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[281]安全な代物
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[283]堪忍
[284]信教の自由
[285]信仰に苔が生えた
[286]意志想念の儘なる天地
[287]謝恩の生活
[288]広大無辺の御神徳
[289]宗教団と其教祖
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[291]日本人の抱擁性
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[297]惟神の心
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[303]地租委譲問題
[304]不戦条約
[305]細矛千足の国
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[311]軍備撤廃問題
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(B)
(N)
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神
(
かみ
)
と
倶
(
とも
)
にある
人
(
ひと
)
インフォメーション
鏡:
月鏡
題名:
神と倶にある人
よみ:
著者:
出口王仁三郎
神の国掲載号:
1929(昭和4)年05月号
八幡書店版:
181頁
愛善世界社版:
著作集:
105頁
第五版:
76頁
第三版:
76頁
全集:
501頁
初版:
56頁
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
kg295
001
人間
(
にんげん
)
は
神
(
かみ
)
を
信
(
しん
)
じ、
002
神
(
かみ
)
と
倶
(
とも
)
にありさへすれば、
003
池辺
(
いけべ
)
の
杜若
(
かきつばた
)
や、
004
山林
(
さんりん
)
の
青葉
(
あをば
)
が、
005
自然
(
しぜん
)
に
包
(
つつ
)
まれて
居
(
ゐ
)
る
如
(
ごと
)
く、
006
長閑
(
のどか
)
にして
安全
(
あんぜん
)
なものである。
007
然
(
しか
)
し
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は、
008
変化
(
へんくわ
)
があるので、
009
人生
(
じんせい
)
は
面白
(
おもしろ
)
い。
010
彼
(
か
)
の
美
(
うつく
)
しい
海棠
(
かいだう
)
の
花
(
はな
)
だけを
避
(
さ
)
けて、
011
吹
(
ふ
)
き
捲
(
まく
)
る
暴風雨
(
ばうふうう
)
はない。
012
如何
(
いか
)
なる
苦痛
(
くつう
)
の
深淵
(
しんえん
)
に
沈
(
しづ
)
むとも、
013
心
(
こころ
)
に
正
(
ただ
)
しき
信仰
(
しんかう
)
さへあれば、
014
即
(
すなは
)
ち
根本
(
こんぽん
)
に
信
(
しん
)
を
置
(
お
)
いて、
015
惟神
(
かむながら
)
の
定
(
さだ
)
めに
任
(
まか
)
せてさへ
行
(
ゆ
)
けば、
016
そこに
変
(
かは
)
りの
無
(
な
)
い
彩色
(
さいしき
)
があり
音響
(
おんきやう
)
がある。
017
人生
(
じんせい
)
は
如何
(
いか
)
なる
難事
(
なんじ
)
に
逢
(
あ
)
ふも
恨
(
うら
)
まず、
018
嘆
(
なげ
)
かず、
019
哀別
(
あいべつ
)
も
離苦
(
りく
)
も
総
(
すべ
)
てが
花
(
はな
)
を
撲
(
う
)
つ
風雨
(
ふうう
)
と
思
(
おも
)
へば
良
(
よ
)
い。
020
富貴
(
ふうき
)
も、
021
栄達
(
ゑいたつ
)
も、
022
貧窮
(
ひんきう
)
も、
023
総
(
すべ
)
てがゆつたりとした
春
(
はる
)
の
気分
(
きぶん
)
で
世
(
よ
)
に
処
(
しよ
)
するのが
惟神
(
かむながら
)
の
大道
(
だいだう
)
である。
024
何程
(
なにほど
)
焦慮
(
あせ
)
つても、
025
一日
(
いちにち
)
に
人間
(
にんげん
)
の
足
(
あし
)
では、
026
百里
(
ひやくり
)
は
歩
(
あ
)
るけぬものだ。
027
学問
(
がくもん
)
や
黄金
(
わうごん
)
の
力
(
ちから
)
でも、
028
如何
(
いか
)
に
偉大
(
ゐだい
)
な
政治家
(
せいぢか
)
や
大軍人
(
だいぐんじん
)
の
力
(
ちから
)
でも、
029
昨日
(
きのふ
)
を
今日
(
けふ
)
にする
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬ。
030
又
(
また
)
今日
(
けふ
)
を
明日
(
あす
)
にする
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ぬ。
031
唯
(
ただ
)
一秒
(
いちべう
)
の
時間
(
じかん
)
でも、
032
自由
(
じいう
)
に
動
(
うご
)
かす
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬ。
033
一滴
(
いつてき
)
の
露
(
つゆ
)
、
034
眼
(
め
)
に
見
(
み
)
えぬ
程
(
ほど
)
の
小
(
ちひ
)
さい
生物
(
せいぶつ
)
でも、
035
それを
黄金
(
わうごん
)
の
力
(
ちから
)
では
造
(
つく
)
れない、
036
学問
(
がくもん
)
の
力
(
ちから
)
でも
駄目
(
だめ
)
である。
037
斯
(
こ
)
う
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ると、
038
人間
(
にんげん
)
程
(
ほど
)
小
(
ちひ
)
さい
力
(
ちから
)
の
貧弱
(
ひんじやく
)
なものは
無
(
な
)
い。
039
然
(
しか
)
し
人間
(
にんげん
)
は
一滴
(
いつてき
)
の
露
(
つゆ
)
さへ
自力
(
じりき
)
で
作
(
つく
)
る
事
(
こと
)
は
能
(
で
)
きぬが、
040
神
(
かみ
)
を
忘
(
わす
)
れ
神
(
かみ
)
に
反
(
そむ
)
いた
時
(
とき
)
には、
041
憂愁
(
いうしう
)
と
苦悩
(
くなう
)
とを
以
(
もつ
)
て、
042
広
(
ひろ
)
い
天地
(
てんち
)
を
覆
(
おほ
)
ひ
盡
(
つく
)
す
様
(
やう
)
になる、
043
その
胸
(
むね
)
が
幾個
(
いくこ
)
あつても、
044
そのもの
思
(
おも
)
ひを
容
(
い
)
れる
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ないやうになつて
来
(
く
)
る。
045
吁
(
ああ
)
、
046
人間
(
にんげん
)
は
一滴
(
いつてき
)
の
露
(
つゆ
)
、
047
一塊
(
いつくわい
)
の
土
(
つち
)
さへ
作
(
つく
)
る
能力
(
のうりよく
)
もなき
癖
(
くせ
)
に、
048
天地
(
てんち
)
に
充満
(
じゆうまん
)
して、
049
身
(
み
)
の
置
(
お
)
き
処
(
どころ
)
の
無
(
な
)
いほど、
050
大
(
おほ
)
きい
苦労
(
くらう
)
を
作
(
つく
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
る。
051
人間
(
にんげん
)
は
苦労
(
くらう
)
を
作
(
つく
)
るために、
052
決
(
けつ
)
して
生
(
うま
)
れたのではない。
053
人間
(
にんげん
)
は
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
、
054
天地
(
てんち
)
経綸
(
けいりん
)
の
使用者
(
しようしや
)
として、
055
神
(
かみ
)
の
御用
(
ごよう
)
の
為
(
ため
)
に
世
(
よ
)
に
生
(
うま
)
れて
来
(
き
)
たものである。
056
惟神
(
かむながら
)
の
心
(
こころ
)
になつて
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
悉
(
ことごと
)
く、
057
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
に
打
(
う
)
ち
任
(
まか
)
せさへすれば、
058
自然
(
しぜん
)
天地
(
てんち
)
の
恵
(
めぐ
)
みが
惟神的
(
かむながらてき
)
にして、
059
自然
(
しぜん
)
の
儘
(
まま
)
に
行
(
ゆ
)
き
渡
(
わた
)
るものである。
060
然
(
しか
)
るに
神
(
かみ
)
に
在
(
あ
)
らざる
人間
(
にんげん
)
の
根蔕
(
こんたい
)
は、
061
兎
(
と
)
もすれば
揺
(
ゆ
)
らつき、
062
動
(
うご
)
き
出
(
だ
)
し
自然
(
しぜん
)
の
規定
(
きてい
)
を、
063
我
(
われ
)
から
破
(
やぶ
)
つて、
064
神
(
かみ
)
を
背
(
せ
)
にした
道
(
みち
)
を
踏
(
ふ
)
むために、
065
遂
(
つい
)
に
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みに
離
(
はな
)
るるに
至
(
いた
)
るのである。
066
若
(
も
)
し
人間
(
にんげん
)
に、
067
樹草
(
きくさ
)
の
如
(
ごと
)
く
確固
(
かくこ
)
たる
根
(
ね
)
があつて、
068
総
(
すべ
)
てを
天地
(
てんち
)
に
委
(
まか
)
して
優和
(
やさ
)
しい
大自然
(
だいしぜん
)
の
懐
(
ふところ
)
に
抱
(
いだ
)
かれる
余裕
(
よゆう
)
さへあれば、
069
何時
(
いつ
)
の
世
(
よ
)
も、
070
至幸至福
(
しかうしふく
)
で
長閑
(
のどか
)
で、
071
悠々
(
いういう
)
たる
光陰
(
くわういん
)
を
楽
(
たの
)
しく
送
(
おく
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
る
様
(
やう
)
になつて
居
(
を
)
る
世界
(
せかい
)
である。
072
牡丹
(
ぼたん
)
も、
073
杜若
(
かきつばた
)
も、
074
又
(
また
)
は
清
(
きよ
)
い
翠
(
みどり
)
を
見
(
み
)
せる
樹々
(
きぎ
)
も、
075
大風
(
たいふう
)
に
揉
(
も
)
まれ、
076
大雨
(
たいう
)
に
撲
(
う
)
たれて、
077
手足
(
てあし
)
を
挫
(
くじ
)
かれる
程
(
ほど
)
の
憂目
(
うきめ
)
は
見
(
み
)
る
事
(
こと
)
はあつても、
078
其
(
その
)
根蔕
(
こんたい
)
に、
079
些
(
いささか
)
の
揺
(
ゆる
)
ぎも
見
(
み
)
せぬ。
080
此所
(
ここ
)
は
苦
(
くる
)
しいから、
081
他
(
た
)
の
土地
(
とち
)
へ
移
(
うつ
)
らうとは
考
(
かんが
)
へない。
082
大風
(
たいふう
)
は
何処
(
どこ
)
へいつても
吹
(
ふ
)
き、
083
大雨
(
たいう
)
は
何処
(
どこ
)
へ
行
(
い
)
つても
降
(
ふ
)
る。
084
美
(
うつく
)
しい
太陽
(
たいやう
)
は、
085
何国
(
いづこ
)
の
涯
(
はて
)
にも
輝
(
かがや
)
く。
086
今日
(
けふ
)
の
暴風雨
(
ばうふうう
)
を、
087
凌
(
しの
)
ぐだけの
勇気
(
ゆうき
)
さへ
持
(
も
)
てば、
088
明日
(
あす
)
の、
089
長閑
(
のど
)
かな
歓楽
(
くわんらく
)
に
会
(
あ
)
ふ
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ると
覚悟
(
かくご
)
して、
090
天地
(
てんち
)
に
絶大
(
ぜつだい
)
の
信
(
しん
)
を
置
(
お
)
く、
091
その
為
(
ため
)
に
些
(
すこ
)
しも
動揺
(
どうえう
)
が
無
(
な
)
い。
092
土地
(
とち
)
を
替
(
か
)
へても、
093
処
(
ところ
)
を
変
(
か
)
へても、
094
会
(
あ
)
ふだけの
苦難
(
くなん
)
には
会
(
あ
)
ひ、
095
享
(
う
)
けるだけの
歓楽
(
くわんらく
)
は
享
(
う
)
ける。
096
麻縄
(
あさなは
)
で
縛
(
しば
)
られて、
097
身
(
み
)
の
自由
(
じいう
)
を
得
(
え
)
ようと
煩悶
(
もだ
)
へるのは、
098
応
(
やが
)
て
自
(
みづか
)
ら
苦痛
(
くつう
)
の
淵
(
ふち
)
に
沈
(
しづ
)
むものである。
099
人間
(
にんげん
)
は
一切
(
いつさい
)
を
惟神
(
かむながら
)
に
任
(
まか
)
せて
居
(
を
)
れば、
100
実
(
じつ
)
に
世界
(
せかい
)
は
安養
(
あんやう
)
浄土
(
じやうど
)
であり
天国
(
てんごく
)
である。
101
爛漫
(
らんまん
)
たる
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
に
酔
(
よ
)
ふ
春
(
はる
)
の
光
(
ひかり
)
も、
102
次第
(
しだい
)
に
薄
(
うす
)
らぎ、
103
青葉
(
あをば
)
の
茂
(
しげ
)
る
夏
(
なつ
)
となり、
104
木葉
(
このは
)
の
散
(
ち
)
り
敷
(
し
)
く
秋
(
あき
)
の
淋
(
さび
)
しさを
迎
(
むか
)
へ、
105
雪
(
ゆき
)
の
降
(
ふ
)
る
冬
(
ふゆ
)
となつて、
106
万木
(
ばんぼく
)
万草
(
ばんさう
)
枯死
(
こし
)
の
状態
(
じやうたい
)
になるは、
107
天地
(
てんち
)
惟神
(
かむながら
)
の
大道
(
だいだう
)
である。
108
香
(
かほ
)
りの
好
(
よ
)
い
釵
(
かんざし
)
の
花
(
はな
)
を
嬉
(
うれ
)
しう
翳
(
かざ
)
した
天窓
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
に、
109
時雨
(
しぐれ
)
が
降
(
ふ
)
り、
110
愛
(
あい
)
の
記念
(
きねん
)
の
指環
(
ゆびわ
)
を
穿
(
さ
)
した
白魚
(
しらうを
)
の
手
(
て
)
に
落葉
(
おちば
)
がする
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だ。
111
花
(
はな
)
の
山
(
やま
)
が
青葉
(
あをば
)
の
峰
(
みね
)
と
忽
(
たちま
)
ち
代
(
かは
)
り、
112
青葉
(
あをば
)
の
峰
(
みね
)
は
木枯
(
こがらし
)
の
谷
(
たに
)
となる。
113
辛
(
つら
)
い
経験
(
けいけん
)
は、
114
人生
(
じんせい
)
にとつて
免
(
まぬが
)
れ
難
(
がた
)
き
所
(
ところ
)
である。
115
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら、
116
人間
(
にんげん
)
は
決
(
けつ
)
して
斯
(
こ
)
んな
悲惨
(
ひさん
)
なものではなく、
117
永遠
(
ゑいゑん
)
の
生命
(
せいめい
)
と
永遠
(
ゑいゑん
)
の
安楽
(
あんらく
)
とを
与
(
あた
)
へられて
世
(
よ
)
に
生
(
うま
)
れ、
118
大
(
だい
)
なる
神業
(
しんげう
)
を
以
(
もつ
)
て、
119
神
(
かみ
)
の
御用
(
ごよう
)
の
為
(
ため
)
に
出
(
で
)
て
来
(
き
)
たものである
事
(
こと
)
を
覚
(
さと
)
らねばならぬ。
120
それは
只
(
ただ
)
神
(
かみ
)
を
知
(
し
)
る
事
(
こと
)
に
依
(
よ
)
つてのみ
得
(
え
)
らるる
人生
(
じんせい
)
の
特権
(
とつけん
)
である。
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