霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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小幡神社

インフォメーション
題名:小幡神社 著者:出口王仁三郎
ページ:374
概要:28歳の頃 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-05-08 00:00:00 文字数:1406 OBC :B119800c082
二十八歳の頃
うぶすなの小幡(をばた)の宮の拝殿に晩夏(ばんか)の夜半(よは)を幽斎に入(い)る
さらさらと杜(もり)の青葉をならせつつ渡らふ風の淋しき夜半(よは)なり
わが道を海の内外(うちと)にひろめむと産土神(うぶすながみ)にいのる真夜中
日(ひ)の本(もと)の国は更(さら)なり地の上(うへ)の国の行先(ゆくさき)おもひわづらふ
常世(とこよ)ゆく暗夜(やみよ)を照らし清めむとおもふ心の朝夕(あさゆふ)はなれず
いつのまにかわが魂(たましひ)は霊界に入(い)りしと見えて巌上(がんじやう)に立てり
白髯(はくぜん)の老翁(らうをう)たちまちあらはれて向(むか)つ山(やま)べゆわれを手招く
招かれしそのたまゆらをわが魂(たま)は翼あらばと思ひたりけり
神の斧(をの)もちてけづりし如くなるこの断崖(だんがい)をいかで渡らむ
よく見れば山と山との谷間(たにあひ)のはるかあなたに石橋(いしばし)かかれる
岩根(いはね)木根(きね)踏(ふ)みさくみつつ壁(かべ)たてる巌山(いはやま)わたりて橋詰(はしづめ)に辿(たど)る
何ものかわが耳もとにこの橋は危(あやふ)き鬼のかけ橋(はし)といふ
この橋を渡らば汝(なれ)の魂(たま)の緒(を)の命(いのち)きれむと囁(ささや)く声あり
向(むか)つ山(やま)断崖の上(うへ)ゆ白髯(はくぜん)の翁(おきな)は来たれとしきりにさけぶ
千仞(せんじん)の谷間(たにま)にかかる天然橋(てんねんばし)を渡らんとしてわれためらひぬ
ためらひの心起(おこ)りしたまゆらを危険(きけん)危険(きけん)とささやく声する
いづ方(かた)ゆ声のするかと振返(ふりかへ)る刹那に見ゆる魔神(まがみ)のおもかげ
恐ろしき魔神(まがみ)の姿みしわれは思はず知らず橋の上(へ)走れり
八臂の鬼
天然の岩橋(いはばし)あなたに渡りをへてかへりみすれば八臂(はつぴ)の鬼なり
残念やああ口惜(くや)しやと魔の神は橋のあなたに地団駄踏(ふ)みをり
地団駄を踏みならしつつ石橋(いしばし)と共に魔神(まがみ)は谷間(たにま)に落ちたり
谷底(たにそこ)に落ちたる魔神(まがみ)はたちまちに黒煙(こくえん)となりてのぼり来たれり
黒煙(こくえん)の昇る姿をよくみれば黒き竜(りう)かとうたがはれける
黒煙(こくえん)の中より太き手の出(い)でてわが襟(えり)もとをひきつかみたり
わが襟(えり)をつかみたるまま中空(ちうくう)に毬(まり)の如くにほりあげにけり
幾度(いくたび)か中空(ちうくう)くるくる廻(まは)りつつ信濃(しなの)の山にわれは落ちけり
皆神の山
みすずかる信濃の国の松代(まつしろ)の皆神山(みなかみやま)とわれおぼえけり
皆神(みなかみ)の山の尾上(をのへ)にわれ立てば以前の老翁(らうをう)わが前にあり
何神(なにがみ)におはしますやとたづぬれば煙となりて消えさりにけり
東(ひんがし)の山の端(は)てらして大いなる半円の月昇(のぼ)りそめたり
谷底(たにそこ)に落ちしと見たる魔の神は眼(め)をいからしてわが前にあり
何ものと問ふ間もあらず魔の神はさも心地よげにからからと笑ふ
からからと笑ひ嘲(あざけ)る魔の神の舌の長さにわれあきれゐたり
われこそは鬼面(きめん)八臂(はつぴ)の悪魔なり汝(なんぢ)が魂(たま)を滅(ほろぼ)さむといふ
神言(かみごと)を宣らむとすれど舌つりてびくとも動かぬわがもどかしさ
四方(しはう)よりわれを嘲(あざけ)る鯨波(とき)の声とめどのなきが口惜(くや)しかりけり
舌(した)つりて言(こと)とふすべはなけれども神の御前(みまへ)を力(ちから)とたのみし
中天(ちうてん)に一塊(いつくわい)黒雲(こくうん)あらはれて見るみる御空(みそら)の月を呑みたり
うばたまの闇(やみ)はたちまち身辺(しんぺん)を包みて臭気(しうき)わが鼻をつく
毛だらけの手は四方(しはう)よりあらはれて代(かは)るがはるにわが頭うつ
苦しいか痛いか往生(わうじやう)せないかといかづちのごと呶鳴る魔の声
かむながら神の真道(まみち)を進む身はいかなる曲(まが)も恐れじと答ふ
いつの間にかわが言霊は円滑にまはり初(そ)めたることの不思議さ
喜びて天(あま)の数歌(かずうた)宣りつれば悪魔の雄(を)たけびぴたととまれり
大空(おほぞら)をつつみし醜(しこ)の黒雲(くろくも)は次第しだいに薄らぎてゆく
大空(おほぞら)のほのあかるさに足もとの黒き魔神(まがみ)の姿みにけり
月夜の神
大空(おほぞら)の雲は次第にうすらぎて半円の月空(そら)にかがやく
地獄道(ぢごくだう)のがれいでたる心地して合掌しながら神言をのる
大空の月はま近(ぢか)く下(くだ)り来て三十度の位置に輝きたまへり
半円の月の帳(とばり)をおしわけてしづかに神人(しんじん)あらはれにけり
にこやかに笑(ゑ)みをたたへて神人(しんじん)はかたくわが手を握りたまへり
握られしそのたまゆらを全身に血のわきかへる音をききたり
地獄にて仏(ほとけ)に逢ひし諺(ことわざ)も今日(けふ)はわが身の上(うへ)に落ち来(き)ぬ
魂(たましひ)のよみがへりたる心地して無音(むおん)の楽(がく)の清鳴(すがな)りを聴く
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