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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第25巻(子の巻)
序文
総説
第1篇 相縁奇縁
第1章 水禽の音
第2章 与太理縮
第3章 鶍の恋
第4章 望の縁
第2篇 自由活動
第5章 酒の滝壺
第6章 三腰岩
第7章 大蛇解脱
第8章 奇の巌窟
第3篇 竜の宮居
第9章 信仰の実
第10章 開悟の花
第11章 風声鶴唳
第12章 不意の客
第4篇 神花霊実
第13章 握手の涙
第14章 園遊会
第15章 改心の実
第16章 真如の玉
第5篇 千里彷徨
第17章 森の囁
第18章 玉の所在
第19章 竹生島
余白歌
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第25巻(子の巻)
> 第2篇 自由活動 > 第6章 三腰岩
<<< 酒の滝壺
(B)
(N)
大蛇解脱 >>>
第六章
三腰岩
(
みこしいは
)
〔七五二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第25巻 海洋万里 子の巻
篇:
第2篇 自由活動
よみ(新仮名遣い):
じゆうかつどう
章:
第6章 三腰岩
よみ(新仮名遣い):
みこしいわ
通し章番号:
752
口述日:
1922(大正11)年07月08日(旧閏05月14日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年5月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
三人は腰は立たなかったが、口は達者なままだった。チャンキーは清公を皮肉ってからかう歌を歌った。
清公はそれを聞いておかしさに笑いながら、チャンキーとモンキーをからかう歌を歌った。清公が歌い終わると、チャンキーと清公の腰が、にわかに立つようになった。
モンキーはその場から動けないままであった。とうとう自棄になって、清公をからかうおかしな歌を歌いだした。歌い終わるとモンキーの腰もようやく立った。
三人は憎まれ口を叩き合いながら、大蛇退治に郷人の加勢に行くことにし、宣伝歌を歌いながらクシの滝に向かって行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
ニユージランド(ニュージーランド)
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-08-28 19:49:08
OBC :
rm2506
愛善世界社版:
105頁
八幡書店版:
第5輯 70頁
修補版:
校定版:
110頁
普及版:
50頁
初版:
ページ備考:
001
大蛇
(
をろち
)
の
尻尾
(
しつぽ
)
に
跳
(
は
)
ね
飛
(
と
)
ばされた
清公
(
きよこう
)
は、
002
広言
(
くわうげん
)
を
吐
(
は
)
いたチヤンキー、
003
モンキーの
二人
(
ふたり
)
の
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
腰
(
こし
)
を
抜
(
ぬ
)
かし、
004
醜態
(
ぶざま
)
にも
顔
(
かほ
)
を
顰
(
しか
)
め、
005
大腿骨
(
だいたいこつ
)
を
痛
(
いた
)
め、
006
苦虫
(
にがむし
)
を
噛
(
か
)
んだやうな、
007
六ケ
(
むつか
)
しい
顔
(
かほ
)
をして
気張
(
きば
)
つて
居
(
ゐ
)
る
可笑
(
をか
)
しさ。
008
腰
(
こし
)
の
立
(
た
)
たぬ
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
009
口
(
くち
)
ばかりは
相変
(
あひかは
)
らず
達者
(
たつしや
)
である。
010
チヤンキー『モーシモーシ
清公
(
きよこう
)
さま
011
お
前
(
まへ
)
は
余
(
よ
)
つ
程
(
ぽど
)
偉
(
えら
)
い
奴
(
やつ
)
012
竜宮嶋
(
りうぐうじま
)
の
地恩郷
(
ちおんきやう
)
013
左守
(
さもりの
)
神
(
かみ
)
まで
登
(
のぼ
)
りつめ
014
雪隠
(
せんち
)
の
虫
(
むし
)
の
高上
(
たかあが
)
り
015
漸
(
やうや
)
う
大地
(
だいち
)
へ
這
(
は
)
ひ
上
(
のぼ
)
り
016
カンピンタンになつた
上
(
うへ
)
017
蠅
(
はへ
)
に
孵化
(
ふくわ
)
して
王
(
わう
)
さまの
018
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
まで
登
(
のぼ
)
らうと
019
企
(
たく
)
んだ
事
(
こと
)
も
水
(
みづ
)
の
泡
(
あわ
)
020
小便
(
せうべん
)
垂
(
た
)
れて
糞
(
ばば
)
垂
(
た
)
れて
021
宇豆姫
(
うづひめ
)
さまに
撥
(
はぢ
)
かれて
022
ドン
底
(
ぞこ
)
迄
(
まで
)
も
顛落
(
てんらく
)
し
023
いよいよ
此処
(
ここ
)
に
改心
(
かいしん
)
の
024
実
(
じつ
)
を
示
(
しめ
)
さうと
我々
(
われわれ
)
を
025
言葉
(
ことば
)
巧
(
たくみ
)
にちよろまかし
026
相
(
あい
)
も
変
(
かは
)
らぬ
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
027
続
(
つづ
)
けるつもりでスタスタと
028
タカの
港
(
みなと
)
までやつて
来
(
き
)
て
029
誰
(
たれ
)
の
船
(
ふね
)
かは
知
(
し
)
らねども
030
屋根無
(
たなな
)
し
船
(
ぶね
)
を
何々
(
なになに
)
し
031
吾物顔
(
わがものがほ
)
に
悠々
(
いういう
)
と
032
浪
(
なみ
)
を
渡
(
わた
)
つて
夜
(
よる
)
のうち
033
人目
(
ひとめ
)
を
忍
(
しの
)
んでヒル
港
(
みなと
)
034
改心
(
かいしん
)
したとは
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
035
大事
(
だいじ
)
の
大事
(
だいじ
)
の
他人
(
ひと
)
の
船
(
ふね
)
036
代価
(
あたへ
)
も
遣
(
や
)
らずにぼつたくり
037
三五教
(
あななひけう
)
を
此
(
この
)
郷
(
さと
)
に
038
開
(
ひら
)
かうとしたのが
運
(
うん
)
の
尽
(
つき
)
039
俺
(
おれ
)
まで
矢張
(
やつぱり
)
盗人
(
ぬすびと
)
の
040
そのお
仲間
(
なかま
)
に
引
(
ひ
)
き
込
(
こ
)
んで
041
大将顔
(
たいしやうがほ
)
を
提
(
さ
)
げ
歩
(
ある
)
き
042
クシの
雄滝
(
をだき
)
の
手前
(
てまへ
)
まで
043
口
(
くち
)
と
心
(
こころ
)
のそぐはない
044
宣伝歌
(
せんでんか
)
をば
歌
(
うた
)
ひつつ
045
同
(
おな
)
じ
教
(
をしへ
)
の
道
(
みち
)
の
子
(
こ
)
の
046
我々
(
われわれ
)
二人
(
ふたり
)
を
頤
(
あご
)
の
先
(
さき
)
047
チヤンキーモンキーと
口
(
くち
)
の
先
(
さき
)
048
汚
(
きたな
)
い
言葉
(
ことば
)
で
扱
(
こ
)
き
使
(
つか
)
ひ
049
主人面
(
しゆじんづら
)
してやつて
来
(
き
)
た
050
その
天罰
(
てんばつ
)
は
目
(
ま
)
のあたり
051
大蛇
(
をろち
)
の
尻尾
(
しつぽ
)
に
撥
(
は
)
ねられて
052
左守
(
さもりの
)
神
(
かみ
)
になつたやうに
053
一旦
(
いつたん
)
高
(
たか
)
く
舞
(
ま
)
ひ
上
(
あが
)
り
054
スツテンドウと
土
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
055
忽
(
たちま
)
ち
変
(
かは
)
る
地獄道
(
ぢごくだう
)
056
腰弱
(
こしよわ
)
男
(
をとこ
)
が
腰抜
(
こしぬ
)
かし
057
お
尻
(
しり
)
の
骨
(
ほね
)
を
打
(
う
)
ち
砕
(
くだ
)
き
058
吠面
(
ほえづら
)
かわくは
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
059
お
尻
(
しり
)
の
仕末
(
しまつ
)
のつかぬ
人
(
ひと
)
060
そんなお
方
(
かた
)
と
知
(
し
)
らずして
061
従
(
つ
)
いて
来
(
き
)
たのが
我々
(
われわれ
)
の
062
不覚
(
ふかく
)
と
悔
(
くや
)
んで
見
(
み
)
たとこが
063
六日
(
むゆか
)
の
菖蒲
(
あやめ
)
十日菊
(
とをかきく
)
064
改慢心
(
かいまんしん
)
の
清公
(
きよこう
)
[
※
初版・愛世版では「虎公」になっているが、校定版・八幡版では「清公」に直している。「虎公」という人物はここには登場せず、文脈上「清公」が妥当である
]
の
065
猫
(
ねこ
)
の
眼球
(
めだま
)
のお
招伴
(
せうばん
)
066
こんな
約
(
つま
)
らぬ
事
(
こと
)
はない
067
チヤンキーモンキー
騒
(
さわ
)
いでも
068
お
腰
(
こし
)
が
立
(
た
)
たねば
仕方
(
しかた
)
ない
069
私
(
わたし
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
をこんな
目
(
め
)
に
070
遇
(
あ
)
はして
置
(
お
)
いて
清公
(
きよこう
)
さま
071
何
(
ど
)
うする
積
(
つも
)
りで
御座
(
ござ
)
るのか
072
余
(
あま
)
りと
云
(
い
)
へばあんまりぢや
073
お
前
(
まへ
)
の
腰
(
こし
)
は
何
(
ど
)
うなろが
074
お
尻
(
しり
)
の
骨
(
ほね
)
は
砕
(
くだ
)
けやうが
075
私
(
わたし
)
は
些
(
ちつ
)
とも
構
(
かま
)
やせぬ
076
お
傍杖
(
そばづゑ
)
をば
喰
(
く
)
はされた
077
私
(
わたし
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
は
此
(
この
)
儘
(
まま
)
に
078
此処
(
ここ
)
で
死
(
し
)
んだら
化
(
ば
)
けて
出
(
で
)
て
079
お
前
(
まへ
)
の
影身
(
かげみ
)
に
附添
(
つきそ
)
うて
080
生首
(
なまくび
)
かかねば
置
(
お
)
かぬぞや
081
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
082
目玉
(
めだま
)
飛
(
と
)
び
出
(
で
)
るやうな
目
(
め
)
に
083
私
(
わたし
)
は
遇
(
あ
)
はされ
耐
(
たま
)
らない
084
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
085
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
086
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
087
清公
(
きよこう
)
の
奴
(
やつ
)
は
死
(
し
)
ぬるとも
088
私
(
わし
)
にとつては
大蛇
(
だいじや
)
ない
089
早
(
はや
)
く
改心
(
かいしん
)
した
上
(
うへ
)
で
090
我
(
われ
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
が
壮健
(
さうけん
)
で
091
お
前
(
まへ
)
を
見捨
(
みす
)
てて
帰
(
かへ
)
るやうに
092
どうぞ
祈
(
いの
)
つて
下
(
くだ
)
さんせ
093
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
094
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
095
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
096
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
せ
097
身
(
み
)
の
過
(
あやま
)
ちは
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ
098
さはさりながら
我々
(
われわれ
)
は
099
清公
(
きよこう
)
の
奴
(
やつ
)
にこんな
目
(
め
)
に
100
遇
(
あ
)
はされ
何
(
ど
)
うして
此
(
この
)
儘
(
まま
)
に
101
恨
(
うら
)
み
返
(
かへ
)
さでおかれやうか
102
尻尾
(
しつぽ
)
の
毛
(
け
)
迄
(
まで
)
一本
(
いつぽん
)
も
103
無
(
な
)
い
処
(
ところ
)
迄
(
まで
)
抜
(
ぬ
)
かれたる
104
チヤンキー、モンキーは
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
105
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
清公
(
きよこう
)
は
106
肝
(
きも
)
を
抜
(
ぬ
)
かれて
腰
(
こし
)
を
抜
(
ぬ
)
き
107
悲惨
(
ひさん
)
極
(
きは
)
まる
為体
(
ていたらく
)
108
お
互
(
たがひ
)
一様
(
いちやう
)
に
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
は
109
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なりける
次第
(
しだい
)
なり』
110
と
自暴自棄
(
やけくそ
)
になりて、
111
出放題
(
ではうだい
)
を
喋
(
しやべ
)
り
立
(
た
)
てて
居
(
ゐ
)
る。
112
清公
(
きよこう
)
も
此
(
この
)
滑稽
(
こつけい
)
な
揶揄
(
からかひ
)
半分
(
はんぶん
)
の
歌
(
うた
)
に
痛
(
いた
)
さを
忘
(
わす
)
れてクツクツ
笑
(
わら
)
ひ
出
(
だ
)
す。
113
清公
(
きよこう
)
『セイロン
島
(
たう
)
の
土籠
(
つちごもり
)
114
黒
(
くろ
)
ン
坊
(
ばう
)
人種
(
じんしゆ
)
の
成
(
な
)
れの
果
(
はて
)
115
チヤンキーモンキー
両人
(
りやうにん
)
が
116
小糸
(
こいと
)
の
姫
(
ひめ
)
に
頼
(
たの
)
まれて
117
可愛
(
かあい
)
い
妻子
(
つまこ
)
を
後
(
あと
)
に
置
(
お
)
き
118
お
金
(
かね
)
の
欲
(
よく
)
に
目
(
め
)
が
眩
(
くら
)
み
119
義理
(
ぎり
)
も
人情
(
にんじやう
)
も
打
(
う
)
ち
忘
(
わす
)
れ
120
海洋
(
かいやう
)
万里
(
ばんり
)
の
浪
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
121
汗
(
あせ
)
もたらたら
漕
(
こ
)
ぎ
廻
(
まは
)
る
122
時
(
とき
)
しもあれや
天狗風
(
てんぐかぜ
)
123
魔島
(
ましま
)
に
船
(
ふね
)
は
打
(
う
)
ちあたり
124
木端
(
こつぱ
)
微塵
(
みぢん
)
となつた
時
(
とき
)
125
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
のお
客
(
きやく
)
さま
126
小糸
(
こいと
)
の
姫
(
ひめ
)
を
顧
(
かへり
)
みず
127
船
(
ふね
)
は
無
(
な
)
けれど
黒
(
くろ
)
い
尻
(
しり
)
128
帆
(
ほ
)
をかけ
登
(
のぼ
)
る
岩
(
いは
)
の
上
(
うへ
)
129
三年
(
みとせ
)
三月
(
みつき
)
も
雨風
(
あめかぜ
)
や
130
天日
(
てんぴ
)
に
曝
(
さら
)
され
泣
(
な
)
き
面
(
づら
)
を
131
乾
(
かわ
)
かし
蟹
(
かに
)
や
貝
(
かひ
)
を
採
(
と
)
り
132
食
(
く
)
つて
漸々
(
やうやう
)
惜
(
を
)
しからぬ
133
命
(
いのち
)
をながらへ
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
つ
134
高姫
(
たかひめ
)
さまや
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
の
135
船
(
ふね
)
が
来
(
き
)
たのを
幸
(
さいは
)
ひに
136
玉
(
たま
)
を
匿
(
かく
)
した
匿
(
かく
)
さぬと
137
やつさもつさの
押問答
(
おしもんだふ
)
138
囀
(
さへづ
)
る
折
(
をり
)
しもテンカオの
139
島
(
しま
)
は
忽
(
たちま
)
ち
海底
(
かいてい
)
に
140
沈
(
しづ
)
んだお
蔭
(
かげ
)
で
魔
(
ま
)
の
神
(
かみ
)
[
※
初版・愛世版では「魔の神」だが、校定版・八幡版では「魔の島」に直している。
]
は
141
浪
(
なみ
)
に
呑
(
の
)
まれて
大勢
(
おほぜい
)
が
142
蚊
(
か
)
の
啼
(
な
)
くやうな
情
(
なさ
)
けない
143
声
(
こゑ
)
を
絞
(
しぼ
)
つて
居
(
ゐ
)
たところ
144
玉治別
(
たまはるわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
に
145
安
(
やす
)
い
命
(
いのち
)
を
助
(
たす
)
けられ
146
ニユージランドの
玉森
(
たまもり
)
で
147
エツパツパーを
喰
(
く
)
はされて
148
泣
(
な
)
く
泣
(
な
)
く
竜宮
(
りうぐう
)
の
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
149
タカの
港
(
みなと
)
に
上陸
(
じやうりく
)
し
150
地恩
(
ちおん
)
の
郷
(
さと
)
に
登
(
のぼ
)
りつめ
151
チヤンキーモンキーと
呼
(
よ
)
び
捨
(
す
)
てに
152
皆
(
みんな
)
の
奴
(
やつ
)
等
(
ら
)
に
馬鹿
(
ばか
)
にされ
153
雪隠
(
せんち
)
の
中
(
なか
)
の
掃除
(
さうぢ
)
まで
154
やつて
居
(
ゐ
)
たるを
見
(
み
)
た
俺
(
おれ
)
は
155
可愛
(
かあい
)
さうだと
慈悲心
(
じひしん
)
を
156
起
(
おこ
)
してタカの
港
(
みなと
)
より
157
黙
(
だま
)
つて
船
(
ふね
)
を
拝借
(
はいしやく
)
し
158
鳥
(
とり
)
無
(
な
)
き
郷
(
さと
)
の
蝙蝠
(
かふもり
)
に
159
出世
(
しゆつせ
)
をさせようと
連
(
つ
)
れて
来
(
き
)
て
160
働
(
はたら
)
かさうと
思
(
おも
)
つたら
161
卑怯
(
ひけふ
)
未練
(
みれん
)
の
馬鹿者
(
ばかもの
)
が
162
大蛇
(
をろち
)
の
姿
(
すがた
)
に
腰抜
(
こしぬ
)
かし
163
中
(
なか
)
にもチヤンキーの
腰抜
(
こしぬ
)
けは
164
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いて
胴
(
どう
)
慄
(
ふる
)
ひ
165
脛腰
(
すねこし
)
立
(
た
)
たぬその
態
(
ざま
)
で
166
俺
(
おれ
)
に
向
(
むか
)
つて
屁理窟
(
へりくつ
)
を
167
云
(
い
)
ふとは
些
(
ちつ
)
と
両人
(
りやうにん
)
の
168
見当
(
けんたう
)
違
(
ちが
)
ひぢやあるまいか
169
大
(
おほ
)
馬鹿者
(
ばかもの
)
の
腰抜
(
こしぬ
)
けが
170
二人
(
ふたり
)
揃
(
そろ
)
うた
岩
(
いは
)
の
上
(
うへ
)
171
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
すると
最前
(
さいぜん
)
の
172
大蛇
(
をろち
)
の
奴
(
やつ
)
が
飛
(
と
)
んで
来
(
き
)
て
173
今度
(
こんど
)
は
深
(
ふか
)
き
谷底
(
たにぞこ
)
へ
174
尻尾
(
しつぽ
)
の
先
(
さき
)
で
振
(
ふ
)
り
落
(
おと
)
し
175
身
(
み
)
を
砕
(
くだ
)
かれて
冥途
(
めいど
)
往
(
ゆ
)
き
176
三途
(
さんづ
)
の
川
(
かは
)
の
鬼婆
(
おにばば
)
に
177
何
(
なん
)
ぢやかんぢやと
虐
(
いぢ
)
められ
178
末
(
すゑ
)
には
血
(
ち
)
の
池
(
いけ
)
針
(
はり
)
の
山
(
やま
)
179
焦熱
(
せうねつ
)
地獄
(
ぢごく
)
に
墜落
(
つゐらく
)
し
180
鬼
(
おに
)
に
喰
(
く
)
はれて
仕舞
(
しま
)
ふぞよ
181
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
182
叶
(
かな
)
はぬからの
神頼
(
かみだの
)
み
183
哀
(
あは
)
れなりける
次第
(
しだい
)
なり
184
アハヽヽハツハ
阿呆
(
あはう
)
面
(
づら
)
185
ウフヽヽフツフ
呆
(
う
)
つけ
者
(
もの
)
186
イヒヽヽヒツヒ
因果者
(
いんぐわもの
)
187
オホヽヽホツホ
大馬鹿
(
おほばか
)
よ
188
エヘヽヽヘツヘエーやめて
置
(
お
)
かう』
189
と
喋
(
しやべ
)
り
終
(
をは
)
つた
途端
(
とたん
)
に、
190
清公
(
きよこう
)
の
腰
(
こし
)
はヒヨツコリと
立
(
た
)
つた。
191
続
(
つづ
)
いてチヤンキーの
腰
(
こし
)
も
亦
(
また
)
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
つた。
192
チヤンキー『ヤア、
193
余
(
あんま
)
り
清公
(
きよこう
)
がしようも
無
(
な
)
い
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふものだから、
194
言霊
(
ことたま
)
の
口罰
(
くちばち
)
が
当
(
あた
)
つて、
195
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
に
鎮座
(
ちんざ
)
ましました
石座
(
いはくら
)
を
離
(
はな
)
れ、
196
又
(
また
)
徐々
(
そろそろ
)
働
(
はたら
)
かねばならぬやうになつて
仕舞
(
しま
)
つた。
197
……モンキー、
198
貴様
(
きさま
)
は
幸福者
(
しあわせもの
)
だ。
199
何処迄
(
どこまで
)
も
泰然
(
たいぜん
)
自若
(
じじやく
)
として、
200
安楽
(
あんらく
)
に
岩
(
いは
)
の
上
(
うへ
)
に
暮
(
く
)
らせる
身分
(
みぶん
)
だ。
201
我
(
われ
)
等
(
ら
)
両人
(
りやうにん
)
はそろそろ
是
(
これ
)
から
活動
(
くわつどう
)
に
這入
(
はい
)
るのだ。
202
何卒
(
どうぞ
)
貴様
(
きさま
)
、
203
生神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
になつて
其処
(
そこ
)
に
胴
(
どう
)
を
据
(
す
)
ゑ、
204
俺
(
おれ
)
等
(
ら
)
両人
(
りやうにん
)
の
幸
(
さいはひ
)
を
守
(
まも
)
つて
呉
(
く
)
れ。
205
南無
(
なむ
)
モンキー
大明神
(
だいみやうじん
)
、
206
叶
(
かな
)
はぬなら
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
りませだ。
207
アハヽヽヽ』
208
と
二人
(
ふたり
)
は
面白
(
おもしろ
)
さうに
足
(
あし
)
が
立
(
た
)
つた
嬉
(
うれ
)
しさに
妙
(
めう
)
な
手
(
て
)
つきで
踊
(
をど
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
209
モンキーは
業
(
ごふ
)
を
煮
(
に
)
やし、
210
立
(
た
)
つて
見
(
み
)
ようと
焦慮
(
あせ
)
れど
藻掻
(
もが
)
けど、
211
ビクともしない。
212
たうとう
自棄
(
やけ
)
気味
(
ぎみ
)
になつて
下
(
くだ
)
らぬ
歌
(
うた
)
を
喋
(
しやべ
)
り
始
(
はじ
)
めた。
213
モンキー
『
清公
(
きよこう
)
チヤンキーよつく
聞
(
き
)
け
214
俺
(
おれ
)
は
誠
(
まこと
)
の
生神
(
いきがみ
)
ぢや
215
岩
(
いは
)
に
喰
(
く
)
ひつき
獅噛
(
しが
)
みつき
216
胴
(
どう
)
は
据
(
す
)
わつて
動
(
うご
)
かない
217
ビクとも
致
(
いた
)
さぬ
大和魂
(
やまとだま
)
218
貴様
(
きさま
)
の
腰
(
こし
)
は
浮
(
う
)
き
調子
(
てうし
)
219
又々
(
またまた
)
悪魔
(
あくま
)
に
導
(
みちび
)
かれ
220
大蛇
(
をろち
)
の
尻尾
(
しつぽ
)
に
撥
(
はぢ
)
かれて
221
再
(
ふたた
)
び
天上
(
てんじやう
)
するがよい
222
俺
(
おれ
)
は
貴様
(
きさま
)
の
墜落
(
つゐらく
)
を
223
空
(
そら
)
を
仰
(
あふ
)
いで
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
る
224
雪隠虫
(
せつちんむし
)
の
高上
(
たかあ
)
がり
225
名
(
な
)
は
清公
(
きよこう
)
と
申
(
まを
)
せども
226
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
は
泥公
(
どろこう
)
が
227
チヤンキーチヤンキーと
偉
(
えら
)
さうに
228
口
(
くち
)
では
云
(
い
)
へど
何一
(
なにひと
)
つ
229
チヤンキーチヤンキーと
埒明
(
らちあ
)
かぬ
230
困
(
こま
)
つた
奴
(
やつ
)
が
唯
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
231
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
穀潰
(
ごくつぶ
)
し
232
娑婆
(
しやば
)
に
居
(
を
)
つても
用
(
よう
)
はない
233
俺
(
おれ
)
は
何
(
なん
)
にも
岩
(
いは
)
の
神
(
かみ
)
234
万劫
(
まんがふ
)
末代
(
まつだい
)
動
(
うご
)
き
無
(
な
)
き
235
下津
(
したつ
)
岩根
(
いはね
)
に
腰
(
こし
)
据
(
す
)
ゑて
236
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
の
行末
(
ゆくすゑ
)
を
237
アーイーウーエーオホヽヽヽ
238
嘲笑
(
あざわら
)
ひつつ
見
(
み
)
て
暮
(
く
)
らす
239
四
(
よ
)
つ
足
(
あし
)
身魂
(
みたま
)
に
汚
(
けが
)
された
240
碌
(
ろく
)
な
事
(
こと
)
せぬ
二人
(
ふたり
)
連
(
づ
)
れ
241
一日
(
ひとひ
)
も
速
(
はや
)
く
此
(
この
)
場
(
ば
)
をば
242
離
(
はな
)
れて
往
(
ゆ
)
けよお
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
243
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
してると
其辺中
(
そこらぢう
)
244
空気
(
くうき
)
の
色
(
いろ
)
迄
(
まで
)
悪
(
わる
)
くする
245
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
246
目玉
(
めだま
)
の
飛
(
と
)
び
出
(
で
)
るやうな
目
(
め
)
に
247
遇
(
あ
)
はせて
下
(
くだ
)
さい
三五
(
あななひ
)
の
248
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
249
二人
(
ふたり
)
の
為
(
ため
)
に
祈
(
いの
)
ります
250
エヘヽヽヘツヘ
得体
(
えたい
)
の
知
(
し
)
れぬ
251
オホヽヽホツホ
大
(
おほ
)
馬鹿者
(
ばかもの
)
奴
(
め
)
252
カヽヽヽカツカ
空威張
(
からゐば
)
り
253
キヽヽヽキツキ
気
(
き
)
に
喰
(
く
)
はぬ
254
クヽヽヽクツク
糞奴
(
くそやつこ
)
255
ケヽヽヽケツケ
怪
(
け
)
しからぬ
256
コヽヽヽコツコ
困
(
こま
)
り
者
(
もの
)
257
サヽヽヽサツサ
逆
(
さか
)
とんぼ
258
シヽヽヽシツシ
強太
(
しぶと
)
い
奴
(
やつこ
)
259
スヽヽヽスツス
好
(
すか
)
ん
平野郎
(
べいやらう
)
260
セヽヽヽセツセ
雪隠虫
(
せんちむし
)
261
ソヽヽヽソツソそぐり
立
(
た
)
てた
262
タヽヽヽタツタ
高上
(
たかあが
)
り
263
チヽヽヽチツチちんちくりん
264
ツヽヽヽツツツ
聾者
(
つんぼ
)
盲人
(
めくら
)
265
テヽヽヽテツテ
天狗面
(
てんぐづら
)
266
トヽヽヽトツト
呆
(
とぼ
)
け
野郎
(
やらう
)
267
ナヽヽヽナツナ
泣
(
な
)
きツ
面
(
つら
)
268
ニヽヽヽニツニ
憎
(
にく
)
まれ
子
(
ご
)
269
憎
(
にく
)
まれにくまれ
世
(
よ
)
に
覇張
(
はば
)
る
270
ヌヽヽヽヌツヌヌーボ
式
(
しき
)
271
ネヽヽヽネツネ
鼠
(
ねずみ
)
の
子
(
こ
)
272
ノヽヽヽノツノ
野天狗
(
のてんぐ
)
野狐
(
のぎつね
)
豆狸
(
まめだぬき
)
273
ハヽヽヽヽツハ
薄情者
(
はくじやうもの
)
274
ヒヽヽヽヒツヒ
非常識
(
ひじやうしき
)
275
フヽヽヽフツフ
戯
(
ふざ
)
けた
事
(
こと
)
をしやがつて
276
ヘヽヽヽヘツヘ
屁理窟
(
へりくつ
)
ばかり
叩
(
たた
)
きよる
277
ホヽヽヽヽツホほうけ
野郎
(
やらう
)
278
マヽヽヽマツマ
曲津
(
まがつ
)
御霊
(
みたま
)
の
張本
(
ちやうほん
)
よ
279
ミヽヽヽミツミ
蚯蚓
(
みみづ
)
土竜
(
むぐら
)
の
土潜
(
つちくぐ
)
り
280
ムヽヽヽムツム
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
臭
(
くさ
)
い
婆
(
ば
)
さま
腰巾着
(
こしぎんちやく
)
281
メヽヽヽメツメ
盲目
(
めくら
)
聾者
(
つんぼ
)
の
腰抜
(
こしぬ
)
け
野郎
(
やらう
)
282
モヽヽヽモツモ
耄碌魂
(
まうろくみたま
)
の
二人
(
ふたり
)
連
(
づ
)
れ
283
ヤヽヽヽヤツヤ
奴
(
やつこ
)
野郎
(
やらう
)
の
284
イヽヽヽイツイ
意地
(
いぢ
)
くね
悪
(
わる
)
い
285
ユヽヽヽユツユ
幽霊腰
(
いうれいごし
)
286
エヽヽヽエツエえぐたらしい
287
ヨヽヽヽヨツヨ
妖魅面
(
えうみづら
)
提
(
さ
)
げて
288
ワヽヽヽワツワ
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
毎日
(
まいにち
)
毎夜
(
まいよ
)
考
(
かんが
)
へよつて
289
ヰヽヽヽヰツヰ
一寸先
(
いつすんさき
)
は
暗
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
だ
290
ウヽヽヽウツウ
迂路
(
うろ
)
々々
(
うろ
)
と
其辺
(
そこら
)
あたりを
魔胡
(
まご
)
つき
出
(
い
)
だし
291
ヱヽヽヽヱツヱ
偉
(
えら
)
さうに
292
ヲヽヽヽヲツヲ
大失策
(
おほしくじり
)
を
致
(
いた
)
したる
大
(
おほ
)
馬鹿者
(
ばかもの
)
の
臆病者
(
おくびやうもの
)
…………
293
大腰抜
(
おほこしぬ
)
けの
狼野郎
(
おほかみやらう
)
、
294
お
目出度
(
めでた
)
い
変
(
かは
)
り
者
(
もの
)
だ。
295
サア
何処
(
どこ
)
へなりと
勝手
(
かつて
)
に
往
(
ゆ
)
け。
296
その
代
(
かは
)
りに
盗
(
ぬす
)
んで
来
(
き
)
た
船
(
ふね
)
を
元
(
もと
)
の
所
(
ところ
)
へ
返
(
かへ
)
して
来
(
こ
)
い。
297
さうで
無
(
な
)
ければ
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝
(
せんでん
)
に
歩
(
ある
)
いても
亦
(
また
)
此
(
この
)
通
(
とほ
)
りだ。
298
脛腰
(
すねこし
)
が
立
(
た
)
たぬやうに
致
(
いた
)
してやるぞよ。
299
ウンウンウン』
300
と
体
(
からだ
)
を
揺
(
ゆす
)
り、
301
そろそろ
発動
(
はつどう
)
し
初
(
はじ
)
め、
302
岩
(
いは
)
の
上
(
うへ
)
で
餅
(
もち
)
を
搗
(
つ
)
くやうに
体
(
からだ
)
を
上
(
あ
)
げたり
下
(
さ
)
げたり、
303
十数回
(
じふすうくわい
)
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
し、
304
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にやら
抜
(
ぬ
)
けた
腰
(
こし
)
はちやんと
元
(
もと
)
の
通
(
とほ
)
りに
納
(
をさ
)
まり、
305
そろそろ
歩
(
ある
)
き
出
(
だ
)
した。
306
清公
(
きよこう
)
『ヤア、
307
モンキー、
308
貴様
(
きさま
)
、
309
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
に
腰
(
こし
)
が
立
(
た
)
つたか』
310
モンキー『
俺
(
おれ
)
は
初
(
はじ
)
めから、
311
決
(
けつ
)
して
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
のやうに
腰
(
こし
)
は
抜
(
ぬ
)
かしては
居
(
ゐ
)
ないぞ。
312
余
(
あま
)
り
偉
(
えら
)
さうに
家来
(
けらい
)
扱
(
あつか
)
ひに
致
(
いた
)
すから、
313
一寸
(
ちよつと
)
芝居
(
しばゐ
)
をしてやつたのだ。
314
ウフヽヽヽ』
315
と
肩
(
かた
)
を
揺
(
ゆす
)
る。
316
チヤンキー『アレアレ、
317
追々
(
おひおひ
)
騒
(
さわ
)
がしく
聞
(
きこ
)
えて
来
(
く
)
る
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
の
叫
(
さけ
)
び
声
(
ごゑ
)
、
318
こりや
斯
(
か
)
うしては
居
(
を
)
られない。
319
いづれ
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
中
(
うち
)
一人
(
ひとり
)
は
船
(
ふね
)
を
返
(
かへ
)
しに
帰
(
かへ
)
らねばならないが、
320
先
(
ま
)
づ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
御
(
ご
)
猶予
(
いうよ
)
を
願
(
ねが
)
つて、
321
大蛇
(
をろち
)
の
征服
(
せいふく
)
を
済
(
すま
)
す
事
(
こと
)
にしようかい』
322
清公
(
きよこう
)
『それもさうだ。
323
余
(
あま
)
り
大蛇
(
をろち
)
に
気
(
き
)
を
取
(
と
)
られて
祝詞
(
のりと
)
奏上
(
そうじやう
)
を
忘
(
わす
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
324
其
(
その
)
罰
(
ばち
)
で
腰
(
こし
)
が
立
(
た
)
たなくなつたのだ。
325
……アヽ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
、
326
何卒
(
どうぞ
)
お
赦
(
ゆる
)
し
下
(
くだ
)
さいませ』
327
と
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
一所
(
ひとところ
)
に
集
(
あつ
)
まり
来
(
きた
)
り、
328
高
(
たか
)
らかに
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
329
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
及
(
およ
)
び
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひクシの
滝壺
(
たきつぼ
)
を
目蒐
(
めが
)
けて
進
(
すす
)
みゆく。
330
(
大正一一・七・八
旧閏五・一四
加藤明子
録)
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(B)
(N)
大蛇解脱 >>>
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【第6章 三腰岩|第25巻|海洋万里|霊界物語|/rm2506】
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