インフォメーション

塗炭(トタン)屋根(やね)に雪(ゆき)のなだるる音(おと)すなり
陸奥路(むつぢ)を渡る風もゆるみて〈第3章（初）〉

みちのくの風は寒しも地の上を
ましろに包(つつ)む雪(ゆき)の風景(ふうけい)
　　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第3章（初）〉

みちのくの雪(ゆき)に埋(うづ)もれ獅子吼(ししく)するも
非常時(ひじやうじ)日本(につぽん)を思(おも)へばなりけり
　　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第4章（初）〉

非常時(ひじやうじ)の日本(につぽん)を救(すく)ひ生(い)かさむと
いたづきの身(み)を陸奥(むつ)に運(はこ)べり〈第5章（初）〉

寒風(かんぷう)は肌(はだへ)をつむざく真夜中(まよなか)の
青森駅(あをもりえき)に出迎(でむか)ふまめ人(ひと)〈第5章（初）〉

今日(きょう)一日(ひとひ)青森分所(あおもりぶんしょ)に安居(やすゐ)して
いたづきの身(み)を養(やしな)ひにけり
　　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第5章（初）〉

行(ゆ)くとして可(か)ならざるなき我旅(わがたび)も
陸奥路(むつぢ)の雪(ゆき)に屁古垂(ヘこた)れにけり〈第6章（初）〉

屁古垂(ヘこた)れて我止(われや)むべきや国(くに)の為(ため)
神聖運動(しんせいうんどう)に邁進(まいしん)するのみ〈第6章（初）〉

蛙(かはず)等(ら)は日比谷(ひびや)ケ原(はら)に集(あつ)まりて
ふところ寒(さむ)く啼(な)き立(た)つるなり
　　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第6章（初）〉

みちのくの雪(ゆき)を見(み)ながら我魂(わがたま)は
いやますますに振(ふる)ひ立(た)つなり〈第7章（初）〉

身(み)を忘(わす)れ家(いへ)を忘(わす)れて国(くに)の為(ため)に
雪(ゆき)の陸奥路(むつぢ)に獅子吼(ししく)するなり〈第7章（初）〉

鉄瓶(てつびん)の湯(ゆ)のたぎる音(おと)を聴(き)きながら
心安(こころやす)けく窓(まど)の雪見(ゆきみ)つ
　　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第7章（初）〉

陸奥(みちのく)の雪(ゆき)の大野(おほの)に立(た)ちながら
満洲派遣(まんしうはけん)の宣伝使(せんでんし)を思(おも)ふ〈第10章（初）〉

年(とし)の瀬(せ)も早近(はやちか)づきてみちのくの
大野をわたる風は酷(はげ)しも〈第10章（初）〉

夜(よ)もすがら御代(みよ)を思(おも)ひて眠(ねむ)られず
我(わが)たましひは遠近(をちこち)にとぶ
　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第10章（初）〉

右左雪(みぎひだりゆき)の襖(ふすま)に閉(と)ぢられて
御国生(みくにい)かすと旅(たび)を続(つづ)くる〈第10章（初）〉

教子(をしヘご)の文見(ふみみ)る度(たび)に涙(なみだ)しぬ
吾(わが)みちのくの旅(たび)の夕(ゆふ)べを〈第10章（初）〉

非常時(ひじやうじ)の御国(みくに)の状(さま)をながむれば
心(こころ)の駒(こま)の足掻(あが)き止(や)まずも
　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第10章（初）〉

風の音窓に聴(き)きつつ吾はいま
天祥(てんしやう)地瑞(ちずゐ)の校正(かうせい)を為(な)す〈第11章（初）〉

行(ゆ)きつまりたる世(よ)の中(なか)に
師走(しはす)の陸奥(むつ)は雪(ゆき)につまれり
　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第11章（初）〉

雪雲(ゆきぐも)の四方(よも)にふさがる陸奥(みちのく)は
昼(ひる)も電燈(でんとう)点(てん)じて書(しよ)を読(よ)む〈第12章（初）〉

一足(ひとあし)も戸外(こがい)に出(い)でず夕(ゆふ)べまで
身(み)のいたづきを養(やしな)ひにけり〈第12章（初）〉

黄昏(たそが)れて大劇場(だいげきぢやう)に出席(しゆつせき)し
神聖(しんせい)発会式(はつくわいしき)にて獅子吼(ししく)す
　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第13章（初）〉

今日一日(ひとひ)風はなけれど夕(ゆふ)されば
寒(さむ)さ身(み)にしむみちのくの旅(たび)〈第14章（初）〉

やがて今(いま)発会式(はつかいしき)にのぞまむと
思(おも)ふもさむしいたづきの身(み)は
　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第14章（初）〉

いたづきをこらへてしのびて寒国(かんこく)の
旅(たび)に立(た)つなり国(くに)を思(おも)ひて〈第15章（初）〉

一(いち)日(にち)の猶予(ゆうよ)もならじわが国(くに)の
現状(げんじやう)見(み)つつ安(やす)んずべきやは〈第15章（初）〉

道(みち)の子(こ)はおのもおのもに真心(まこころ)を
つくして御国(みくに)の為(ため)に動(うご)けり〈第15章（初）〉

形(かたち)ある宝(たから)を捨(す)てて世(よ)の為(ため)に
働(はたら)く道(みち)の子(こ)の心愛(こころめぐ)しも〈第15章（初）〉

吾(われ)は今(いま)教(をしへ)の道(みち)の子(こ)に守(まも)られて
この雪国(ゆきぐに)を安(やす)く旅(たび)すも〈第15章（初）〉

折々(おりおり)は風のまにまに聞え来る
北海(ほくかい)の波(なみ)の高(たか)き陸奥(むつ)なり
　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第15章（初）〉

百万(ひやくまん)の敵(てき)もおそれぬ吾(われ)にして
旅(たび)になやむは足痛(そくつう)なりけり〈第16章（初）〉

草(くさ)の根(ね)にすだく虫(むし)の音(ね)消(き)え果(は)てて
冬(ふゆ)来(きた)りつつゆきつまりたり〈第17章（初）〉

みはるかす陸奥(むつ)の大野(おほの)は白雪(しらゆき)の
外(ほか)に見(み)るものなかりかりけり〈第17章（初）〉

天地(あめつち)の恵(めぐ)みはふかし雪国(ゆきぐに)に
今日(けふ)暖(あたた)かく安居(やすゐ)するかも
　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第17章（初）〉

神聖会(しんせいくわい)運動(うんどう)に吾(われ)たちしより
たち上(あが)りたり信徒(まめひと)ことごと〈第18章（初）〉

天国(てんごく)を地上(ちじやう)に建(た)てむと朝夕(あさゆふ)を
かけめぐるなり国(くに)の遠近(をちこち)
　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第18章（初）〉

警笛(けいてき)の音(おと)聞(きこ)ゆなり夕庭(ゆふには)に
神聖発会(しんせいはつくわい)の迎(むか)へなるらむ
　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第19章（初）〉

青森(あをもり)の発会式(はつくわいしき)の壇上(だんじやう)に
現(あら)はれさやぐ狂神(きやうしん)ありたり〈第20章（初）〉

大本(おほもと)の大神(おほかみ)直(す)ぐに取消(とりけ)せと
訳(わけ)の判(わか)らぬ事(こと)を言(い)ふなり〈第20章（初）〉

壇上(だんじやう)に立(た)ち上(あが)りたる反対者(はんたいしや)を
傍観(ばうくわん)したる昭青(せうせい)弱(よわ)しも〈第20章（初）〉

妨害(ばうがい)に対(たい)して司会者(しくわいしや)一言(いちごん)を
たしなめざりしは迂潤(うくわつ)ならずや〈第20章（初）〉

政党解消(せいたうかいせう)聯盟(れんめい)支部長(しぶちやう)と名告(なの)りつつ
発会式(はつくわいしき)を妨(さまた)げむとせり〈第20章（初）〉

天地神(てんちしん)総(すべ)てを大本(おほもと)大神(おほかみ)と
奉唱(ほうしやう)せるを知(し)らざるたは言(ごと)
　　　　　　　　　（昭和九年十二月五日）〈第20章（初）〉

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【第81巻（申の巻）｜霊界物語／rm818801】

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