霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。実験用サイトサブスク
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第一二章 暴風(ぼうふう)一過(いつくわ)〔七四二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第24巻 如意宝珠 亥の巻 篇:第3篇 危機一髪 よみ(新仮名遣い):ききいっぱつ
章:第12章 暴風一過 よみ(新仮名遣い):ぼうふういっか 通し章番号:742
口述日:1922(大正11)年07月03日(旧閏05月09日) 口述場所: 筆録者:谷村真友 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年5月10日
概要: 舞台:地恩城 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫は、黒姫と高山彦に招かれて、宰相室で懐旧談に時を費やしていた。高姫は、玉を隠したのは言依別命の指図らしいと黒姫と高山彦に伝えた。
高姫はまた、自分の非を棚に上げて、玉能姫、初稚姫、玉治別らを悪しざまに告げた。黒姫と高山彦は怒って、宰相の権限で一同を捕らえようと城内を探させたが、どこにも見あたらなかった。
そのうち、三人は黄竜姫からお呼びがかかって姫の居間に通された。蜈蚣姫は、高姫の旅の途上の意地悪に皮肉を言うが、高姫は自分は世界を救う日の出神の御魂だから一つ島の女王より上だ、と言い放って上座に着いた。
高姫は、黄竜姫の玉座の下に秘密の扉があると聞いて、そこに玉が隠してあるのではないか、と疑っていたのであった。黄竜姫は不機嫌になり、これは黄竜の毒気を抑えているのだと注意をするが、高姫はますます疑いの念を強めて、蓋を開けて中を覗き込んでしまった。
高姫は、竜の毒気に当てられて、あっと叫んで倒れてしまった。高姫は、黒姫と高山彦に担がれて退出する。高姫は息を吹き返すと、黄竜姫に対して顔向けができないから、一緒に城を抜け出して玉能姫らを追っかけようと提案する。
黒姫が同意したところへ、高山彦の部下がやってきて、宣伝使らは城内に見当たらず、城外に逃げ出したと思われると報告に来た。高山彦と黒姫は、遂に重臣の地位を捨てて、タカの港から船を漕ぎ出して行ってしまった。
これを霊眼によって見届けた三五教の一行は、城内に戻ってきた。一行は黄竜姫から道中の援助を感謝され、饗応された。いよいよここに三五教を確立した。一行は梅子姫と宇豆姫と手分けをして全島に三五教の大道を宣伝した。そして自転倒島の聖地に凱旋することになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ:タカの港(「タカ」の港) ニユージランド(ニュージーランド) データ凡例: データ最終更新日:2022-10-15 02:36:31 OBC :rm2412
愛善世界社版:193頁 八幡書店版:第4輯 683頁 修補版: 校定版:198頁 普及版:90頁 初版: ページ備考:
001 高姫(たかひめ)高山彦(たかやまひこ)002黒姫(くろひめ)(さそ)はれ、003広大(くわうだい)なる宰相室(さいしやうしつ)(みちび)かれ、004懐旧談(くわいきうだん)(とき)(うつ)しける。
005黒姫高姫(たかひめ)(さま)006ようまア、007はるばると(たづ)ねて()(くだ)さいました。008黄金(こがね)(たま)所在(ありか)(わか)りましたか。009(わたし)(この)(しま)(わた)つて宰相(さいしやう)(つま)となつたのを(さいは)ひに、010国人(くにびと)使役(しえき)し、011(この)広大(くわうだい)なる(しま)隅々(すみずみ)まで(さが)させましたなれど、012(たま)らしいものは(ひと)つもありませぬ。013(さだ)めて貴女(あなた)(これ)へお()(あそ)ばしたのは、014(わたし)安心(あんしん)させてやらうと思召(おぼしめ)して、015()(くだ)さつたらうと(しん)じます』
016高姫(まこと)(まを)(わけ)がありませぬ。017あの(たま)(かく)(びと)は、018(まさ)しく言依別(ことよりわけの)(みこと)らしう御座(ござ)います。019黄金(こがね)(たま)ばかりか、020(わたし)保管(ほくわん)して()つた如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(たま)(はじ)め、021(むらさき)(たま)まですつかり()()られ、022(わたし)はそれが()種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)艱難(かんなん)苦労(くらう)()め、023(たま)所在(ありか)(さが)(うち)024言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)我々(われわれ)()()き、025貴女(あなた)御存(ごぞん)じの丹波村(たんばむら)のお(せつ)や、026杢助(もくすけ)(むすめ)のお(はつ)に、027(たま)何処(どこ)かへ(かく)させて仕舞(しま)つたのですよ。028それが()めにお(せつ)029(はつ)(きび)しく訊問(じんもん)すれども、030三十万(さんじふまん)(ねん)未来(みらい)でなければ(まを)()げぬと()()り、031大方(おほかた)(この)(しま)(かく)して()いたのではあるまいかと、032荒波(あらなみ)(わた)つて此処(ここ)まで(まゐ)りました。033()(ひと)つも(たま)所在(ありか)(わたし)(わか)らないのです』
034 黒姫(くろひめ)(まゆ)逆立(さかだ)て、
035黒姫不届(ふとど)至極(しごく)言依別(ことよりわけ)にお(せつ)にお(はつ)036(この)(うら)みを()らさいで()きませうや』
037(こぶし)(にぎ)り、038(おも)はず(たく)()()(たた)いて雄健(をたけ)びをする。039高山彦(たかやまひこ)(そば)より、
040高山彦何時(いつ)までも玉々(たまたま)()ふには(およ)ばぬぢやないか。041言依別(ことよりわけの)(みこと)がどうなさらうと、042神界(しんかい)のお経綸(しぐみ)(ちが)ひあるまい。043モウ(たま)(こと)断念(だんねん)して(もら)ひたい。044黒姫(くろひめ)玉詮索(たませんさく)には(わたし)もモウウンザリしたよ。045()がな(すき)がな寝言(ねごと)(はし)にまで、046(たま)(こと)ばかり、047タマつたものぢやない。048それに(また)高姫(たかひめ)さままでが、049(たま)()られたとか、050イヤもう、051うるさい(こと)コリコリしますワイ』
052黒姫『コレコレ高山(たかやま)さま、053(まへ)さまは()んと()冷淡(れいたん)(こと)仰有(おつしや)るのだい。054三千(さんぜん)世界(せかい)(おん)(たから)055それを()出神(でのかみ)生宮(いきみや)として、056(また)竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)生宮(いきみや)として()()れずして、057ドウして天下(てんか)万民(ばんみん)(すく)へませうか。058(まへ)さま、059時々(ときどき)利己主義(われよし)発揮(はつき)するから(こま)る。060(たれ)(なん)()つても(この)(たま)所在(ありか)白状(はくじやう)させねば()くものか。061……(とき)高姫(たかひめ)さま、062(その)(せつ)にお(はつ)(いま)何処(どこ)()りますか』
063高姫『ハイ、064たつた(いま)……(えら)さうにニユージランドの土人(どじん)のお手車(てぐるま)()せられ、065(この)玄関先(げんくわんさき)までやつて()ましたが、066大方(おほかた)蜈蚣姫(むかでひめ)一緒(いつしよ)奥殿(おくでん)(すす)()り、067黄竜姫(わうりようひめ)(さま)(まへ)自慢話(じまんばなし)でもやつて()りませうよ、068本当(ほんたう)劫腹(がふばら)()つ……ニユージランドの(たま)(もり)で、069大変(たいへん)な、070(わたし)侮辱(ぶじよく)(くは)へました。071(もと)小糸姫(こいとひめ)(さま)誘拐(かどはか)した友彦(ともひこ)や、072スマートボールに田吾作(たごさく)玉治別(たまはるわけ)073それにお(せつ)にお(はつ)074いやモウサンザンの()()はしよつた。075如何(いか)に……(かみ)(さま)(みち)ぢや、076見直(みなほ)聞直(ききなほ)せ……と(おも)つても、077口惜(くや)残念(ざんねん)をこばりつめようと(おも)つても、078(これ)がどうして(こば)らせませうかい。079大勢(おほぜい)(ひと)(なか)(つら)(さら)され、080(うま)れてからコンナ残念(ざんねん)()()はされた(こと)御座(ござ)いませぬワイなア』
081(こら)(こら)へし溜涙(ためなみだ)082一度(いちど)堤防(ていばう)(くづ)れし(ごと)(こゑ)(はな)つて()()てける。
083黒姫『お(せつ)にお(はつ)084田吾作(たごさく)(やつ)085屹度(きつと)当城内(たうじやうない)何処(どこ)かに()るに(ちが)ひない。086サア()れから(さが)()して、087締木(しめぎ)()けても白状(はくじやう)させねば()くものか。088……ヤア家来(けらい)(ども)089最前(さいぜん)(まゐ)りし男女(だんぢよ)一同(いちどう)召捕(めしと)つて(この)()()(きた)れよ』
090との黒姫(くろひめ)下知(げち)隣室(りんしつ)(ひか)()たる七八(しちはち)(にん)下男(しもべ)は、
091『ハイ』
092(こた)へて捻鉢巻(ねぢはちまき)093襷十字(たすきじふじ)綾取(あやど)り、094突棒(つくぼう)095刺股(さすまた)096手槍(てやり)なぞを(ひつさ)げて、097城内(じやうない)(くま)なく捜索(そうさく)(はじ)めたり。098されど裏山(うらやま)森林(しんりん)手早(てばや)姿(すがた)(かく)したる玉能姫(たまのひめ)(その)()一同(いちどう)(やま)(また)(やま)()えて、099(はる)(むか)ふの山頂(さんちやう)避難(ひなん)(とき)(うつ)るを()()たりける。
100 かかる(ところ)侍女(じぢよ)一人(ひとり)()(きた)り、
101侍女宰相(さいしやう)(さま)102(その)()()(きやく)(さま)に、103女王(ぢよわう)(さま)がお()にかかりたいと(あふ)せられます。104どうぞ直様(すぐさま)()(くだ)されませ、105()案内(あんない)(いた)しませう』
106(さき)()つ。107ブランジー、108クロンバーの(あと)()いて高姫(たかひめ)は、109(くび)(しき)りに()りながら、110(なかば)神懸(かむがかり)三版・御校正本・愛世版では「神懸」、校定版では「神憑り」。(てい)にて(おく)(ふか)(すす)みつつ、111やうやう黄竜姫(わうりようひめ)居間(ゐま)(とほ)されける。
112 高山彦(たかやまひこ)黄竜姫(わうりようひめ)(むか)両手(りやうて)をつき、
113高山彦今日(こんにち)(おん)母上(ははうへ)()対面(たいめん)(あそ)ばされ、114吾々(われわれ)(とも)大慶(たいけい)至極(しごく)(ぞん)じまする。115……蜈蚣姫(むかでひめ)(さま)116ようこそ、117()入来(じゆらい)(くだ)さいました。118(わたくし)当国(たうごく)宰相(さいしやう)(うけたま)はる高山彦(たかやまひこ)(まを)(もの)119ブランジーとは(かり)()120(また)(この)クロンバーと(まを)すは(わたくし)(つま)121本名(ほんみやう)黒姫(くろひめ)(まを)すもの、122何卒(なにとぞ)()見知(みし)()かれまして()引立(ひきたて)(だん)123(ひとへ)(ねが)(たてまつ)りまする』
124蜈蚣姫『コレハコレハ高山彦(たかやまひこ)(さま)125黒姫(くろひめ)(さま)とやら、126(かね)高姫(たかひめ)さまより(うけたま)はつて()りました、127何分(なにぶん)(よろ)しう()(ねが)(いた)します。128……コレ高姫(たかひめ)さま、129貴女(あなた)随分(ずゐぶん)意地悪(いぢわる)いお(かた)御座(ござ)いましたなア、130ニユージランドの(たま)(もり)にては貴女(あなた)随分(ずゐぶん)(こま)りでしたやうですワ』
131高姫蜈蚣姫(むかでひめ)さま、132(まへ)さまの娘御(むすめご)が、133(この)(くに)女王(ぢよわう)になつたと(おも)つて(にはか)(えら)()見識(けんしき)134何程(なにほど)(えら)女王(ぢよわう)(さま)でも、135世界(せかい)統一(とういつ)太柱(ふとばしら)136三千(さんぜん)世界(せかい)(おん)(たから)137()出神(でのかみ)生宮(いきみや)(くら)ぶれば、138竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)(くらゐ)()(にぎ)つたとて、139アンマリ立派(りつぱ)なお手柄(てがら)でも御座(ござ)いますまい。140三千(さんぜん)世界(せかい)二人(ふたり)とない()立替(たてかへ)立直(たてなほ)しの基礎(どだい)身魂(みたま)は、141……ヘン(この)高姫(たかひめ)御座(ござ)いますワイ。142(めくら)(せん)(にん)()(なか)143(まこと)(もの)一寸(ちよつと)やそつとに(わか)りますまい。144(この)黒姫(くろひめ)さまだとて、145黄竜姫(わうりようひめ)幕下(ばくか)神妙(しんめう)(つか)へて御座(ござ)るが、146(じつ)素性(すじやう)(まを)せば、147(おどろ)(なか)れ……竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)生宮(いきみや)御座(ござ)るぞや。148高山彦(たかやまひこ)夫顔(をつとがお)をして(えら)さうにして御座(ござ)るが、149実際(じつさい)身魂(みたま)()へば、150青雲山(せいうんざん)(すま)ひを(いた)大天狗(だいてんぐ)身魂(みたま)151(なん)()つても高姫(たかひめ)152黒姫(くろひめ)二人(ふたり)()らねば、153神国(しんこく)成就(じやうじゆ)は……ヘン(いた)しませぬワイ。154人民(じんみん)(たい)して(ひと)(じま)女王(ぢよわう)さまでも、155天地(てんち)根本(こつぽん)(かみ)生宮(いきみや)156神界(しんかい)では(これ)(くらゐ)立派(りつぱ)権威(けんゐ)のある身魂(みたま)はありますまい。157……黄竜姫(わうりようひめ)殿(どの)158(しばら)()出神(でのかみ)(せき)をお(ゆづ)りめされ』
159とツンツンし(なが)ら、160上座(じやうざ)にドンと(すわ)()せたり。
161蜈蚣姫(なん)とマア()(つよ)執拗(しぶと)身魂(みたま)だらう。162仮令(たとへ)()出神(でのかみ)でも竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)でも、163(この)城内(じやうない)黄竜姫(わうりようひめ)権利(けんり)164上座(じやうざ)(すわ)るのが()()()さねば、165トツトと(かへ)つて(もら)ひませう』
166高姫(べつ)(わたし)女王(ぢよわう)にならうと()ふのではない。167女王(ぢよわう)さまの(すわ)つて御座(ござ)(しり)(した)一遍(いつぺん)調(しら)べて()たいのだ』
168蜈蚣姫『オホヽヽヽ、169(うたが)ひの(ふか)いお(かた)(こと)170女王(ぢよわう)さまの(すわ)つて御座(ござ)床下(ゆかした)に、171(みつ)つの(たま)でも(かく)してある(やう)(うたが)うていらつしやるのだな』
172高姫(うたが)ふも(うたが)はぬもありますかい。173()出神(でのかみ)がチヤンと天眼通(てんがんつう)調(しら)べてあるのだ、174(まへ)さまが意地張(いぢば)れば意地張(いぢば)るほど、175此方(こちら)(うたが)はざるを()ませぬ。176黒姫(くろひめ)さまも()頓馬(とんま)だなア。177(なん)()めに(しばら)宰相神(さいしやうがみ)()けて御座(ござ)つたのだな。178サヽ女王(ぢよわう)さま、179一寸(ちよつと)()つて(くだ)さい』
180黄竜姫(いやし)くも一国(いつこく)女王(ぢよわう)たるもの、181仮令(たとへ)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)言葉(ことば)(いへど)も、182(わが)()(はん)して一分(いちぶ)(うご)(こと)出来(でき)ませぬぞ』
183 高姫(たかひめ)横手(よこて)()ちニヤリと(わら)ひ、
184高姫『ソレソレ矢張(やつぱり)(かく)()ふせますまいがな。185此方(こちら)(あらは)さぬ(うち)素直(すなほ)白状(はくじやう)なされ。186さうすれば永遠(ゑいゑん)無窮(むきう)(ひと)(じま)女王(ぢよわう)として、187驍名(げうめい)天下(てんか)(かがや)かす(こと)出来(でき)る。188()(こと)なら(この)(まま)にして(ふた)()けずに(たす)けて()りたいのが、189高姫(たかひめ)胸一杯(むねいつぱい)だ。190(この)(だい)慈悲心(じひしん)()にして、191何処迄(どこまで)(かく)すのなら(かく)してよからう。192蜈蚣姫(むかでひめ)親子(おやこ)(こころ)(あは)せ、193聖地(せいち)(たから)(かく)さうと(おも)うても、194(かく)()ふせるものでは御座(ござ)いませぬぞや』
195 黄竜姫(わうりようひめ)(やや)不機嫌(ふきげん)(てい)にて無言(むごん)(まま)(この)()をツツと()ち、196風景(ふうけい)よき(つぎ)()蜈蚣姫(むかでひめ)(ともな)(すす)()りけり。
197高姫『オホヽヽヽ、198トウトウ(しり)こそばゆなつて()()つて、199()(あそ)ばしたワイ。200……高山彦(たかやまひこ)さま、201黒姫(くろひめ)さま、202高姫(たかひめ)()威勢(ゐせい)には(かな)ひますまい。203サアサ(しり)(した)(いた)をめくつて調(しら)べて御覧(ごらん)204(まへ)さまの()では実物(じつぶつ)()なければ(わか)るまい。205(わたし)はチヤンと天眼通(てんがんつう)床板(ゆかいた)(とう)して()つて()るのだ。206……ヤレヤレ(いよいよ)大願(たいぐわん)成就(じやうじゆ)(とき)(いた)れりだ。207アーア惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
208双手(もろて)(あは)せ、209まだ()(さき)から()()つたやうな心持(こころもち)に、210感謝(かんしや)祝詞(のりと)(しき)りに奏上(そうじやう)する。
211高山彦高姫(たかひめ)さま、212(この)床下(ゆかした)には(けつ)してソンナ(もの)はありませぬよ。213(この)(ふた)()けるが最後(さいご)214蜿蜒(えんえん)たる黄竜(わうりよう)(ひそ)んで()りますから、215毒気(どくき)()てられては大変(たいへん)()()はねばなりますまい。216()けるのなら、217(まへ)さま()づから()けて(くだ)さい』
218 高姫(たかひめ)は………「(うま)(こと)()ふ、219高山彦(たかやまひこ)さまもお(ひと)がよいから、220黄竜姫(わうりようひめ)誤魔化(ごまくわ)されて()るワイ」……と()(やう)顔付(かほつき)をし(なが)ら、221床板(ゆかいた)(いち)(まい)グツとめくり、222床下(ゆかした)(ふか)(あな)(のぞ)()み「アツ」と()つたきり、223(かに)(やう)(あわ)()()をまはし()(たふ)れけり。
224 黒姫(くろひめ)225高山彦(たかやまひこ)両人(りやうにん)高姫(たかひめ)身体(からだ)引抱(ひつかか)へ、226(わが)居間(ゐま)(かつ)()(みづ)(くすり)よと介抱(かいはう)し、227一生(いつしやう)懸命(けんめい)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)したるに、228(やうや)くにして高姫(たかひめ)(いき)()(かへ)し、
229高姫『アーア、230()出神(でのかみ)(まつた)(うたが)ひが()れました。231かうなる以上(いじやう)黄竜姫(わうりようひめ)(たい)(はづ)かしくて、232半時(はんとき)()()られはしない。233高山彦(たかやまひこ)()夫婦(ふうふ)()所存(しよぞん)如何(いか)に、234(わたし)一緒(いつしよ)にお(せつ)所在(ありか)(さが)し、235今度(こんど)千騎(せんき)一騎(いつき)調(しら)べて()ようぢやないか』
236 高山彦(たかやまひこ)()のりのせぬ(ふう)にて、
237高山彦『アマリ(いそ)ぐに(およ)びませぬワイ』
238黒姫『コレ高山彦(たかやまひこ)さま、239(なん)といふ冷淡(れいたん)(こと)仰有(おつしや)る。240天下(てんか)国家(こくか)(ため)にどうしても()(たま)()()れねばなりますまい』
241高姫黒姫(くろひめ)さま、242(ひと)覚悟(かくご)(あそ)ばさねばなりませぬぞ。243()出神(でのかみ)(いま)(まを)()ける』
244黒姫竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)生宮(いきみや)245(たしか)承知(しようち)(つかまつ)りました』
246 かかる(ところ)七八(しちはち)(にん)(をとこ)ドヤドヤと()(きた)り、
247宰相(さいしやう)(さま)(まを)()げます。248城内(じやうない)(くま)なく(さが)しましたが、249宣伝使(せんでんし)らしき(もの)一人(ひとり)()りませぬから、250屹度(きつと)裏門(うらもん)から()()つたに相違(さうゐ)ありますまい。251一足(ひとあし)なりと()()びぬ(うち)に、252サア(みな)さま捜索(そうさく)(まゐ)りませう』
253(うなが)す。254(さん)(にん)はツト()(しろ)立出(たちい)で、255(かたはら)(やま)より峰伝(みねづた)ひに、256玉能姫(たまのひめ)257初稚姫(はつわかひめ)258玉治別(たまはるわけ)一行(いつかう)捜索(そうさく)立向(たちむか)ひける。
259 高山彦(たかやまひこ)(つひ)顕要(けんえう)地位(ちゐ)()てて高姫(たかひめ)260黒姫(くろひめ)(とも)に「タカ」の(みなと)(あら)はれ、261一隻(いつせき)(ふね)()(まか)せ、262(なみ)のまにまに玉能姫(たまのひめ)一行(いつかう)(あと)()はむと()()したり。
263 玉能姫(たまのひめ)264初稚姫(はつわかひめ)265玉治別(たまはるわけ)(その)()一行(いつかう)は、266(はる)かの山上(さんじやう)より霊眼(れいがん)(もつ)(さん)(にん)(この)(しま)(あと)(かへ)()くのを(なが)め、267ヤツト(むね)()()ろし、268(ふたた)城内(じやうない)悠々(いういう)として(かへ)()たりぬ。269初稚姫(はつわかひめ)一行(いつかう)は、270蜈蚣姫(むかでひめ)のアンボイナ(たう)()ける危難(きなん)(すく)()(ふね)(あた)へたる(その)好意(かうい)黄竜姫(わうりようひめ)より感謝(かんしや)され、271山海(さんかい)珍味(ちんみ)饗応(もてな)され、272(いよいよ)(ここ)三五教(あななひけう)確立(かくりつ)し、273黄竜姫(わうりようひめ)女王(ぢよわう)(けん)全島(ぜんたう)教主(けうしゆ)(さだ)め、274各自(めいめい)手分(てわ)けをなし、275梅子姫(うめこひめ)276宇豆姫(うづひめ)諸共(もろとも)に、277全島(ぜんたう)(くま)なくあらゆる生霊(せいれい)三五(あななひ)大道(たいだう)宣伝(せんでん)し、278自転倒(おのころ)(じま)聖地(せいち)(むか)つて凱旋(がいせん)する(こと)となりにける。
279大正一一・七・三 旧閏五・九 谷村真友録)
目で読むのに疲れたら耳で聴こう!霊界物語の朗読ユーチューブ
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki