霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二九章 端午(たんご)()

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 特別篇 山河草木 入蒙記 篇:第4篇 神軍躍動 よみ(新仮名遣い):しんぐんやくどう
章:第29章 端午の日 よみ(新仮名遣い):たんごのひ 通し章番号:
口述日:1925(大正14)年08月 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年2月14日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
ところが、六月五日になると進路はにわかに南方に転じた。日本人側からは方向が違う、と不審の声が上がったが、すでに先方は遠くへ進んでおり、地理に不案内のこともあってどうしようもない。
一同はあたりの沃野の広さ、自然や資源の豊かさに感嘆しながらのんびりと行軍を続けていた。
ある晩、三方が山の谷間で宿営を張ることになったが、雨模様であった。そこで日出雄が神言を奏上し、晴天をもたらした。ところがその後、盧占魁から夜間行軍の命令が出て、部隊は再び出発したが、今度は豪雨に見舞われてしまった。
部隊からは、先生がせっかく雨を止めてくださったのに、司令が宿営地を勝手に変更したために、神罰を受けたのだ、という者もあった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考:2024/2/9出口王仁三郎全集第6巻を底本として校正。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-02-10 19:29:48 OBC :rmnm29
愛善世界社版:256頁 八幡書店版:第14輯 641頁 修補版: 校定版:260頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 西北(せいほく)(むか)つて(つづ)けられた行軍(かうぐん)は、002(やま)()(たに)(わた)高原(かうげん)横切(よこぎ)りつつ(すす)()く。003ふと()れば前方(ぜんぱう)素晴(すば)らしい高山(かうざん)(よこ)たはつてゐる。004あの(やま)(うま)()えられやうかなと(あん)じつつ(すす)(うち)に、005何時(いつ)しか(その)(いただき)(たつ)してゐるといふ(やう)緩勾配(くわんこうばい)は、006(まつた)大陸(たいりく)特徴(とくちやう)であらう。007(ろく)(ぐわつ)五日(いつか)になると如何(いか)なる都合(つがふ)か、008針路(しんろ)(には)かに南方(なんぱう)(てん)ぜられて()た。009方向(はうかう)(ちが)ふぢやないか一体(いつたい)何処(どこ)()くのだ、010興安嶺(こうあんれい)聖地(せいち)()くのぢやないか、011などと日本人(につぽんじん)(がは)から不審(ふしん)(こゑ)()たが、012(すで)先鋒(せんぽう)(とほ)(すす)んでゐる(こと)とて、013地理(ちり)不案内(ふあんない)(もの)自由(じいう)行動(かうどう)困難(こんなん)である。014四囲(しゐ)景色(けしき)何時(いつ)しか(かは)つて、015()(とど)(かぎ)火山(くわざん)爆発(ばくはつ)(あと)らしく、016熔岩(ようがん)(あるひ)火山灰(くわざんばい)凝固(ぎようこ)(なか)(とほ)()けて、017(その)壮観(さうくわん)筆紙(ひつし)()(つく)(ところ)でない。018岡崎(をかざき)馬上(ばじやう)(なが)日出雄(ひでを)(こゑ)をかけ、
019岡崎(をかざき)先生(せんせい)020(なん)(おほ)きな火山(くわざん)ぢやありませぬか』
021日出雄(ひでを)『さうです(じつ)雄大(いうだい)なものです』
022真澄(ますみ)先生(せんせい)023阿蘇(あそ)火山(くわざん)大規模(だいきぼ)で、024世界一(せかいいち)大火山(だいくわざん)地文(ちもん)学者(がくしや)から()はれる(だけ)あつて実際(じつさい)壮観(さうくわん)ですが、025此処(ここ)はモ(ひと)大規模(だいきぼ)ぢやないでせうか、026(なに)(いは)くのありさうな(ところ)ですな』
027日出雄(ひでを)『さうです、028()れが霊界(れいかい)物語(ものがたり)第一(だいいつ)(くわん)にある天保山(てんぱうざん)一部(いちぶ)ですよ、029地文(ちもん)学者(がくしや)足跡(あしあと)(いた)らないので、030まだ世間(せけん)紹介(せうかい)されて()ないのだらう』
031真澄(ますみ)今度(こんど)蒙古入(もうこいり)には霊界(れいかい)物語(ものがたり)(ちう)実現(じつげん)大分(だいぶん)(ふく)まれて()ると、032(はら)(なか)(かぞ)へて()ましたが、033(かげ)でモ(ひと)(わか)りました』
034など(かた)()ひつつ、035(くさ)(しとね)星蒲団(ほしぶとん)大陸(たいりく)自由(じいう)ホテルを目指(めざ)して()く。
036 (ろく)(ぐわつ)六日(むいか)陰暦(いんれき)()(ぐわつ)五日(いつか)正午(しやうご)(ごろ)037(とほ)山屏風(やまびやうぶ)引廻(ひきめぐら)した広大(くわうだい)草野(さうや)(なか)に、038缶詰(くわんづめ)やメリケン()(せい)(もち)などくさぐさの食料(しよくれう)(くち)にし(なが)雑談(ざつだん)(ふけ)つて()るのは、039()(まで)もなく日出雄(ひでを)一行(いつかう)である。
040 (この)()()(ぐわつ)五日(いつか)吉日(きちにち)とて幹部(かんぶ)(れん)記念(きねん)撮影(さつえい)をなし、041(かく)兵団(へいだん)はそれぞれ適当(てきたう)地位(ちゐ)(ぼく)し、042団旗(だんき)(もと)(あつ)まつて(はるか)護衛(ごゑい)任務(にんむ)(つく)してゐる。
043岡崎(をかざき)『なんとこれ(だけ)(ひろ)野原(のはら)に、044真中(まんなか)(かは)(なが)れてゐるし、045(くさ)出来(でき)按配(あんばい)から()ても地味(ちみ)()(さう)だが、046立派(りつぱ)水田(すゐでん)出来(でき)るやうに(おも)ふね』
047守高(もりたか)(わたし)北海道(ほくかいだう)()つて開懇(かいこん)従事(じうじ)した経験(けいけん)から(かんが)へても、048立派(りつぱ)水田(すゐでん)出来(でき)ます。049今日(けふ)(まで)旅行(りよかう)した蒙古(もうこ)(なか)公爺府(コンエフ)以西(いせい)素晴(すば)らしい沃野(よくや)(あそ)んでゐますなア。050気候(きこう)風土(ふうど)(かん)じから()つても、051北海道(ほくかいだう)出来(でき)(もの)(なん)でも(つく)れますよ、052(をし)いものですな』
053坂本(さかもと)『これ(だけ)(わたし)(いただ)けたらモウ満足(まんぞく)です。054半分(はんぶん)水田(すゐでん)(はたけ)にし、055半分(はんぶん)牧場(ぼくぢやう)にして()きなナイスと、056(ひつじ)(かは)天幕張(てんとばり)蒙古包(もうこはう)十分(じふぶん)だから、057一緒(いつしよ)(くら)して()たいなア』
058真澄(ますみ)坂本(さかもと)さん、059ナイス(あと)から(おく)(とど)けるとして、060()(きみ)一人(ひとり)此処(ここ)(のこ)つて準備(じゆんび)取掛(とりかか)つたら()うです、061アハヽヽ』
062坂本(さかもと)『アハヽヽヽマア優先権(いうせんけん)さへ(みと)めて(いただ)けりや結構(けつこう)です』
063真澄(ますみ)実際(じつさい)(なん)()束縛(そくばく)干渉(かんせふ)もないこんな大天地(だいてんち)(ゆたか)(よこた)はつて、064人間(にんげん)さまのお()しを()つてゐるのに、065狭苦(せまくる)しい(ところ)(いが)()ひしてゐるのは()(どく)なものだ。066(とき)曼陀汗(マンダハン)さん、067(この)附近(ふきん)鉱山(くわうざん)()いのはありませぬか、068(はや)(てう)(てつ)さんに一億(いちおく)(ゑん)(まう)けて(もら)ひたいですからな、069アハツハヽ』
070曼陀汗(マンダハン)『サアよく(ぞん)じませぬが、071外蒙(ぐわいもう)砂漠(さばく)(なか)には水晶洞(すゐしやうどう)がチヨイチヨイあります。072(また)中央(ちうあう)火山脈(くわざんみやく)水源地(すゐげんち)樹木(じゆもく)鬱蒼(うつさう)たる(ところ)にルビーの(いは)があると()いてゐますが、073まだ(わたし)()つた(こと)はありませぬ』
074坂本(さかもと)外蒙(ぐわいもう)喇嘛廟(ラマメウ)には十二三(じふにさん)子供(こども)(ぐらゐ)(おほ)きさの金無垢(きんむく)仏像(ぶつざう)があるさうだから、075それ一体(いつたい)(だけ)せめて頂戴(ちやうだい)したいものだなア』
076井上(ゐのうへ)坂本(さかもと)さん、077(いま)そんな(おも)(もの)(もら)つたつて運搬(うんぱん)(こま)るよ。078それよりも新彊(シンキヤン)へでも()つて()ろ、079砂金(しやきん)大粒(おほつぶ)(いく)らでも(ころ)がつて()るサ』
080()占魁(せんくわい)新彊(シンキヤン)世界(せかい)宝庫(はうこ)だと(わたし)(おも)ひます。081山間(さんかん)(かた)(こほり)(やう)(ゆき)()いで引起(ひきおこ)すと、082(ゆき)(うら)十八金(じふはちきん)程度(ていど)砂金(しやきん)がベツタリくつついて()るやうな(ところ)(めづ)らしくない(くらゐ)です』
083日出雄(ひでを)(わたし)霊界(れいかい)()てる(ところ)では、084安爾泰(アルタイ)地方(ちはう)から新彊(シンキヤン)西蔵(チベツト)(ざかひ)方面(はうめん)には、085砂金(しやきん)()ふより(むし)(きん)(いは)とも()ふべき(ほど)(もの)沢山(たくさん)(かく)されてゐる。086鉱物(くわうぶつ)のみでなく087新彊(シンキヤン)(かみ)経綸(けいりん)枢要(すうえう)場所(ばしよ)で、088一般(いつぱん)天恵(てんけい)豊富(ほうふ)土地(とち)なのだ』
089真澄(ますみ)先生(せんせい)090()神諭(しんゆ)(しめ)されてる(とほ)りですがな。091実地(じつち)()(まで)(かみ)(しん)じない(ひと)(おほ)いのだから随分(ずゐぶん)面倒(めんだう)ですなア』
092日出雄(ひでを)『だから(かみ)(さま)(ほね)()れるのだ』
093()占魁(せんくわい)(しか)新彊(シンキヤン)()()むには勝手(かつて)()つた(もの)案内(あんない)させないと、094(めう)砂漠(さばく)がありまして、095うつかり()(こま)うものなら人馬(じんば)諸共(もろとも)ズブズブと滅入(めい)()んで(しま)ひます』
096真澄(ますみ)先生(せんせい)097(いま)()さんの()つた場所(ばしよ)霊界(れいかい)物語(ものがたり)第十(だいじつ)(くわん)安爾泰(アルタイ)地方(ちはう)(しやう)説明(せつめい)されてる場所(ばしよ)(あた)るぢやないでせうか』
098日出雄(ひでを)『さうらしいなア』
099 それからそれへと談話(はなし)交換(かうくわん)されてる(とき)100猪野(ゐの)軍医長(ぐんいちやう)()(おほ)きな氷塊(ひやうくわい)(つか)(なが)(はし)つて()た。
101猪野先生(せんせい)102こんな(こほり)()つけて()ました、103地下(ちか)三尺(さんじやく)(ぐらゐ)までは十分(じふぶん)解氷(かいひやう)してゐますが、104六七(ろくしち)(しやく)(ところ)はまだ(この)(とほ)りです。105(かは)(ふち)()()()這入(はい)()んで、106辛苦(しんく)して()つて(まゐ)りました』
107 一同(いちどう)猪野(ゐの)軍医(ぐんい)心尽(こころづく)しの(こほり)破片(はへん)(かつ)()やし、108(ふたた)行軍(かうぐん)(つづ)けた。109青野(あをの)(はら)()くる(あた)りから見渡(みわた)(かぎ)一面(いちめん)花野(はなの)(すす)む。110福寿草(ふくじゆさう)()黄色(きいろ)(はな)紫雲英(げんげ)()(はな)111菖蒲(しやうぶ)()(むらさき)など、112(あか)()(しろ)(むらさき)各々(おのおの)(えん)(きそ)うてゐる。
113(真澄別)月光(げつくわう)(いよいよ)()()でて
114精神界(せいしんかい)王国(わうこく)
115(あづま)(くに)(ひら)かれぬ
116真理(しんり)太陽(たいやう)晃々(くわうくわう)
117(かがや)(わた)永遠(とことは)
118()きぬ生命(いのち)真清水(ましみづ)
119下津(したつ)岩根(いはね)にあふれつつ
120慈愛(じあい)(あめ)()(そそ)
121荘厳(さうごん)無比(むひ)光明(くわうみやう)
122世人(よびと)身魂(みたま)(てら)すべく
123(あら)はれませり人々(ひとびと)
124一日(ひとひ)(はや)()をさませ
125四方(よも)(くに)より(きこ)()
126(まこと)(かみ)(こゑ)()
127(たま)清水(しみづ)(かは)(ひと)
128(みづ)御霊(みたま)にうるほへよ
129 と(うた)ひつつ本部隊(ほんぶたい)より十数町(じふすうちやう)(おく)れて、130(この)(ひろ)花野(はなの)吾物顔(わがものがほ)馬上(ばじやう)(ゆた)かに(すす)()くのは真澄別(ますみわけ)であつた。131坂本(さかもと)(あと)引添(ひきそ)(なが)ら『(まつた)くですなア』と感嘆(かんたん)(こゑ)()らし(なが)近頃(ちかごろ)内地(ないち)流行(りうかう)する(うた)だとて節面白(ふしおもしろ)(うた)()した。
132(坂本)(ぼく)()くから(きみ)()
133(せま)日本(にほん)にや()()いた
134(なみ)彼方(あなた)支那(しな)がある
135支那(しな)には四億(しおく)(たみ)()
136昨日(きのふ)(ひがし)今日(けふ)西(にし)
137()浮草(うきぐさ)のそれの(ごと)
138(はて)しなき()(ただ)一人(ひとり)
139(つき)(あふ)いで草枕(くさまくら)
140(たま)(はだ)なる(この)(からだ)
141(いま)ぢや鎗創(やりきず)刀傷(かたなきず)
142これぞ(まこと)(をとこ)ぢやと
143ほほ()(かほ)(はり)(ひげ)
144(ぼく)には(ちち)(はは)もなく
145(うま)故郷(こきやう)(いへ)もなし
146幾年(いくとせ)()れし(やま)あれど
147(わか)れを()しむ(もの)もなし
148(ただ)(いた)はしの恋人(こひびと)
149(をさな)(ころ)友達(ともだち)
150何処(いづこ)()むのか(いま)(ただ)
151夢路(ゆめぢ)姿(すがた)(しの)ぶのみ
152興安嶺(こうあんれい)朝風(あさかぜ)
153(つるぎ)をかざして()()れば
154北満州(きたまんしう)大平野(だいへいや)
155(ぼく)住家(すみか)にやまだ(せま)
156(くに)()てから十余(じふよ)(ねん)
157(いま)ぢや蒙古(もうこ)大馬賊(だいばぞく)
158亜細亜(あじあ)高根(たかね)(あひだ)より
159()()部下(てした)五千(ごせん)(にん)
160(こま)(ひづめ)(しの)ばせつ
161(つき)雲間(くもま)()()でて
162明日(あす)(おそ)はむ奉天府(ほうてんふ)
163ゴビの砂漠(さばく)()らすなり
164 花野(はなの)()きて三方(さんぱう)(やま)「山」のフリガナは底本(全集)では「さん」、王仁蒙古入記318頁では「ざん」、校定版や愛善世界社版では「やま」。「三方山」という名前の山なのではなく、「三つの方向」が「山」という意味だと思われるので「やま」にする。谷間(たにま)()いた(ころ)165(そら)はどんよりと(くも)(はじ)め、166(つひ)(くも)(ほころ)びて(あめ)となつた。167()(すで)(かたむ)きかけた(うへ)168前途(ぜんと)(やま)(また)(やま)重畳(ぢうじやう)折重(をりかさ)なつて()えてゐる。169(しか)(この)(あめ)では野営(やえい)(ゆめ)(むす)ぶなどは(おも)ひも()らぬ(こと)である。170(この)(とき)こそはと、171日出雄(ひでを)小高(こだか)岩上(がんじやう)(のぼ)()神言(かみごと)奏上(そうじやう)(はじ)むるや、172一天(いつてん)ガラリと()(わた)り、173五日(いつか)(つき)西天(せいてん)玲瓏(れいろう)たる慈光(じくわう)(はな)(はじ)めた。174(ここ)日出雄(ひでを)一行(いつかう)(こころ)(やすん)じ、175就寝(しうしん)準備(じゆんび)にかかると、176如何(いか)なる軍議(ぐんぎ)参謀(さんぼう)(あひだ)(まとま)りしか、177引続(ひきつづ)夜間(やかん)行軍(かうぐん)開始(かいし)報告(はうこく)()たので、178一行(いつかう)(つぶや)(なが)(また)行進(かうしん)(はじ)めると、179()もなく(ふたた)小雨(こさめ)そぼ()(そら)となつた。180日出雄(ひでを)は『最早(もはや)我々(われわれ)責任(せきにん)でない』と()ひ、181真澄別(ますみわけ)(べつ)祈願(きぐわん)しようとしない、182(つひ)豪雨(がうう)見舞(みま)はれて、183全軍(ぜんぐん)山間(さんかん)岩影(いはかげ)()(あか)すの()むを()ざる(こと)となつた。184(この)(とき)(ちやう)彦三(けんさん)は『先生(せんせい)折角(せつかく)(あめ)()めて(くだ)さつたのに司令(しれい)無断(むだん)宿営地(しゆくえいち)変更(へんかう)したから神罰(しんばつ)()けたのだ』と吐息(といき)()らして(おほい)(たん)じた。
185大正一四、八、筆録)

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