霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第17巻(辰の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 雪山幽谷
01 黄金の衣
〔612〕
02 魔の窟
〔613〕
03 生死不明
〔614〕
04 羽化登仙
〔615〕
05 誘惑婆
〔616〕
06 瑞の宝座
〔617〕
第2篇 千態万様
07 枯尾花
〔618〕
08 蚯蚓の囁
〔619〕
09 大逆転
〔620〕
10 四百種病
〔621〕
11 顕幽交通
〔622〕
第3篇 鬼ケ城山
12 花と花
〔623〕
13 紫姫
〔624〕
14 空谷の足音
〔625〕
15 敵味方
〔626〕
16 城攻
〔627〕
17 有終の美
〔628〕
霊の礎(三)
暁山雲(謡曲)
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。
実験用サイト
|
サブスク
霊界物語
>
第17巻
> 第1篇 雪山幽谷 > 第5章 誘惑婆
<<< 羽化登仙
(B)
(N)
瑞の宝座 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第五章
誘惑婆
(
いうわくばば
)
〔六一六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第17巻 如意宝珠 辰の巻
篇:
第1篇 雪山幽谷
よみ(新仮名遣い):
せつざんゆうこく
章:
第5章 誘惑婆
よみ(新仮名遣い):
ゆうわくばば
通し章番号:
616
口述日:
1922(大正11)年04月21日(旧03月25日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年1月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
平助、お楢、お節は三人連れになって山道を進んで行く。すると、行く手をさえぎる婆があった。
婆は真名井ケ原の豊国姫は悪神だと罵り、自分の話を聞くようにと一行を引き止める。そして素盞嗚尊の悪口を言い出す。これはウラナイ教の黒姫であった。
そこへ向こうから宣伝歌を歌いながら音彦と青彦がやって来た。お節も声を合わせて宣伝歌を歌うと、黒姫は傍らの茂みの中へ逃げてしまった。
二人は黒姫が出現したことをお節から聞いてあきれている。二人は、悦子姫の命で、平助一行を迎えにやってきたのであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-02-13 21:24:01
OBC :
rm1705
愛善世界社版:
70頁
八幡書店版:
第3輯 549頁
修補版:
校定版:
72頁
普及版:
31頁
初版:
ページ備考:
001
平助
(
へいすけ
)
は、
002
お
楢
(
なら
)
、
003
お
節
(
せつ
)
と
共
(
とも
)
に
崎嶇
(
きく
)
たる
山路
(
やまみち
)
を
心細
(
こころぼそ
)
げにとぼとぼと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
004
春日
(
はるひ
)
に
照
(
て
)
らされて
日向辺
(
ひなたべり
)
の
坂道
(
さかみち
)
は
雪
(
ゆき
)
解
(
と
)
け、
005
山
(
やま
)
の
肌
(
はだ
)
を
現
(
あら
)
はして
居
(
ゐ
)
る。
006
斯
(
か
)
かる
処
(
ところ
)
へ
蓑笠
(
みのかさ
)
着
(
き
)
た
一人
(
ひとり
)
の
婆
(
ばば
)
、
007
若
(
わか
)
い
娘
(
むすめ
)
を
二人
(
ふたり
)
伴
(
ともな
)
ひ、
008
行手
(
ゆくて
)
に
立
(
た
)
ち
塞
(
ふさ
)
がり、
009
婆
(
ばば
)
『これはこれは、
010
お
爺
(
ぢい
)
さま、
011
お
婆
(
ば
)
アさま、
012
青白
(
あをじろ
)
い
痩
(
や
)
せた
娘
(
むすめ
)
を
連
(
つ
)
れて
何処
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
くのぢや』
013
平助
(
へいすけ
)
『ハイハイ、
014
お
前
(
まへ
)
さまは
何処
(
どこ
)
のお
方
(
かた
)
か
知
(
し
)
らぬが、
015
私
(
わたくし
)
は
真名井
(
まなゐ
)
ケ
原
(
はら
)
の、
016
今度
(
こんど
)
現
(
あら
)
はれなさつた
結構
(
けつこう
)
な
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に、
017
お
礼
(
れい
)
詣
(
まゐ
)
りに
行
(
ゆ
)
くのぢや、
018
どうぞ
其処
(
そこ
)
を
退
(
の
)
いて
下
(
くだ
)
され』
019
婆
(
ばば
)
『お
前
(
まへ
)
さま、
020
真名井
(
まなゐ
)
ケ
原
(
はら
)
へ
御
(
お
)
礼
(
れい
)
詣
(
まゐ
)
りに
行
(
ゆ
)
くのぢやと
云
(
い
)
うたな、
021
アンナ
処
(
ところ
)
へ
行
(
い
)
つて
一体
(
いつたい
)
何
(
なに
)
をするのぢや、
022
あの
神
(
かみ
)
は
悪神
(
あくがみ
)
ぢやぞ』
023
平助
(
へいすけ
)
『
悪神
(
あくがみ
)
でも
何
(
なん
)
でも
構
(
かま
)
うて
下
(
くだ
)
さるな、
024
信仰
(
しんかう
)
は
自由
(
じいう
)
だ、
025
私
(
わたくし
)
の
心
(
こころ
)
で
私
(
わたくし
)
が
拝
(
をが
)
むのぢや、
026
何処
(
どこ
)
の
婆
(
ばば
)
アか
知
(
し
)
らぬけれど、
027
人
(
ひと
)
の
信仰
(
しんかう
)
を
落
(
おと
)
ささうと
思
(
おも
)
うて、
028
コンナ
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
へ
出
(
で
)
しや
張
(
ば
)
つて、
029
よい
物好
(
ものず
)
きもあればあるものぢやワイ』
030
婆
(
ばば
)
『はてさて
困
(
こま
)
つた
人
(
ひと
)
達
(
たち
)
だ、
031
可憐
(
かわい
)
さうなものだナア。
032
良薬
(
りやうやく
)
は
口
(
くち
)
に
苦
(
にが
)
し、
033
利益
(
りえき
)
になる
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
へば
嫌
(
きら
)
はれる
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だ、
034
お
前
(
まへ
)
さま、
035
これから
先
(
さき
)
に
行
(
ゆ
)
かうものなら
命
(
いのち
)
がないぞへ、
036
命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
てても
信神
(
しんじん
)
をするのかい』
037
平助
(
へいすけ
)
『
誰人
(
だれ
)
が
命
(
いのち
)
まで
放
(
ほ
)
かして
信神
(
しんじん
)
する
物好
(
ものずき
)
があるものか、
038
長命
(
ながいき
)
がしたさにお
参詣
(
まゐり
)
するのぢや。
039
真名井
(
まなゐ
)
ケ
原
(
はら
)
の
豊国姫
(
とよくにひめ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
と
云
(
い
)
つたら、
040
それはそれは
結構
(
けつこう
)
な、
041
命
(
いのち
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
ぢや。
042
お
前
(
まへ
)
も
一
(
ひと
)
つ
詣
(
まゐ
)
つてお
蔭
(
かげ
)
を
頂
(
いただ
)
いてはどうだい、
043
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
生
(
いき
)
て
居
(
ゐ
)
ても
生満足
(
いきたんのう
)
せぬ
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だ。
044
サアサア
往
(
ゆ
)
かう
往
(
ゆ
)
かう』
045
婆
(
ばば
)
『マアマアお
爺
(
ぢ
)
イさま、
046
一服
(
いつぷく
)
しなさい、
047
此処
(
ここ
)
を
少
(
すこ
)
し
横
(
よこ
)
へ
寄
(
よ
)
ると
小
(
ちひ
)
さい
家
(
いへ
)
がある、
048
其処
(
そこ
)
が
私
(
わたし
)
の
修業場
(
しうげふば
)
ぢや、
049
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
のやうな
瑞
(
みづ
)
の
霊
(
みたま
)
に
呆
(
とぼ
)
けて
出
(
で
)
てくる
亡者
(
まうじや
)
を
済度
(
さいど
)
しやうと
思
(
おも
)
うて、
050
俄
(
にはか
)
に
修行場
(
しうぎやうば
)
を
拵
(
こしら
)
へたのだ、
051
喰
(
く
)
はず
嫌
(
ぎら
)
ひは
信用
(
あて
)
にならぬものぢや、
052
マア
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
この
婆
(
ばあ
)
さまに
随
(
つ
)
いて
御
(
お
)
出
(
いで
)
なさい』
053
平助
(
へいすけ
)
『オイお
楢
(
なら
)
、
054
何
(
ど
)
うせう、
055
この
婆
(
ばあ
)
さまの
云
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
り、
056
大分
(
だいぶん
)
足
(
あし
)
も
疲
(
つか
)
れた。
057
一寸
(
ちよつと
)
一服
(
いつぷく
)
して
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
くだけ
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
ようかなア』
058
お
楢
(
なら
)
『お
爺
(
ぢ
)
イさま、
059
お
前
(
まへ
)
はそれだから
困
(
こま
)
ると
云
(
い
)
ふのぢや、
060
直
(
ぢき
)
に
人
(
ひと
)
の
口車
(
くちぐるま
)
に
乗
(
の
)
つて、
061
ソンナ
事
(
こと
)
で
信神
(
しんじん
)
が
出来
(
でき
)
るものか、
062
私
(
わたし
)
が
何時
(
いつ
)
も
意見
(
いけん
)
すると、
063
仕様
(
しやう
)
のない
婆
(
ばば
)
アの
老婆心
(
らうばしん
)
で
吐
(
ぬか
)
す
事
(
こと
)
は
聞
(
き
)
く
耳
(
みみ
)
持
(
も
)
たぬと、
064
二
(
ふた
)
つ
目
(
め
)
には
頑張
(
ぐわんば
)
りなさるが、
065
些
(
ちつ
)
とは
此
(
この
)
婆
(
ばば
)
アの
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
も
聞
(
き
)
きなさい、
066
お
前
(
まへ
)
も
余
(
あんま
)
り
老爺心
(
らうやしん
)
が
勝過
(
かちす
)
ぎて
居
(
を
)
る。
067
何処
(
どこ
)
の
婆
(
ば
)
アさまか
知
(
し
)
らぬけれど、
068
私
(
わたし
)
より
些
(
ちつ
)
と
若
(
わか
)
いと
思
(
おも
)
うて
早
(
はや
)
乗
(
の
)
り
気
(
き
)
になつて
御座
(
ござ
)
るが、
069
嫌
(
いや
)
ぢや
嫌
(
いや
)
ぢや、
070
私
(
わたし
)
はどうしても、
071
ソンナ
処
(
ところ
)
へは
行
(
ゆ
)
かぬ、
072
それよりも
早
(
はや
)
く
真名井
(
まなゐ
)
さまに
参詣
(
さんけい
)
して
御
(
お
)
礼
(
れい
)
を
申
(
まを
)
さねばなるまい、
073
サアサアお
節
(
せつ
)
行
(
ゆ
)
かう
行
(
ゆ
)
かう』
074
平助
(
へいすけ
)
『
婆
(
ばば
)
アがさう
云
(
い
)
うても、
075
お
節
(
せつ
)
お
前
(
まへ
)
はどうだ、
076
一寸
(
ちよつと
)
寄
(
よ
)
つて
見
(
み
)
る
気
(
き
)
はないか』
077
お
節
(
せつ
)
『お
爺
(
ぢ
)
イさま、
078
道草
(
みちぐさ
)
を
喰
(
く
)
はずにトツトと
参
(
まゐ
)
りませうよ』
079
婆
(
ばば
)
『これはこれはお
婆
(
ば
)
アさまと
云
(
い
)
ひ、
080
娘
(
むすめ
)
さまと
云
(
い
)
ひ、
081
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
不心得
(
ふこころえ
)
な
事
(
こと
)
だい、
082
夫
(
をつと
)
や
親
(
おや
)
の
言葉
(
ことば
)
を
背
(
そむ
)
くと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるものか、
083
大方
(
おほかた
)
お
前
(
まへ
)
さまは
三五教
(
あななひけう
)
の
信者
(
しんじや
)
であらう』
084
お
節
(
せつ
)
『
尤
(
もつと
)
も
妾
(
わたし
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
信者
(
しんじや
)
で
御座
(
ござ
)
います、
085
お
爺
(
ぢ
)
イさまお
婆
(
ば
)
アさまは
無宗教
(
むしうけう
)
者
(
しや
)
、
086
妾
(
わらは
)
は
大江山
(
おほえやま
)
のバラモン
教
(
けう
)
の
大将
(
たいしやう
)
に
誘拐
(
かどはか
)
され、
087
巌窟
(
がんくつ
)
の
中
(
なか
)
に
閉
(
と
)
ぢ
込
(
こ
)
められ
苦
(
くる
)
しみ
悶
(
もだ
)
えて
居
(
を
)
りました。
088
其処
(
そこ
)
へ
有難
(
ありがた
)
い
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
夢枕
(
ゆめまくら
)
に
立
(
た
)
つて
下
(
くだ
)
さいまして、
089
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
教
(
をし
)
へて
下
(
くだ
)
さつた、
090
其
(
その
)
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
唱
(
とな
)
へて
居
(
ゐ
)
ると、
091
間
(
ま
)
もなく
悪者
(
わるもの
)
が
改心
(
かいしん
)
を
致
(
いた
)
しまして、
092
助
(
たす
)
けに
来
(
き
)
て
呉
(
く
)
れました。
093
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
何
(
ど
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
尊
(
たふと
)
いと
云
(
い
)
うても、
094
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
位
(
くらゐ
)
有難
(
ありがた
)
い
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
はありませぬ、
095
私
(
わたし
)
は
三五教
(
あななひけう
)
を
守護
(
しゆご
)
遊
(
あそ
)
ばす
豊国姫
(
とよくにひめ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が、
096
今度
(
こんど
)
真名井
(
まなゐ
)
ケ
原
(
はら
)
に
御
(
ご
)
出現
(
しゆつげん
)
になつたので、
097
お
礼
(
れい
)
詣
(
まゐ
)
りに
行
(
ゆ
)
く
所
(
ところ
)
で
御座
(
ござ
)
います、
098
どうぞ
神詣
(
かみまゐ
)
りの
途中
(
とちう
)
で
邪魔
(
じやま
)
して
下
(
くだ
)
さいますな、
099
お
話
(
はなし
)
があれば
下向
(
げかう
)
の
途中
(
とちう
)
に
寛
(
ゆ
)
る
寛
(
ゆ
)
ると
承
(
うけたま
)
はりませう』
100
婆
(
ばば
)
『サアそれがいかぬのだよ、
101
三五教
(
あななひけう
)
は
今
(
いま
)
は
高天原
(
たかあまはら
)
をおつ
放
(
ぽ
)
り
出
(
だ
)
された
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
が
大将
(
たいしやう
)
をして
居
(
を
)
るのだ、
102
悪
(
わる
)
けれやこそ
結構
(
けつこう
)
な
処
(
ところ
)
を
逐出
(
おひだ
)
されたのぢやないか、
103
お
前
(
まへ
)
さま
達
(
たち
)
もさうぢやらう、
104
柔順
(
おとな
)
しい
自分
(
じぶん
)
の
兄弟
(
きやうだい
)
を
誰
(
たれ
)
が
逐出
(
おひだ
)
すものか、
105
親
(
おや
)
を
泣
(
な
)
かし、
106
兄弟
(
きやうだい
)
を
泣
(
な
)
かし、
107
ヤンチヤ
の
有
(
あ
)
り
切
(
き
)
りを
尽
(
つく
)
し、
108
近所
(
きんじよ
)
は
申
(
まを
)
すに
及
(
およ
)
ばず、
109
其辺中
(
そこらぢう
)
に
迷惑
(
めいわく
)
をかける
極道
(
ごくだう
)
息子
(
むすこ
)
は
何程
(
なにほど
)
可愛
(
かあい
)
いと
云
(
い
)
うても、
110
世間
(
せけん
)
の
手前
(
てまへ
)
家
(
うち
)
に
置
(
お
)
いておくと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
まいがな。
111
それと
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
に、
112
伊邪諾
(
いざなぎ
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
や、
113
姉
(
あね
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
愛想
(
あいさう
)
をつかし、
114
世間
(
せけん
)
に
済
(
す
)
まぬと
云
(
い
)
うて
切
(
き
)
つても
切
(
き
)
れぬ
姉弟
(
きやうだい
)
の
中
(
なか
)
を
放
(
ほ
)
り
出
(
だ
)
された
位
(
くらゐ
)
だもの、
115
酢
(
す
)
でも
蒟蒻
(
こんにやく
)
でも
行
(
い
)
く
代物
(
しろもの
)
ぢやない、
116
その
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
が
采配
(
さいはい
)
を
振
(
ふ
)
つて
居
(
を
)
る
三五教
(
あななひけう
)
へ
迷
(
まよ
)
ひ
込
(
こ
)
むとは
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふお
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
は
没分暁漢
(
わからずや
)
ぢやいナア、
117
三五教
(
あななひけう
)
の
真実
(
ほんと
)
の
事
(
こと
)
が
聞
(
き
)
きたけれや、
118
この
婆
(
ばば
)
が
篤
(
とつく
)
りと
説明
(
せつめい
)
して
上
(
あ
)
げる、
119
サアサア
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
く、
120
来
(
き
)
なされ
来
(
き
)
なされ』
121
お
節
(
せつ
)
『
仮令
(
たとへ
)
お
爺
(
ぢ
)
イさま、
122
お
婆
(
ば
)
アさまが
行
(
ゆ
)
くと
仰有
(
おつしや
)
つても
妾
(
わたし
)
だけはよう
参
(
まゐ
)
りませぬ』
123
婆
(
ばば
)
『エヽ
分
(
わか
)
らぬ
娘
(
こ
)
じやなア、
124
これこの
通
(
とほ
)
り
綺麗
(
きれい
)
な
二人
(
ふたり
)
の
娘
(
むすめ
)
が、
125
此
(
この
)
婆
(
ばば
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
心
(
こころ
)
から
納得
(
なつとく
)
して、
126
朝夕
(
あさゆふ
)
忠実
(
ちうじつ
)
に
仕
(
つか
)
へて
居
(
を
)
るのぢや、
127
新
(
あたら
)
しい
女
(
をんな
)
の
流行
(
はや
)
る
時節
(
じせつ
)
にお
前
(
まへ
)
さまは
又
(
また
)
何
(
なん
)
とした
旧
(
ふる
)
い
頭脳
(
あたま
)
ぢや、
128
それもその
筈
(
はず
)
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
許
(
ばか
)
りも
世間
(
せけん
)
見
(
み
)
ずに、
129
岩
(
いは
)
の
穴
(
あな
)
へ
押込
(
おしこ
)
められて
居
(
ゐ
)
たのだから
世間
(
せけん
)
の
様子
(
やうす
)
も
分
(
わか
)
るまい、
130
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
随分
(
ずゐぶん
)
進
(
すす
)
みて
居
(
を
)
るぞえ、
131
些
(
ちつ
)
と
確
(
しつか
)
りして
此
(
この
)
お
婆
(
ば
)
アさまの
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
きなされ、
132
斯
(
か
)
う
見
(
み
)
えてもこの
婆
(
ばば
)
は、
133
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
からドンナ
事
(
こと
)
にも
経験
(
けいけん
)
を
積
(
つ
)
みて
来
(
き
)
た
苦労人
(
くらうにん
)
の
黒姫
(
くろひめ
)
ぢや、
134
苦労
(
くらう
)
なしに
誠
(
まこと
)
の
花
(
はな
)
は
咲
(
さ
)
かぬぞえ』
135
お
節
(
せつ
)
『お
説
(
せつ
)
は
御尤
(
ごもつと
)
もで
御座
(
ござ
)
いませうが、
136
入
(
い
)
らぬ
御
(
お
)
節介
(
せつかい
)
、
137
何
(
なん
)
と
仰
(
あふ
)
せつ
けられましても、
138
折角
(
せつかく
)
ながら
応
(
おう
)
じ
兼
(
か
)
ねます、
139
入
(
い
)
らぬ
御
(
お
)
節介
(
せつかい
)
止
(
や
)
めて
下
(
くだ
)
さいませ』
140
黒姫
(
くろひめ
)
『エイ
我
(
が
)
の
強
(
つよ
)
い
女
(
をんな
)
ぢやなア。
141
青瓢箪
(
あをべうたん
)
に
屁
(
へ
)
吸
(
す
)
はしたやうな
顔
(
かほ
)
をしやがつて、
142
ようまあツベコベと
理屈
(
りくつ
)
を
囀
(
さへづ
)
る
小娘
(
こむすめ
)
だ、
143
イヤ
我羅苦多
(
がらくた
)
娘
(
むすめ
)
ぢや、
144
もしもしお
爺
(
ぢ
)
イさま、
145
お
前
(
まへ
)
も
年
(
とし
)
が
寄
(
よ
)
つてコンナ
やんちや
娘
(
むすめ
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
ては
末
(
すゑ
)
が
案
(
あん
)
じられる、
146
もつと
真面目
(
まじめ
)
な
真実
(
ほんと
)
の
身魂
(
みたま
)
になつて、
147
お
前
(
まへ
)
さま
夫婦
(
ふうふ
)
の
安心
(
あんしん
)
の
出来
(
でき
)
るやうに
教育
(
けういく
)
して
上
(
あ
)
げるから、
148
サアサアあそこ
迄
(
まで
)
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さい、
149
この
通
(
とほ
)
り
二人
(
ふたり
)
の
娘
(
むすめ
)
さまは
淑
(
しと
)
やかなものだ、
150
これも
全
(
まつた
)
く
私
(
わたし
)
の
教育
(
けういく
)
がよいからぢやぞゑ』
151
平助
(
へいすけ
)
『エヽ
喧
(
やかま
)
しいワイ、
152
娘
(
むすめ
)
がお
転婆
(
てんば
)
にならうと、
153
何
(
ど
)
うならうと
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
のお
世話
(
せわ
)
にならぬ
哩
(
わい
)
、
154
サアサアお
節
(
せつ
)
、
155
コンナ
糞婆
(
くそばば
)
に
係
(
かか
)
り
合
(
あ
)
つて
居
(
を
)
つたら
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れる、
156
サアサア
行
(
ゆ
)
かう
行
(
ゆ
)
かう』
157
お
楢
(
なら
)
『モシモシお
爺
(
ぢ
)
イさま、
158
さう
云
(
い
)
つたものぢやない、
159
一
(
ひと
)
つお
前
(
まへ
)
聞
(
き
)
いたらどうぢや、
160
後生
(
ごしやう
)
のためになるかも
知
(
し
)
れぬぞえ』
161
此
(
この
)
時
(
とき
)
前方
(
ぜんぱう
)
より
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひながら
遣
(
や
)
つて
来
(
く
)
る
二人
(
ふたり
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
があつた。
162
お
節
(
せつ
)
は
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
に
力
(
ちから
)
を
得
(
え
)
、
163
宣伝歌
(
せんでんか
)
に
合
(
あは
)
して、
164
お節
『
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
165
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
166
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
は
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ』
167
と
手
(
て
)
を
打
(
う
)
ち
踊
(
をど
)
り
出
(
だ
)
したれば、
168
黒姫
(
くろひめ
)
は
前後
(
ぜんご
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
板挟
(
いたばさ
)
みとなり、
169
黒姫
(
くろひめ
)
『エイエイ、
170
折
(
をり
)
も
折
(
をり
)
肝腎
(
かんじん
)
の
所
(
ところ
)
へ
又
(
また
)
もや
我羅苦多
(
がらくた
)
宣伝使
(
せんでんし
)
奴
(
め
)
が
来
(
き
)
よつて
頭
(
あたま
)
が
痛
(
いた
)
い
哩
(
わい
)
。
171
亡国
(
ばうこく
)
的
(
てき
)
の
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
しよつて、
172
アヽ
胸
(
むね
)
が
苦
(
くる
)
しい、
173
サアサアお
爺
(
ぢ
)
イさまにお
婆
(
ば
)
アさま、
174
アンナ
奴
(
やつ
)
に
見付
(
みつ
)
かつたら
大変
(
たいへん
)
だ、
175
其
(
その
)
ヤンチヤ
娘
(
むすめ
)
も
早
(
はや
)
く
私
(
わたし
)
の
後
(
あと
)
へついて
来
(
く
)
るのだよ』
176
お
楢
(
なら
)
『サアサア
平助
(
へいすけ
)
さま、
177
お
前
(
まへ
)
この
方
(
かた
)
の
後
(
あと
)
に
随
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
かう、
178
怖
(
こわ
)
い
者
(
もの
)
が
出
(
で
)
て
来
(
く
)
るさうな』
179
平助
(
へいすけ
)
『お
節
(
せつ
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いて、
180
三五教
(
あななひけう
)
と
云
(
い
)
ふのがある
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
いたが、
181
何
(
なん
)
だか
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のやうな
声
(
こゑ
)
だ、
182
俺
(
おれ
)
は
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
くと
益々
(
ますます
)
真名井
(
まなゐ
)
ケ
原
(
はら
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
有難
(
ありがた
)
くなつて
来
(
き
)
たワイ』
183
黒姫
(
くろひめ
)
『エイエイ
仕方
(
しかた
)
のない
耄碌
(
まうろく
)
許
(
ばか
)
りぢやなア、
184
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つで
助
(
たす
)
けてやらうと
思
(
おも
)
へば、
185
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
嫌
(
いや
)
がつて
滅亡
(
ほろび
)
の
道
(
みち
)
に
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
かうとする。
186
嗚呼
(
ああ
)
、
187
縁
(
えん
)
なき
衆生
(
しうじやう
)
は
済度
(
さいど
)
し
難
(
がた
)
しとは、
188
能
(
よ
)
く
云
(
い
)
うたものだ。
189
エヽ
気分
(
きぶん
)
の
悪
(
わる
)
い、
190
宣伝歌
(
せんでんか
)
が
段々
(
だんだん
)
近
(
ちか
)
づいて
来
(
く
)
る、
191
これこれ
清
(
きよ
)
さま、
192
照
(
てる
)
さま、
193
早
(
はや
)
く
早
(
はや
)
く』
194
と
急
(
せ
)
き
立
(
た
)
て、
195
傍
(
かたはら
)
の
木
(
き
)
の
茂
(
しげ
)
みに
手早
(
てばや
)
く
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
したり。
196
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれたる
二人
(
ふたり
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
音彦
(
おとひこ
)
と
青彦
(
あをひこ
)
なりける。
197
音彦、青彦
『ヤアお
前
(
まへ
)
さまは
丹波村
(
たんばむら
)
のお
爺
(
ぢ
)
イさま、
198
お
婆
(
ば
)
アさまに
娘
(
むすめ
)
さまぢやな、
199
夜前
(
やぜん
)
は
岩公
(
いはこう
)
や、
200
勘公
(
かんこう
)
、
201
櫟公
(
いちこう
)
が
豪
(
えら
)
い
御
(
お
)
世話
(
せわ
)
になつたさうですナア。
202
悦子姫
(
よしこひめ
)
様
(
さま
)
が
大変
(
たいへん
)
に
御
(
お
)
待兼
(
まちかね
)
です、
203
サアサア
行
(
ゆ
)
きませう』
204
平助
(
へいすけ
)
『イヽエ、
205
何
(
ど
)
う
致
(
いた
)
しまして、
206
誠
(
まこと
)
に
不都合
(
ふつがふ
)
な
家
(
うち
)
でお
礼
(
れい
)
を
云
(
い
)
つて
貰
(
もら
)
うと
却
(
かへつ
)
て
心苦
(
こころぐる
)
しう
御座
(
ござ
)
います、
207
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
蔭
(
かげ
)
で
一年振
(
いちねんぶり
)
に、
208
大事
(
だいじ
)
な
大事
(
だいじ
)
なお
節
(
せつ
)
の
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ました。
209
これこれお
楢
(
なら
)
、
210
お
節
(
せつ
)
、
211
此
(
この
)
方
(
かた
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
使
(
つかひ
)
様
(
さま
)
だ、
212
サアサアちやつと
御
(
お
)
礼
(
れい
)
を
申
(
まを
)
さぬか』
213
お
楢
(
なら
)
『
貴方
(
あなた
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
使
(
つかひ
)
、
214
何
(
なに
)
も
申
(
まをし
)
ませぬ、
215
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います』
216
と
涙
(
なみだ
)
ぐむ。
217
お
節
(
せつ
)
『
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
蔭
(
かげ
)
で
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
ひました、
218
何分
(
なにぶん
)
宜敷
(
よろし
)
く
御
(
お
)
願
(
ねが
)
ひ
致
(
いた
)
します』
219
音彦
(
おとひこ
)
『
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
に
何
(
なん
)
だか
人影
(
ひとかげ
)
が
現
(
あら
)
はれて、
220
クサクサと
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
たやうですが、
221
何処
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
きましたか』
222
お
節
(
せつ
)
『ハイ
黒姫
(
くろひめ
)
と
云
(
い
)
ふ
婆
(
ば
)
アさまが
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て、
223
二人
(
ふたり
)
の
綺麗
(
きれい
)
な
娘
(
むすめ
)
さまと
共
(
とも
)
に
私
(
わたくし
)
等
(
ら
)
親子
(
おやこ
)
の
者
(
もの
)
に
真名井
(
まなゐ
)
ケ
原
(
はら
)
に
詣
(
まゐ
)
るな、
224
此方
(
こつち
)
へ
来
(
こ
)
いと
云
(
い
)
つて
道
(
みち
)
を
塞
(
ふさ
)
ぎ
困
(
こま
)
つて
居
(
ゐ
)
ました、
225
其処
(
そこ
)
へ
貴方
(
あなた
)
方
(
がた
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
が
聞
(
きこ
)
えましたので、
226
……とうとう
何処
(
どこ
)
かへ
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
しました、
227
アヽ
良
(
い
)
い
所
(
ところ
)
へ
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいまして
親子
(
おやこ
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
助
(
たす
)
かりました。
228
これと
云
(
い
)
ふのも
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
引合
(
ひきあは
)
せで
御座
(
ござ
)
いませう』
229
音彦
(
おとひこ
)
『ヤア
何
(
なん
)
と
仰
(
あふ
)
せられます、
230
黒姫
(
くろひめ
)
が
出
(
で
)
て
来
(
き
)
ましたか、
231
どこまでも
執拗
(
しつえう
)
な
奴
(
やつ
)
ぢやナア、
232
ハテ
何処
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
きよつたか
知
(
し
)
らぬ』
233
お
節
(
せつ
)
『
今
(
いま
)
此
(
この
)
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
をコソコソと
下
(
くだ
)
つて
行
(
ゆ
)
きましたよ』
234
音彦
(
おとひこ
)
『
何
(
ど
)
うも
仕方
(
しかた
)
のない
奴
(
やつ
)
ぢやなア、
235
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
早
(
はや
)
く
御
(
お
)
参詣
(
まゐり
)
致
(
いた
)
しませう、
236
悦子姫
(
よしこひめ
)
様
(
さま
)
が
貴方
(
あなた
)
のお
出
(
いで
)
を
大変
(
たいへん
)
お
待
(
ま
)
ち
兼
(
か
)
ねで、
237
吾々
(
われわれ
)
はお
迎
(
むか
)
ひに
参
(
まゐ
)
つたのです、
238
サア
行
(
ゆ
)
きませう』
239
と
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
勢
(
いきほひ
)
よく
西
(
にし
)
へ
西
(
にし
)
へと
辿
(
たど
)
り
行
(
ゆ
)
く。
240
(
大正一一・四・二一
旧三・二五
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 羽化登仙
(B)
(N)
瑞の宝座 >>>
霊界物語
>
第17巻
> 第1篇 雪山幽谷 > 第5章 誘惑婆
Tweet
絶賛発売中『超訳霊界物語2/出口王仁三郎の「身魂磨き」実践書/一人旅するスサノオの宣伝使たち』
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【05 誘惑婆|第17巻(辰の巻)|霊界物語/rm1705】
合言葉「みろく」を入力して下さい→