな()()して
379襟髪(えりがみ)グツと()(もど)
380高姫(たかひめ)(ふたた)()(うへ)
381転倒(てんだう)したる(その)刹那(せつな)
382姿(すがた)(けぶり)()えにけり
383高山彦(たかやまひこ)はゾツとして
384身慄(みぶる)ひしながら()()せば
385(また)もや黒姫(くろひめ)(あと)()
386黒姫(くろひめ)悪性(あくしやう)(をとこ)のハズバンド
387この黒姫(くろひめ)(くろ)()
388ぬすんで日出(ひので)生宮(いきみや)
389(あま)約束(やくそく)したのだらう
390(ゆる)しはせない』と()(なが)
391(こほり)(ごと)(ひや)やかな
392(こぶし)(かた)めて()ちおろす
393全身(ぜんしん)(あせ)にしたりつつ
394高山彦(たかやまひこ)()(あは)
395高山彦(たかやまひこ)黒姫(くろひめ)(しばら)()つて()
396三千(さんぜん)世界(せかい)にお(まへ)より
397(ほか)()(はな)()たぬぞや
398()はさり(なが)果敢(はか)なくも
399()()(はな)是非(ぜひ)もなし
400(なれ)(あと)をば()はむかと
401天地(てんち)(かみ)(ねが)ひても
402業因(ごふいん)(いま)()きざるか
403()ぬにも()なれぬ()苦衷(くちう)
404(さつ)してくれよ黒姫(くろひめ)』と
405両眼(りやうがん)(なみだ)(たた)へつつ
406ことわけすれど黒姫(くろひめ)
407白髪頭(しらがあたま)(よこ)にふり
408皺涸(しわが)(ごゑ)()りあげて
409黒姫(くろひめ)悪性(あくしやう)(をとこ)のハズバンド
410黒姫(くろひめ)愛想(あいさう)()きたぞや
411鼻高姫(はなたかひめ)(あと)()
412(しり)世話(せわ)でもするがよい
413(うる)さい親爺(おやぢ)』と()(なが)
414悋気(りんき)(つの)をふりたてて
415夜叉(やしや)(ごと)くに(かけ)()だす
416かかる(をり)しも天空(てんくう)
417天津(あまつ)祝詞(のりと)(こゑ)(きこ)
418(うめ)花片(はなびら)ちらちらと
419四辺(あたり)()ちて(かん)ばしく
420いと(さはや)かな音楽(おんがく)
421つれて紫雲(しうん)をわけ(なが)
422気高(けだか)きエンゼル悠々(いういう)
423(くだ)()るよと()(うち)
424黒姫(くろひめ)姿(すがた)(あと)もなく
425(けぶり)()えて室内(しつない)
426(まなこ)くばれば高姫(たかひめ)
427黒姫(くろひめ)霊璽(れいじ)(まへ)()
428片言交(かたことまじ)りの祝詞(のりと)をば
429奏上(そうじやう)しながら(なみだ)ぐみ
430ぶつぶつ小言(こごと)()()たり
431高山彦(たかやまひこ)(ゆめ)さめて
432ホツと一息(ひといき)つきながら
433鼻高姫(はなたかひめ)親切(しんせつ)
434(こころ)(そこ)より感謝(かんしや)しつ
435(には)()づれば大空(おほぞら)
436皎々(かうかう)(かがや)(もち)(つき)
437(こころ)(ひろ)()(をが)
438感謝(かんしや)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)
439小北(こぎた)(やま)へと(すす)()
440あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
441御霊(みたま)恩頼(ふゆ)(かしこ)けれ。
442(昭和二・一〇・一九 長崎県島原町南風楼にて 加藤明子録)

王仁三郎が著した「大作」がこれ1冊でわかる!
飯塚弘明・他著『あらすじで読む霊界物語』(文芸社文庫)
絶賛発売中!

目で読むのに疲れたら耳で聴こう!
霊界物語の朗読 ユーチューブに順次アップ中!
霊界物語の音読まとめサイト
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→