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天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
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第78巻(巳の巻)
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第60巻(亥の巻)
序文
総説
第1篇 天仁和楽
01 清浄車
〔1526〕
02 神森
〔1527〕
03 瑞祥
〔1528〕
04 木遣
〔1529〕
05 鎮祭
〔1530〕
06 満悦
〔1531〕
第2篇 東山霊地
07 方便
〔1532〕
08 土蜘蛛
〔1533〕
09 夜光玉
〔1534〕
10 玉国
〔1535〕
11 法螺貝
〔1536〕
第3篇 神の栄光
12 三美歌(その一)
〔1537〕
13 三美歌(その二)
〔1538〕
第4篇 善言美詞
14 神言
〔1539〕
15 祝詞
〔1540〕
16 祈言
〔1541〕
17 崇詞
〔1542〕
18 復祭
〔1543〕
19 復活
〔1544〕
第5篇 金言玉辞
20 三五神諭(その一)
〔1545〕
21 三五神諭(その二)
〔1546〕
22 三五神諭(その三)
〔1547〕
23 三五神諭(その四)
〔1548〕
24 三五神諭(その五)
〔1549〕
25 三五神諭(その六)
〔1550〕
余白歌
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第六章
満悦
(
まんえつ
)
〔一五三一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第60巻 真善美愛 亥の巻
篇:
第1篇 天仁和楽
よみ(新仮名遣い):
てんじんわらく
章:
第6章 満悦
よみ(新仮名遣い):
まんえつ
通し章番号:
1531
口述日:
1923(大正12)年04月07日(旧02月22日)
口述場所:
皆生温泉 浜屋
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年8月12日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
バラモン軍のキャプテンであったチルテルは、妻や部下たちと共に神殿の前に拝礼し、改心の歌を歌った。アキスは述懐と新しい聖地を守る誓いの歌を歌った。
各々遷宮式の祝歌を歌い、宴が終わると一同は道々歌を歌いながらバーチルの館を指して帰って行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm6006
愛善世界社版:
65頁
八幡書店版:
第10輯 619頁
修補版:
校定版:
70頁
普及版:
60頁
初版:
ページ備考:
001
大空
(
おほぞら
)
は
一点
(
いつてん
)
の
雲翳
(
うんえい
)
もなく
002
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
神
(
かみ
)
は
煌々
(
くわうくわう
)
としてアヅモス
山
(
さん
)
の
霊地
(
れいち
)
を
照臨
(
せうりん
)
したまひ、
003
梢
(
こずゑ
)
を
渡
(
わた
)
る
夏風
(
なつかぜ
)
は
颯々
(
さつさつ
)
として
清涼
(
せいりやう
)
の
気
(
き
)
をおくる。
004
中空
(
ちうくう
)
には
無声
(
むせい
)
の
音楽
(
おんがく
)
聞
(
きこ
)
え
渡
(
わた
)
り、
0041
芳香
(
はうかう
)
薫
(
くん
)
じ、
005
地上
(
ちじやう
)
には、
006
諸々
(
もろもろ
)
の
楽器
(
がくき
)
の
一度
(
いちど
)
に
鳴
(
な
)
り
渡
(
わた
)
る
声
(
こゑ
)
、
007
梢
(
こずゑ
)
には
百鳥
(
ももどり
)
の、
0071
千代
(
ちよ
)
の
祥瑞
(
しやうずゐ
)
を
囀
(
さへづ
)
る
美声
(
びせい
)
、
008
天地人
(
てんちじん
)
三才
(
さんさい
)
合一
(
がふいつ
)
のこの
瑞祥
(
ずゐしやう
)
は、
009
神前
(
しんぜん
)
に
備
(
そな
)
へまつれる
曼陀羅華
(
まんだらげ
)
の
妙色
(
めうしき
)
に
現
(
あら
)
はれて
居
(
ゐ
)
る。
010
バラモン
軍
(
ぐん
)
に
永
(
なが
)
く
仕
(
つか
)
へ、
011
キャプテンの
職
(
しよく
)
にあつてキヨの
関守
(
せきもり
)
を
兼
(
か
)
ね、
012
相当
(
さうたう
)
に
暴威
(
ばうゐ
)
を
振
(
ふる
)
ひたるチルテルは、
013
其
(
その
)
妻
(
つま
)
チルナ
姫
(
ひめ
)
を
初
(
はじ
)
め、
014
カンナ、
015
ヘール
其
(
その
)
他
(
た
)
の
部下
(
ぶか
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
大宮
(
おほみや
)
の
前
(
まへ
)
に
恭
(
うやうや
)
しく
拝礼
(
はいれい
)
し、
016
曼陀羅華
(
まんだらげ
)
を
手
(
て
)
に
捧
(
ささ
)
げ、
017
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
018
チルテル『
天
(
てん
)
は
清浄
(
しやうじやう
)
地
(
ち
)
清浄
(
しやうじやう
)
019
六根
(
ろくこん
)
清浄
(
しやうじやう
)
懺悔
(
ざんげ
)
の
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
き
満
(
み
)
ちし
020
今日
(
けふ
)
の
喜
(
よろこ
)
び
永久
(
とこしへ
)
に
021
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
謹
(
つつし
)
みて
022
吾
(
われ
)
人
(
ひと
)
共
(
とも
)
に
村肝
(
むらきも
)
の
023
心
(
こころ
)
の
限
(
かぎ
)
り
身
(
み
)
の
限
(
かぎ
)
り
024
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
に
咽
(
むせ
)
かへる
025
仰
(
あふ
)
いで
空
(
そら
)
を
眺
(
なが
)
むれば
026
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
は
蒼々
(
あをあを
)
と
027
際限
(
さいげん
)
もなく
静
(
しづか
)
に
広
(
ひろ
)
くいや
高
(
たか
)
し
028
伏
(
ふ
)
して
地上
(
ちじやう
)
を
眺
(
なが
)
むれば
029
牡丹
(
ぼたん
)
芍薬
(
しやくやく
)
、ダリヤを
初
(
はじ
)
め
030
所
(
ところ
)
まんだら
咲
(
さ
)
き
乱
(
みだ
)
れ
031
雑色
(
ざつしき
)
微妙
(
びめう
)
の
蝶
(
てふ
)
は
舞
(
ま
)
ひ
032
万木
(
ばんもく
)
万草
(
ばんさう
)
いや
茂
(
しげ
)
る
033
夏野
(
なつの
)
に
遊
(
あそ
)
び
戯
(
たはむ
)
るる
034
其
(
その
)
瑞祥
(
ずゐしやう
)
を
目
(
ま
)
のあたり
035
眺
(
なが
)
むる
吾
(
われ
)
こそ
嬉
(
うれ
)
しけれ
036
この
聖場
(
せいぢやう
)
に
群集
(
うごなは
)
る
037
人
(
ひと
)
の
面
(
おもて
)
を
眺
(
なが
)
むれば
038
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
の
分
(
わか
)
ちなく
039
皆
(
みな
)
紅
(
くれなゐ
)
に
面
(
おも
)
照
(
て
)
りて
040
宛然
(
さながら
)
天女
(
てんによ
)
の
如
(
ごと
)
くなり
041
天
(
てん
)
の
造
(
つく
)
りし
此
(
この
)
天地
(
てんち
)
042
真善
(
しんぜん
)
美愛
(
びあい
)
の
実状
(
じつじやう
)
を
043
いと
広
(
ひろ
)
らかに
安
(
やす
)
らかに
044
示
(
しめ
)
させたまふ
尊
(
たふと
)
さよ
045
朝日
(
あさひ
)
は
輝
(
かがや
)
く
月
(
つき
)
は
照
(
て
)
る
046
星
(
ほし
)
は
閃
(
きら
)
めく
天津空
(
あまつそら
)
047
北極
(
ほつきよく
)
星座
(
せいざ
)
の
動
(
うご
)
きなく
048
七剣星
(
しちけんせい
)
が
其
(
その
)
周囲
(
しうゐ
)
049
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
撓
(
たわ
)
みなく
050
廻
(
めぐ
)
るが
如
(
ごと
)
く
里人
(
さとびと
)
の
051
これの
宮居
(
みやゐ
)
に
集
(
あつ
)
まりて
052
歓
(
ゑら
)
ぎ
楽
(
たの
)
しみ
宮
(
みや
)
の
辺
(
べ
)
を
053
廻
(
まは
)
りて
遊
(
あそ
)
ぶ
目出
(
めで
)
たさよ
054
ハルナの
都
(
みやこ
)
に
現
(
あ
)
れませる
055
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
神司
(
かむづかさ
)
056
いかに
心
(
こころ
)
を
配
(
くば
)
りまし
057
神
(
かみ
)
の
御国
(
みくに
)
を
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
058
弥
(
いや
)
永久
(
とこしへ
)
に
築
(
きづ
)
かむと
059
焦
(
あせ
)
らせ
給
(
たま
)
へど
如何
(
いか
)
にして
060
三五教
(
あななひけう
)
を
守
(
まも
)
ります
061
神
(
かみ
)
の
功
(
いさを
)
に
及
(
およ
)
ばむや
062
遠
(
とほ
)
き
近
(
ちか
)
きの
隔
(
へだ
)
てなく
063
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
を
恋
(
こ
)
ひ
慕
(
した
)
ひ
064
集
(
あつ
)
まり
来
(
きた
)
る
人
(
ひと
)
の
数
(
かず
)
065
百千万
(
ももちよろづ
)
はまだ
愚
(
おろ
)
か
066
追々
(
おひおひ
)
寄
(
よ
)
り
来
(
く
)
る
潮
(
うしほ
)
の
勢
(
いきほ
)
ひ
067
又
(
また
)
霊界
(
れいかい
)
を
調
(
しら
)
ぶれば
068
天男
(
てんなん
)
天女
(
てんによ
)
を
初
(
はじ
)
めとし
069
万
(
よろづ
)
の
人
(
ひと
)
の
神霊
(
しんれい
)
や
070
鳥
(
とり
)
獣
(
けだもの
)
や
虫
(
むし
)
けらの
071
御霊
(
みたま
)
も
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
ひて
072
吾
(
われ
)
もわしもと
集
(
つど
)
ひ
来
(
く
)
る
073
其
(
その
)
光景
(
くわうけい
)
は
高天原
(
たかあまはら
)
の
074
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
の
開
(
ひら
)
けし
如
(
ごと
)
く
075
あな
面白
(
おもしろ
)
やあなさやけをけ
076
目出度
(
めでた
)
さ
嬉
(
うれ
)
しさ
胸
(
むね
)
にみち
077
身
(
み
)
もたなしらに
神業
(
かむわざ
)
に
078
仕
(
つか
)
へまつるぞ
有難
(
ありがた
)
き
079
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
080
大国治立
(
おほくにはるたち
)
大御神
(
おほみかみ
)
081
御伴
(
みとも
)
の
神
(
かみ
)
と
仕
(
つか
)
へます
082
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
083
御前
(
みまへ
)
に
謹
(
つつし
)
み
畏
(
かしこ
)
みて
084
バラモン
軍
(
ぐん
)
のキャプテンが
085
茲
(
ここ
)
に
赤心
(
まごころ
)
披瀝
(
ひれき
)
して
086
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
願
(
ね
)
ぎまつる
087
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
088
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
曼陀羅華
(
まんだらげ
)
089
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
の
光景
(
くわうけい
)
を
090
拝
(
をろが
)
む
人
(
ひと
)
こそ
目出度
(
めでた
)
けれ
091
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
092
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
093
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
094
テルモン
山
(
ざん
)
は
海
(
うみ
)
となり
095
キヨメの
湖
(
うみ
)
は
山
(
やま
)
となり
096
アヅモス
山
(
さん
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
は
097
雲間
(
くもま
)
に
高
(
たか
)
く
突
(
つ
)
き
出
(
い
)
でて
098
高
(
たか
)
く
嶮
(
けは
)
しくなるとても
099
神
(
かみ
)
に
誓
(
ちか
)
ひし
此
(
この
)
体
(
からだ
)
100
如何
(
いか
)
でか
心
(
こころ
)
を
変
(
か
)
へざらむ
101
恵
(
めぐ
)
ませたまへ
大御神
(
おほみかみ
)
102
従
(
したが
)
ひたまふ
千万
(
ちよろづ
)
の
103
司
(
つかさ
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
104
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
願
(
ね
)
ぎまつる
105
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
願
(
ね
)
ぎまつる』
106
アキスは
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
した。
107
アキス『バーチル
館
(
やかた
)
に
幼少
(
えうせう
)
より
108
家
(
いへ
)
の
奴
(
やつこ
)
と
仕
(
つか
)
へたる
109
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
もはやアキス
110
猩々姫
(
しやうじやうひめ
)
の
御言
(
みこと
)
もて
111
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
に
付添
(
つきそ
)
ひつ
112
千
(
せん
)
里
(
り
)
の
浪
(
なみ
)
を
漕
(
こ
)
ぎ
渡
(
わた
)
り
113
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にもかけがへの
114
無
(
な
)
き
御子
(
みこ
)
数多
(
あまた
)
迎
(
むか
)
へたる
115
猩々
(
しやうじやう
)
の
小父
(
をぢ
)
が
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
で
116
三百
(
さんびやく
)
三十三
(
さんじふさん
)
体
(
たい
)
の
117
御霊
(
みたま
)
に
代
(
かは
)
り
宣
(
の
)
り
奉
(
まつ
)
る
118
父
(
ちち
)
の
命
(
みこと
)
は
端
(
はし
)
なくも
119
バーチクさまに
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
120
惜
(
を
)
しき
命
(
いのち
)
を
奪
(
うば
)
はれて
121
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
りし
母
(
はは
)
と
子
(
こ
)
は
122
周章
(
うろた
)
へ
騒
(
さわ
)
ぎ
手
(
て
)
も
足
(
あし
)
も
123
出
(
だ
)
す
術
(
すべ
)
もなき
悲
(
かな
)
しさに
124
浜辺
(
はまべ
)
の
船
(
ふね
)
を
寄
(
よ
)
せ
集
(
あつ
)
め
125
夜陰
(
やいん
)
に
乗
(
じやう
)
じて
湖原
(
うなばら
)
を
126
恐
(
おそ
)
れ
乍
(
なが
)
らに
逃
(
に
)
げて
行
(
ゆ
)
く
127
サーガラ
竜王
(
りうわう
)
の
棲所
(
すみか
)
ぞと
128
怖
(
おそ
)
れられたる
浮島
(
うきしま
)
に
129
馴
(
な
)
れぬ
艪櫂
(
ろかい
)
を
操
(
あやつ
)
りて
130
命
(
いのち
)
辛々
(
からがら
)
辿
(
たど
)
りつき
131
僅
(
わづか
)
に
命
(
いのち
)
を
支
(
ささ
)
へつつ
132
悲
(
かな
)
しき
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
る
折
(
をり
)
133
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
厳御霊
(
いづみたま
)
134
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
開
(
ひら
)
きたる
135
三五教
(
あななひけう
)
の
神司
(
かむづかさ
)
136
数多
(
あまた
)
現
(
あら
)
はれましまして
137
父
(
ちち
)
の
命
(
みこと
)
と
崇
(
あが
)
めたる
138
バーチルさまを
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
せ
139
磯
(
いそ
)
を
離
(
はな
)
れて
帰
(
かへ
)
ります
140
恋
(
こひ
)
しき
母
(
はは
)
は
此
(
この
)
様
(
さま
)
を
141
見
(
み
)
るより
歎
(
なげ
)
かせたまひつつ
142
二人
(
ふたり
)
の
仲
(
なか
)
に
生
(
うま
)
れたる
143
人獣
(
にんじう
)
合一
(
がふいつ
)
の
珍
(
うづ
)
の
子
(
こ
)
を
144
喉
(
のど
)
締
(
し
)
め
殺
(
ころ
)
し
母
(
はは
)
の
身
(
み
)
は
145
湖底
(
うなぞこ
)
深
(
ふか
)
く
隠
(
かく
)
れましぬ
146
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
りし
一同
(
いちどう
)
は
147
蚊
(
か
)
の
鳴
(
な
)
く
如
(
ごと
)
く
騒
(
さわ
)
ぎ
立
(
た
)
ち
148
呼
(
よ
)
べどかへせど
此
(
この
)
世
(
よ
)
へは
149
再
(
ふたた
)
び
帰
(
かへ
)
り
給
(
たま
)
はざる
150
悲運
(
ひうん
)
を
歎
(
なげ
)
き
居
(
ゐ
)
たりしが
151
風
(
かぜ
)
の
便
(
たより
)
か
白浪
(
しらなみ
)
の
152
彼方
(
かなた
)
に
見
(
み
)
ゆる
船
(
ふね
)
の
影
(
かげ
)
153
浪
(
なみ
)
を
蹴立
(
けた
)
てて
寄
(
よ
)
り
来
(
きた
)
る
154
これぞ
全
(
まつた
)
く
吾
(
わが
)
父
(
ちち
)
の
155
心
(
こころ
)
尽
(
づく
)
しの
御船
(
みふね
)
ぞと
156
子
(
こ
)
等
(
ら
)
は
一同
(
いちどう
)
に
磯端
(
いそばた
)
に
157
垣
(
かき
)
を
造
(
つく
)
つて
眺
(
なが
)
め
居
(
を
)
る
158
仁慈
(
じんじ
)
の
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へたる
159
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
が
悠々
(
いういう
)
と
160
数多
(
あまた
)
の
船
(
ふね
)
を
引
(
ひ
)
き
連
(
つ
)
れて
161
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
一同
(
いちどう
)
をバーチルの
162
館
(
やかた
)
に
迎
(
むか
)
へ
帰
(
かへ
)
らむと
163
手真似
(
てまね
)
をもつて
示
(
しめ
)
します
164
其
(
その
)
嬉
(
うれ
)
しさは
如何
(
いか
)
許
(
ばか
)
り
165
天
(
てん
)
にも
登
(
のぼ
)
る
心地
(
ここち
)
して
166
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
ひ
救
(
すく
)
ひの
船
(
ふね
)
に
167
身
(
み
)
を
跳
(
をど
)
らして
乗
(
の
)
り
込
(
こ
)
めば
168
思
(
おもひ
)
も
寄
(
よ
)
らぬ
般若湯
(
はんにやたう
)
169
いと
馨
(
かんば
)
しき
其
(
その
)
香
(
かをり
)
170
樽
(
たる
)
の
鏡
(
かがみ
)
を
打
(
う
)
ち
開
(
あ
)
けて
171
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
犒
(
ねぎら
)
ひたまひつつ
172
静
(
しづか
)
な
波
(
なみ
)
に
真帆
(
まほ
)
を
揚
(
あ
)
げ
173
湖中
(
こちう
)
に
棲
(
す
)
める
魚族
(
うろくづ
)
に
174
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
を
守
(
まも
)
られて
175
スマの
港
(
みなと
)
に
安着
(
あんちやく
)
し
176
父
(
ちち
)
の
館
(
やかた
)
に
立
(
た
)
ち
帰
(
かへ
)
り
177
楽
(
たの
)
しき
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
りつつ
178
又
(
また
)
もや
元
(
もと
)
の
棲処
(
すみか
)
へと
179
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
りし
嬉
(
うれ
)
しさよ
180
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
181
神
(
かみ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
もいと
清
(
きよ
)
く
182
いと
麗
(
うるは
)
しく
建
(
た
)
ち
終
(
をは
)
り
183
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
184
バラモン
帝釈
(
たいしやく
)
自在天
(
じざいてん
)
185
弥
(
いや
)
永久
(
とこしへ
)
に
鎮
(
しづ
)
まりて
186
イヅミの
国
(
くに
)
の
国人
(
くにびと
)
を
187
守
(
まも
)
らせたまふ
世
(
よ
)
となりぬ
188
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
一同
(
いちどう
)
の
眷族
(
けんぞく
)
は
189
清浄
(
しやうじやう
)
無垢
(
むく
)
の
魂
(
たましひ
)
を
190
捧
(
ささ
)
げて
仕
(
つか
)
へ
奉
(
たてまつ
)
り
191
アヅモス
山
(
さん
)
の
森林
(
しんりん
)
を
192
千代
(
ちよ
)
の
棲処
(
すみか
)
と
相定
(
あひさだ
)
め
193
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
を
楽
(
たの
)
しまむ
194
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
195
神
(
かみ
)
の
聖地
(
せいち
)
をおそれみて
196
里人
(
さとびと
)
男女
(
なんによ
)
の
分
(
わか
)
ちなく
197
此
(
この
)
森林
(
しんりん
)
に
永久
(
とは
)
に
棲
(
す
)
む
198
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
兄弟
(
おとどい
)
よく
愛
(
あい
)
し
199
決
(
けつ
)
して
殺
(
ころ
)
す
事
(
こと
)
勿
(
なか
)
れ
200
若
(
も
)
しも
過
(
あやま
)
ちある
時
(
とき
)
は
201
忽
(
たちま
)
ち
神
(
かみ
)
に
相祈
(
あひいの
)
り
202
誡
(
いまし
)
め
下
(
くだ
)
し
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
の
203
眼
(
まなこ
)
厳
(
きび
)
しくさますべし
204
謹
(
つつし
)
みたまへ
里人
(
さとびと
)
よ
205
バラモン
教
(
けう
)
の
軍
(
いくさ
)
の
君
(
きみ
)
よ
206
猩々彦
(
しやうじやうひこ
)
や
猩々姫
(
しやうじやうひめ
)
の
207
水火
(
いき
)
より
出
(
い
)
でし
吾々
(
われわれ
)
一同
(
いちどう
)
208
茲
(
ここ
)
に
言挙
(
ことあ
)
げ
奉
(
たてまつ
)
る
209
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
210
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
倍
(
はへ
)
ましませよ』
211
玉国別
(
たまくにわけ
)
『
久方
(
ひさかた
)
の
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
も
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
も
212
すみ
渡
(
わた
)
りたる
今日
(
けふ
)
ぞ
目出度
(
めでた
)
き』
213
真純彦
(
ますみひこ
)
『
打
(
う
)
ち
仰
(
あふ
)
ぐますみの
空
(
そら
)
に
塵
(
ちり
)
もなし
214
田鶴
(
たづ
)
舞
(
ま
)
ひ
遊
(
あそ
)
ぶ
影
(
かげ
)
のみぞ
見
(
み
)
ゆ』
215
三千彦
(
みちひこ
)
『
大神
(
おほかみ
)
の
珍
(
うづ
)
の
恵
(
めぐみ
)
は
天地
(
あめつち
)
に
216
いや
三千彦
(
みちひこ
)
の
今日
(
けふ
)
の
嬉
(
うれ
)
しさ』
217
伊太彦
(
いたひこ
)
『アヅモスの
山
(
やま
)
に
登
(
のぼ
)
りて
四方
(
よも
)
の
野
(
の
)
を
218
見
(
み
)
る
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
は
広
(
ひろ
)
く
安
(
やす
)
けし』
219
デビス
姫
(
ひめ
)
『
月
(
つき
)
も
日
(
ひ
)
も
大空
(
おほぞら
)
高
(
たか
)
くテルモンの
220
館
(
やかた
)
を
後
(
あと
)
にデビス
姫
(
ひめ
)
かな』
221
バーチル『
人
(
ひと
)
となり
又
(
また
)
猩々
(
しやうじやう
)
となりかはり
222
清浄
(
しやうじやう
)
無垢
(
むく
)
で
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へむ』
223
サーベル
姫
(
ひめ
)
『
月
(
つき
)
も
日
(
ひ
)
も
浪
(
なみ
)
より
出
(
い
)
でて
浪
(
なみ
)
に
入
(
い
)
る
224
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
深
(
ふか
)
き
湖
(
みづうみ
)
』
225
テク『
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
は
心
(
こころ
)
曇
(
くも
)
りし
吾
(
われ
)
なれど
226
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
りけり
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に』
227
アンチー『
大神
(
おほかみ
)
の
広
(
ひろ
)
き
恵
(
めぐみ
)
に
離
(
はな
)
れ
島
(
じま
)
228
憂
(
うき
)
を
三歳
(
みとせ
)
の
今日
(
けふ
)
の
吾
(
われ
)
かな』
229
アキス『
春
(
はる
)
も
過
(
す
)
ぎ
夏
(
なつ
)
の
大空
(
おほぞら
)
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
り
230
秋
(
あき
)
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
る
吾
(
われ
)
の
魂
(
たましひ
)
』
231
カール『
磯端
(
いそばた
)
に
主
(
あるじ
)
の
君
(
きみ
)
を
待
(
ま
)
ち
佗
(
わ
)
びし
232
カール
司
(
つかさ
)
の
今日
(
けふ
)
の
喜
(
よろこ
)
び』
233
チルテル『
花
(
はな
)
は
散
(
ち
)
る
月
(
つき
)
は
御空
(
みそら
)
に
照
(
てる
)
の
国
(
くに
)
234
すましてすまむスマの
関守
(
せきもり
)
』
235
チルナ
姫
(
ひめ
)
『
曼陀羅
(
まんだら
)
の
華
(
はな
)
はいつ
迄
(
まで
)
チルナ
姫
(
ひめ
)
236
早
(
はや
)
く
散
(
ち
)
れ
散
(
ち
)
れ
塵
(
ちり
)
と
芥
(
あくた
)
は』
237
カンナ『
惟神
(
かむながら
)
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
の
強
(
つよ
)
くして
238
常夜
(
とこよ
)
の
闇
(
やみ
)
も
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
りけり』
239
ヘール『テルモンの
山
(
やま
)
は
霞
(
かす
)
みて
見
(
み
)
えねども
240
目
(
ま
)
のあたり
見
(
み
)
る
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
』
241
斯
(
か
)
く
互
(
たがひ
)
に
遷宮式
(
せんぐうしき
)
の
祭典
(
さいてん
)
を
祝
(
しゆく
)
し
終
(
をは
)
つて
242
道々
(
みちみち
)
口々
(
くちぐち
)
に
歌
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
ひながら、
243
広大
(
くわうだい
)
なるバーチルの
館
(
やかた
)
を
指
(
さ
)
して
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
244
漸
(
やうや
)
く
日
(
ひ
)
は
西山
(
せいざん
)
に
舂
(
うすづ
)
きて
黄昏
(
たそがれ
)
の
空気
(
くうき
)
は
四辺
(
あたり
)
を
圧
(
あつ
)
した。
245
満天
(
まんてん
)
忽
(
たちま
)
ち
金銀
(
きんぎん
)
の
星光
(
せいくわう
)
恆河
(
こうが
)
の
砂
(
すな
)
の
如
(
ごと
)
く
現
(
あら
)
はれて、
246
一行
(
いつかう
)
が
歓喜
(
くわんき
)
の
姿
(
すがた
)
を
黙々
(
もくもく
)
として
瞰下
(
かんか
)
して
居
(
ゐ
)
る。
247
アヅモス
山
(
さん
)
の
峰続
(
みねつづ
)
き、
248
ハールナ
山
(
さん
)
の
中腹
(
ちうふく
)
にある
寺院
(
じゐん
)
の
梵鐘
(
ぼんしよう
)
は、
249
ボーンボーンと
夕
(
ゆふ
)
べの
空気
(
くうき
)
を
圧
(
あつ
)
して
響
(
ひび
)
き
来
(
きた
)
る。
250
(
大正一二・四・七
旧二・二二
於皆生温泉浜屋
加藤明子
録)
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飯塚弘明著『
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【霊界物語ネット】
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