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第二五章 神雲(しんうん)〔一六〇〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第62巻 山河草木 丑の巻 篇:第5篇 金竜世界 よみ(新仮名遣い):きんりゅうせかい
章:第25章 神雲 よみ(新仮名遣い):しんうん 通し章番号:1600
口述日:1923(大正12)年05月15日(旧03月30日) 口述場所:教主殿 筆録者:明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年10月16日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm6225
愛善世界社版:296頁 八幡書店版:第11輯 230頁 修補版: 校定版:323頁 普及版:61頁 初版: ページ備考:
001第四九二
002
003せまり()神代(かみよ)(さら)白河(しらかは)
004(せき)()(ひら)(ひと)(すくな)き。
005
006草枕(くさまくら)(たび)()でては(おも)ふかな
007(あや)高天(たかま)大前(おほまへ)如何(いか)にと。
008
009白雲(しらくも)(とほ)(へだ)ちし国々(くにぐに)
010御稜威(みいづ)(した)ひて(きた)神垣(かみがき)
011
012敷島(しきしま)大和(やまと)島根(しまね)(かみ)(には)
013千代(ちよ)八千代(やちよ)(うご)かざらまし。
014
015さざれ(いし)(いはほ)となれる姿(すがた)()れば
016(かみ)(みやこ)御栄(みさか)えを()る。
017
018皇神(すめかみ)(うづ)(をしへ)万代(よろづよ)
019(いや)(ひろ)らかに(さか)えますらむ。
020
021神垣(かみがき)木々(きぎ)(みどり)()()でて
022神代(かみよ)(はる)長閑(のどか)(かた)れり。
023
024杜鵑(ほととぎす)(こゑ)()()てて御恵(みめぐみ)
025(つゆ)奥津城(おくつき)(しの)()になく。
026第四九三
027
028四尾山(よつをやま)(みね)諸木(もろき)(みどり)して
029(むか)()つらむミロクの御代(みよ)を。
030
031桶伏(をけふせ)(やま)聖地(せいち)杜鵑(ほととぎす)
032()()(きた)りてひた()きになく。
033
034三千年(みちとせ)(なが)月日(つきひ)()(あか)
035(いま)なほ(さけ)山杜鵑(やまほととぎす)
036
037(かぜ)(よひ)(あめ)(あした)一入(ひとしほ)
038物悲(ものかな)しもよ桶伏(をけふせ)(やま)
039
040(ひと)()(こは)たれたりと()ゆれども
041(うづ)高殿(たかどの)永久(とこしへ)()てり。
042
043本宮山(ほんぐうやま)若葉(わかば)をふくむ山鳩(やまばと)
044(かげ)さへ()えぬ闇夜(やみよ)なるかも。
045
046(たに)()()しわけ(うた)(うぐひす)
047(こゑ)常世(とこよ)(はる)(さきがけ)
048
049()くとても手折(たを)(ひと)なき(まつ)(はな)
050葉末(はずゑ)(つゆ)(めぐみ)()らねば。
051第四九四
052
053神垣(かみがき)(まつ)(こずゑ)御空(みそら)()
054(つる)()(くだ)千歳(ちとせ)(ちぎ)る。
055
056(つき)なくて如何(いか)木草(きぐさ)(しげ)るべきや
057天津光(あまつひかり)(かげ)のみにして。
058
059(また)しても(つき)()のみを()(たた)
060(こが)(がほ)なる夕暮(ゆふぐれ)(そら)
061
062金竜(きんりう)(いけ)(おもて)()(つき)
063()(みだ)れをも()らず(がほ)なる。
064
065水鳥(みづとり)のいと(やす)らけく(うか)ぶとも
066(あし)にひまなき(つき)御心(みこころ)
067
068(かみ)(おも)(うづ)(こころ)につながれて
069あこがれ()できぬ(いと)のまにまに。
070
071(きみ)()るや高天原(たかあまはら)(かみ)(その)
072()はよそながらかかる(こころ)を。
073
074神垣(かみがき)(つき)(ひかり)をながめつつ
075したたる(しづく)(うるほ)ひにけり。
076
077神垣(かみがき)(まつ)落葉(おちば)をかきよせて
078常夜(とこよ)(やみ)篝火(かがりび)とせむ。
079一〇
080大丈夫(ますらを)(なか)(さび)しく(ただ)一人(ひとり)
081(まじ)こるわが()神国(かみくに)のため。
082第四九五
083
084千早振(ちはやふる)(かみ)(をしへ)にしたがひて
085御国(みくに)(つく)(ほか)なかりけり。
086
087楠船(くすぶね)ののり()(なみ)のいや(ふか)
088真心(まごころ)ひとつに御国(みくに)(つく)さむ。
089
090(はな)(いろ)(むかし)ながらに(かは)らねど
091(うつ)ろひにけり(こころ)(はな)は。
092
093木下蔭(こしたかげ)(さび)しげに()きし()(はな)
094天津光(あまつひかり)をうけて(さか)ゆる。
095
096(そら)(おひ)(しこ)古木(ふるき)(たふ)れてゆ
097白梅(しらうめ)(はな)()()でにけり。
098
099(やま)(ふか)日影(ひかげ)もささぬ(たに)(そこ)
100(かを)(さくら)(つき)(めぐみ)ぞ。
101
102(はな)()()()()ちて杣人(そまびと)
103手斧(てをの)(さび)となる老木(おいき)かな。
104
105桶伏(をけふせ)御山(みやま)(はな)()らされて
106わが面影(おもかげ)にのみぞ(のこ)れる。
107第四九六
108
109(いにしへ)(かみ)(みやこ)()(まく)
110(あらし)(なみ)()ちかへしかも。
111
112科戸辺(しなどべ)(かぜ)()きかへす(あさ)ぼらけ
113(なみ)(さか)まきて仇船(あだぶね)(しづ)めむ。
114
115()()れば(やま)諸木(もろき)(みどり)すれど
116(うら)(かな)しけれ宮居(みやゐ)(あと)は。
117
118三千年(みちとせ)(しこ)荒浪(あらなみ)(ただよ)ひて
119()れましし(かみ)宮居(みやゐ)こぼちぬ。
120
121桶伏(をけふせ)(やま)(のぼ)()信徒(まめひと)
122(こころ)(そら)時雨(しぐれ)しにけり。
123
124宮脇(みやわき)(ひそ)める(しこ)曲神(まがかみ)
125(あら)ぶがままに(まか)したまひぬ。
126
127皇神(すめかみ)(こころ)(ひろ)和田(わだ)(はら)
128秘密(ひみつ)(そこ)()るよしもなし。
129
130桶伏(をけふせ)(やま)()()(ただ)一人(ひとり)
131(いの)真人(まびと)のありと()らずや。
132第四九七
133
134白妙(しろたへ)(ころも)(そで)(うめ)(かを)
135(あや)高天(たかま)(まう)()しより。
136
137家族(うから)親族(やから)うち()()ちて神園(かみぞの)
138(をしへ)(はな)()ふぞ(たの)しき。
139
140和衣(にぎたへ)綾部(あやべ)(かを)白梅(しらうめ)
141(こころ)(はな)(まなこ)さませり。
142
143(むかし)()白梅(しらうめ)()()いぬれど
144(はな)色香(いろか)はいとど目出度(めでた)し。
145
146足曳(あしびき)深山(みやま)(おく)(ひそ)むとも
147(はな)()くなり(とり)(うた)ふなり。
148
149青垣(あをがき)四方(よも)(めぐ)らす山里(やまざと)
150(きよ)清水(しみづ)(なが)れけるかな。
151
152都路(みやこぢ)(ちり)(けが)れし御霊(みたま)をば
153(きた)りて(すす)(たま)()(みづ)に。
154
155山里(やまざと)()()いぬれど霊魂(たましひ)
156(かみ)(みやこ)(はな)(かを)れる。
157第四九八
158
159神園(かみぞの)(まつ)御霊(みたま)()りかけて
160神去(かむさ)りましぬ教御祖(をしへみおや)は。
161
162白梅(しらうめ)(はな)(こころ)(のこ)しつつ
163(つゆ)奥津城(おくつき)(ねむ)りたまひぬ。
164
165木花(このはな)咲耶(さくや)(ひめ)()れましし
166黄金(こがね)(みね)(くも)(そび)えつ。
167
168瑞御霊(みづみたま)(うづ)(をしへ)をうつそみの
169()()(はな)永久(とは)(さか)えむ。
170
171西(にし)()(おも)ひは誰人(たれ)もあるものを
172見捨(みす)てて()るな大空(おほぞら)(つき)
173
174(あは)れみの(こころ)(たれ)(ひろ)けれど
175(はぐ)くむ(そで)(せま)きが()れたき。
176
177(かぎ)りなき(めぐみ)御手(みて)()()べて
178(すく)はせたまふ(みづ)大神(おほかみ)
179
180(いただき)(しも)()()ひて白雪(しらゆき)
181(こころ)(そら)(きよ)くなりぬる。
182第四九九
183
184五月蠅(さばへ)なす(こゑ)(はげ)しくなりにけり
185()(わか)()(ちか)づきしより。
186
187曲神(まがかみ)(すさ)闇世(やみよ)もすみがまの
188(くろ)(けむり)()ゆる神代(みよ)なり。
189
190あゝ(かみ)(とな)ふる(こゑ)(ゆめ)()めて
191()()()れば(つき)(かたむ)く。
192
193厳御霊(いづみたま)(をしへ)(ひかり)なかりせば
194如何(いか)でか(つき)(こころ)()けむや。
195
196苗代(なはしろ)(みづ)(かわ)きぬ(あま)(かは)
197(はな)ちてみづの御霊(みたま)たまひぬ。
198
199(うめ)()りて御園(みその)(もも)()きにけり
200(かを)目出度(めでた)(かみ)のまにまに。
201
202春山(はるやま)(あさ)()雉子(きじ)(こゑ)すなり
203(かみ)御教(みのり)若芽(わかめ)()めとや。
204
205(つき)()(おひ)(そだ)ちたる姫小松(ひめこまつ)
206葉末(はずゑ)(つゆ)(たま)()らへり。
207第五〇〇
208
209池水(いけみづ)にうつりて()ける(うめ)(はな)
210手折(たを)るはみづの(こころ)なりけり。
211
212(われ)()かむ(のち)まで()らず()てよかし
213(かを)(ゆか)しき神園(かみぞの)(うめ)
214
215久方(ひさかた)御空(みそら)()ける(もも)(はな)
216手折(たを)らむよしも()(くら)しつつ。
217
218よしや()山河(やまかは)(とほ)(へだ)つとも
219(こころ)手折(たを)らむ神園(かみぞの)(もも)
220
221真清水(ましみづ)(しも)にこほればひた(くも)
222(むかし)にかへれみづの御霊(みたま)に。
223
224山桜(やまざくら)彼方(かなた)此方(こなた)()(まじ)
225(まつ)(みどり)眺望(ながめ)()へぬる。
226
227嵐山(あらしやま)(はな)のまにまに(みどり)なくば
228(にしき)(みね)(たれ)(たた)へむ。
229
230(かぜ)()(はな)姿(すがた)(なが)むれば
231(ひと)浮世(うきよ)(うれ)たくもあるかな。
232第五〇一
233
234()りて(また)(ふたた)(はな)()(はる)
235()つよしもなく(ほろ)()くかな。
236
237永久(とこしへ)(はな)()(にほ)天津国(あまつくに)
238(はる)こそ永久(とは)住家(すみか)なりけり。
239
240()(たた)見上(みあ)ぐる(はな)足許(あしもと)
241()りて()まるる山桜(やまざくら)かな。
242
243九重(ここのへ)()山吹(やまぶき)果敢(はか)なけれ
244()りたる(のち)()さへなければ。
245
246()(なか)往来(ゆきき)(みち)()えぬまで
247(やみ)(とばり)(つつ)まれにけり。
248
249(やみ)()()しわけ(のぼ)朝日子(あさひこ)
250()()(かみ)()ちあぐみつつ。
251
252東雲(しののめ)(そら)(なが)めて(かみ)()
253月松(つきまつ)()(こが)(した)ひつ。
254
255露霜(つゆしも)()きて()せたる白菊(しらぎく)
256(はな)はあやしく葉末(はずゑ)(ふる)ふ。
257大正一二・五・一五 旧三・三〇 於教主殿 明子録)
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