総説(そうせつ)

001 瑞祥(ずゐしやう)東海(とうかい)(てん)靉靆(たなび)き、002金烏(きんう)皇国(くわうこく)神園(しんゑん)(かがや)く。003天孫(てんそん)降臨(かうりん)以来(いらい)(ここ)幾万(いくまん)星霜(せいさう)(かぞ)大希望(だいきばう)大光明(だいくわうみやう)とは、004(じつ)六千万(ろくせんまん)同胞(どうはう)身魂(みたま)充満(じうまん)せり。005(かへり)みれば天地(てんち)初発(しよはつ)(とき)006大地球(だいちきう)(いま)凝固(ぎようこ)せざるに(あた)り、007天神(てんしん)まづ(わが)国祖(こくそ)世界(せかい)肇国(てうこく)大任(たいにん)(めい)じて(のたまは)
008 『(この)ただよへる地球(くに)修理(つくり)固成(かためな)せよ』
009と。010(わが)祖先(そせん)神勅(しんちよく)(ほう)じて()世界(せかい)中心(ちうしん)として、011(わが)神国(しんこく)修理(しうり)固成(こせい)せられたり。012(ここ)(おい)()万国(ばんこく)()る。013由来(ゆらい)日本(にほん)民族(みんぞく)神勅(しんちよく)(ほう)(もつ)祖先(そせん)(こころざし)()ぎ、014(あめ)(した)四方(よも)(くに)安国(やすくに)(たひら)けく(をさ)めむと、015(しづか)神洲(しんしう)仙園(せんゑん)修養(しうやう)(とし)(かさ)ぬること幾万(いくまん)(さい)016(やうや)(その)潜勢力(せんせいりよく)蓄積(ちくせき)し、017(さき)には東洋(とうやう)文化(ぶんくわ)(せい)吸収(きふしう)(つく)し、018(いま)また泰西(たいせい)文明(ぶんめい)(あつ)めたり。
019 (われ)()神洲(しんしう)神民(しんみん)は、020(じつ)世界(せかい)文化(ぶんくわ)精粋(せいすゐ)一身(いつしん)(あつ)めて、021(これ)消化(せうくわ)(これ)精錬(せいれん)し、022(おもむろ)天祖(てんそ)遺訓(ゐくん)(およ)父母(ふぼ)祖先(そせん)(こころざし)発揮(はつき)し、023(もつ)世界(せかい)(てき)文明(ぶんめい)建設(けんせつ)大業(たいげふ)()すべき一大(いちだい)天職(てんしよく)(にな)へり。024()(ひがし)太平洋(たいへいやう)(へだ)てて亜米利加(アメリカ)(たい)し、025(きた)支露(しろ)(つう)じて欧羅巴(ヨーロッパ)(しよ)列強(れつきやう)(つら)なる。026世界(せかい)海陸(かいりく)交通(かうつう)軌道(きだう)は、027日々(にちにち)(わが)神洲(しんしう)(むか)つて万邦(ばんぱう)(これ)朝宗(てうそう)するものの(ごと)し。028嗚呼(ああ)日本(にほん)国民(こくみん)たる(もの)029過去(くわこ)歴史(れきし)(かんが)へ、030(また)現在(げんざい)趨勢(すうせい)(ちよう)しなば、031建国(けんこく)一大(いちだい)精神(せいしん)世界(せかい)人類(じんるゐ)のために建設(けんせつ)せられたるを()るに()らむ。032されば現今(げんこん)()は、033(まさ)国民(こくみん)祖先(そせん)大理想(だいりさう)実行(じつかう)する第一歩(だいいつぽ)のみ。034(かか)大意義(だいいぎ)(いう)する大正(たいしやう)聖代(せいだい)(あた)りては(あらかじ)(おほい)用意(ようい)する(ところ)なかる()からず、035吾人(ごじん)大本(おほもと)開祖(かいそ)神訓(しんくん)なる
036『お(てら)しは一体(いつたい)037七王(ななわう)八王(やわう)(わう)があれば、038世界(せかい)苦説(くぜつ)()えぬから、039(ひと)つの(わう)(をさ)めるぞよ。040日本(にほん)神国(しんこく)041(かみ)()(はたら)くぞよ。042日本(にほん)人民(じんみん)用意(ようい)をなされよ』
043 この活教(くわつけう)遵奉(じゆんぽう)すると(とも)に、044天啓(てんけい)益々(ますます)現代(げんだい)民心(みんしん)必要(ひつえう)()()からざるを(ふか)(しん)ずる次第(しだい)なり。
 
045(一)神旗(しんき)由来(ゆらい)
 
046 大本(おほもと)十曜(とえう)神旗(しんき)()は、047(もつぱ)日本(にほん)国体(こくたい)(あまね)()()らしめ、048日本(やまと)(だましひ)根本(こんぽん)培養(ばいやう)せむが(ため)に、049開祖(かいそ)開教(かいけう)趣旨(しゆし)(のつと)りて考案(かうあん)せしものにして、050上古(じやうこ)天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)(あま)岩戸(いはと)(かく)(たま)へる(さい)051天之(あめの)宇受売(うづめの)(みこと)(うた)(たま)へる(あま)数歌(かずうた)(のつと)りしものなり。052(すなは)(いち)より(じふ)(いた)十球(じつきう)より組織(そしき)して十曜(とえう)神旗(しんき)(しよう)するなり。
053第一球(だいいつきう)正上(せいじやう)(くらゐ)宇宙(うちう)大本(おほもと)たる渾沌(こんとん)雞子(けいし)(いろ)となし、
054第二球(だいにきう)白色(はくしよく)とし、
055第三球(だいさんきう)黒色(こくしよく)(もつ)て、056宇宙(うちう)実相(じつさう)たる真如(しんによ)開発(かいはつ)して、057陰陽(いんやう)二元(にげん)となれるに形造(かたちづく)りしものなり。058(しか)して、059二元(にげん)感合(かんがふ)して、060森羅(しんら)万象(ばんしやう)(しやう)ずるの理由(りいう)より、061()より(じふ)までを七元色(しちげんしよく)分別(ぶんべつ)して(じつ)(げつ)(くわ)(すゐ)(もく)(きん)()七曜(しちえう)(はい)し、062なほ全球(ぜんきう)神統(しんとう)(はい)(まつ)りて、063(わが)国体(こくたい)真相(しんさう)()らしめむとするものなり。
064()りに十球(じつきう)配別(はいべつ)色別(しきべつ)065数別(すうべつ)066神統別(しんとうべつ)にて(しる)せば、
十球の配別
[#図 十球の配別]
067   ●色別(しきべつ)
 
068 神旗(しんき)十曜(とえう)色別(しきべつ)は、069光学(くわうがく)(じやう)より色別(しきべつ)したるものにして、070正上(せいじやう)第一球(だいいつきう)卵色(たまごいろ)()したるは、071天地(てんち)未剖(みぼう)(まへ)()ける混沌(こんとん)たる鶏子(けいし)(いろ)()り、072(もつ)宇宙(うちう)開発(かいはつ)(ぜん)一元(いちげん)真如(しんによ)形造(かたちづく)りしもの(なり)073(あたか)光学(くわうがく)(じやう)()ける卵色(らんしよく)各色(かくしよく)光線(くわうせん)一様(いちやう)(あつ)まりて物体(ぶつたい)吸収(きふしう)されたる(とき)(しやう)ずる(いろ)にして何色(なにいろ)とも分明(ぶんめい)せざるは、074なほ宇宙(うちう)真象(しんしやう)万有(ばんいう)終始(しうし)()し、075統一(とういつ)保有(ほいう)せるを(もつ)て、076如此(かくのごとく)(さだ)めたるなり。077また第二球(だいにきう)白色(はくしよく)第三球(だいさんきう)黒色(こくしよく)()したるは、078天地(てんち)剖判(ばうはん)始期(しき)079大極(たいきよく)(うご)きて陰陽(いんやう)(しやう)じたるに形造(かたちづく)りしものにして、080(あたか)光線(くわうせん)(まつた)物体(ぶつたい)吸収(きふしう)せられずして反射(はんしや)する(とき)白色(はくしよく)(しやう)じ、081反対(はんたい)(まつた)吸収(きふしう)せらるる(とき)黒色(こくしよく)(しやう)二元(にげん)相交(あひまじ)はりて(しも)七元色(しちげんしよく)より無数(むすう)(いろ)(しやう)ずるに(いた)るは、082なほ陰陽(いんやう)(その)(せい)(まつた)相反(あひはん)して(しか)(した)しく(まじ)はる(とき)森羅(しんら)万象(ばんしやう)(しやう)ずるが(ごと)きものあるを(もつ)(これ)()()(さだ)めたり。083以下(いか)七元色(しちげんしよく)順序上(じゆんじよじよう)説明(せつめい)()りたるものにして、084光線(くわうせん)反射(はんしや)さるる(こと)(おほ)ければ(おほ)きだけ(すなは)ち、085(しろ)086(あか)087(だいだい)088()089(みどり)090(あを)091(あゐ)092(むらさき)093(くろ)となり、094吸収(きふしう)さるること(おほ)ければ(おほ)きだけ(すなは)漸次(ぜんじ)095(くろ)096(むらさき)097(あゐ)098(あを)099(みどり)100()101(だいだい)102(あか)103(しろ)(かへ)る、104なほ万有(ばんいう)生滅(しやうめつ)変化(へんくわ)(やま)ざるに(おな)じ。105(しか)して万色(ばんしよく)(もと)黒白(くろしろ)二色(にしよく)にして、106二色(にしよく)統一(とういつ)するものは卵色(らんしよく)なり。107これ十曜(とえう)色別(しきべつ)理由(りいう)とする(ところ)なり。
 
108   ●数別(すうべつ)
 
109 数別(すうべつ)(あま)数歌(かずうた)(のつと)れるものなり。110(あま)数歌(かずうた)天之(あめの)宇受売(うづめの)(みこと)(はじ)まり、111後世(こうせい)(いた)りては鎮魂祭(ちんこんさい)(さい)に、112猿女(さるめ)(きみ)()したる巫女(みこ)受気槽(うけぶね)()せて、113(その)(うへ)()(ほこ)(ふね)衝立(つきた)(この)(うた)(うた)ひ、114(もつ)天皇(てんわう)(おん)寿命(じゆめう)長久(ちやうきう)(いの)りしものなり。115国語(こくご)にて霊妙(れいめう)なることを『ひ』と()ひ、116『と』は敏捷(びんせう)なる活気(くわつき)(するど)きを()ふ。117宇宙(うちう)本体(ほんたい)霊妙(れいめう)にして活気(くわつき)(さい)たるもの、118(ゆゑ)()れを『ひと』と()(ひと)(かぞ)ふ。119本体(ほんたい)霊妙(れいめう)活気(くわつき)()より(これ)()れば『(ちから)』なり。120(ちから)()つて変化(へんくわ)す『ふ』は浮出(ふしゆつ)沸騰(ふつとう)()『た』は(ただよ)(うご)くの()あり、121(すなは)ち『ふた』は宇宙(うちう)本体(ほんたい)霊機(れいき)(ちから)()りて(はじ)めて開発(かいはつ)す、122(ゆゑ)(これ)(ふた)となす。123本体(ほんたい)活動(くわつどう)して霊機(れいき)凝固(ぎようこ)するもの()物体(ぶつたい)なり。124物体(ぶつたい)は『み』なり、125また()なり、126(みつ)るの()あり、127これを()となす。128この霊力体(れいりよくたい)なる三大(さんだい)要素(えうそ)ありて(はじ)めて(ここ)()())、129(いつ)(いつ))と(かぞ)ふ、130動物(どうぶつ)植物(しよくぶつ)蔚然(うつぜん)として(もえ)るを((むゆ))と(かぞ)へ、131万有(ばんいう)生成(なりなり)(なな)()()()りて((こり)人世(じんせい)事足(ことたる)(たる))と本歌(ほんか)意義(いぎ)(もつ)十曜(とえう)神旗(しんき)作成(さくせい)したるもの(なり)
132 (わが)国語(こくご)()ける基数(きすう)は、133天地(てんち)開闢(かいびやく)人世(じんせい)肇出(てうしゆつ)沿革(えんかく)(かた)るものなれば、134大本(おほもと)(この)十曜(とえう)組成(そせい)して神旗(しんき)()し、135この(あま)数歌(かずうた)(のつと)りしも不知(しらず)不識(しらず)(あひだ)宇宙(うちう)進化(しんくわ)理法(りほふ)より肇国(てうこく)精神(せいしん)立教(りつけう)主旨(しゆし)(あまね)世人(せじん)(をし)へむが(ため)なり。
 
136   ●神統別(しんとうべつ)
 
137 神別(しんべつ)(つい)略解(りやくかい)せむに、138()宇宙(うちう)本体(ほんたい)(これ)人格化(じんかくくわ)して、139天之(あめの)御中主(みなかぬしの)(かみ)(しよう)(たてまつ)る。140宇宙(うちう)活動力(くわつどうりよく)(これ)人格化(じんかくくわ)して高皇(たかみ)産霊(むすび)141神皇(かむみ)産霊(むすび)(かみ)(しよう)(まつ)る。142渾沌(こんとん)たる無始(むし)(はじ)めに(おい)三神(さんしん)造化(ざうくわ)(しゆ)()し、143二神(にしん)夫婦(ふうふ)(みち)(ひら)(たま)ひて、144国土(こくど)山川(さんせん)()み、145日月(じつげつ)星辰(せいしん)()み、146風雨(ふうう)寒暑(かんしよ)()草木(さうもく)147動物(どうぶつ)148人類(じんるゐ)()(たま)へり。149かくて(わが)肇国(てうこく)(はじ)めに(あた)つて、150天神(てんしん)(なが)(とう)()(たま)ひ、151連綿(れんめん)として今日(こんにち)(およ)べるなり。152()れば
153 明治(めいぢ)天皇(てんわう)大勅語(だいちよくご)
154皇祖(くわうそ)皇宗(くわうそう)(くに)(はじ)むる(こと)宏遠(くわうゑん)(とく)()つる(こと)深厚(しんこう)なり』
155(のたま)ひし所以(ゆゑん)なり。156吾人(ごじん)日本(にほん)国民(こくみん)(この)深厚(しんこう)なる神徳(しんとく)()つて、157陛下(へいか)(たみ)(うま)れ、158陛下(へいか)(われ)()宗家(そうか)嫡子(ちやくし)()し、159今上(きんじやう)(ましま)して、160(しも)(われ)()(をさ)(たま)ふは、161(われ)()大祖先(だいそせん)無始際(むしさい)より延長(えんちやう)して(われ)()愛護(あいご)(たま)ふものにして、162(われ)()報本(はうほん)反始(はんし)(まこと)(つく)すは、163(いつ)忠君(ちうくん)愛国(あいこく)()(こと)信仰(しんかう)し、164(もつ)天賦(てんぷ)職責(しよくせき)(まつた)うし、165人生(じんせい)本来(ほんらい)面目(めんぼく)(たつ)し、166宇宙(うちう)造化(ざうくわ)(こう)()(たてまつ)るを()るは、167(じつ)無上(むじやう)無比(むひ)至大(しだい)幸福(かうふく)()ふべし。168吾人(ごじん)悠々(いういう)たる天地(てんち)(あひだ)(これ)(もつ)()き、169(これ)(もつ)()し、170(ここ)(ぢゆう)して安心(あんしん)立命(りつめい)し、171(この)(さかひ)()りて天国(てんごく)楽園(らくゑん)真楽(しんらく)()く。172大本(おほもと)十曜(とえう)組成(そせい)して神旗(しんき)(さだ)めたるは、173(じつ)にこの精神(せいしん)(もとづ)きしものなり。174正上(せいじやう)第一球(だいいつきう)を一と()正中(せいちう)一大球(いちだいきう)を十と()したるも、175大本(おほもと)神旗(しんき)なる(ゆゑ)大本皇(おほもとすめ)大神(おほかみ)正中(せいちう)(はい)したる所以(ゆゑん)なり。
 
176(二)霊力体(れいりよくたい)
 
177 神徳(しんとく)広大(くわうだい)無辺(むへん)なる、178人心(じんしん)小智(せうち)()窺知(きち)すべき(ところ)にあらず。179(しか)りと(いへど)も、180吾人(ごじん)(しづか)天地(てんち)万有(ばんいう)燦然(さんぜん)として、181次序(じじよ)あるを観察(くわんさつ)し、182また活物(くわつぶつ)状態(じやうたい)(つき)仔細(しさい)視察(しさつ)するに(おい)(あきら)かに宇宙(うちう)霊力体(れいりよくたい)運用(うんよう)妙機(めうき)覚知(かくち)(もつ)(かみ)斯世(このよ)厳臨(げんりん)(たま)ふこと、183(うたがひ)()るの余地(よち)()きに(いた)らしむ。
184 (かみ)黙示(もくじ)(すなは)(わが)俯仰(ふぎやう)観察(くわんさつ)する宇宙(うちう)(れい)185(りよく)186(たい)三大(さんだい)(もつ)てす。
187 一、188天地(てんち)真象(しんしやう)観察(くわんさつ)して真神(しんしん)(たい)思考(しかう)()し。
189 一、190万有(ばんいう)運化(うんくわ)亳差(がうさ)()きを()真神(しんしん)(ちから)思考(しかう)すべし。
191 一、192活物(くわつぶつ)心性(しんせい)覚悟(かくご)して真神(しんしん)霊魂(れいこん)思考(しかう)すべし。
193 以上(いじやう)活経典(くわつけいてん)あり。194真神(しんしん)真神(しんしん)たる故由(こいう)()る。195何故(なにゆゑ)人為(じんゐ)書巻(しよくわん)学習(がくしふ)するを(もち)ゐむや。196(ただ)不変(ふへん)不易(ふえき)たる真鑑(しんかん)実理(じつり)ある而己(のみ)
197 天帝(てんてい)唯一(ゆゐいつ)真神(しんしん)にして(あめ)御中主(みなかぬしの)(かみ)(しよう)す。198宇宙(うちう)神光(しんくわう)高皇(たかみ)産霊(むすび)()ひ、199神温(しんをん)神皇(かむみ)産霊(むすび)()ふ。200古事記(こじき)(いは)
201天地(てんち)初発(しよはつ)()(とき)202於高天原成坐(たかあまはらになりませる)神名(かみのみなは)203天御中主(あめのみなかぬしの)(かみ)204(つぎに)高皇(たかみ)産巣日(むすびの)(かみ)205(つぎに)神皇(かむみ)産巣日(むすびの)(かみ)206(この)三柱神(みはしらのかみ)()並独神(すに)成坐而(なりまして)207隠身(すみきり)(なり)
208 天帝(てんてい)宇宙(うちう)万有(ばんいう)大元霊(だいげんれい)にして(いう)()(いう)()し、209聖眼(せいがん)()(あた)はず賢口(けんこう)(かた)(あた)はざる隠身(かくれみ)たり。210また神光(しんくわう)はいはゆる天帝(てんてい)(いろ)にして神温(しんをん)(すなは)天帝(てんてい)(をん)なり。211(とも)造化(ざうくわ)生成(せいせい)妙機(めうき)にして独立(どくりつ)不倚(ふき)神徳(しんとく)なり。
212 (かみ)宇宙(うちう)万有(ばんいう)(そと)()り、213万有(ばんいう)(うち)()り、214(ゆゑ)(これ)宇宙(うちう)大精神(だいせいしん)()ふ。
215 大精神(だいせいしん)(たい)たるや至大(しだい)無外(むぐわい)216至小(しせう)無内(むない)217若無(じやくむ)所在(しよざい)218若無(じやくむ)不所在(ふしよざい)なり。219聖眼(せいがん)(これ)()(あた)はず、220賢口(けんこう)(これ)(かた)(あた)はず。221(ゆゑ)皇典(くわうてん)にいはゆる隠身(すみきり)(なり)(すなは)(かみ)()なり。222(むべ)なるかなその霊々(れいれい)妙々(めうめう)神機(しんき)223天帝(てんてい)無始(むし)無終(むしう)なり、224(すで)無始(むし)無終(むしう)(ちから)無始(むし)無終(むしう)(からだ)とを(もつ)無始(むし)無終(むしう)万物(ばんぶつ)(つく)る。225その(こう)また無始(むし)無終(むしう)なり。
226 天帝(てんてい)(ゆう)227()228(あい)229(しん)(もつ)(こん)となし、230(どう)231(せい)232(かい)233(ぎよう)234(いん)235()236(ぶん)237(がふ)(もつ)(ちから)となし、238(がう)239(じう)240(りう)(もつ)(たい)()す。
 
241   ●全霊(ぜんれい)
 
242 全霊(ぜんれい)荒魂(あらみたま)243和魂(にぎみたま)244奇魂(くしみたま)245幸魂(さちみたま)246四魂(しこん)(なり)247(しか)して荒魂(あらみたま)神勇(しんゆう)248和魂(にぎみたま)神親(しんしん)249奇魂(くしみたま)神智(しんち)250幸魂(さちみたま)神愛(しんあい)なり。251(すなは)所謂(いはゆる)霊魂(れいこん)にして、252直霊(なほひ)なるもの(これ)主宰(しゆさい)す。253俗学(ぞくがく)不識(ふしき)荒和(くわうわ)(もつ)(こころ)(たい)となし奇幸(きかう)(もつ)(こころ)(よう)となし、254直霊(なほひ)何物(なにもの)たるを()らず、255(あに)(かな)しまざる()けむ()
 
256   ●全体(ぜんたい)
 
257 (がう)258(じう)259(りう)三物(さんぶつ)()上帝(じやうてい)全体(ぜんたい)なり。260(しか)して流体(りうたい)生魂(いくむすび)(とな)葦芽(あしがひ)彦遅(ひこぢ)(しよう)し、261剛体(がうたい)玉留魂(たまつめむすび)(とな)常立(とこたち)(しよう)し、262柔体(じうたい)足魂(たるむすび)(とな)へ、263豊雲野(とよくもぬ)(しよう)す。
264 剛体(がうたい)鉱物(くわうぶつ)本質(ほんしつ)なり、265柔体(じうたい)植物(しよくぶつ)本質(ほんしつ)なり、266流体(りうたい)動物(どうぶつ)本質(ほんしつ)なり。
267 スピノーザ(いは)く、268本質(ほんしつ)とは独立(どくりつ)して依倚(いき)する(ところ)なきものの(いひ)なり。269(さら)(これ)()へば本質(ほんしつ)とは吾人(ごじん)(これ)理会(りかい)するに(おい)(いつ)()(もの)比照(ひせう)するを(もち)ひざるもの(これ)なりと、270至言(しげん)()ふべし。
 
271   全体(ぜんたい)図解(づかい)
全体の図解
[#図 全体の図解]
272   ●全力(ぜんりよく)
 
273 (どう)274(せい)275(かい)276(ぎよう)277(いん)278()279(ぶん)280(ごう)以上(いじやう)八力(はちりき)これを上帝(じやうてい)全力(ぜんりよく)(しよう)す。281(しか)して神典(しんてん)にては動力(どうりよく)大戸地(おほとのぢ)()ひ、282静力(せいりよく)大戸辺(おほとのべ)()ひ、283解力(かいりよく)宇比地根(うひぢね)()ひ、284凝力(ぎようりよく)須比地根(すひぢね)()ひ、285引力(いんりよく)活久比(いくぐひ)()ひ、286弛力(ちりよく)角久比(つぬぐひ)()ひ、287合力(がふりよく)面足(おもたる)()ひ、288分力(ぶんりよく)惶根(かしこね)()ふ。289(みな)日本(にほん)各祖(かくそ)所名(しよめい)なり。
 
290   全力(ぜんりよく)図解(づかい)
全力の図解
[#図 全力の図解]
291 (れい)292(りよく)293(たい)合一(がふいつ)したるを上帝(じやうてい)()ふ。294真神(しんしん)()ふも上帝(じやうてい)()ふも(みな)天之(あめの)御中主(みなかぬしの)大神(おほかみ)別称(べつしよう)なり、295左図(さづ)()()()し。
 
296   全智(ぜんち)全能(ぜんのう)()真神(しんしん)
全知全能乃真神
[#図 全知全能乃真神]