第五章 山上の祝辞〔一八九九〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第75巻 天祥地瑞 寅の巻
篇:第1篇 玉野神業
よみ(新仮名遣い):たまのしんぎょう
章:第5章 山上の祝辞
よみ(新仮名遣い):さんじょうのしゅくじ
通し章番号:1899
口述日:1933(昭和8)年11月03日(旧09月16日)
口述場所:水明閣
筆録者:白石恵子
校正日:
校正場所:
初版発行日:1934(昭和9)年2月3日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:神々たちは、国土が膨れ上がり、玉野丘が高く膨れ上がって玉藻山となり、玉野湖もたちまち干上がってしまった光景を目撃して、山上の玉野宮居に立って大神の徳を感謝しつつ、それぞれこれまでに見た国土造りの光景を歌に歌って祝った。
最後に、宇礼志穂の神が、玉野森につないで来た馬たちはどうしただろうか、と行方を案じる歌を歌った。
すると、馬たちは丘の盛り上がりにつれて、玉藻山の七合目あたりに持ち上げられていたが、山の斜面を縦一列に駆け上って来て、新しい神国を祝するかのように嘶いた。
宇礼志穂の神は、この瑞祥を喜ぶ歌を歌った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
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データ凡例:
データ最終更新日:2021-04-09 10:24:36
OBC :rm7505
愛善世界社版:
八幡書店版:第13輯 311頁
修補版:
校定版:84頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001 顕津男の神、002玉野比女の神を始め、003百の神等は生言霊の功によりて、004真鶴の国の広き国原豊けく膨れ上り、005玉野湖水の底ひまで水乾きて、006土地はいよいよ高く空に伸びたち、007横に拡ごり膨れ膨れて果しなき光景を目撃しながら、008喜びのあまり玉野宮居の聖所に立たせ給ひて、009各自主の大神の洪徳を感謝しつつ、010よろこびの御歌詠ませ給ふ。
011 顕津男の神の御歌。
012『久方の天津高宮ゆ天降ります
013神の功に国土うまれたり
014はしけやしこの国原を眺むれば
015目路の限りは湯気立ちのぼる
016もやもやと湯気立ち昇り国原は
018わが立ちし玉野の丘の聖所
019膨れあがりて高根となりぬる
020高照の山の高きに比ぶべき
021玉藻の山の稚々しもよ
022山稚く地柔かにありながら
024白梅の花のかをりの芳しさは
025主の大神の御旨なるかも
026真鶴の千歳の栄えを寿ぐか
027九皐に鳴く鶴の音清しも
028紫微の宮立ち出で吾は方々の
029宮に侍りて細し国土生みぬ
030つぎつぎにわが言霊は清まりて
032国魂の神生む神業慎みて
034宮柱太しきたてて永遠に
035鎮まりいます主の宮居はも
036幾万劫の末の神世のかためぞと
038振魂の禊伊吹の禊まで
039我は委曲に行ひしはや
040雄詰の禊の神業に玉野丘の
041霊は笑みて山となりぬる
042鳥船の禊畏み玉泉に
044玉泉万丈の滝と落ちたぎつ
045四方に響かふ言霊さやけし
046言霊の天照り助け幸へる
047国土となりけり稚き真鶴は
048地稚き真鶴の国は言霊の
049伊吹と禊にひろごりにける
050有難し尊し天之峰火夫の
051神の功に国土造りをへぬ
052久方の天津高宮の主の神は
053天降りまして我を救ひませり
054瑞御霊如何に言霊清くとも
056主の神の清き御稜威を蒙りて
057我は正しく国土を生めりき
058真言厳の神は正しく厳御霊
059天之道立神におはせしか
060厳と瑞の言霊の水火合はざれば
061この美国は生り出でざるべし
062久方の天之道立神の功
063隈なく悟りし今日ぞ嬉しき
064千万里駒に跨り玉野森に
065進みて永久の国土を生みしよ
066真鶴の国は𪫧怜に生れましぬ
067いざ国魂の神よ出でませ』
068 真言厳の神は御歌詠ませ給ふ。
069『久方の天津高宮の主の神の
070神言のままにわれは天降りつ
071瑞御霊国土生みの神業助けよと
072神言かしこみ吾は来つるも
073紫微天界開けし昔ゆかくの如
074目出度き例はわれ聞かざりき
075千代八千代万代までも栄えかし
076常磐樹しげる真鶴の国は
077瑞御霊来まさむ先に主の神の
078神言のままに待ち居たるかも
079目路はるか遠の国原見渡せば
080瑞光輝き紫雲たなびくも
081紫の雲のとばりを押し分けて
082天津日の神かがやき給ひぬ
083昼月のかげはさやかに大空に
084かかりて今日の喜び寿ぎませり
085天地も揺り動きつつ真鶴の
086国土は常磐に固められける
087アオウエイの生言霊の生みませる
088伊吹の風の音の強しも
089サソスセシ生言霊の御稜威より
090恵の雨は降りしきりたり
091パポプペピ生言霊は雷と
092なりて天地に響き渡れり
093雷の厳の雄健び雄詰に
094四方の醜雲散り失せにける
095東より西に閃めく稲妻の
097見の限り葭と葦との茂りたる
098国土は忽ち稲田となれかし
099八束穂の稲種普く蒔き足らはして
101樛の木のいやつぎつぎに国土生みの
102神業を仕へて神国を守らせむ』
103 玉野比女の神は御歌詠ませ給ふ。
104『久方の主の大神の神言もて
105われ玉野森に気永く仕へし
106朝夕に生言霊は宣りつれど
108二柱天津高宮ゆ降りまし
109厳と瑞とに国土は生れけり
110厳御霊瑞の御霊の水火合せ
111生ませる国土の清しくもあるか
112今日よりは真心の限りを主の神に
113捧げまつりて国土造らむかも
114水清き玉の泉に朝夕を
115禊のわざに仕へ来しはや
116朝夕に洗へど濯げどわが魂の
117時じく曇るを恥づかしく思ふ
118一日だも禊のわざをつとめずば
120時じくの香具の木の実の主の霊ゆ
122大神の生言霊に生り出でし
123天津祝詞の功たふとし
124大前に朝な夕なを太祝詞
125白せば清しわが玉の緒は
126幾年もこの神国に生き生きて
127はてなき神業に仕へまつらむ
128足引の山はあちこちに生れ出でぬ
129地を固むる神の経綸に
130あらがねの地は総てのものの生命
131永久に生ませる御手代なるも
132見渡せば紫の雲たなびきて
133神世の栄えを彩りにけり』
134 生代比女の神は御歌詠ませ給ふ。
135『真鶴の山に生れてわれは今
136これの聖所に岐美と立つかも
137惟神俄に恋しくなりしより
138瑞の御霊に水火合せけり
139水火と水火合せて御子を孕めども
140怪しき心はつゆだに持たず
141一柱御子生れませしあかつきは
142真鶴山に一人住むべし
143国中比古神の神業を朝夕に
144助けまつりて神国を開かむ』
145 近見男の神は御歌詠ませ給ふ。
146『顕津男の神の御尾前近く仕へ
148南の国を知らせとのたまひし
149瑞の御霊の言葉かしこし
150真鶴の国生り出でし今日よりは
151御子を助けて永久に仕へむ
152玉野比女の心つくしの功績を
153今目のあたり見るぞかしこき
154生代比女の御腹にいます貴御子の
156真鶴山玉藻の山の神社に
158天翔り地駆りつつ真鶴の
159国土の栄えを永久に守らな
160天界は愛善の国土よろこびに
161満てる神国と漸く悟りぬ
162曇りたるわが魂線は愛善の
163国の光をおぼろげに見し
164おぼろげにわが見し紫微の天界は
166 圓屋比古の神は御歌詠ませ給ふ。
167『玉野湖の百のなやみを乗り越えて
168瑞の御霊は国土生ましませり
169一時は如何になるかと危ぶみし
171かくのごと深き経綸のあらむとは
172圓屋比古われさとらざりける
173高地秀の峰とひとしき高山の
174尾の上に立ちて見る国土さやけし
175玉藻山千条の滝のしろじろと
176落ちたぎちつつ言霊響くも
177玉藻山滝の水音響かひて
178曲神たちは眼醒まさむ
179五日目に風は吹けかし十日目に
180めぐみの雨は降れかし神国に
181雨も風も神国の栄ゆる基ぞと
182思へば尊し科戸辺水分の神』
183 宇礼志穂の神は御歌詠ませ給ふ。
184『久方の雲井に高く聳えたる
185玉藻の山は紫微の宮はも
186玉藻山尾の上に建ちし大宮は
187紫微の宮居に等しかるらむ
188主の神の天降りますなる大宮は
190玉野丘は次第々々に高まりて
191今は雲井の上に立たせり
192目の下に湧き立つ八重雲いとほして
193下界に天津日かげはさせり
194玉藻山尾の上に仰ぐ月かげは
195一入さやけく思はるるかな
196吾駒はいかがなしけむ森の外の
197並木に永久に繋ぎ置きしを
198言霊の水火に生れます白駒の
199行方思ひて安からぬかも』
200 かく歌ひ給ふ折もあれ、201玉野森の外廊遠く繋ぎ置きたる駒は、202玉藻山の膨脹とともに大地膨れあがり、203山の七合目あたりに清く嘶き居たりしが、204宇礼志穂の神の生言霊に感じけむ、205蹄の音もかつかつと、206山の傾斜面を真白に染めて、207単縦陣をつくり、208神々の前に駆けのぼり来つ、209新しき神国を祝する如く、210声もさはやかに嘶きける。
211 宇礼志穂の神は再び御歌詠ませ給ふ。
212『めづらしもわが言霊の澄みぬるか
214駿馬の嘶き清し新しき
215国土の生れを寿げるにや
216主の神の七十五声のみいきより
218(昭和八・一一・三 旧九・一六 於水明閣 白石恵子謹録)