愛善苑主意書

 人類は今や新しい天地を迎えようとしています。科学の進歩は物質文明のいちぢるしい発展をもたらしましたが、また、戦争のわざわいをいよいよ大ならしめ、人心をしてますます不安ならしめました。ここに人類は深く反省すると共にその本性に目ざめ、世界恒久平和の実現に向つて進みはじめました。
 そもそも宇宙の本源は神であります。神の愛は万有にあまねく一さいを生かし育てています。人類はひとしく神の子であり四海は同胞であります。この本義に立ちかえり、あらゆるへだてを超えて神の心を心とする愛善の世界を実現することは、万人霊性のおのづからなる願いであり人類最高の理想であります。
 この霊性をひらき人類をその本然にみちびき永遠の生命をあたえるものは真の宗教であります。宗教が新しい文化の根源となり政治、経済、教育、芸術など文化全般の中にとけ入り、人類社会の生活が愛善化するとき、はじめて高度の文化、永遠の平和は打ちたてられるのであります。
 われらはここに人類愛善の大義を発揚し、万教同根の真理にもとづき、ひろく相たずさえて万民和楽の地上天国を実現しようとするものであります。
 
 昭和二十一年十二月八日