霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二三章 竜世姫(たつよひめ)の奇智(きち)〔七三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻 篇:第4篇 常世の国 よみ(新仮名遣い):とこよのくに
章:第23章 竜世姫の奇智 よみ(新仮名遣い):たつよひめのきち 通し章番号:73
口述日:1921(大正10)年11月01日(旧10月02日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
小島別・竹島彦らが言霊別命の輿をかついで不満そうに行く姿を、竜世姫は道中からかって進んだ。言霊別命自身も、輿の中から小島別・竹島彦をからかう歌を歌った。
小島別・竹島彦は怒って言霊別命の輿を谷底に投げ捨てたが、言霊別命は領巾の神力によって怪我ひとつなかった。
道中、言霊別命と竜世姫は激烈な喧嘩を続けたが、これは両神合意のもとによる、偽喧嘩であった。
常世姫の宮殿に着いた言霊別命は水を求めた。常世姫の部下が水を捧げたが、竜世姫は言霊別命のような者に水を捧げる必要はない、とののしって、水を奪って打ちかけた。水がかかった神の衣は火煙を発して発火した。これは、竜世姫が言霊別命の毒殺を、喧嘩にみせかけて防いだのであった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-01 15:27:00 文字数:1451 OBC :rm0223
愛善世界社版:114頁 八幡書店版:第1輯 199頁 修補版: 校定版:116頁 普及版:55頁 初版: ページ備考:
001 小島別(こじまわけ)、002竹島彦(たけじまひこ)は、003言霊別(ことたまわけの)命(みこと)の輿(こし)をかつぎながら、004猿(さる)が渋柿(しぶがき)を喰(く)つたやうに、005子供(こども)が苦(にが)い陀羅助(だらすけ)を呑(の)んだやうな面構(つらがま)へして嫌々(いやいや)ながらかついでゆく。006心中(しんちう)の不平(ふへい)不満(ふまん)は察(さつ)するにあまりがあつた。007やうやく嶮(けは)しい坂(さか)に差(さ)しかかつた。008ふたりは汗水(あせみづ)垂(た)らして登(のぼ)りゆく。009松代姫(まつよひめ)は竹島彦(たけじまひこ)の後棒(あとぼう)を押(お)しながら助(たす)けてゆく。010竜世姫(たつよひめ)は滑稽(こつけい)諧謔(かいぎやく)の神司(かみ)である。011後(うしろ)からこの状態(じやうたい)を見(み)、012手(て)を打(う)ちつつ笑(わら)ひ、013いろいろの面白(おもしろ)き手(て)まね、014足踏(あしぶ)みしながら、
015『言霊別(ことたまわけ)の神(かみ)さんは こしの常世(とこよ)へ使(つか)ひして
016 道(みち)に倒(たふ)れて腰(こし)を折(を)り 輿(こし)に乗(の)せられ腰(こし)痛(いた)む
017 こしの国(くに)でも腰(こし)抜(ぬ)かし 腰抜(こしぬ)け神(がみ)と笑(わら)はれる
018 他(ひと)の事(こと)なら何(なん)ともない こしやかまやせぬ、019かまやせぬ』
020と声(こゑ)を放(はな)つてからかふ。
021 小島別(こじまわけ)以下(いか)の一行(いつかう)は、022登(のぼ)り坂(ざか)にあたつて苦(くる)しみつつある際(さい)、023この歌(うた)を聞(き)きて吹(ふ)きだし、024笑(わら)ひこけ、025足(あし)まで捲(だ)るくなつて一歩(いつぽ)も進(すす)めず、026ここらに立往生(たちわうじやう)をなし、027つひには腰(こし)をまげ腹(はら)を抱(かか)へて笑(わら)ふのであつた。028輿(こし)の中(なか)よりは、029言霊別(ことたまわけの)命(みこと)の声(こゑ)としてさも愉快(ゆくわい)げに、
030『こいでこいでと松代(まつよ)は来(こ)いで 末法(まつぱふ)の世(よ)がきて駕籠(かご)をかく
031 小島(こじま)、032竹島(たけじま)お気(き)の毒(どく) さぞやお腰(こし)が痛(いた)からう
033 お腹(はら)が竜世(たつよ)が倒(たふ)れうが 他(ひと)のことなら何(なん)ともない
034 こしや構(かま)やせぬ、035かまやせぬ』
036と歌(うた)つた。037小島別(こじまわけ)、038竹島彦(たけじまひこ)はその歌(うた)を聞(き)くなり大(おほ)いに怒(いか)つて輿(こし)をそのまま谷底(たにぞこ)へ投(な)げ棄(す)てた。
039 輿(こし)は転々(てんてん)として谷底(たにぞこ)に落(お)ち木葉(こつぱ)微塵(みぢん)に砕(くだ)けてしまつた。040小島別(こじまわけ)らは手(て)をうつて快哉(くわいさい)を叫(さけ)び舞(ま)ひをどつてゐた。
041 言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は懐中(くわいちう)に持(も)てる、042種々物(くさぐさもの)の領巾(ひれ)の神力(しんりき)により、043少(すこ)しの負傷(ふしやう)だもなく、044悠然(いうぜん)として谷(たに)を登(のぼ)り、045小島別(こじまわけ)一行(いつかう)の立(た)てる前(まへ)に現(あら)はれた。046竜世姫(たつよひめ)は口(くち)をきはめて言霊別(ことたまわけの)命(みこと)を熱罵(ねつば)した。047ここに二神(にしん)のあひだに大争論(だいそうろん)がはじまり、048つひには掴(つか)みあひとなつた。049この争論(そうろん)は全(まつた)く両神(りやうしん)の八百長(やほちやう)である。050真意(しんい)を知(し)らざる小島別(こじまわけ)、051竹島彦(たけじまひこ)らは、052竜世姫(たつよひめ)に怪我(けが)させじと仲(なか)に分(わ)けいり、053言霊別(ことたまわけの)命(みこと)を双方(さうはう)より乱打(らんだ)した。054それより竜世姫(たつよひめ)、055言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は後(あと)になり先(さき)になり悪口(あくこう)の限(かぎ)りをつくし、056犬猿(けんゑん)もただならざる様子(やうす)を示(しめ)した。057一行(いつかう)はおひおひ常世(とこよ)の都(みやこ)に近(ちか)づいた。058常世姫(とこよひめ)はあまたの神司(かみがみ)をして言霊別(ことたまわけの)命(みこと)の一行(いつかう)を迎(むか)へしめた。059そして二台(にだい)の輿(こし)がきた。060一台(いちだい)には言霊別(ことたまわけの)命(みこと)これに乗(の)り、061一台(いちだい)には竜世姫(たつよひめ)がこれに乗(の)つた。062小島別(こじまわけ)、063竹島彦(たけじまひこ)は迎(むか)への神司(かみがみ)に命(めい)じ、064言霊別(ことたまわけの)命(みこと)の輿(こし)を前後(ぜんご)左右(さいう)に揺(ゆす)りまはし、065あるひは高(たか)く頭上(づじやう)に上(あ)げ、066ときどきは低(ひく)く地上(ちじやう)に落(お)とし苦(くる)しめた。067命(みこと)はほとんど眩暈(めまひ)するばかりであつた。068常世姫(とこよひめ)の宮殿(きうでん)に着(つ)いたときは、069言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は劇烈(げきれつ)なる動揺(どうえう)のため疲労(ひらう)し、070咽喉(のど)をかわかせ、071急(いそ)ぎ水(みづ)を求(もと)めた。072常世姫(とこよひめ)の侍者(じしや)は黄金(わうごん)の器(うつは)に水(みづ)を盛(も)り、073渇(かは)ける命(みこと)に捧呈(ほうてい)した。074このとき竜世姫(たつよひめ)は輿(こし)より降(お)り、075この様(さま)をみて、
076『かかる尊(たふと)き玉水(ぎよくすゐ)を腰抜神(こしぬけがみ)に呑(の)ますの必要(ひつえう)なし。077われは大(おほ)いに渇(かは)きたり。078この水(みづ)はわが呑(の)むべき水(みづ)なり。079腰抜神(こしぬけがみ)は泥水(どろみづ)にて充分(じゆうぶん)なり』
080といひながらその水(みづ)を横合(よこあひ)よりやにはに奪(うば)ひ、081松代姫(まつよひめ)の神(かみ)を目(め)がけて打(うち)かけた。082松代姫(まつよひめ)の袖(そで)よりは火煙(くわえん)を発(はつ)し、083熱(あつ)さに悶(もだ)えつつ濠(ほり)に飛込(とびこ)み火(ひ)を消(け)し、084辛(から)うじて這(は)ひ上(あが)つてきた。085諸神司(しよしん)は驚(おどろ)いて松代姫(まつよひめ)の方(はう)に走(はし)り新(あたら)しき衣(ころも)を着替(きが)へさせこれを労(いた)はり慰(なぐさ)めた。086言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は竜世姫(たつよひめ)の剛情(がうじやう)我慢(がまん)を詰(なじ)つた。087竜世姫(たつよひめ)はしきりに「腰(こし)ぬけ、088腰(こし)ぬけ」と嘲笑(てうせう)した。089言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は憤懣(ふんまん)の色(いろ)をあらはし、090剣(つるぎ)の柄(つか)に手(て)をかけ切(き)つて捨(す)てむと竜世姫(たつよひめ)に迫(せま)つた。091小島別(こじまわけ)、092竹島彦(たけじまひこ)は二神人(にしん)の仲(なか)に割(わ)つていり、093百方(ひやつぱう)弁(べん)をつくして仲裁(ちゆうさい)の労(らう)をとり、094この紛争(ふんさう)は無事(ぶじ)に治(おさ)まつたのである。095この争(あらそ)ひは竜世姫(たつよひめ)が言霊別(ことたまわけの)命(みこと)の毒殺(どくさつ)されむとするを救(すく)ふための深慮(しんりよ)に出(い)でたる一場(いちぢやう)の狂言(きやうげん)であつた。
096(大正一〇・一一・一 旧一〇・二[※戦前の二版・校定版・愛世版では旧10月3日になっているが、大正10年(1921年)11月1日は旧暦10月2日が正しい。他の章では旧10月2日と記してあるので、ここも旧10月2日に直した。] 加藤明子録)
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