霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一〇章 奉天(ほうてん)出発(しゆつぱつ)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 特別篇 山河草木 入蒙記 篇:第2篇 奉天より洮南へ よみ(新仮名遣い):ほうてんよりとうなんへ
章:第10章 奉天出発 よみ(新仮名遣い):ほうてんしゅっぱつ 通し章番号:
口述日:1925(大正14)年08月 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年2月14日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
三月一日に日本人一同が盧占魁の公館にそろって、計画談義に花を咲かせていた。
大倉伍一によると、張作霖から盧占魁に対し、西北自治軍総司令の内命が下り、索倫山において募兵して活動するようにとの命令があったとのことであった。
張作霖が盧占魁の内外蒙古出征を許可するに当たっては、日本軍からの張軍閥内へのはたらきかけがあった。
日出雄は、さっそく一行より先に蒙古入りをしようと提案した。佐々木は準備が整ってから奉天から列車で行くようにと反対するが、岡崎は日出雄に賛成し、次分は東三省の高等官だから護照もいらない、自動車を雇って疾走すればよい、と言って聞かない。
他の満州浪人たちは安全を慮って反対するが、結局日出雄が岡崎の案を是としたので、奉天から鄭家屯まで自動車で行くことになった。
三月三日の午後四時から、二台の自動車に日出雄、岡崎、守高、通訳の王元祺の四名が分乗して出発した。道路は極めて険悪で、ときどき機関が損傷し、一時間ばかり走るとまた一時間ばかり停車して修理する、という有様だった。
馬賊が横行する区域とて、停車中はヘッドライトを消して懐中電灯で修理を行い、水が切れると氷を取って来て機関につめるなどの苦労をしながら北へ北へと進んでいった。
また、氷結した遼河を渡ろうとした際、氷が溶けた部分に危うく落ちそうになって危機一髪自動車が停止したこともあった。
翌四日午前七時、開原の城内で朝食を取り、また自動車を修理した後に出発した。午後一時ごろに昌図府の手前まで到着したが、一台の自動車が大破してしまったため、昌図府の安宿に宿泊し、奉天へ人をやって機械を取り寄せることになった。
二百四十支里の前人未踏の高原を自動車で冒険的に旅行してのけたのは、開闢以来の壮挙、離れ業だと、岡崎は怪気炎を上げていた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考:2024/1/9出口王仁三郎全集第6巻を底本として校正。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-01-09 15:56:43 OBC :rmnm10
愛善世界社版:89頁 八幡書店版:第14輯 580頁 修補版: 校定版:90頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 (さん)(ぐわつ)一日(いちじつ)中国暦(ちうごくれき)(しやう)(ぐわつ)二十六(にじふろく)(じつ)()公館(こうくわん)(おい)002日出雄(ひでを)003()占魁(せんくわい)004真澄別(ますみわけ)005岡崎(をかざき)006(やう)巨芳(きよはう)007佐々木(ささき)008大倉(おほくら)009唐国別(からくにわけ)010守高(もりたか)(とう)面々(めんめん)()(そろ)蒙古(もうこ)経営談(けいえいだん)(はな)()かした。
011大倉(おほくら)先生(せんせい)012弥々(いよいよ)(ちやう)作霖(さくりん)から()さんに(たい)して西北(せいほく)自治軍(じちぐん)総司令(そうしれい)内命(ないめい)(くだ)りました。013(ちやう)作霖(さくりん)意見(いけん)()れば先生(せんせい)()計画(けいくわく)(とほ)り、014()索倫山(そうろんざん)(おい)(へい)募集(ぼしふ)し、015司令部(しれいぶ)(まう)けて活動(くわつどう)せよとのことです。016(これ)(つい)ては(きし)少将(せうしやう)非常(ひじやう)(ほね)()つて()れました。017()れで一先(ひとま)安心(あんしん)です。018佐々木(ささき)さんも大変(たいへん)心配(しんぱい)しましたが、019愈々(いよいよ)大願(だいぐわん)成就(じやうじゆ)曙光(しよくわう)(みと)めましたから安心(あんしん)して(くだ)さい』
020日出雄(ひでを)『それは大変(たいへん)にお骨折(ほねを)りでした。021()神助(しんじよ)()つて意外(いぐわい)にも(はや)(はなし)(まとま)つた(こと)(よろこ)びます。022(しか)佐々木(ささき)さん、023随分(ずゐぶん)()交渉(かうせふ)困難(こんなん)でしただらう』
024佐々木(ささき)『ハイ、025(なん)()つても支那(しな)()(ところ)(かね)(うご)(ところ)ですから、026(ちやう)作霖(さくりん)側近(そばちか)(つか)へて()連中(れんちう)に、027金銭(かね)(くつわ)をはめて反対(はんたい)しない(やう)にして()きました。028()れから(わたし)軍備(ぐんび)着手(ちやくしゆ)(いた)します。029そして輸送(ゆそう)大連(だいれん)から洮南(たうなん)(まで)非常(ひじやう)(らく)になりました。030武器(ぶき)輸送(ゆさう)(ちやう)作霖(さくりん)()()けて(おく)つて()れる(こと)になりましたから安心(あんしん)して(くだ)さい』
031日出雄(ひでを)『さうなれば(わたし)一歩(ひとあし)()きに蒙古入(もうこい)りをして()ようと(おも)ふ。032(きみ)()(すべ)ての準備(じゆんび)(ととの)へて(あと)からやつて()(もら)ひたい。033王爺廟(ワンエメウ)フリガナは底本(全集)と愛善世界社版では「ワンエメウ」だが、校定版では「ワンイエメウ」になっている。から三百(さんびやく)(ばか)りの喇嘛僧(らまそう)(むか)へに()ると()(こと)だから、034グヅグヅしては()られますまいから』
035佐々木(ささき)『まあ二三(にさん)(にち)()つて(くだ)さい、036さうすれば喇嘛服(らまふく)(あつら)へに()つた(やう)萃廷(すゐてい)さんも北京(ペキン)から(かへ)つて()ませうし、037(ちやう)作霖(さくりん)護照(ごせう)()れますから、038(その)(うへ)になさつた(はう)安全(あんぜん)でせう』
039岡崎(をかざき)(なに)040護照(ごせう)(なん)になるか。041(ぼく)東三省(とうさんしやう)高等官(かうとうくわん)だ、042(ぼく)先生(せんせい)のお(とも)すれば護照(ごせう)もヘツタクレも()るものか。043何事(なにごと)神命(しんめい)(したが)つてやるのが(われ)()趣旨(しゆし)だ。044先生(せんせい)言葉(ことば)(かみ)(さま)言葉(ことば)だ。045(この)(あひだ)から洮南府(たうなんふ)(まで)沿道(えんだう)視察(しさつ)をして()たが、046(ゆく)先々(さきざき)日本人(につぽんじん)()つて何彼(なにか)世話(せわ)をして()れる(こと)約束(やくそく)して()いたから、047(きみ)(たち)(あと)(のこ)つて準備(じゆんび)をしたがよい。048(ぼく)是非(ぜひ)二三(にさん)(にち)(うち)自動車(じどうしや)(やと)つて鄭家屯(ていかとん)(まで)疾走(しつそう)する(つも)りだ』
049佐々木(ささき)奉天(ほうてん)から汽車(きしや)(つう)じて()るのに(たか)(かね)()して自動車(じどうしや)()必要(ひつえう)があるか、050三十(さんじふ)(にん)(ばか)りの護衛兵(ごゑいへい)をつけるから、051先生(せんせい)奉天駅(ほうてんえき)から()苦労(くらう)になつたらどうだ、052(それ)安全(あんぜん)でよからうと(おも)ふ』
053岡崎(をかざき)『それもさうだが、054(かみ)(さま)護衛兵(ごゑいへい)などが()るものか、055(ぼく)がお(とも)すれば大盤石(だいばんじやく)だ。056(いま)(かつ)奉天(ほうてん)から鄭家屯(ていかとん)(まで)自動車(じどうしや)()ばした(もの)()いのだから、057自動車(じどうしや)旅行(りよかう)地理(ちり)()(うへ)(おい)面白(おもしろ)からう。058日本人(につぽんじん)はいつも満蒙(まんもう)視察(しさつ)をして()たと(えら)さうに()つて()るが、059(ただ)汽車(きしや)()つて沿道(えんだう)視察(しさつ)した(ぐらゐ)では駄目(だめ)だ、060是非(ぜひ)(とも)自動車(じどうしや)()つた(はう)面白(おもしろ)いだらう』
061佐々木(ささき)()(みち)(わる)いのに、062(やま)(はた)突破(とつぱ)し、063遼河(れうが)(わた)らねばならぬ大危険(だいきけん)がある。064そんな危険(きけん)(みち)(とほ)必要(ひつえう)がどこにあるか。065(わる)(こと)()はないから、066是非(ぜひ)汽車(きしや)旅行(りよかう)にして()しいものだ。067吾々(われわれ)心配(しんぱい)でならないからなあ』
068日出雄(ひでを)満州(まんしう)事情(じじやう)調(しら)べたいから、069(べつ)(いそ)(たび)でもなし、070自動車(じどうしや)旅行(りよかう)(こころ)みたいものだ。071(ひと)(とほ)らない(ところ)(とほ)つて()るのも面白(おもしろ)いだらう』
072岡崎(をかざき)佐々木(ささき)大倉(おほくら)臆病(おくびやう)だから、073そんな(こと)()ふが、074(なに)075心配(しんぱい)()るものか、076自動車(じどうしや)旅行(りよかう)決定(けつてい)しようじやないか』
077佐々木(ささき)先生(せんせい)(その)()意見(いけん)なら仕方(しかた)()い、078(これ)から自動車(じどうしや)()照会(せうくわい)して()よう』
079(やう)巨芳(きよはう)(わたし)知己(ちき)()さんの恩顧(おんこ)()けて()(わう)樹棠(じゆだう)()ふ、080(むかし)直隷軍(ちよくれいぐん)連長(れんちやう)をして()(をとこ)が、081城内(じやうない)自動車(じどうしや)会社(くわいしや)をやつて()るから、082それに()ひつけませう。083(かれ)義侠心(ぎけふしん)(つよ)剛胆(がうたん)(をとこ)ですから、084少々(せうせう)馬賊(ばぞく)(ぐらゐ)()(ところ)でこたえない(やつ)ですから』
085日出雄(ひでを)『それは好都合(かうつがふ)だ、086そんならそれに()めて仕舞(しま)はう。087愈々(いよいよ)(さん)(ぐわつ)三日(みつか)(この)()出立(しゆつたつ)しよう』
088()一切(いつさい)万事(ばんじ)先生(せんせい)()意志(いし)(したが)決心(けつしん)だからお(のぞ)みの(とほ)自動車(じどうしや)(あつら)へませう』
089 かくの(ごと)相談(さうだん)(まとま)つたので、090日出雄(ひでを)愈々(いよいよ)奉天(ほうてん)から鄭家屯(ていかとん)(むか)つて自動車(じどうしや)()(こと)となつた。091さうして真澄別(ますみわけ)092大倉(おほくら)093名田彦(なだひこ)(さん)(めい)奉天(ほうてん)より汽車(きしや)()つて蒙古(もうこ)洮南府(たうなんふ)先着(せんちやく)し、094洮南(たうなん)ホテルに(おい)諸般(しよはん)準備(じゆんび)調(ととの)へて()(こと)相談(さうだん)がまとまつた。
095 愈々(いよいよ)(さん)(ぐわつ)三日(みつか)(きう)(しやう)(ぐわつ)廿八(にじふはち)(にち)午後(ごご)()()から(わう)樹棠(じゆだう)自動車(じどうしや)二台(にだい)日出雄(ひでを)096岡崎(をかざき)097守高(もりたか)098(わう)元祺(げんき)(よん)(めい)分乗(ぶんじよう)して奉天(ほうてん)出発(しゆつぱつ)する(こと)となつた。099自動車(じどうしや)()主人(しゆじん)(わう)樹棠(じゆだう)道路(だうろ)険悪(けんあく)なるを()づかひ(みづか)運転手(うんてんしゆ)となり(さん)(にん)部下(ぶか)(とも)(したが)(こと)となつた。100道路(だうろ)(きは)めて険悪(けんあく)にして運転(うんてん)()(ごと)くならず、101時々(ときどき)機関(きくわん)損障(そんしやう)(きた)し、102(いち)時間(じかん)(ばか)(はし)ると(また)(いち)時間(じかん)(ばか)停車(ていしや)して(くるま)修繕(しうぜん)()し、103昼夜(ちうや)区別(くべつ)なく(かは)(なか)(はた)(なか)104小山(こやま)などを無理(むり)やりに(すす)(こと)となつた。105寒気(かんき)凛烈(りんれつ)にして、106()(あし)(ほと)んど知覚(ちかく)(うしな)つて()る。107奉天(ほうてん)から鄭家屯(ていかとん)(まで)(あひだ)馬賊(ばぞく)横行(わうかう)(とく)(はなは)だしいので、108自動車(じどうしや)停車中(ていしやちう)はヘツドライトを()し、109懐中(くわいちゆう)電燈(でんとう)()つて修繕(しうぜん)着手(ちやくしゆ)する(こと)とした。110(みづ)()れると其処(そこら)(へん)(こほり)()つて機関(きくわん)()()むなど、111いろいろの難苦(なんく)をおかし、112(きた)(きた)へと(ほし)(ひかり)(ちから)(すす)んで()く。
113 (さいはひ)官兵(くわんぺい)巡警(じゆんけい)114馬賊(ばぞく)(あみ)突破(とつぱ)して、115鉄嶺(てつれい)前方(ぜんぱう)竜首山(りうしゆざん)(ふもと)なる遼河畔(りやうがはん)(すす)んだ。116河辺(かはべ)急坂(きふはん)(くだ)つて自動車(じどうしや)(まさ)遼河(りやうが)(よこ)ぎらうとした(とき)117運転手(うんてんしゆ)は『アツ』と(おどろ)きの(こゑ)(はつ)した。118(その)刹那(せつな)不思議(ふしぎ)にも自動車(じどうしや)(とま)つた。119よくよく()れば120一二(いちに)(しやく)前方(ぜんぱう)には、121さしもに(あつ)(こほり)()けて蒼味(あをみ)だつた(みづ)(ただよ)うて()る、122(じつ)危険(きけん)場合(ばあひ)であつた。123()自動車(じどうしや)には通訳(つうやく)(わう)元祺(げんき)守高(もりたか)()つて()たが、124(いづ)れも神明(しんめい)()加護(かご)として神恩(しんおん)(しや)した。125(この)地点(ちてん)西北(せいほく)竜首山(りうしゆざん)(たか)(そび)え、126()(かは)(つつみ)非常(ひじやう)(たか)かつた()め、127西北(せいほく)寒風(かんぷう)(さへぎ)り、128氷結(ひようけつ)して()なかつたためである。129是非(ぜひ)なく二三(にさん)支里(しり)(あと)(もど)つて人家(じんか)(たた)(おこ)し、130案内者(あんないしや)(やと)うて、131小山(こやま)(うへ)(はた)(なか)(あやふ)くも馳駆(ちく)して大道(だいだう)()た。132満州(まんしう)広野(くわうや)(はし)列車(れつしや)は、133(はるか)遠方(ゑんぱう)細長(ほそなが)(うす)(ひかり)(はな)つて(はし)つて()た。134(よく)四日(よつか)午前(ごぜん)(しち)()開原(かいげん)城内(じやうない)()いた。135飲食店(いんしよくてん)(はひ)つて(あぶら)()支那食(しなしよく)(きつ)し、136此処(ここ)(いち)時間(じかん)(ばか)りも車体(しやたい)修繕(しうぜん)をした。137(この)地方(ちはう)では自動車(じどうしや)通行(つうかう)した(こと)()いので、138(めう)(くるま)()たと()ふので(つぎ)から(つぎ)()(つた)へ、139老若(らうにやく)男女(なんによ)真黒(まつくろ)蝟集(ゐしふ)してワイワイと(さわ)()てて()る。140(その)(あひだ)(うし)驢馬(ろば)などが四頭(しとう)()き、141五頭(ごとう)()きで大車(おほぐるま)()いて(とほ)る。142(その)混雑(こんざつ)到底(たうてい)筆紙(ひつし)(つく)(がた)い。143(やうや)修繕(しうぜん)()んだので、144二台(にだい)自動車(じどうしや)は、145ブウブウと警笛(けいてき)()らし、146群集(ぐんしふ)()しわけ、147大速力(だいそくりよく)でかけ()し、148午後(ごご)(いち)()(ごろ)には昌図府(しやうとふ)手前(てまへ)(まで)安着(あんちやく)した。149一台(いちだい)自動車(じどうしや)大破損(だいはそん)()たし運転(うんてん)不能(ふのう)となつて仕舞(しま)つたので、150是非(ぜひ)なく昌図府(しやうとふ)木賃(きちん)ホテル三号店(さんがうてん)宿泊(しゆくはく)し、151奉天(ほうてん)(ひと)()して機械(きかい)()()せる(こと)にした。152二百(にひやく)四十(よんじふ)支里(しり)高原(かうげん)(いま)何人(なんびと)(こころ)みし(こと)なき冒険(ばうけん)(てき)旅行(りよかう)をやつたのは、153開闢(かいびやく)以来(いらい)壮挙(さうきよ)だ。154(みなもと)義経(よしつね)都落(みやこおち)にも()して偉大(ゐだい)なる(はな)(わざ)だと、155岡崎(をかざき)気焔(きえん)(あた)るべからざるものがあつた。
156大正一四、八、筆録)

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