押収証拠物件約二万点に上る
大本教検挙一段落
【京都発】大本教不敬事件に対する大検挙の手は漸く終りをつげ綾部町の大本教総本部や亀岡町の天恩郷の家宅捜索を行つた判検事一行は九日午後五時卅三分亀岡駅発列車で京都に引揚げたが、綾部の総本部で押収した証拠物件は日本刀約三百口をはじめ合計約二万点に上つてをり、これ等に一々封印を施して処分、その一部たる千余点の問題の書籍、秘密文書類は九日午後五時半三台の自動車に積み込みそれぞれ護衛の警官付きで京都検事局に押送した
また検束された綾部の総本部は奉仕者男女六十余名、亀岡天恩郷の受教者男女百余名の処置につゐては九日午後杭迫特高課長を中心に慎重協議の結果、検束者はこの際信仰の転向を勧説し釈放すると同時に解散を命じ、大本教側から旅費を支出せしめて一時も早く郷里に帰らしめることに決定、旅費支出につゐてはすでに大本教側も内諾してゐる模様である
出口宇知麿等
松原署に留置
【京都発】東京で検挙された出口宇知麿外六名は身柄引取りに赴ゐた京都府刑事課片岡警部補ほか九名の刑事に付添はれ九日午後九時九分大津駅着九時卅五分松原署に留置された