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第五章 誘惑婆(いうわくばば)〔六一六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第17巻 如意宝珠 辰の巻 篇:第1篇 雪山幽谷 よみ(新仮名遣い):せつざんゆうこく
章:第5章 誘惑婆 よみ(新仮名遣い):ゆうわくばば 通し章番号:616
口述日:1922(大正11)年04月21日(旧03月25日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年1月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
平助、お楢、お節は三人連れになって山道を進んで行く。すると、行く手をさえぎる婆があった。
婆は真名井ケ原の豊国姫は悪神だと罵り、自分の話を聞くようにと一行を引き止める。そして素盞嗚尊の悪口を言い出す。これはウラナイ教の黒姫であった。
そこへ向こうから宣伝歌を歌いながら音彦と青彦がやって来た。お節も声を合わせて宣伝歌を歌うと、黒姫は傍らの茂みの中へ逃げてしまった。
二人は黒姫が出現したことをお節から聞いてあきれている。二人は、悦子姫の命で、平助一行を迎えにやってきたのであった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-02-13 21:24:01 OBC :rm1705
愛善世界社版:70頁 八幡書店版:第3輯 549頁 修補版: 校定版:72頁 普及版:31頁 初版: ページ備考:
001 平助(へいすけ)は、002(なら)003(せつ)(とも)崎嶇(きく)たる山路(やまみち)心細(こころぼそ)げにとぼとぼと(すす)()く。004春日(はるひ)()らされて日向辺(ひなたべり)坂道(さかみち)(ゆき)()け、005(やま)(はだ)(あら)はして()る。006()かる(ところ)蓑笠(みのかさ)()一人(ひとり)(ばば)007(わか)(むすめ)二人(ふたり)(ともな)ひ、008行手(ゆくて)()(ふさ)がり、
009(ばば)『これはこれは、010(ぢい)さま、011()アさま、012青白(あをじろ)()せた(むすめ)()れて何処(どこ)()くのぢや』
013平助(へいすけ)『ハイハイ、014(まへ)さまは何処(どこ)のお(かた)()らぬが、015(わたくし)真名井(まなゐ)(はら)の、016今度(こんど)(あら)はれなさつた結構(けつこう)(かみ)(さま)に、017(れい)(まゐ)りに()くのぢや、018どうぞ其処(そこ)退()いて(くだ)され』
019(ばば)『お(まへ)さま、020真名井(まなゐ)(はら)()(れい)(まゐ)りに()くのぢやと()うたな、021アンナ(ところ)()つて一体(いつたい)(なに)をするのぢや、022あの(かみ)悪神(あくがみ)ぢやぞ』
023平助(へいすけ)悪神(あくがみ)でも(なん)でも(かま)うて(くだ)さるな、024信仰(しんかう)自由(じいう)だ、025(わたくし)(こころ)(わたくし)(をが)むのぢや、026何処(どこ)(ばば)アか()らぬけれど、027(ひと)信仰(しんかう)(おと)ささうと(おも)うて、028コンナ(やま)(なか)()しや()つて、029よい物好(ものず)きもあればあるものぢやワイ』
030(ばば)『はてさて(こま)つた(ひと)(たち)だ、031可憐(かわい)さうなものだナア。032良薬(りやうやく)(くち)(にが)し、033利益(りえき)になる(こと)()へば(きら)はれる()(なか)だ、034(まへ)さま、035これから(さき)()かうものなら(いのち)がないぞへ、036(いのち)()てても信神(しんじん)をするのかい』
037平助(へいすけ)誰人(だれ)(いのち)まで()かして信神(しんじん)する物好(ものずき)があるものか、038長命(ながいき)がしたさにお参詣(まゐり)するのぢや。039真名井(まなゐ)(はら)豊国姫(とよくにひめ)(かみ)(さま)()つたら、040それはそれは結構(けつこう)な、041(いのち)(かみ)(さま)ぢや。042(まへ)(ひと)(まゐ)つてお(かげ)(いただ)いてはどうだい、043何時(いつ)(まで)(いき)()ても生満足(いきたんのう)せぬ(この)()(なか)だ。044サアサア()かう()かう』
045(ばば)『マアマアお()イさま、046一服(いつぷく)しなさい、047此処(ここ)(すこ)(よこ)()ると(ちひ)さい(いへ)がある、048其処(そこ)(わたし)修業場(しうげふば)ぢや、049(まへ)(たち)のやうな(みづ)(みたま)(とぼ)けて()てくる亡者(まうじや)済度(さいど)しやうと(おも)うて、050(にはか)修行場(しうぎやうば)(こしら)へたのだ、051()はず(ぎら)ひは信用(あて)にならぬものぢや、052マア()(かく)この(ばあ)さまに()いて()(いで)なさい』
053平助(へいすけ)『オイお(なら)054()うせう、055この(ばあ)さまの()(とほ)り、056大分(だいぶん)(あし)(つか)れた。057一寸(ちよつと)一服(いつぷく)して(はなし)()くだけ()いて()ようかなア』
058(なら)『お()イさま、059(まへ)はそれだから(こま)ると()ふのぢや、060(ぢき)(ひと)口車(くちぐるま)()つて、061ソンナ(こと)信神(しんじん)出来(でき)るものか、062(わたし)何時(いつ)意見(いけん)すると、063仕様(しやう)のない(ばば)アの老婆心(らうばしん)(ぬか)(こと)()(みみ)()たぬと、064(ふた)()には頑張(ぐわんば)りなさるが、065(ちつ)とは(この)(ばば)アの()(こと)()きなさい、066(まへ)(あんま)老爺心(らうやしん)勝過(かちす)ぎて()る。067何処(どこ)()アさまか()らぬけれど、068(わたし)より(ちつ)(わか)いと(おも)うて(はや)()()になつて御座(ござ)るが、069(いや)ぢや(いや)ぢや、070(わたし)はどうしても、071ソンナ(ところ)へは()かぬ、072それよりも(はや)真名井(まなゐ)さまに参詣(さんけい)して()(れい)(まを)さねばなるまい、073サアサアお(せつ)()かう()かう』
074平助(へいすけ)(ばば)アがさう()うても、075(せつ)(まへ)はどうだ、076一寸(ちよつと)()つて()()はないか』
077(せつ)『お()イさま、078道草(みちぐさ)()はずにトツトと(まゐ)りませうよ』
079(ばば)『これはこれはお()アさまと()ひ、080(むすめ)さまと()ひ、081(なん)()不心得(ふこころえ)(こと)だい、082(をつと)(おや)言葉(ことば)(そむ)くと()(こと)があるものか、083大方(おほかた)(まへ)さまは三五教(あななひけう)信者(しんじや)であらう』
084(せつ)(もつと)(わたし)三五教(あななひけう)信者(しんじや)御座(ござ)います、085()イさまお()アさまは無宗教(むしうけう)(しや)086(わらは)大江山(おほえやま)のバラモン(けう)大将(たいしやう)誘拐(かどはか)され、087巌窟(がんくつ)(なか)()()められ(くる)しみ(もだ)えて()りました。088其処(そこ)有難(ありがた)三五教(あななひけう)(かみ)(さま)夢枕(ゆめまくら)()つて(くだ)さいまして、089宣伝歌(せんでんか)(をし)へて(くだ)さつた、090(その)宣伝歌(せんでんか)(とな)へて()ると、091()もなく悪者(わるもの)改心(かいしん)(いた)しまして、092(たす)けに()()れました。093()(なか)()(かみ)(さま)(たふと)いと()うても、094三五教(あななひけう)(かみ)(さま)(くらゐ)有難(ありがた)(かみ)(さま)はありませぬ、095(わたし)三五教(あななひけう)守護(しゆご)(あそ)ばす豊国姫(とよくにひめ)(かみ)(さま)が、096今度(こんど)真名井(まなゐ)(はら)()出現(しゆつげん)になつたので、097(れい)(まゐ)りに()(ところ)御座(ござ)います、098どうぞ神詣(かみまゐ)りの途中(とちう)邪魔(じやま)して(くだ)さいますな、099(はなし)があれば下向(げかう)途中(とちう)()()ると(うけたま)はりませう』
100(ばば)『サアそれがいかぬのだよ、101三五教(あななひけう)(いま)高天原(たかあまはら)をおつ()()された素盞嗚(すさのをの)(みこと)()(やつ)大将(たいしやう)をして()るのだ、102(わる)けれやこそ結構(けつこう)(ところ)逐出(おひだ)されたのぢやないか、103(まへ)さま(たち)もさうぢやらう、104柔順(おとな)しい自分(じぶん)兄弟(きやうだい)(たれ)逐出(おひだ)すものか、105(おや)()かし、106兄弟(きやうだい)()かし、107ヤンチヤ()()りを(つく)し、108近所(きんじよ)(まを)すに(およ)ばず、109其辺中(そこらぢう)迷惑(めいわく)をかける極道(ごくだう)息子(むすこ)何程(なにほど)可愛(かあい)いと()うても、110世間(せけん)手前(てまへ)(うち)()いておくと()(こと)出来(でき)まいがな。111それと(おな)(こと)に、112伊邪諾(いざなぎ)大神(おほかみ)(さま)や、113(あね)(かみ)(さま)愛想(あいさう)をつかし、114世間(せけん)()まぬと()うて()つても()れぬ姉弟(きやうだい)(なか)()()された(くらゐ)だもの、115()でも蒟蒻(こんにやく)でも()代物(しろもの)ぢやない、116その素盞嗚(すさのをの)(みこと)采配(さいはい)()つて()三五教(あななひけう)(まよ)()むとは(なん)()ふお(まへ)(たち)没分暁漢(わからずや)ぢやいナア、117三五教(あななひけう)真実(ほんと)(こと)()きたけれや、118この(ばば)(とつく)りと説明(せつめい)して()げる、119サアサア(なん)()つても()れて()く、120()なされ()なされ』
121(せつ)仮令(たとへ)()イさま、122()アさまが()くと仰有(おつしや)つても(わたし)だけはよう(まゐ)りませぬ』
123(ばば)『エヽ(わか)らぬ()じやなア、124これこの(とほ)綺麗(きれい)二人(ふたり)(むすめ)が、125(この)(ばば)()(こと)(こころ)から納得(なつとく)して、126朝夕(あさゆふ)忠実(ちうじつ)(つか)へて()るのぢや、127(あたら)しい(をんな)流行(はや)時節(じせつ)にお(まへ)さまは(また)(なん)とした(ふる)頭脳(あたま)ぢや、128それもその(はず)(いち)(ねん)(ばか)りも世間(せけん)()ずに、129(いは)(あな)押込(おしこ)められて()たのだから世間(せけん)様子(やうす)(わか)るまい、130()(なか)随分(ずゐぶん)(すす)みて()るぞえ、131(ちつ)(しつか)りして(この)()アさまの()(こと)()きなされ、132()()えてもこの(ばば)は、133(わか)(とき)からドンナ(こと)にも経験(けいけん)()みて()苦労人(くらうにん)黒姫(くろひめ)ぢや、134苦労(くらう)なしに(まこと)(はな)()かぬぞえ』
135(せつ)『お(せつ)御尤(ごもつと)もで御座(ござ)いませうが、136()らぬ()節介(せつかい)137(なん)(あふ)せつけられましても、138折角(せつかく)ながら(おう)()ねます、139()らぬ()節介(せつかい)()めて(くだ)さいませ』
140黒姫(くろひめ)『エイ()(つよ)(をんな)ぢやなア。141青瓢箪(あをべうたん)()()はしたやうな(かほ)をしやがつて、142ようまあツベコベと理屈(りくつ)(さへづ)小娘(こむすめ)だ、143イヤ我羅苦多(がらくた)(むすめ)ぢや、144もしもしお()イさま、145(まへ)(とし)()つてコンナやんちや(むすめ)()つて()ては(すゑ)(あん)じられる、146もつと真面目(まじめ)真実(ほんと)身魂(みたま)になつて、147(まへ)さま夫婦(ふうふ)安心(あんしん)出来(でき)るやうに教育(けういく)して()げるから、148サアサアあそこ(まで)()(くだ)さい、149この(とほ)二人(ふたり)(むすめ)さまは(しと)やかなものだ、150これも(まつた)(わたし)教育(けういく)がよいからぢやぞゑ』
151平助(へいすけ)『エヽ(やかま)しいワイ、152(むすめ)がお転婆(てんば)にならうと、153()うならうと貴様(きさま)()のお世話(せわ)にならぬ(わい)154サアサアお(せつ)155コンナ糞婆(くそばば)(かか)()つて()つたら()()れる、156サアサア()かう()かう』
157(なら)『モシモシお()イさま、158さう()つたものぢやない、159(ひと)つお(まへ)()いたらどうぢや、160後生(ごしやう)のためになるかも()れぬぞえ』
161 (この)(とき)前方(ぜんぱう)より宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら()つて()二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)があつた。162(せつ)(この)(こゑ)(ちから)()163宣伝歌(せんでんか)(あは)して、
164お節朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
165(つき)()つとも()くるとも
166(まこと)(ちから)()(すく)ふ』
167()()(をど)()したれば、168黒姫(くろひめ)前後(ぜんご)宣伝歌(せんでんか)板挟(いたばさ)みとなり、
169黒姫(くろひめ)『エイエイ、170(をり)(をり)肝腎(かんじん)(ところ)(また)もや我羅苦多(がらくた)宣伝使(せんでんし)()()よつて(あたま)(いた)(わい)171亡国(ばうこく)(てき)(こゑ)()しよつて、172アヽ(むね)(くる)しい、173サアサアお()イさまにお()アさま、174アンナ(やつ)見付(みつ)かつたら大変(たいへん)だ、175(その)ヤンチヤ(むすめ)(はや)(わたし)(あと)へついて()るのだよ』
176(なら)『サアサア平助(へいすけ)さま、177(まへ)この(かた)(あと)()いて()かう、178(こわ)(もの)()()るさうな』
179平助(へいすけ)『お(せつ)(はなし)()いて、180三五教(あななひけう)()ふのがある(こと)()いたが、181(なん)だか(かみ)(さま)のやうな(こゑ)だ、182(おれ)(この)(こゑ)()くと益々(ますます)真名井(まなゐ)(はら)(かみ)(さま)有難(ありがた)くなつて()たワイ』
183黒姫(くろひめ)『エイエイ仕方(しかた)のない耄碌(まうろく)(ばか)りぢやなア、184(まこと)(ひと)つで(たす)けてやらうと(おも)へば、185一生(いつしやう)懸命(けんめい)(いや)がつて滅亡(ほろび)(みち)()んで()かうとする。186嗚呼(ああ)187(えん)なき衆生(しうじやう)済度(さいど)(がた)しとは、188()()うたものだ。189エヽ気分(きぶん)(わる)い、190宣伝歌(せんでんか)段々(だんだん)(ちか)づいて()る、191これこれ(きよ)さま、192(てる)さま、193(はや)(はや)く』
194()()て、195(かたはら)()(しげ)みに手早(てばや)姿(すがた)(かく)したり。
196 (この)()(あら)はれたる二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)音彦(おとひこ)青彦(あをひこ)なりける。
197音彦、青彦『ヤアお(まへ)さまは丹波村(たんばむら)のお()イさま、198()アさまに(むすめ)さまぢやな、199夜前(やぜん)岩公(いはこう)や、200勘公(かんこう)201櫟公(いちこう)(えら)()世話(せわ)になつたさうですナア。202悦子姫(よしこひめ)(さま)大変(たいへん)()待兼(まちかね)です、203サアサア()きませう』
204平助(へいすけ)『イヽエ、205()(いた)しまして、206(まこと)不都合(ふつがふ)(うち)でお(れい)()つて(もら)うと(かへつ)心苦(こころぐる)しう御座(ござ)います、207(かみ)(さま)()(かげ)一年振(いちねんぶり)に、208大事(だいじ)大事(だいじ)なお(せつ)(かほ)()(こと)出来(でき)ました。209これこれお(なら)210(せつ)211(この)(かた)(かみ)(さま)()使(つかひ)(さま)だ、212サアサアちやつと()(れい)(まを)さぬか』
213(なら)貴方(あなた)(かみ)(さま)()使(つかひ)214(なに)(まをし)ませぬ、215有難(ありがた)御座(ござ)います』
216(なみだ)ぐむ。
217(せつ)(かみ)(さま)()(かげ)(たす)けて(もら)ひました、218何分(なにぶん)宜敷(よろし)()(ねが)(いた)します』
219音彦(おとひこ)(いま)此処(ここ)(なん)だか人影(ひとかげ)(あら)はれて、220クサクサと()つて()たやうですが、221何処(どこ)()きましたか』
222(せつ)『ハイ黒姫(くろひめ)()()アさまが()()て、223二人(ふたり)綺麗(きれい)(むすめ)さまと(とも)(わたくし)()親子(おやこ)(もの)真名井(まなゐ)(はら)(まゐ)るな、224此方(こつち)()いと()つて(みち)(ふさ)(こま)つて()ました、225其処(そこ)貴方(あなた)(がた)宣伝歌(せんでんか)(きこ)えましたので、226……とうとう何処(どこ)かへ姿(すがた)(かく)しました、227アヽ()(ところ)()(くだ)さいまして親子(おやこ)(さん)(にん)(たす)かりました。228これと()ふのも(かみ)(さま)()引合(ひきあは)せで御座(ござ)いませう』
229音彦(おとひこ)『ヤア(なん)(あふ)せられます、230黒姫(くろひめ)()()ましたか、231どこまでも執拗(しつえう)(やつ)ぢやナア、232ハテ何処(どこ)()きよつたか()らぬ』
233(せつ)(いま)(この)(はやし)(なか)をコソコソと(くだ)つて()きましたよ』
234音彦(おとひこ)()うも仕方(しかた)のない(やつ)ぢやなア、235()(かく)(はや)()参詣(まゐり)(いた)しませう、236悦子姫(よしこひめ)(さま)貴方(あなた)のお(いで)大変(たいへん)()()ねで、237吾々(われわれ)はお(むか)ひに(まゐ)つたのです、238サア()きませう』
239()(にん)(いきほひ)よく西(にし)西(にし)へと辿(たど)()く。
240大正一一・四・二一 旧三・二五 加藤明子録)
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