霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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七乙女

インフォメーション
題名:七乙女 著者:出口王仁三郎
ページ:155
概要:28歳の頃 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-05-08 00:00:00 文字数:2168 OBC :B119800c043
二十八歳の頃
八洲(やす)川(かは)の水(み)の面(も)をなでて吹く風の身にしみじみとすがしさ覚ゆる
七乙女(ななをとめ)声ほがらかにうたひあぐる歌のしらべに天地(てんち)開(ひら)くる
うちあふぐみ空の奥に黄金(こがね)なす雲たなびける見つつ清(すが)しも
天地(あめつち)の珍(うづ)の景色にみとれつつ知らずしらずにわれをわすれし
七乙女木(こ)の花姫(はなひめ)はあとさきに吾(われ)をかばひてうたひつつゆく
恍惚(くわうこつ)と珍(うづ)の天地(てんち)のすがしさにわが精魂はとけ入(い)りにけり
天(あめ)もなくまた地(つち)もなくわれもなく有漏路(うろぢ)無漏路(むろぢ)を超越して居り[※「有漏路」「無漏路」は仏教用語。有漏路は「煩悩が多い者のいる世界。この世」、無漏路は「煩悩に汚されない清浄の世界」〔広辞苑〕。]
霊魂の力(ちから)一(いつ)ぱい天地(あめつち)にいやひろごりてめぐりにめぐる
天(あめ)にあらず地(つち)にもあらず現(うつつ)にもあらぬ世界にわれ生(い)く心地す
七乙女木(こ)の花姫(はなひめ)の御姿(おんすがた)夢のごとくにかくろひましけり
神明界
空みれば心さやけし地(つち)みれば花うるはしみ神国(みくに)にひたる
ただ一人この神国(かみくに)にすてられていぶかしきかも心ときめく
ときめける心の駒(こま)に鞭(むち)うちてしののめの空にわれかけのぼる
ひさかたのみ空を雲に包まれてひらりひらりと行方も知らず
よく見ればわれをつつみし濃き雲は五色(ごしき)の層に輝けりけり
ふと雲のすき間(ま)ゆ下界を眺むれば地上の人の手ぶりをかしも
わが魂(たま)はいつしか下界にいつきけむ雲は次第に下りくだりつ
つぎつぎに下界に近づく雲の色心(こころ)もとなくうすらぎにけり
ああわれはあやまちたりとおぼろげの声をはなちて神よと叫ぶ
大神の御名(みな)を称へつひたすらにわれは祈りぬ薄雲(うすぐも)の上
言霊の力(ちから)しるけく散りそめし雲は次第にかさなり来たる
かさなれる雲の階段(きざはし)よぢのぼるそのたまゆらの清(すが)しき心よ
いづくともなく姫神(ひめがみ)の声ありてわが名四方(よも)より聞(きこ)え来(き)にけり
天空白馬
つつしみて天津祝詞をのりつれば天馬(てんば)にまたがり神人(しんじん)あらはる
天馬(てんば)空(くう)を行くと昔の諺(ことわざ)をわれ目(ま)のあたりみつつうれしき
かへりみれば何時(いつ)しかわれは天(あま)かける白馬(はくば)の背(せな)にまたがりてをり
つぎつぎに天馬(てんば)の神人(しんじん)集ひ来てわが身の前後かこみ玉へり
いや先にたたせ玉へる日(ひ)の出別(でわけの)神(かみ)の勇姿はまばゆかりけり
日(ひ)の出別(でわけ)神は黙黙(もくもく)ふりかへりほほゑみながらわれを招かす
招かれてたちまち心太(ふと)りつつためらひごころとみに消えたり
われもまた後(あと)ふりかへり眺むれば木(こ)の花姫(はなひめ)や七乙女の騎乗
七乙女うしろに従ふエンゼルは雲の如くにあまたましけり
音楽の音色(ねいろ)清(すが)しくひさかたの天津み空(そら)に静かにながるる
音楽の響きにつれてわが騎馬はますます高くみ空(そら)にのぼる
しやんしやんと鈴の音(ね)響きかつかつと駒(こま)の蹄(ひづめ)の音(おと)さえわたる
夢かあらず現(うつつ)かあらずまさやかにわれは神国(みくに)の旅にありけり
手をあげてふりさげ見れば遠(とほ)の空に金殿(きんでん)玉楼(ぎよくろう)清(すが)しく浮(う)けるも
幾千のエンゼル黙黙(もくもく)空中(くうちう)をかけつつ無言(むごん)のささやき勇まし
形なきかたちを眺め声のなき声をききつつ天道(あまぢ)はろけし
百千万の星を眼下にながめつつわれも勇みぬ駒(こま)もいさみぬ
まだみざる国の旅とは知りながら心しづけく雲の上(へ)を馳(は)す
大宇宙手(て)に握りたる心地して空(そら)ゆくわれは鳥(とり)となりけり
大いなる光のここだあらはれて右に左にかがやくすがしさ
わが魂(たま)はかかる神国(みくに)にのぼりつつ身体(からたま)いづくとふと思ひみし
身体(からたま)のことを思ひしたまゆらをわが乗る駒(こま)は狂ひ出したり
狂ひ出しはねまはりつつわが騎馬は天人の列(つら)をはなれて下(くだ)る
天人のすがたわが目に入(い)らぬまで小さくなりて心(こころ)細(ぼそ)しも
地の上(うへ)のこと思はじと悔い心(ごころ)神に祈ればわが駒(こま)なごみぬ
しやんしやんと鈴の音(ね)冴えて勇ましく雲の階段(きざはし)のぼりゆく駒(こま)
神言(かみごと)を奏上しつつのぼりゆく駒(こま)の足並(あしなみ)矢のごとはやし
天人の列(れつ)にやうやく追ひつきてわれはしりへに従ひにけり
霊界の天教山よといふ声のわが耳をうち雲にながるる
行(ゆ)きゆけばわが乗る駒(こま)も雲もなくながめすがしき霊国(れいごく)の山
言霊別命
太陽の如くかがやき天教の尾の上(へ)に木の花姫はたたせり
言霊別(ことたまわけ)神と見えしはわが持てる奇幸(くしさち)二つの御魂(みたま)なりけり
木の花姫悠容(いうよう)せまらず厳かに言霊別よとわれを呼ばせり
賢和田姫(さわだひめ)神の霊(みたま)はかげもなく言霊別とわれなりてをり
天教山尾(を)の上(へ)にたちて姫神(ひめがみ)とわれは下界をしづかに見下(おろ)す
七乙女(しちおとめ)のかげはみるみる七色(しちいろ)の光となりて太陽(ひ)にかへりたり
大いなる太陽(たいやう)の中に厳然とたちあらはれし神人(しんじん)のすがた
神人(しんじん)の崇高(けだか)き姿にうたれつつわれ手をあはせて神言(かみごと)を宣る
太陽はたちまち月と変(かは)りましわが目の前に近づきたまふ
神人は月の館を出でまして雲路ふみつつ尾の上(へ)にくだらす
稚姫女神[*底本では「稚 女神」で一字欠落しているが「姫」と推測して補った。]
月わけて出(い)でませし神は稚姫(わかひめ)の神の命(みこと)と知るぞかしこし
稚姫神(わかひめがみ)木(こ)の花姫神(はなひめがみ)言霊別(ことたまわけ)の三(み)はしらあひし天教のやま
稚姫君(わかひめぎみ)神の神示をおごそかにわれ蒙(かかぶ)りぬ山の尾の上(へ)に
夜の静寂
わが面(おも)をさつとふき来る涼風(すずかぜ)にまた現世(うつしよ)のものとなりけり
松風の音さやさやに響きつつわれにかへれば高熊の山
常磐木(ときはぎ)の露(つゆ)の梢(こずゑ)に月冴(さ)えて向(むか)つ山べに啼(な)くほととぎす
初夏(はつなつ)の夜(よる)の静寂(しじま)をどよもして峰わたりゆく松風のおと
何者の制縛(せいばく)もなく松を吹く風のながれのほしいままなる
霊界をしばし辿(たど)りて底深き神の摂理をさとりし小夜(さよ)更(ふ)け
夜昼(よるひる)のけじめも知らに道のためわれ高熊に神教(みのり)を仰ぐ
山高(たか)み木立(こだち)はふかく百千草(ももちぐさ)しげりにしげる高熊の山
東雲(しののめ)の空ほのぼのとあからみて谷(たに)だにになく鳥の声すがし
昨年(こぞ)の秋薪(まき)を苅りたる高山(たかやま)も今はわが為(ため)宝座となれり
高熊の神山(しんざん)なくば神界のわが修行は遂げざりしならむ
松を吹く風の音さへ新(あた)らしく思はれにけり神に仕へて
貧しかる身にはあれども男子(をのこ)われ御国(みくに)のために道に仕へむ
高熊の岩ケ根見(み)つつ鉄石心(てつせきしん)固まりにけり御国(みくに)しのびて
霊界の清き尊き実状をあまねく世人(よびと)に告げたく思へり
東雲(しののめ)の五色(ごしき)の空の雲間(くもま)よりわれを照らして朝日のぼれり
一(いつ)さいの欲望を捨て家を忘れわれ日(ひ)の本(もと)の国に竭(つく)さむ
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