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第65巻(辰の巻)
序文
総説
第1篇 盗風賊雨
01 感謝組
〔1657〕
02 古峽の山
〔1658〕
03 岩侠
〔1659〕
04 不聞銃
〔1660〕
05 独許貧
〔1661〕
06 噴火口
〔1662〕
07 反鱗
〔1663〕
第2篇 地異転変
08 異心泥信
〔1664〕
09 劇流
〔1665〕
10 赤酒の声
〔1666〕
11 大笑裡
〔1667〕
12 天恵
〔1668〕
第3篇 虎熊惨状
13 隔世談
〔1669〕
14 山川動乱
〔1670〕
15 饅頭塚
〔1671〕
16 泥足坊
〔1672〕
17 山颪
〔1673〕
第4篇 神仙魔境
18 白骨堂
〔1674〕
19 谿の途
〔1675〕
20 熊鷹
〔1676〕
21 仙聖郷
〔1677〕
22 均霑
〔1678〕
23 義侠
〔1679〕
第5篇 讃歌応山
24 危母玉
〔1680〕
25 道歌
〔1681〕
26 七福神
〔1682〕
余白歌
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第一章
感謝組
(
かんしやぐみ
)
〔一六五七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第65巻 山河草木 辰の巻
篇:
第1篇 盗風賊雨
よみ(新仮名遣い):
とうふうぞくう
章:
第1章 感謝組
よみ(新仮名遣い):
かんしゃぐみ
通し章番号:
1657
口述日:
1923(大正12)年07月15日(旧06月2日)
口述場所:
祥雲閣
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年4月14日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm6501
愛善世界社版:
11頁
八幡書店版:
第11輯 613頁
修補版:
校定版:
11頁
普及版:
5頁
初版:
ページ備考:
001
夏
(
なつ
)
の
日
(
ひ
)
の
強
(
つよ
)
い
光
(
ひかり
)
に
侵
(
をか
)
されて、
002
水
(
みづ
)
に
落
(
お
)
ちた
船
(
ふね
)
の
影
(
かげ
)
は、
003
動
(
うご
)
く
水
(
みづ
)
のうねりに
従
(
したが
)
つて、
004
幾重
(
いくへ
)
にも
縞
(
しま
)
になつて、
005
暗
(
くら
)
い
緑
(
みどり
)
に
渦捲
(
うづま
)
いて、
006
竿
(
さを
)
を
入
(
い
)
れるたび、
0061
輪
(
わ
)
が
画
(
ゑが
)
かれ、
007
岸
(
きし
)
のあたりまで、
008
その
輪
(
わ
)
が
大
(
おほ
)
きく
大
(
おほ
)
きく
拡
(
ひろ
)
がつて
行
(
ゆ
)
く。
009
古
(
ふる
)
い
陶器
(
たうき
)
の
色
(
いろ
)
にでもある
様
(
やう
)
な
雨風
(
あめかぜ
)
に
晒
(
さら
)
された
船
(
ふね
)
の
色
(
いろ
)
は、
010
沈
(
しづ
)
んだ
調子
(
てうし
)
に
水
(
みづ
)
に
接
(
せつ
)
して、
011
積荷
(
つみに
)
の
上
(
うへ
)
を、
0111
かすつた、
012
強
(
つよ
)
い
紅
(
べに
)
がかつた
斜陽
(
ゆふひ
)
の
色
(
いろ
)
と、
013
稍
(
やや
)
曲
(
まが
)
つた
帆
(
ほ
)
の
半面
(
はんめん
)
を
照
(
て
)
らした
光
(
ひかり
)
とが、
014
暗
(
くら
)
い
水
(
みづ
)
に
映
(
うつ
)
つて、
015
時
(
とき
)
ならぬ
色
(
いろ
)
模様
(
もやう
)
を
織
(
おり
)
出
(
だ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
016
ハルセイ
沼
(
ぬま
)
の
辺
(
ほと
)
りに、
017
二人
(
ふたり
)
の
男
(
をとこ
)
が
水面
(
すいめん
)
を
見守
(
みまも
)
り
乍
(
なが
)
ら、
018
雑談
(
ざつだん
)
に
耽
(
ふけ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
019
甲
(
かふ
)
『
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
何
(
なに
)
が
一番
(
いちばん
)
困難事
(
こんなんじ
)
だといつても、
020
世
(
よ
)
に
処
(
しよ
)
するの
道
(
みち
)
程
(
ほど
)
、
021
六ケ敷
(
むつかし
)
いものは
無
(
な
)
いのだ。
022
日月
(
じつげつ
)
星辰
(
せいしん
)
は
大空
(
おほぞら
)
に
懸
(
かか
)
り、
023
雲
(
くも
)
は
中空
(
ちうくう
)
に
彷徨
(
はうくわう
)
往来
(
わうらい
)
して
居
(
を
)
つても、
024
人間
(
にんげん
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
は
毎日
(
まいにち
)
々々
(
まいにち
)
食
(
く
)
はず
呑
(
の
)
まずには
生
(
い
)
きて
居
(
ゐ
)
られない。
025
五穀
(
ごこく
)
は
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
米屋
(
こめや
)
の
倉
(
くら
)
に
積
(
つ
)
んであつても、
026
黄金
(
わうごん
)
が
無
(
な
)
ければ、
027
一粒
(
ひとつぶ
)
の
五穀
(
ごこく
)
も
買
(
か
)
ふ
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
かず、
028
酒
(
さけ
)
が
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
在
(
あ
)
らうが、
029
黄金
(
わうごん
)
がなければ、
030
自由
(
じいう
)
にならない。
031
朝
(
あさ
)
はハルセイ
山
(
さん
)
から
吹
(
ふき
)
颪
(
おろ
)
す、
0311
山嵐
(
やまあらし
)
に
震
(
ふる
)
へながら、
032
身
(
み
)
を
縮
(
ちぢ
)
めての
野良
(
のら
)
仕事
(
しごと
)
も、
033
夜
(
よる
)
は
星
(
ほし
)
を
戴
(
いただ
)
いて
家
(
いへ
)
に
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
るのも、
034
皆
(
みな
)
、
035
其
(
その
)
日
(
ひ
)
其
(
その
)
日
(
ひ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
をなし、
036
又
(
また
)
は
黄金
(
こがね
)
を
貯
(
たくは
)
へたいからだ。
037
黄金
(
こがね
)
がなければ、
038
何
(
ど
)
うも
仕様
(
しやう
)
のない
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だから、
039
仕方
(
しかた
)
なしにトランス
様
(
さま
)
になつたのだ。
040
意気地
(
いくぢ
)
の
無
(
な
)
い
奴
(
やつ
)
は、
041
首
(
くび
)
を
吊
(
つ
)
つてブランコ
往生
(
わうじやう
)
を
行
(
や
)
りよるのだが、
042
俺
(
おれ
)
等
(
ら
)
は
一人前
(
いちにんまへ
)
の
男子
(
だんし
)
だ。
043
まさかそんな
卑怯
(
ひけふ
)
な
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ないからのウ。
044
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
バラモン
軍
(
ぐん
)
に
仕
(
つか
)
へて
居
(
を
)
つたのも、
045
つまりは
生活
(
せいくわつ
)
の
安全
(
あんぜん
)
を
保
(
たも
)
つためだつた。
046
最早
(
もはや
)
今日
(
けふ
)
となつては、
047
鬼春別
(
おにはるわけ
)
将軍
(
しやうぐん
)
も
彼
(
あ
)
の
状様
(
ざま
)
になつたのだから、
048
乾分
(
こぶん
)
の
俺
(
おれ
)
たちはトランスでも
為
(
せ
)
なくては、
049
今日
(
こんにち
)
の
生活
(
せいくわつ
)
が
出来
(
でき
)
ない』
050
乙
(
おつ
)
『
如何
(
いか
)
にも、
051
お
前
(
まへ
)
の
説
(
せつ
)
は
至極
(
しごく
)
尤
(
もつと
)
もだ。
052
俺
(
おれ
)
は
陸海軍
(
りくかいぐん
)
何
(
いづ
)
れかの
将校
(
しやうかう
)
になる、
053
俺
(
おれ
)
は
何々
(
なになに
)
の
官吏
(
くわんり
)
になる、
054
俺
(
おれ
)
は
何々
(
なになに
)
の
大事業
(
だいじげふ
)
を
企
(
くはだ
)
てると
云
(
い
)
つて、
055
意気
(
いき
)
衝天
(
しようてん
)
の
青年
(
せいねん
)
でも、
056
その
一面
(
いちめん
)
は
国家
(
こくか
)
を
思
(
おも
)
ふとか、
057
国民
(
こくみん
)
を
愛
(
あい
)
するとか、
058
立派
(
りつぱ
)
に
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
るが、
059
その
半面
(
はんめん
)
には、
060
矢張
(
やは
)
り
月給
(
げつきふ
)
を
沢山
(
たくさん
)
に
取
(
と
)
つて、
061
相当
(
さうたう
)
な
生活
(
せいくわつ
)
をしたい、
062
と
云
(
い
)
ふ
念慮
(
ねんりよ
)
より
外
(
ほか
)
には
何
(
なに
)
ものも
無
(
な
)
い。
063
大体
(
だいたい
)
表面
(
へうめん
)
には、
064
名誉
(
めいよ
)
とか、
065
出世
(
しゆつせ
)
とか、
066
成功
(
せいこう
)
とか、
067
社会
(
しやくわい
)
奉仕
(
ほうし
)
とか、
068
名前
(
なまへ
)
だけは
実
(
じつ
)
に
立派
(
りつぱ
)
なことを
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
るが、
069
ドドの
約
(
つま
)
りは
矢張
(
やはり
)
金
(
かね
)
が
儲
(
まう
)
けたいのだ。
070
黄金
(
わうごん
)
が
無
(
な
)
ければ
今日
(
こんにち
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は、
071
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
聖人
(
せいじん
)
でも、
072
学者
(
がくしや
)
でも、
073
田舎
(
いなか
)
の
爺
(
おやぢ
)
でも、
074
矢張
(
やはり
)
名誉
(
めいよ
)
を
得
(
え
)
、
075
立身
(
りつしん
)
出世
(
しゆつせ
)
したとは
言
(
い
)
はれない。
076
金
(
かね
)
のない
奴
(
やつ
)
は
何時
(
いつ
)
でも、
077
彼奴
(
あいつ
)
は
相変
(
あひかは
)
らず
意気地
(
いくぢ
)
なしだ。
078
困
(
こま
)
つて
居
(
ゐ
)
やがるナア
位
(
ぐらゐ
)
で、
079
社会
(
しやくわい
)
から
追
(
お
)
つ
払
(
ぱら
)
はれて
了
(
しま
)
ふのだ。
080
嬶
(
かかあ
)
の
褌
(
ふんどし
)
一
(
いち
)
枚
(
まい
)
でも、
081
六一
(
ろくいち
)
銀行
(
ぎんかう
)
へ
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
けば、
082
少々
(
せうせう
)
ばかり
汚
(
きたな
)
くつても
金
(
かね
)
になるが、
083
髯
(
ひげ
)
や
名誉
(
めいよ
)
では
借金
(
しやくきん
)
取
(
と
)
りを
追
(
お
)
つ
払
(
ぱら
)
ふ
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
かない。
084
如何
(
いか
)
に
俺
(
おれ
)
は
学士
(
がくし
)
だ、
085
勅任官
(
ちよくにんくわん
)
だ、
086
華族
(
くわぞく
)
だ、
087
おれは
社会
(
しやくわい
)
を
取締
(
とりしま
)
る
警官
(
けいくわん
)
だ、
088
と
威張
(
ゐば
)
つて
見
(
み
)
た
所
(
ところ
)
が、
089
肝腎
(
かんじん
)
の
金
(
かね
)
がなければ、
090
サア
鎌倉
(
かまくら
)
と
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
には、
091
グーの
音
(
ね
)
も
出
(
で
)
ない。
092
やつぱり
米屋
(
こめや
)
へ
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げたり、
093
味噌屋
(
みそや
)
へ
味噌
(
みそ
)
をすつて、
094
御
(
お
)
千度
(
せんど
)
を
踏
(
ふ
)
まねばなるまい。
095
それを
思
(
おも
)
ふと
金
(
かね
)
なるかなだ。
096
併
(
しか
)
し
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
金
(
かね
)
が
欲
(
ほ
)
しいと
云
(
い
)
つても、
097
トランスになるだけは、
098
考
(
かんが
)
へねば
成
(
な
)
るまいぞ』
099
甲
(
かふ
)
『
何
(
なに
)
、
100
現代
(
げんだい
)
の
人間
(
にんげん
)
は
優勝
(
いうしよう
)
劣敗
(
れつぱい
)
式
(
しき
)
だから、
101
トランスせない
奴
(
やつ
)
は
一人
(
ひとり
)
もありやしないよ。
102
金
(
かね
)
が
無
(
な
)
ければ、
103
勅任官
(
ちよくにんくわん
)
でも
奏任官
(
そうにんくわん
)
でも、
104
カラツキシ
駄目
(
だめ
)
だ。
105
況
(
ま
)
してや
判任
(
はんにん
)
雇傭
(
こよう
)
、
106
ヘツポコ
官吏
(
くわんり
)
をやだ。
107
昼
(
ひる
)
は
廟堂
(
べうだう
)
に
国政
(
こくせい
)
を
議
(
ぎ
)
して
威張
(
ゐば
)
つて
居
(
を
)
つても、
108
夕
(
ゆふ
)
べに
米櫃
(
こめびつ
)
の
泣
(
な
)
く
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
いては、
109
如何
(
いか
)
なる
志士
(
しし
)
でも、
110
豪傑
(
がうけつ
)
でも、
111
断腸
(
だんちやう
)
の
涙
(
なみだ
)
を
溢
(
こぼ
)
さずには
居
(
ゐ
)
られまい。
112
それ
故
(
ゆゑ
)
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
皆
(
みな
)
までとは
言
(
い
)
はぬが
113
大小
(
だいせう
)
トランスを
行
(
や
)
らない
奴
(
やつ
)
は
無
(
な
)
からうよ。
114
月
(
つき
)
、
115
雪
(
ゆき
)
、
116
花
(
はな
)
、
117
恋愛
(
れんあい
)
、
118
肉楽
(
にくらく
)
などと
言
(
い
)
つて
居
(
を
)
つても、
119
明日
(
あす
)
の
食物
(
しよくもつ
)
に
芋
(
いも
)
の
小片
(
こぎれ
)
一
(
ひと
)
つないと
来
(
き
)
ては、
120
三
(
さん
)
年
(
ねん
)
の
恋
(
こひ
)
も
猶
(
なほ
)
覚
(
さ
)
め
了
(
をは
)
るでは
無
(
な
)
いか。
121
身
(
み
)
には
錦衣
(
きんい
)
をまとひ、
122
髭髯
(
しぜん
)
いかめしく
天下
(
てんか
)
を
睥睨
(
へいげい
)
し、
123
口角
(
こうかく
)
泡
(
あわ
)
を
飛
(
と
)
ばして、
124
大言
(
たいげん
)
壮語
(
さうご
)
を
為
(
な
)
すも、
125
懐中
(
くわいちう
)
無一物
(
むいちぶつ
)
と
来
(
き
)
ては、
126
乞食
(
こじき
)
の
女
(
をんな
)
だつて
相手
(
あひて
)
にして
呉
(
く
)
れない。
127
威張
(
ゐば
)
れば
威張
(
ゐば
)
る
程
(
ほど
)
腹
(
はら
)
が
苦
(
くる
)
しく、
128
錦
(
にしき
)
を
着
(
き
)
れば
着
(
き
)
るほど、
1281
胸
(
むね
)
が
苦
(
くる
)
しい。
129
三
(
さん
)
歳
(
さい
)
の
童子
(
どうじ
)
も、
130
金満家
(
きんまんか
)
の
児
(
こ
)
は
金
(
かね
)
の
威光
(
ゐくわう
)
で
尊
(
たふと
)
まれ、
131
阿弥陀
(
あみだ
)
様
(
さま
)
でさへも
金箔
(
きんぱく
)
で
価値
(
ねうち
)
が
出
(
で
)
る
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だ。
132
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
華族
(
くわぞく
)
でも、
133
法主
(
ほつす
)
でも、
134
債鬼
(
さいき
)
の
前
(
まへ
)
には
頭
(
あたま
)
が
上
(
あが
)
らず、
135
靴屋
(
くつや
)
の
息子
(
むすこ
)
も
金
(
かね
)
さへ
有
(
あ
)
れば
結構
(
けつこう
)
な
若旦那
(
わかだんな
)
様
(
さま
)
と、
136
もてはやさるる
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だ。
137
たとへ
無理
(
むり
)
しても、
138
金
(
かね
)
さへ
持
(
も
)
つて
居
(
を
)
れば、
139
悪
(
あく
)
も
善
(
ぜん
)
で
通用
(
つうよう
)
するのだから、
140
俺
(
おれ
)
は
何
(
ど
)
うしても
初心
(
しよしん
)
を
枉
(
ま
)
げない
覚悟
(
かくご
)
だ。
141
青楼
(
おちやや
)
へ
登
(
のぼ
)
る
時
(
とき
)
にも、
142
ヘイーいらつしやいと
意気
(
いき
)
な
詞
(
ことば
)
や、
143
お
通
(
とほ
)
り
遊
(
あそ
)
ばせ、
144
と
艶
(
えん
)
な
台詞
(
せりふ
)
で
迎
(
むか
)
へられても、
145
イザ
勘定
(
かんぢやう
)
となつて
一文
(
いちもん
)
も
無
(
な
)
いと
来
(
き
)
ては、
146
如何
(
いか
)
に
嬋妍
(
せんけん
)
な
美人
(
びじん
)
でも、
147
忽
(
たちま
)
ち
額
(
ひたひ
)
に
皺
(
しわ
)
を
寄
(
よ
)
せ、
1471
眼
(
め
)
を
吊
(
つ
)
り
上
(
あ
)
げ、
148
柔和
(
にうわ
)
なお
世辞
(
せじ
)
の
良
(
よ
)
い
番頭
(
ばんとう
)
でも、
149
苦情
(
くじやう
)
を
述
(
の
)
べ
立
(
た
)
てずには
居
(
ゐ
)
られないぢやないか。
150
先
(
さき
)
に
艶麗
(
えんれい
)
にして
柔和
(
にうわ
)
なりし
其
(
その
)
顔
(
かほ
)
は、
151
忽
(
たちま
)
ち
鬼
(
おに
)
かヱンマと
激変
(
げきへん
)
し、
152
入
(
い
)
らつしやい、
153
お
上
(
あが
)
り
遊
(
あそ
)
ばせ、
154
の
言霊
(
ことたま
)
は
忽
(
たちま
)
ち、
1541
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
け、
155
腰
(
こし
)
抜
(
ぬ
)
け
奴
(
め
)
、
156
の
暴言
(
ばうげん
)
となり、
157
命令
(
めいれい
)
となり、
158
果
(
は
)
ては
引
(
ひ
)
つぱられた
其
(
その
)
手
(
て
)
で、
159
すげなくも
突
(
つき
)
出
(
だ
)
され、
160
迎
(
むか
)
へられた
其
(
その
)
口
(
くち
)
から、
161
唾液
(
つば
)
を
吐
(
は
)
きかけられる
事
(
こと
)
になるのだ』
162
乙
(
おつ
)
『
成程
(
なるほど
)
163
そらさうじや。
164
金
(
かね
)
が
無
(
な
)
くては
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
生活
(
せいくわつ
)
する
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ない。
165
何
(
ど
)
うしても
衣食住
(
いしよくぢう
)
を
廃
(
はい
)
することの
出来
(
でき
)
ない
人間
(
にんげん
)
は、
166
食
(
く
)
はずには
生
(
いき
)
て
居
(
を
)
れない
動物
(
どうぶつ
)
たる
以上
(
いじやう
)
は、
167
如何
(
いか
)
に
金銭
(
きんせん
)
に
威張
(
ゐば
)
られても
仕方
(
しかた
)
がない。
168
是非
(
ぜひ
)
共
(
とも
)
善良
(
ぜんりやう
)
なる
方法
(
はうはふ
)
で、
169
黄金
(
こがね
)
を
蓄
(
たくは
)
へ、
170
米
(
こめ
)
を
買
(
か
)
ひ、
171
生命
(
いのち
)
を
繋
(
つな
)
ぐ
算段
(
さんだん
)
をせなくてはなるまい。
172
「イザさらば、
173
花見
(
はなみ
)
にごんせハルセイ
山
(
やま
)
」
174
も
衣食
(
いしよく
)
足
(
た
)
り、
175
住居
(
すまゐ
)
あり、
176
生命
(
いのち
)
あつての
上
(
うへ
)
の
事
(
こと
)
だ。
177
そこでこの
衣食
(
いしよく
)
を
満
(
み
)
たし、
178
住居
(
すまゐ
)
を
定
(
さだ
)
め、
179
生命
(
いのち
)
を
繋
(
つな
)
ぐ
算段
(
さんだん
)
するのが
肝腎
(
かんじん
)
だが、
180
こいつが
抑
(
そもそも
)
難
(
むつ
)
ケしいので、
181
栄辱
(
えいじよく
)
も
利害
(
りがい
)
も、
182
禍福
(
くわふく
)
も
得失
(
とくしつ
)
も、
183
倫常
(
りんじやう
)
も
学問
(
がくもん
)
も、
184
教育
(
けういく
)
も
戦争
(
せんそう
)
も、
185
皆
(
みな
)
この
必要
(
ひつえう
)
から
湧
(
わ
)
き
出
(
だ
)
されるのだ。
186
此
(
この
)
根本
(
こんぽん
)
的
(
てき
)
原理
(
げんり
)
を
離
(
はな
)
れた
道徳
(
だうとく
)
も
無
(
な
)
く、
187
此
(
この
)
原理
(
げんり
)
を
去
(
さ
)
つて
社会
(
しやくわい
)
なく、
188
国家
(
こくか
)
もない。
189
況
(
いは
)
んや
政治
(
せいぢ
)
、
190
経済
(
けいざい
)
、
191
実業
(
じつげふ
)
、
192
教育
(
けういく
)
、
193
倫理
(
りんり
)
、
194
科学
(
くわがく
)
、
195
宗教
(
しうけう
)
をやだ。
196
宇宙間
(
うちうかん
)
の
森羅
(
しんら
)
万象
(
ばんしやう
)
、
197
これ
悉
(
ことごと
)
く、
198
吾々
(
われわれ
)
が
生活
(
せいくわつ
)
の
資料
(
しれう
)
となり、
199
要素
(
えうそ
)
となるもので、
200
この
生活
(
せいくわつ
)
の
無
(
な
)
き
以上
(
いじやう
)
は、
201
宗教
(
しうけう
)
も、
202
坊主
(
ばうず
)
も、
203
神主
(
かむぬし
)
も
必要
(
ひつえう
)
がないのだ。
204
況
(
いは
)
んや、
205
聖人
(
せいじん
)
君子
(
くんし
)
も、
206
天地
(
てんち
)
そのものも、
207
既
(
すで
)
に
必要
(
ひつえう
)
がない。
208
太陽
(
たいやう
)
の
光線
(
くわうせん
)
、
209
星辰
(
せいしん
)
の
運行
(
うんかう
)
、
210
風雨
(
ふうう
)
霜雪
(
さうせつ
)
、
211
河川
(
かせん
)
港海
(
かうかい
)
、
212
山岳
(
さんがく
)
森林
(
しんりん
)
、
213
皆
(
みな
)
これ、
214
吾々
(
われわれ
)
が
生活
(
せいくわつ
)
の
為
(
ため
)
に
設
(
まう
)
けられたものでは
無
(
な
)
いか。
215
この
生活
(
せいくわつ
)
をなし、
216
生命
(
いのち
)
をつないで
行
(
ゆ
)
くのは、
217
人間
(
にんげん
)
それ
自身
(
じしん
)
でなければならぬ。
218
人生
(
じんせい
)
と
云
(
い
)
ふのは、
219
生活
(
せいくわつ
)
上
(
じやう
)
に
於
(
お
)
いて、
220
千差
(
せんさ
)
万別
(
ばんべつ
)
の
状態
(
じやうたい
)
のあるのを、
221
云
(
い
)
ふのだからのウ。
222
成
(
な
)
るべくはトランスだけは
止
(
や
)
めて
天与
(
てんよ
)
の
富源
(
ふげん
)
を
開拓
(
かいたく
)
しようぢやないか』
223
甲
(
かふ
)
『
俺
(
おれ
)
たちは、
224
百姓
(
ひやくしやう
)
せうにも
田畑
(
たはた
)
はなし、
225
鋤
(
すき
)
鍬
(
くは
)
、
226
その
他
(
た
)
の
附属
(
ふぞく
)
道具
(
だうぐ
)
もなし、
227
商売
(
しやうばい
)
するにも
資本
(
しほん
)
はなし、
228
だと
云
(
い
)
つて
乞食
(
こじき
)
も
出来
(
でき
)
ないから、
229
この
世
(
よ
)
を
太
(
ふと
)
く
短
(
みじか
)
く
暮
(
くら
)
すトランスを、
230
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
選
(
えら
)
むことにしたのだ。
231
貴様
(
きさま
)
も
今
(
いま
)
となつて、
232
そんな
弱音
(
よわね
)
を
吹
(
ふ
)
くもので
無
(
な
)
いよ。
233
それよりも
早
(
はや
)
く、
234
何
(
なん
)
とか
一仕事
(
ひとしごと
)
して
帰
(
かへ
)
らなければ、
235
親分
(
おやぶん
)
に
言訳
(
いひわけ
)
が
立
(
た
)
たぬぢやないか』
236
かく
話
(
はな
)
す
所
(
ところ
)
へ、
237
法螺貝
(
ほらがひ
)
の
音
(
おと
)
ブウーブウーと、
238
遠
(
とほ
)
く
近
(
ちか
)
く、
239
或
(
あるひ
)
は
高
(
たか
)
く、
240
或
(
あるひ
)
は
低
(
ひく
)
う、
241
響
(
ひび
)
き
来
(
き
)
たる。
242
甲
(
かふ
)
乙
(
おつ
)
二人
(
ふたり
)
の
名
(
な
)
は、
243
ヤク、
244
エールと
云
(
い
)
ふ。
245
どこともなく、
246
権威
(
けんゐ
)
の
籠
(
こ
)
もつた
法螺
(
ほら
)
の
音
(
ね
)
に
稍
(
やや
)
怖気
(
おぢけ
)
付
(
づ
)
き、
247
傍
(
そば
)
の
灌木
(
くわんぼく
)
の
茂
(
しげ
)
みに
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
した。
248
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
はベル、
249
バット、
250
カークス、
251
ベースの
改心組
(
かいしんぐみ
)
と
共
(
とも
)
に
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
252
二人
(
ふたり
)
が
隠
(
かく
)
れて
居
(
ゐ
)
る、
2521
傍
(
そば
)
の
芝生
(
しばふ
)
に
腰
(
こし
)
打
(
うち
)
かけ、
253
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
めた。
254
そして
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
は
二人
(
ふたり
)
のトランスが、
255
此
(
この
)
密樹
(
みつじゆ
)
の
蔭
(
かげ
)
にかくれてゐる
事
(
こと
)
も、
256
バラモン
軍
(
ぐん
)
の
兵士
(
へいし
)
であつて、
257
今
(
いま
)
はトランスに
成
(
なり
)
下
(
さが
)
つてゐる
事
(
こと
)
も、
258
霊感
(
れいかん
)
に
仍
(
よ
)
つて
直覚
(
ちよくかく
)
してゐた。
259
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
はワザと
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
で
二人
(
ふたり
)
に
聞
(
き
)
こえよがしに、
260
治道
(
ちだう
)
『オイ、
261
ベル、
262
バット、
263
外
(
ほか
)
両人
(
りやうにん
)
、
264
どうだ
昨日
(
きのふ
)
迄
(
まで
)
トランスをやつて
居
(
を
)
つた
時
(
とき
)
の
心
(
こころ
)
と、
265
只今
(
ただいま
)
の
心
(
こころ
)
と
何方
(
どちら
)
が
安心
(
あんしん
)
に
思
(
おも
)
ふか』
266
ベル『ハイ、
267
お
尋
(
たづ
)
ね
迄
(
まで
)
もなく、
268
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
迄
(
まで
)
、
269
戦々
(
せんせん
)
恟々
(
きようきよう
)
として、
270
人
(
ひと
)
の
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いてもビクビクし、
271
法螺
(
ほら
)
の
音
(
ね
)
を
聞
(
き
)
いても、
272
慄
(
ふる
)
ひ
上
(
あが
)
つて
居
(
を
)
りましたが、
273
斯
(
か
)
う
何
(
なに
)
はなく
共
(
とも
)
真心
(
まごころ
)
に
立
(
たち
)
返
(
かへ
)
り、
274
あなたのお
伴
(
とも
)
をさして
頂
(
いただ
)
き、
275
神
(
かみ
)
さまの
愛
(
あい
)
を
悟
(
さと
)
つた
上
(
うへ
)
は、
276
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
天地
(
てんち
)
暗澹
(
あんたん
)
として
塞
(
ふさ
)
がつてゐた
世界
(
せかい
)
が、
277
無限大
(
むげんだい
)
に
拡張
(
くわくちやう
)
し、
278
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
に
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
が
建設
(
けんせつ
)
され、
279
こんな
楽
(
たの
)
しい
嬉
(
うれ
)
しい
事
(
こと
)
は、
280
バラモンの
軍人
(
ぐんじん
)
時代
(
じだい
)
にも
会
(
あ
)
ふた
事
(
こと
)
が
厶
(
ござ
)
いませぬワ』
281
治道
(
ちだう
)
『さうだらう。
282
俺
(
おれ
)
だつてバラモン
軍
(
ぐん
)
の
中将
(
ちうじやう
)
と
迄
(
まで
)
なり、
283
三軍
(
さんぐん
)
を
指揮
(
しき
)
して
権威
(
けんゐ
)
を
誇
(
ほこ
)
り、
284
何
(
なに
)
不自由
(
ふじゆう
)
なく
暮
(
く
)
らして
居
(
を
)
つた
時
(
とき
)
よりも、
285
斯
(
か
)
う
比丘
(
びく
)
と
成
(
なり
)
下
(
さが
)
り、
286
一蓑
(
いつさ
)
一笠
(
いちりつ
)
で
神
(
かみ
)
の
為
(
ため
)
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に、
287
広
(
ひろ
)
い
天地
(
てんち
)
を
跋渉
(
ばつせう
)
する
位
(
くらゐ
)
愉快
(
ゆくわい
)
な
事
(
こと
)
はないよ。
288
此
(
この
)
広
(
ひろ
)
い
結構
(
けつこう
)
な
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
を、
289
狭
(
せま
)
く
暗
(
くら
)
く、
290
恐
(
おそ
)
れ
戦
(
をのの
)
いてくらすのも、
291
喜
(
よろこ
)
んで
勇
(
いさ
)
んでくらすのも、
292
皆
(
みな
)
心
(
こころ
)
の
持様
(
もちやう
)
一
(
ひと
)
つだ。
293
お
前
(
まへ
)
もヨモヤ
元
(
もと
)
のトランスに、
294
逆転
(
ぎやくてん
)
するやうな
事
(
こと
)
はあるまいなア』
295
ベル『ハイ、
296
どうしてどうして、
297
そんな
馬鹿
(
ばか
)
な
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ませうか。
298
これ
丈
(
だけ
)
の
愉快
(
ゆくわい
)
を
味
(
あぢ
)
はうた
上
(
うへ
)
は、
299
アタ
窮屈
(
きうくつ
)
な
恐
(
おそ
)
ろしい、
300
トランスなんかになれますか。
301
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
にトランスをやる
人間
(
にんげん
)
程
(
ほど
)
、
302
馬鹿
(
ばか
)
の
骨頂
(
こつちやう
)
は
厶
(
ござ
)
いませぬワ。
303
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
狭
(
せま
)
くて、
304
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
で
咳
(
せき
)
一
(
ひと
)
つ
出来
(
でき
)
ぬやうな
気
(
き
)
が
致
(
いた
)
しますからな。
305
何程
(
なにほど
)
金
(
かね
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だと
云
(
い
)
つても、
306
自分
(
じぶん
)
の
魂
(
たましひ
)
には
替
(
か
)
へられませぬ。
307
折角
(
せつかく
)
結構
(
けつこう
)
な
神
(
かみ
)
の
分霊
(
ぶんれい
)
を
頂
(
いただ
)
いて、
308
悪
(
あく
)
に
曇
(
くも
)
らして
了
(
しま
)
へば、
309
久遠
(
くおん
)
の
霊界
(
れいかい
)
に
於
(
おい
)
て
其
(
その
)
報
(
むく
)
いを
受
(
う
)
け、
310
無限
(
むげん
)
の
苦
(
くる
)
しみを
受
(
う
)
けねばなりませぬからな』
311
治道
(
ちだう
)
『そらさうだ。
312
僅
(
わづ
)
かの
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
で、
313
悪事
(
あくじ
)
を
為
(
し
)
て、
314
未来
(
みらい
)
永劫
(
えいごふ
)
の
災
(
わざはい
)
の
種
(
たね
)
をまく
位
(
ぐらゐ
)
馬鹿
(
ばか
)
な
者
(
もの
)
はあるまいよ。
315
私
(
わたし
)
だとて、
316
別
(
べつ
)
にゼネラルを
棒
(
ぼう
)
にふりたい
事
(
こと
)
はないが、
317
未来
(
みらい
)
の
程
(
ほど
)
が
恐
(
おそ
)
ろしいから、
318
みすぼらしいこんな
比丘
(
びく
)
になつたのだ。
319
バット、
320
カークス、
321
ベース、
322
お
前
(
まへ
)
もベルと
同感
(
どうかん
)
だらうなア』
323
三
(
さん
)
人
(
にん
)
一度
(
いちど
)
に
幽
(
かす
)
かな
声
(
こゑ
)
で『ハイ』と
言
(
い
)
つたきり、
324
落涙
(
らくるい
)
してゐる。
325
治道
(
ちだう
)
『お
前
(
まへ
)
等
(
たち
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
泣
(
な
)
いてゐるぢやないか。
326
今
(
いま
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
が
苦
(
くる
)
しいのか……イヤ
辛
(
つら
)
いのか。
327
但
(
ただ
)
しは
私
(
わし
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が
気
(
き
)
に
容
(
い
)
らぬのか』
328
ベル『オイ、
329
バット、
330
なアんだ。
331
ほえ
面
(
づら
)
かわいて……
余
(
あま
)
りバットせぬぢやないか。
332
オイ、
333
カークス、
334
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
さまの
前
(
まへ
)
だ。
335
何
(
なに
)
もカークスには
及
(
およ
)
ばぬ。
336
遠慮
(
ゑんりよ
)
は
要
(
い
)
らぬから、
337
自分
(
じぶん
)
の
思
(
おも
)
つてる
事
(
こと
)
を、
338
ハキハキと
申
(
まをし
)
上
(
あ
)
げるがよからう。
339
……これベース、
340
汝
(
きさま
)
もうつむいてベースをかいてるよりも、
341
チツと、
342
バットしたら
何
(
ど
)
うだい』
343
三
(
さん
)
人
(
にん
)
一度
(
いちど
)
に
涙声
(
なみだごゑ
)
になつて、
344
三
(
さん
)
人
(
にん
)
『イヤ、
345
モウ
感謝
(
かんしや
)
に
堪
(
た
)
へませぬ。
346
嬉
(
うれ
)
し
涙
(
なみだ
)
をこぼしてゐるので
厶
(
ござ
)
います』
347
ベル『ヨーシ、
348
それなら
分
(
わか
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
349
サア
之
(
これ
)
から、
350
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
様
(
さま
)
、
351
又
(
また
)
テクシーに
乗
(
の
)
つて
進
(
すす
)
む
事
(
こと
)
に
致
(
いた
)
しませうか』
352
後
(
うしろ
)
の
灌木
(
くわんぼく
)
の
茂
(
しげ
)
みから、
353
ワーツと
男
(
をとこ
)
の
泣声
(
なきごゑ
)
が
堤防
(
ていばう
)
のくぢけたやうな
勢
(
いきほひ
)
で
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
354
ベルは
後
(
あと
)
振
(
ふり
)
返
(
かへ
)
り、
355
ベル『ヤア
何
(
なん
)
だ。
356
ここにも
亦
(
また
)
ベソをかいてゐる
感謝組
(
かんしやぐみ
)
が
隠
(
かく
)
れて
居
(
ゐ
)
ると
見
(
み
)
えるな……。
357
オイ
何者
(
なにもの
)
か
知
(
し
)
らぬが、
358
そんな
所
(
ところ
)
で
何
(
なに
)
を
吠
(
ほえ
)
るのだ。
359
こんな
結構
(
けつこう
)
な
天国
(
てんごく
)
に
生
(
うま
)
れ
乍
(
なが
)
ら、
360
泣
(
な
)
く
奴
(
やつ
)
があるかい。
361
汝
(
きさま
)
も
大方
(
おほかた
)
神
(
かみ
)
さまの
恵
(
めぐみ
)
に
放
(
はな
)
れた
馬鹿者
(
ばかもの
)
だらう。
362
遠慮
(
ゑんりよ
)
は
要
(
い
)
らぬ。
363
ベル
宣伝使
(
せんでんし
)
が
一
(
ひと
)
つ
引導
(
いんだう
)
を
渡
(
わた
)
してやらう。
364
サア
早
(
はや
)
う、
365
出
(
で
)
たり
出
(
で
)
たり』
366
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
にヤク、
367
エールの
両人
(
りやうにん
)
は、
368
ころげるやうにして
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
の
足許
(
あしもと
)
へ
現
(
あら
)
はれた。
369
ベル『ヤア、
370
汝
(
きさま
)
はヤクにエールぢやないか。
371
こんな
所
(
ところ
)
で
何
(
なに
)
が
悲
(
かな
)
しいか
知
(
し
)
らぬが、
372
吠面
(
ほえづら
)
かわいたつて、
373
何
(
なん
)
のヤクにたつかい。
374
ヤクザ
者
(
もの
)
奴
(
め
)
、
375
汝
(
きさま
)
も
元
(
もと
)
は
軍人
(
ぐんじん
)
ぢやないか。
376
ウン
汝
(
きさま
)
はエールだな。
377
元
(
もと
)
は
剣
(
けん
)
を
帯
(
お
)
びた
軍人
(
ぐんじん
)
ぢやないか。
378
何
(
なに
)
をメソメソとほエールのだい』
379
ヤク『ア、
380
お
前
(
まへ
)
はベルか。
381
俺
(
おれ
)
は
実
(
じつ
)
の
事
(
こと
)
を
白状
(
はくじやう
)
すれば、
382
バラモン
軍
(
ぐん
)
の
解散
(
かいさん
)
よりゼネラルさまから
頂
(
いただ
)
いた
涙金
(
なみだきん
)
は
酒色
(
しゆしよく
)
の
為
(
ため
)
に
使
(
つか
)
ひ
果
(
は
)
たし、
383
よるべ
渚
(
なぎさ
)
の
捨小舟
(
すてをぶね
)
、
384
とりつく
島
(
しま
)
もないので、
385
そこら
中
(
ぢう
)
をぶらつきトランスを
両人
(
りやうにん
)
がやつてゐた
所
(
ところ
)
、
386
思
(
おも
)
ふやうに、
387
良心
(
りやうしん
)
が
咎
(
とが
)
めて
仕事
(
しごと
)
も
出来
(
でき
)
ず、
388
困
(
こま
)
つてゐる
所
(
ところ
)
へ、
389
セール
大尉
(
たいゐ
)
がハール
少尉
(
せうゐ
)
と
共
(
とも
)
に、
390
虎熊山
(
とらくまやま
)
に
岩窟
(
がんくつ
)
をかまへ、
391
山賊
(
さんぞく
)
をやつてると
聞
(
き
)
いたので、
392
そこへ
尋
(
たづ
)
ねて
行
(
い
)
つて、
393
児分
(
こぶん
)
にして
頂
(
いただ
)
き、
394
親分
(
おやぶん
)
の
命令
(
めいれい
)
で、
395
今
(
いま
)
何
(
なに
)
か
可
(
よ
)
い
仕事
(
しごと
)
はなからうかと、
396
此
(
この
)
沼
(
ぬま
)
のふちで
網
(
あみ
)
をはつてゐた
所
(
ところ
)
だが、
397
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
様
(
さま
)
とお
前
(
まへ
)
との
話
(
はなし
)
を
木蔭
(
こかげ
)
で
聞
(
き
)
いて、
398
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
が
恐
(
おそ
)
ろしくなり、
399
何
(
なん
)
だか
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
心
(
こころ
)
が
恥
(
はづ
)
かしくて、
400
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず
泣
(
な
)
いたのだ。
401
どうぞ
私
(
わし
)
も
此
(
この
)
比丘
(
びく
)
様
(
さま
)
に
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
うてくれ。
402
鬼春別
(
おにはるわけ
)
将軍
(
しやうぐん
)
様
(
さま
)
ではないか』
403
ベル『オウさうだ。
404
改心
(
かいしん
)
さへすればキツと
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さるよ。
405
俺
(
おれ
)
だつて
二三
(
にさん
)
日前
(
にちまへ
)
迄
(
まで
)
は、
406
汝
(
きさま
)
のやうに
親分
(
おやぶん
)
はないけれど、
407
独立
(
どくりつ
)
でトランス
団
(
だん
)
を
組織
(
そしき
)
し、
408
随分
(
ずいぶん
)
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
むだう
)
をやつて
来
(
き
)
たが、
409
結局
(
けつきよく
)
自分
(
じぶん
)
が
食
(
く
)
ふ
丈
(
だけ
)
が
難
(
むつ
)
ケしいのだ。
410
トランスして
居
(
を
)
つては、
411
何時
(
いつ
)
までたつても
妻子
(
つまこ
)
を
養
(
やしな
)
ふといふやうな
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ない。
412
此
(
この
)
位
(
くらゐ
)
約
(
つま
)
らぬ
仕事
(
しごと
)
はないから、
413
俺
(
おれ
)
もフツツリとトランスは
断念
(
だんねん
)
したのだ。
414
元
(
もと
)
はお
前
(
まへ
)
の
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
様
(
さま
)
だから、
415
キツと
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さるだらうよ』
416
治道
(
ちだう
)
『お
前
(
まへ
)
はヤク、
417
エールだなア。
418
こらへてくれ。
419
お
前
(
まへ
)
を
堕落
(
だらく
)
させたのは
皆
(
みな
)
俺
(
おれ
)
が
悪
(
わる
)
いのだ。
420
俺
(
おれ
)
はお
前
(
まへ
)
たちを
堕落
(
だらく
)
さした
其
(
その
)
罪亡
(
つみほろ
)
ぼしに、
421
一蓑
(
いつさ
)
一笠
(
いちりつ
)
の
比丘
(
びく
)
となつて、
422
艱難
(
かんなん
)
辛苦
(
しんく
)
をなめ、
423
罪
(
つみ
)
の
贖
(
あがなひ
)
に
歩
(
ある
)
いてゐるのだ。
424
許
(
ゆる
)
しも
許
(
ゆる
)
さぬもない、
425
改心
(
かいしん
)
さへして
呉
(
く
)
れたら、
426
こんな
嬉
(
うれ
)
しい
事
(
こと
)
はない。
427
サア
之
(
これ
)
から
俺
(
おれ
)
と
一所
(
いつしよ
)
に、
428
聖地
(
せいち
)
エルサレムへ
参
(
まゐ
)
り、
429
魂
(
たま
)
を
研
(
みが
)
いて、
430
立派
(
りつぱ
)
な
神
(
かみ
)
さまの
御子
(
みこ
)
となり、
431
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
道
(
みち
)
の
為
(
ため
)
に
尽
(
つく
)
さうぢやないか』
432
ヤク『ハイ、
433
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います。
434
何分
(
なにぶん
)
宜
(
よろ
)
しう
御
(
お
)
願
(
ねが
)
ひ
致
(
いた
)
します』
435
エール『ゼネラル
様
(
さま
)
、
436
宜
(
よろ
)
しく
御
(
お
)
願
(
ねが
)
ひ
致
(
いた
)
します。
437
キツと
改心
(
かいしん
)
を
致
(
いた
)
しますから……』
438
治道
(
ちだう
)
『セール
大尉
(
たいゐ
)
が
堕落
(
だらく
)
して、
439
虎熊山
(
とらくまやま
)
とやらに、
440
山賊
(
さんぞく
)
の
張本
(
ちやうほん
)
となつてゐるのか。
441
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
いた
上
(
うへ
)
は
見遁
(
みのが
)
しは
出来
(
でき
)
まい。
442
之
(
これ
)
も
俺
(
おれ
)
の
罪
(
つみ
)
だ、
443
何
(
なん
)
とかして
改心
(
かいしん
)
させねばなるまい。
444
サア、
445
ヤク、
446
エール
俺
(
おれ
)
を
案内
(
あんない
)
してくれ』
447
両人
(
りやうにん
)
は『ハイ
承知
(
しようち
)
致
(
いた
)
しました』と
涙
(
なみだ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
448
先頭
(
せんとう
)
に
立
(
た
)
つて、
449
虎熊山
(
とらくまやま
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
へ、
450
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
の
一行
(
いつかう
)
を
導
(
みちび
)
き
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
となつた。
451
(
大正一二・七・一五
旧六・二
於祥雲閣
松村真澄
録)
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