天地の
元津祖なる
神の
他に
世を
審判くべき
貴人はなし
〈序言(初)〉
黒雲に
包まれたれど
大空の
月の
光は
褪することなし
〈序言(初)〉
五年の
暗は
容易く
晴れにけり
みろくの
神のいづの
伊吹に
〈序言(初)〉
植ゑて
見よ
花の
開かぬ
里はなし
誠の
道の
開けざらめや
〈第3章(初)〉
常暗の
世なりと
人は
悲しめど
真人の
眼には
神世なりけり
〈第3章(初)〉
百千々の
思ひは
胸に
三千年の
神の
昔に
吾魂は
飛ぶ
〈第6章(初)〉
玉の
井の
深き
思ひを
汲む
人ぞ
瑞の
御魂の
力なりけり
〈第6章(初)〉
木枯の
吹き
荒ぶなる
冬の
夜も
天恩郷は
法の
花咲く
〈第6章(初)〉
神園に
植ゑつけられしもも
草は
ただ
一輪のあだ
花もなし
〈第10章(初)〉
花咲きて
実るも
待たで
出でて
行く
わが
心根を
知る
人はなし
〈第11章(初)〉
花開く
春を
迎へし
神園は
百鳥千鳥集ひて
唄ふ
〈第13章(初)〉
深霧に
閉込められし
神園も
春を
迎へてもも
花香る
〈第13章(初)〉
常暗の
世なりと
人は
悲しめど
真人の
眼には
神世なりけり
〈第14章(初)〉
世が
変りなるいかづちも
地に
下りて
都大路で
車押すなり
〈第14章(初)〉
今迄のあだし
教の
衣ぬいで
天津誠の
神の
道行け
〈第15章(初)〉
神島大神の
神歌
世を
救ふ
神の
御船はあづさ
弓播磨の
沖に
浮きつ
沈みつ
〈第15章(初)〉
三千年の
塩浴みながら
只ひとり
世を
牛島に
潜みて
守りぬ
〈第15章(初)〉
濁り
江の
深き
流れに
潜むより
清き
浅瀬に
住みたくぞ
思ふ
〈第16章(初)〉
風に
乗り
雲踏み
別けて
久方の
高天に
登る
良き
日待たるる
〈第19章(初)〉
笙の
音は
虚空を
翔り
笛の
音は
地上を
走る
神まつりかな
〈第19章(初)〉
苦しみて
吐息つくづく
思ふかな
何故俗人に
生れざりしと
〈第20章(初)〉
神の
教伝ふ
身魂の
苦しさは
人に
知られぬ
悩みなりけり
〈第20章(初)〉
これ
程の
苦しみありと
知る
人の
無きにつけても
世を
思ふ
哉〈第20章(初)〉
朝まけて
御空くもらひ
小雨して
いよいよ
梅雨気分に
志たるも
(昭和十年六月十七日) 巻末(王仁校正)
(初は初版、王仁校正は王仁校正本の略)
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に作成しました]