第三章 (あめ)()高火男(たかひを)(かみ)〔一八三四〕

001 ()(かみ)高鉾(たかほこ)(かみ)002神鉾(かむほこ)(かみ)言依(ことよ)さし(たま)ひて高天原(たかあまはら)(つく)らせ(たま)ひ、003(みなみ)(めぐ)りて中央(ちうあう)(あつま)言霊(ことたま)()み、004(きた)(めぐ)りては(そと)()べる言霊(ことたま)()み、005()()ぎに東北(とうほく)より(めぐ)(たま)ひて声音(せいおん)(せい)発揮(はつき)万有(ばんいう)極元(きよくげん)となり、006一切(いつさい)()らざる(ところ)なき(ちから)()(たま)ふ。007()言霊(ことたま)自由(じいう)自在(じざい)至大(しだい)天球(てんきう)内外(ないぐわい)(ことごと)くを(まも)(ひた)(たま)ひ、008宇宙(うちう)水火(いき)(あらは)(はしら)となり、009八方(はつぱう)()(きは)まり(とどこほ)りなし。010八紘(はつかう)()六合(りくがふ)(ひら)本末(ほんまつ)(つらぬ)無限(むげん)()みきり()(とほ)り、011()水火(いき)()水火(いき)活用(くわつよう)によりて八極(はつきよく)()(たま)ふ。012()神力(しんりき)継承(けいしよう)して、013以後(いご)諸神(しよしん)高天原(たかあまはら)中心(ちうしん)(をさ)まり紫微宮(しびきう)圏層(けんそう)(きよ)(さだ)め、014一種(いつしゆ)水気(すゐき)発射(はつしや)(たま)ひて雲霧(うんむ)(つく)り、015(また)()元子(げんし)()(たま)ひ、016紫微圏(しびけん)(そう)をして益々(ますます)(きよ)(うるは)しく()(とほ)らしめ(たま)ひ、017狭依男(さよりを)(かみ)()(たま)ひて紫微(しび)霊国(れいごく)無限(むげん)無極(むきよく)(ひら)かせ(たま)ひ、018(ここ)清麗(せいれい)無比(むひ)神居(しんきよ)(ひら)(たま)ひぬ。019狭依男(さよりを)(かみ)(また)御名(みな)天之(あめの)高火男(たかひを)(かみ)()ふ。020(いづ)れもタカアマハラの言霊(ことたま)より()りませる大神(おほかみ)にして神威(しんゐ)赫々(かくかく)八紘(はつかう)(かがや)(たま)ふ。
021 天之(あめの)高火男(たかひを)(かみ)天之(あめの)高地火(たかちほ)(かみ)(とも)に、022(ちから)(あは)(こころ)(いつ)にして(あま)()修理(しうり)固成(こせい)(たま)ひ、023蒼明圏(さうめいけん)(そう)折々(をりをり)(くだ)りて、024天津(あまつ)(かみ)住所(すみか)(ひら)かむと(ここ)諸々(もろもろ)星界(せいかい)()()(たま)ひて、025昼夜(ちうや)間断(かんだん)なく立活(たちはたら)()()りて()()まず()しぬ。026天之(あめの)高火男(たかひを)(かみ)027天之(あめの)高地火(たかちほ)(かみ)二神(にしん)はタカの言霊(ことたま)より天界(てんかい)諸神(しよしん)()()(たま)ひ、028荘厳(さうごん)無比(むひ)なる紫微宮(しびきう)(つく)りて主神(スしん)神霊(しんれい)(まつ)り、029昼夜(ちうや)敬拝(けいはい)して永遠(えいゑん)(しづ)まり(たま)ふ。030紫微圏(しびけん)(かい)(まし)ます万星界(よろづせいかい)神々(かみがみ)は、031(その)(すう)()(つき)()()きて数百億(すうひやくおく)神人(しんじん)(あらは)し、032()圏層(けんそう)霊界(れいかい)建設(けんせつ)奉仕(ほうし)(たま)ふ。
033 これより数百(すうひやく)億万(おくまん)(ねん)()今日(こんにち)(いた)りたるを(おも)へば、034宇宙(うちう)創造(さうざう)年代(ねんだい)(とほ)(じつ)呆然(ばうぜん)たらざるを()ざる次第(しだい)なり。035紫微圏(しびけん)(そう)霊界(れいかい)(しよう)して天極(てんきよく)紫微宮(しびきう)(かい)といひ、036寸時(すんじ)間断(かんだん)なくタカタカの言霊(ことたま)(かがや)き、037(ひがし)西(にし)に、038西(にし)(ひがし)に、039(みなみ)(きた)に、040(きた)(みなみ)に、041(うへ)(した)に、042(した)(うへ)()()りて()()まざる言霊(ことたま)元子(げんし)は、043(つひ)七十五(しちじふご)(せい)神々(かみがみ)()(たま)ふに(いた)れり。044()(かみ)一点(いつてん)(ほち)より(あらは)(たま)ひて、045(つひ)大虚空(だいこくう)紫微圏(しびけん)(そう)完成(くわんせい)し、046次第(しだい)五種(ごしゆ)圏層(けんそう)()(たま)ひて霊国(れいごく)(ひら)き、047諸神(しよしん)安住地(あんぢうち)()(たま)ひしぞ(かしこ)けれ。048嗚呼(ああ)言霊(ことたま)玄妙(げんめう)不可思議(ふかしぎ)(りよく)よ。
049昭和八・一〇・四 旧八・一五 於天恩郷千歳庵 森良仁謹録)