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第七章 奉天(ほうてん)(ゆふべ)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 特別篇 山河草木 入蒙記 篇:第1篇 日本より奉天まで よみ(新仮名遣い):にっぽんよりほうてんまで
章:第7章 奉天の夕 よみ(新仮名遣い):ほうてんのゆうべ 通し章番号:
口述日:1925(大正14)年08月15日(旧06月26日) 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年2月14日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
日出雄は真澄別とただ二人、二月十三日午前三時二十八分の綾部発列車の車上の人となった。見送りは湯浅研三、奥村某のただ二人のみであった。
亀岡で名田彦、守高の両人が合流し、四人連れとなって京都に着いた。ここで唐国別と合流し、西行き列車に乗り込んだ。
十三日午後八時、関釜連絡線に登場した。十四日の午前八時、釜山に上陸し、十時発の朝鮮鉄道にて奉天に向かった。
二月十五日午後六時三十分、奉天平安通りの水也商会に入った。そこでは先発していた隆光彦をはじめ、萩原敏明、岡崎鉄首、佐々木弥市、大倉伍一ら水也商会の店員が迎え出た。
岡崎鉄首はとうとうと、中国を押さえるためには蒙古に進出する以外にない、と自説を開陳した。そして、何とか日出雄を盧占魁に同道させて蒙古に展開させようとした。
日出雄は蒙古入りの意思を一同に明らかにし、盧占魁との面会に同意した。その夜の八時半に二台の自動車を連ねて奉天郊外の盧占魁公館へ乗りつけた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考:2024/1/1出口王仁三郎全集第6巻を底本として校正。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-01-05 16:05:54 OBC :rmnm07
愛善世界社版:57頁 八幡書店版:第14輯 569頁 修補版: 校定版:58頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 東魚(とうぎよ)(きた)つて西海(せいかい)()む。002()西天(せいてん)(ぼつ)すること三百(さんびやく)七十(しちじふ)()(じつ)003西鳥(せいてう)(きた)りて東魚(とうぎよ)()む。
004 (みぎ)言葉(ことば)は、005聖徳(しやうとく)太子(たいし)当初(たうしよ)百王(ひやくわう)治天(ぢてん)安危(あんき)鑒考(かんかう)されて()日本(につぽん)一洲(いつしう)未来記(みらいき)()きおかれたのだと(しよう)せられ、006我国(わがくに)古来(こらい)聖哲(せいてつ)千古(せんこ)疑問(ぎもん)として(この)解決(かいけつ)(くるし)みて()たのである。007日出雄(ひでを)(みぎ)言葉(ことば)(たい)008(わが)国家(こくか)前途(ぜんと)(よこ)たはれる或物(あるもの)(みと)めて、009(これ)対応策(たいおうさく)(かう)ぜねばならぬことを(ふか)(おもんぱか)つた。
010 (かれ)真澄別(ますみわけ)(ただ)二人(ふたり)011()(ぐわつ)十三(じふさん)(にち)午前(ごぜん)(さん)()二十八(にじふはち)(ふん)聖地(せいち)(はつ)列車(れつしや)(じやう)(ひと)となつた。012(えき)見送(みおく)るものは湯浅(ゆあさ)研三(けんざう)013奥村(おくむら)(ぼう)二人(ふたり)のみであつた。014いつも(かれ)旅行(りよかう)には大本(おほもと)役員(やくゐん)信徒(しんと)数十(すうじふ)(にん)(あるひ)数百(すうひやく)(にん)(おく)(むか)へのあるのを(つね)として()た。015(しか)るに(この)()(ただ)二人(ふたり)信徒(しんと)(おく)られて()つた(こと)は、016(この)計画(けいくわく)暫時(ざんじ)()()れむ(こと)躊躇(ちうちよ)したからであらう。017列車(れつしや)容赦(ようしや)なく亀岡駅(かめをかえき)()いた。018前日(ぜんじつ)から亀岡(かめをか)大道場(だいだうぢやう)瑞祥閣(ずゐしやうかく)出張(しゆつちやう)諸般(しよはん)準備(じゆんび)調(ととの)へて()名田彦(なだひこ)019守高(もりたか)両氏(りやうし)は、020此処(ここ)搭乗(たふじよう)して同行(どうかう)()(にん)(あひ)(たづさ)へて京都駅(きやうとえき)()いた。021(しか)して米倉(よねくら)嘉兵衛(かへゑ)022米倉(よねくら)範治(はんぢ)列車(れつしや)乗込(のりこ)んで()た。023京都駅(きやうとえき)()いて朝飯(あさはん)(きつ)し、024吹雪(ふぶき)(さら)されて(いち)時間(じかん)(あま)西行(にしゆき)列車(れつしや)()つた。025(ここ)には唐国別(からくにわけ)夫妻(ふさい)先着(せんちやく)して()た。026(かく)望遠鏡(ばうゑんきやう)一個(いつこ)(づつ)携帯(けいたい)し、027手荷物(てにもつ)(だい)トランクに(をさ)め、028(ここ)一行(いつかう)()(にん)唐国別(からくにわけ)夫人(ふじん)や、029米倉(よねくら)嘉兵衛(かへゑ)030範治(はんぢ)(たもと)(わか)ち、031汽笛(きてき)(こゑ)(いさ)ましく西下(せいか)する(こと)となつた。
032 十三(じふさん)(にち)午後(ごご)(はち)()関釜(くわんぷ)連絡船(れんらくせん)昌慶丸(しやうけいまる)搭乗(たふじよう)した。033天地(てんち)神明(しんめい)はこの一行(いつかう)壮図(さうと)擁護(えうご)するものの(ごと)く、034関釜間(くわんぷかん)航海(かうかい)(きは)めて平穏(へいおん)であつた。035(よく)十四日(じふよつか)午前(ごぜん)(はち)()釜山港(ふざんかう)無事(ぶじ)上陸(じやうりく)し、036(じふ)()(はつ)朝鮮(てうせん)鉄道(てつだう)一等室(いつとうしつ)(をさ)まりかへつて奉天(ほうてん)(むか)(こと)となつた。037車中(しやちう)には本荘(ほんじやう)少将(せうしやう)(およ)日出雄(ひでを)038真澄別(ますみわけ)039唐国別(からくにわけ)(さん)(にん)であつた。040(しか)して名田彦(なだひこ)041守高(もりたか)両人(りやうにん)二等室(にとうしつ)(きやく)となつた。042()(ぐわつ)十五(じふご)(にち)安東県(あんとうけん)税関(ぜいくわん)無事(ぶじ)通過(つうくわ)して、043午後(ごご)(ろく)()三十分(さんじつぷん)奉天(ほうてん)平安通(へいあんどほ)りの水也(みづや)商会(しやうくわい)()(こと)()た。044(かれ)車中(しやちう)()ける和歌(わか)一二首(いちにしゆ)紹介(せうかい)する。
 
045 蓬来(ほうらい)(しま)をやうやく立出(たちい)でて()なれぬ(くに)(たび)をなすかな
 
046 水也(みづや)商会(しやうくわい)到着(たうちやく)すると、047先着(せんちやく)隆光彦(たかてるひこ)048萩原(はぎはら)敏明(びんめい)(およ)数名(すうめい)店員(てんゐん)停車場(ていしやぢやう)出迎(でむか)へた。049待設(まちまう)けて()満州(まんしう)浪人(らうにん)岡崎(をかざき)鉄首(てつしゆ)佐々木(ささき)弥市(やいち)050大倉(おほくら)伍一(ごいち)(さん)(めい)と、051(やう)萃廷(すゐてい)()(ひと)(たづ)ねて()た。052(さん)(にん)日出雄(ひでを)(たい)し、053()(しよ)対面(たいめん)挨拶(あいさつ)()はり、054(じふ)(ねん)知己(ちき)(ごと)()()けた態度(たいど)にて、055満蒙(まんもう)現状(げんじやう)や、056肇国会(てうこくくわい)主意(しゆい)蒙古(もうこ)事情(じじやう)などを滔々(たうたう)(べん)()てたのである。
057岡崎(をかざき)(わたし)日露(にちろ)戦争(せんそう)従軍(じうぐん)したきり支那(しな)(とど)まつて、058第一(だいいち)革命(かくめい)から引続(ひきつづ)東亜(とうあ)(ため)に、059革命(かくめい)事業(じげふ)にのみ熱中(ねつちゆう)して()(もの)です。060(しか)支那人(しなじん)個人(こじん)としては生活(せいくわつ)して()くだけの(ちから)()つて()るが、061国家(こくか)とか国体(こくたい)とかとして生存(せいぞん)する資質(ししつ)(そな)はつて()りませぬ。062それ(ゆゑ)幾度(いくど)革命(かくめい)()つても、063骨折損(ほねをりぞん)疲労儲(くたびれまう)けとなつて(しま)ひ、064実効(じつかう)(をさ)むる(こと)出来(でき)ないのであります。065支那(しな)()(くに)(あたま)から日本(につぽん)馬鹿(ばか)にして()る、066さうして自分(じぶん)利益(りえき)のある事業(じげふ)()れば(のど)()らして()びつくが、067(その)利益(りえき)相反(あひはん)する場合(ばあひ)義理(ぎり)人情(にんじやう)()てて()(はな)()つて(しま)ひます。068(しか)しながら日本(につぽん)支那(しな)唇歯(しんし)輔車(ほしや)関係(くわんけい)があり、069()うしても(たがひ)()(たづさ)へて国運(こくうん)発展(はつてん)(はか)らねばならないのです。070日本(につぽん)為政者(いせいしや)(なか)では日支(につし)親善(しんぜん)とか、071共存(きようぞん)共栄(きようえい)とか種々(しゆじゆ)支那(しな)()機嫌取(きげんと)りの文句(もんく)(なら)べて()るものがありますが、072支那人(しなじん)(かへ)つて(この)言葉(ことば)(たい)嫌忌(けんき)(じやう)(いだ)()侮辱(ぶじよく)するやうな傾向(けいかう)()つて()ります。073()うしても支那人(しなじん)()()まし、074日本(につぽん)(あひ)提携(ていけい)して()かねばならぬと()理由(りいう)徹底(てつてい)(てき)(さと)らしむるには、075普通(ふつう)計画(けいくわく)では駄目(だめ)です。076東三省(とうさんしやう)(ちやう)作霖(さくりん)だつて、077直隷(ちよくれい)()佩孚(はいふ)だつて、078(おもて)親日派(しんにちは)標榜(へうばう)して()るが、079(その)内心(ないしん)(けつ)して()うではない、080政治(せいぢ)(じやう)便宜(べんぎ)(ため)(ある)時機(じき)(まで)親日(しんにち)(よそほ)うて()るのです。081(げん)(ちやう)作霖(さくりん)顧問(こもん)となつて()日本人(につぽんじん)沢山(たくさん)ありますが、082肝腎(かんじん)相談事(さうだんごと)日本人(につぽんじん)以外(いぐわい)顧問(こもん)密議(みつぎ)し、083義理(ぎり)一遍(いつぺん)報告(はうこく)日本(につぽん)顧問(こもん)にする(くらゐ)のものであります。084(これ)()ても(しやく)(さは)るのは支那(しな)日本(につぽん)(たい)する()(かた)であります。
085 それだから支那人(しなじん)心底(しんてい)より(わが)帝国(ていこく)()らしむるには、086(かれ)(もつと)難治(なんぢ)として()蒙古(もうこ)(おい)一大(いちだい)(しん)王国(わうこく)建設(けんせつ)日本(につぽん)威力(いりよく)(あら)はしてからでなくては、087何時(いつ)までかかつても支那(しな)日本(につぽん)信頼(しんらい)しないだらうと(おも)ひます。
088 それ(ゆゑ)自分(じぶん)()犬養(いぬがひ)先生(せんせい)や、089頭山(とうやま)先生(せんせい)090内田(うちだ)先生(せんせい)091末永(すゑなが)(せつ)(とう)国士(こくし)(はか)つて、092肇国会(てうこくくわい)なるものを創立(さうりつ)し、093肇国会(てうこくくわい)徽章(きしやう)二十万(にじふまん)()(ばか)朝鮮(てうせん)094満州(まんしう)095西比利亜(シベリヤ)方面(はうめん)にバラ()いて(おほい)画策(くわくさく)して()るのです。096大体(だいたい)日本(につぽん)政府(せいふ)(こと)外務省(ぐわいむしやう)(こし)(よは)いものだから097到底(たうてい)吾々(われわれ)計画(けいくわく)成功(せいかう)しない。098そこで()うしても東亜(とうあ)聯盟(れんめい)(はか)るには蒙古(もうこ)根拠(こんきよ)()かねばならぬ。099蒙古(もうこ)(もつと)(ふる)(くに)喇嘛教(らまけう)(さか)んな土地(とち)です。100()して蒙古人(もうこじん)支那人(しなじん)露西亜(ろしあ)(じん)非常(ひじやう)(きら)つて()る。101(かれ)()日本人(につぽんじん)()うかして完全(くわんぜん)提携(ていけい)をなし、102(ほと)んど亡国(ばうこく)(ひん)せる蒙古(もうこ)再興(さいこう)せむと焦慮(せうりよ)して()るのです。103吾々(われわれ)満州(まんしう)浪人(らうにん)生命(せいめい)とする(ところ)104蒙古(もうこ)大平野(だいへいや)新王国(しんわうこく)建設(けんせつ)するにあるのです。105慓悍(へうかん)なる蒙古人(もうこじん)心服(しんぷく)させるには()うしても宗教(しうけう)()くては駄目(だめ)です。106()うか先生(せんせい)済南(さいなん)()きも結構(けつかう)でせうが、107それは(あと)(まは)して()(かく)蒙古(もうこ)一部(いちぶ)なりとも探検(たんけん)して(もら)(わけ)には()きますまいか。108(けつ)して(これ)一個人(いちこじん)()めではない、109(わが)同胞(どうはう)一般(いつぱん)安全(あんぜん)()め、110東亜(とうあ)民衆(みんしう)()めですから』
111日出雄(ひでを)『お(せつ)(うけたま)はつて(わたし)益々(ますます)入蒙(にふもう)決心(けつしん)(かた)まつたやうです。112(しか)(なが)五大教(ごだいけう)道院(だうゐん)紅卍字(こうまんじ)(くわい)や、113悟善社(ごぜんしや)から(むか)ひに()()ますので、114隆光彦(たかてるひこ)さんに一歩先(ひとあしさき)()つて(もら)ひ、115準備(じゆんび)(ととの)つた(うへ)()北京(ペキン)済南(さいなん)出張(しゆつちやう)したいのです。116()して()うしても神戸(かうべ)道院(どうゐん)開院式(かいゐんしき)には(かへ)らなくてはなりません。117(わづ)半月(はんつき)(ばか)りの(あひだ)蒙古(もうこ)にも()き、118北京(ペキン)119済南(さいなん)にも()くと()(こと)到底(たうてい)出来(でき)ますまい。120今回(こんくわい)蒙古(もうこ)のお(はなし)()いただけに()めておいて、121最初(さいしよ)目的(もくてき)たる北京(ペキン)122済南(さいなん)旅行(りよかう)したいと(おも)ひます』
123隆光彦(たかてるひこ)先生(せんせい)124是非(ぜひ)北京(ペキン)済南(さいなん)(はう)から片附(かたづ)けて(もら)ひたいものです。125(こう)延爽(えんさう)先生(せんせい)のお(いで)になる(こと)を、126前以(まへもつ)発電(はつでん)しておきました、127此処(ここ)貴方(あなた)()()がし蒙古(もうこ)にやつては128紅卍字(こうまんじ)(くわい)諸氏(しよし)(たい)(わたくし)(かほ)()ちませぬから、129蒙古(もうこ)(あと)(まは)して(もら)ひたいものです。130道院(だうゐん)開院式(かいゐんしき)には先生(せんせい)(かへ)つて()られねば遠近(ゑんきん)信者(しんじや)非常(ひじやう)(ちから)(おと)しますから』
131日出雄(ひでを)『それもさうだな。132乩示(けいじ)底本(全集)では「乩示」のフリガナは「ちじ」。校定版では「ふうち」、愛善世界社版では「けいじ」。第4章(全集p26、校定版p34、愛善世界社版p34)の「乩示」にはいずれも「けいじ」とフリガナが付いている。霊界物語ネットでは第4章と同じように「けいじ」に直した。によつて神戸(かうべ)道院(だうゐん)責任(せきにん)統掌(とうしやう)(にん)ぜられて()るのだから、133此方(こつち)(あと)にする(こと)出来(でき)ないだらう』
134岡崎(をかざき)『それもさうでせうが、135北村(きたむら)さまは副統掌(ふくとうしやう)ぢやありませぬか、136統掌(とうしやう)差支(さしつかへ)のあつた(とき)事務(じむ)代弁(だいべん)するための副統掌(ふくとうしやう)でせう。137国家(こくか)一大事(いちだいじ)には()へられますまい。138まげて蒙古入(もうこいり)(ねが)ひたいのです。139そして蒙古(もうこ)英雄(えいいう)140馬賊(ばぞく)大頭目(だいとうもく)たる()占魁(せんくわい)が、141もう(すで)(すで)先生(せんせい)のお(いで)()つて()ますから、142是非(ぜひ)(とも)今晩(こんばん)(うち)面会(めんくわい)して(いただ)きたいものです。143此処(ここ)()られる(やう)萃廷(すゐてい)()(もと)某県(ぼうけん)知事(ちじ)(つと)めて()(ひと)で、144(いま)(ぼう)新聞(しんぶん)記者(きしや)です。145(この)(ひと)()占魁(せんくわい)代理(だいり)として()えたのですから、146()()(こころ)()()つて()げて入蒙(にふもう)して(いただ)きたいものです』
147日出雄(ひでを)()蒙古(もうこ)英雄(えいゆう)だと()(こと)()ねて()いて()ますが、148満蒙(まんもう)()ける()勢力(せいりよく)()んなものでせうか』
149岡崎(をかざき)()位置(ゐち)日本人(につぽんじん)()へば伊藤(いとう)博文(はくぶん)(やう)名望家(めいばうか)です。150そして蒙古(もうこ)王族(わうぞく)や、151住民(ぢうみん)や、152馬賊(ばぞく)などは()占魁(せんくわい)救世主(きうせいしゆ)(ごと)尊敬(そんけい)して()ます。153子供(こども)()いた(とき)154()()ると()へば子供(こども)底本(全集)では「小供が泣いた時(略)子供が」だが、「小供」を「子供」に直した。()きやむと()(ごと)勢力(せいりよく)で、155沢山(たくさん)部下(ぶか)(いう)し、156(その)部下(ぶか)()()めには(ひと)つよりない(いのち)()てても(かま)はないと()(くらゐ)ですから、157(かれ)をお使(つか)ひになつて、158マホメツト(しき)蒙古(もうこ)大本(おほもと)王国(わうごく)建設(けんせつ)し、159帝国(ていこく)(しん)植民地(しよくみんち)(ひら)(こと)努力(どりよく)せられたならば屹度(きつと)成功(せいこう)するでせう。160肇国会(てうこくくわい)(おい)ても(この)事業(じげふ)()いては全力(ぜんりよく)傾注(けいちう)して()ますが、161何分(なにぶん)中堅(ちうけん)となつて蒙古(もうこ)進出(しんしゆつ)する人物(じんぶつ)()いので(こま)つて()るのです』
162日出雄(ひでを)(わたし)(たん)なる宗教家(しうけうか)であつて政治(せいぢ)(うと)く、163()軍隊(ぐんたい)(くわん)する智識(ちしき)はゼロですから駄目(だめ)だらうと(おも)ひます』
164岡崎(をかざき)先生(せんせい)そんな()心配(しんぱい)はいりますまい。165(なん)()つても数万(すうまん)部下(ぶか)(いう)する蒙古(もうこ)英雄(えいいう)(した)がへて()くのですから、166屹度(きつと)目的(もくてき)成就(じやうじゆ)するでせう。167()大庫倫(だいクウロン)根拠(こんきよ)とし新彊(しんきやう)()()赤軍(せきぐん)言向(ことむ)()はすには、168()占魁(せんくわい)(ぐらゐ)適当(てきたう)人物(じんぶつ)はありますまい。169ナア佐々木(ささき)170大倉(おほくら)171さうぢやないか』
172二人(ふたり)満州(まんしう)浪人(らうにん)(かへり)みた。
173 佐々木(ささき)174大倉(おほくら)両人(りやうにん)は、
175佐々木、大倉成程(なるほど)(きみ)()(とほ)りだ。176是非(ぜひ)(とも)先生(せんせい)()占魁(せんくわい)との提携(ていけい)(ねが)ひたいものだ。177世間(せけん)(やつ)吾々(われわれ)先生(せんせい)(とも)行動(かうどう)するのを()178満州(まんしう)浪人(らうにん)(また)日本(につぽん)宗教家(しうけうか)喰物(くひもの)にしよると()連中(れんぢう)があるかも()れないが、179吾々(われわれ)(けつ)して左様(さやう)人物(じんぶつ)ではありませぬ。180其処(そこ)()にゴロついて()満州(まんしう)ゴロとは(すこ)(ちが)つた(かんが)へを()つて()ます。181()うか岡崎(をかざき)(せつ)賛成(さんせい)して(もら)へますまいか』
182 日出雄(ひでを)(しばら)(かんが)へた(のち)183(おもて)(かがや)かし(なが)ら、
184日出雄(じつ)(わたし)日本(につぽん)官憲(くわんけん)有識(いうしき)階級(かいきふ)(およ)日本人(につぽんじん)大多数(だいたすう)から、185大本(おほもと)事件(じけん)突発(とつぱつ)によつて(おほい)なる誤解(ごかい)()()圧迫(あつぱく)(くは)へられて()るのです。186()(ゆゑ)是非(ぜひ)(とも)(わたし)(この)(さい)(ひと)国家(こくか)()めになる大事業(だいじげふ)完成(くわんせい)して、187日頃(ひごろ)主張(しゆちやう)せる愛神(あいしん)188勤王(きんわう)189報国(はうこく)至誠(しせい)天下(てんか)発表(はつぺう)し、190今迄(いままで)疑惑(ぎわく)()くべき必要(ひつえう)(せま)られて()ります。191現代(げんだい)内憂(ないいう)外患(ぐわいくわん)交々(こもごも)(いた)り、192国難来(こくなんらい)(こゑ)(かま)びすしき(わが)皇国(くわうこく)()め、193東亜(とうあ)平和(へいわ)(てき)聯盟(れんめい)実現(じつげん)する()め、194(かみ)(さま)()経綸(けいりん)遂行(すひかう)せなくてはならないのです。195(いま)(とき)(あた)つて帝国(ていこく)()め、196一身(いつしん)一家(いつか)()して大経綸(だいけいりん)(おこな)はねば、197(わが)国家(こくか)前途(ぜんと)(じつ)(うれ)ふべき運命(うんめい)見舞(みま)はれはしないかと憂慮(いうりよ)して()るのです。198()(かく)(その)()占魁(せんくわい)(たく)(まゐ)同氏(どうし)意見(いけん)()いた(うへ)決定(けつてい)する(こと)(いた)しませう』
199 一行(いつかう)同夜(どうや)八時半(はちじはん)二台(にだい)自動車(じどうしや)(つら)ねて奉天城(ほうてんじやう)小南辺(せうなんへん)門外(もんぐわい)200()公館(こうくわん)へと()せつけた。
201大正一四、八、一五、筆録)

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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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