医学がすすんで衛生々々とやかましいが、衛生学がさかんになつてくるほど病人がふえるではないか。日本人は衛生々々というよりは、ともかく積極的に働きさえすればよい。なまくらだから病気がでてくる。活動さえしておれはすこしも病気などおこらん。
病気が多くて、病体というものはめつたにはないのである。病体になつてきたならば少々やつかいで、これは大いに養生せんとなかなかなおらんが、たいていはみんな気で病んでいるのである。
だから人の心が神さまに向くようになり、神さまを本気で拝むようになつてくれば、病気などはすぐなおつてしまう。自然の摂理で、けがしてもじきに肉がでてくる。
今の医者は、たとえば足にすこし大きなけがでもした場合、腐るといつてじきに切つたりなんかする。けれども、日本人はふつう腐らない。肉食する人種は肉が弱いから、どうしても腐りやすいが、菜食人種や米を食うている者は、そうやたらに腐るものではないのである。
日本人の衛生は米菜魚食をとつて、なんでも働くにかぎるのだ。病気、病体ともにけしとんでしまう。
(「人類愛善新聞」 昭和10年11月)