霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三八章 黄金水(わうごんすゐ)(せい)〔三八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:第5篇 御玉の争奪 よみ(新仮名遣い):みたまのそうだつ
章:第38章 黄金水の精 よみ(新仮名遣い):おうごんすいのせい 通し章番号:38
口述日:1921(大正10)年10月23日(旧09月23日) 口述場所: 筆録者:谷口正治 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
一行は顕国の御玉を奉呈して竜宮城へ帰還し、三重の金殿に深く秘蔵した。この御玉は、ある尊貴な神の御精霊体である。
また、このときの従神であった高杉別、森鷹彦はシオンの滝の清泉を大神の命によって持ち帰り、竜宮城の真奈井に注いだ。この井の水は、黄金水といわれるようになった。
顕国の御玉は光の度を増して、あまりの光の徳のまばゆさに、直視するときは失明するほどであった。そこで国常立尊は、三重の金殿に深く、これを安置したのである。
三重の金殿は光を増して葦原の瑞穂国をくまなく照らし、金色の鳶が飛び回り、善神が集まって音楽を奏した。五六七の神政の様相を呈していた。
天の真奈井の清泉はにわかに金色に変じ、水の精が十二個の玉となってそれぞれ違った色をなり、地上に降下した。これを目ざとく見つけた十二の神司がこれを拾って、珍蔵した。これらの玉はそれぞれ、神変不可思議な力を持つものである。しかしながら、玉は十二個そろって神力を発揮するものであり、一つ欠けても用をなさないものであった。
さて、大神の慈悲によって冠島・沓島での敗戦から救われた竹熊は、元の邪神と化し、顕国の御玉を汚し曇らせようと画策していた。そしてまず、黄金水の十二の玉を奪ってその神力を得ようと計画した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2018-09-30 12:35:23 OBC :rm0138
愛善世界社版:203頁 八幡書店版:第1輯 118頁 修補版: 校定版:203頁 普及版:105頁 初版: ページ備考:
001 ここに稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)002金勝要(きんかつかねの)(かみ)003大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)歓喜(くわんき)のあまり、004シオン(ざん)大峡(おほがひ)小峡(をがひ)()()(あたら)しき御船(みふね)をつくり、005また(たま)をおさむる白木(しらき)御輿(みこし)をしつらへ、006(うやうや)しく顕国(うつしくに)御玉(みたま)奉按(ほうあん)し、007これを御輿(みこし)もろとも御船(みふね)正中(せいちゆう)安置(あんち)し、008安河(やすかは)(くだ)りて竜宮城(りゆうぐうじやう)帰還(きくわん)し、009三重(みへ)金殿(きんでん)(ふか)秘蔵(ひざう)したまうた。010この御玉(みたま)はある尊貴(そんき)なる(かみ)()精霊体(せいれいたい)である。
011 (はなし)はもとへかへつて、012高杉別(たかすぎわけ)013森鷹彦(もりたかひこ)大神(おほかみ)(めい)(ほう)じ、014黄金造(わうごんづくり)(うつは)にシオンの(たき)清泉(せいせん)()り、015御輿(みこし)前後(ぜんご)扈従(こじゆう)目出度(めでた)帰城(きじやう)したまひ、016この清泉(せいせん)(みこと)指揮(しき)(もと)竜宮城(りゆうぐうじやう)真奈井(まなゐ)(そそ)()れられた。017それよりこの(みづ)黄金水(わうごんすゐ)といふ。
018 顕国(うつしくに)御玉(みたま)竜宮城(りゆうぐうじやう)()安着(あんちやく)とともに、019三方(さんぱう)より不思議(ふしぎ)にも黒煙(こくえん)(てん)(ちゆう)して濛々(もうもう)()(のぼ)り、020竜宮城(りゆうぐうじやう)(いま)(まさ)()()ちむとする(いきほひ)である。021この(とき)たちまち()真奈井(まなゐ)より黄金水(わうごんすゐ)(りゆう)(てん)(のぼ)るがごとく中天(ちゆうてん)()きあがり、022大雨(おほあめ)となつて()(くだ)り、023()(のぼ)猛火(まうくわ)鎮定(ちんてい)した。024竜宮城(りゆうぐうじやう)(あと)光景(くわうけい)不審(ふしん)にも(なん)変異(いへん)もなく、025依然(いぜん)として元形(げんけい)をとどめてゐた。
026 金剛(こんがう)不壊(ふえ)顕国(うつしくに)御玉(みたま)は、027時々(じじ)刻々(こくこく)光度(くわうど)()し、028(いち)()数百(すうひやく)太陽(たいやう)(あら)はれしごとく、029神人(しんじん)(みな)その光徳(くわうとく)(まば)ゆさに()(ひら)(あた)はず、030万一(まんいち)()(ひら)くときは失明(しつめい)するにいたるくらゐである。
031 ここに国常立(くにとこたちの)(みこと)は、032神威(しんゐ)赫灼(かくしやく)たるに驚喜(きやうき)したまひしが、033さりとてこのまま竜宮城(りゆうぐうじやう)にあからさまに奉祭(ほうさい)することを躊躇(ちうちよ)したまひ、034天運(てんうん)循環(じゆんかん)しきたるまで、035至堅(しけん)至牢(しらう)なる三重(みへ)金殿(きんでん)八重畳(やへたたみ)()き、036その(うへ)御輿(みこし)もろとも安置(あんち)し、037十二重(じふにへ)戸帳(とちやう)をもつてこれを(おほ)(ふか)秘斎(ひさい)したまうた。
038 それより三重(みへ)金殿(きんでん)はにはかに(ひかり)()し、039その(ひかり)(うへ)(てん)(てら)し、040(した)葦原(あしはら)瑞穂国(みづほのくに)(くま)なく()(かがや)くにいたつた。041金色(こんじき)(とび)(つね)金殿(きんでん)上空(じやうくう)翺翔(かうしやう)し、042天地(てんち)諸善神(しよぜんしん)043(とき)(あつ)まりきたつて、044微妙(びめう)音楽(おんがく)(そう)(あそ)(たはむ)れたまふ、045(じつ)五六七(みろく)神世(しんせい)実現(じつげん)046(あま)岩戸(いはと)(びら)きの光景(くわうけい)もかくやと(おも)はるるばかりである。
047 (あめ)真奈井(まなゐ)清泉(せいせん)はにはかに金色(こんじき)(へん)じ、048その(みづ)(せい)は、049十二個(じふにこ)(うつく)しき(たま)となつて中空(ちゆうくう)()(のぼ)り、050種々(しゆじゆ)(いろ)(へん)じ、051ふたたび地上(ちじやう)降下(かうか)した。052このとき()ざとくも田依彦(たよりひこ)053玉彦(たまひこ)054芳彦(よしひこ)055神彦(かみひこ)056鶴若(つるわか)057亀若(かめわか)058倉高(くらたか)本章で「倉高」は、初版を始め普及版、校定版、愛善世界社版では「高倉」になっているが、他の章(37章、41章、42章)ではすべて「倉高」という名で出て来るので、読者の混乱を避けるため「倉高」にした。059杉生彦(すぎふひこ)060高杉別(たかすぎわけ)061森鷹彦(もりたかひこ)062猿彦(さるひこ)063時彦(ときひこ)十二(じふに)神司(かみ)(あらそ)うてこれを(ひろ)ひ、064各自(かくじ)珍蔵(ちんざう)して天運(てんうん)循環(じゆんかん)好期(かうき)()たむとした。
065 この十二(じふに)(たま)はおのおの特徴(とくちやう)(そな)へ、066神変(しんぺん)不可思議(ふかしぎ)神力(しんりき)具有(ぐいう)せるものである。
067 ここに竹熊(たけくま)一派(いつぱ)は、068危急(ききふ)(すく)はれし大神(おほかみ)厚恩(こうおん)無視(むし)し、069生来(しやうらい)野心(やしん)をますます増長(ぞうちよう)し、070金殿(きんでん)安置(あんち)せる顕国(うつしくに)御玉(みたま)(けが)しくもらせ、071無用(むよう)長物(ちやうぶつ)たらしめむとして四方(よも)曲津(まがつ)(かみ)(かた)らひ、072なほ()りずまに計画(けいくわく)(めぐ)らしてゐた。073この目的(もくてき)(たつ)するには、074その第一(だいいち)着手(ちやくしゆ)として黄金水(わうごんすゐ)(せい)より()()でたる十二個(じふにこ)(たま)()()れねばならぬ。075この(たま)をことごとく()(にぎ)れば、076(かれ)らの目的(もくてき)(たつ)するものと(ふか)(しん)じたからである。077ここにおいて竹熊(たけくま)は、078(しやう)()むとするものは()づその(うま)()よとの戦法(せんぱふ)応用(おうよう)せむとし、079あらゆる方策(はうさく)(かう)じて竜宮城(りゆうぐうじやう)従臣(じゆうしん)なる十二柱(じふにはしら)神司(かみ)()(おと)し、080あるひは()(ほろ)ぼして、081その(たま)をいよいよ(うば)()らむとした。082この(たま)十二個(じふにこ)のうち、083一個(いつこ)不足(ふそく)しても(なん)(よう)をもなさないのである。
084大正一〇・一〇・二三 旧九・二三 谷口正治録)
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