霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四四章 魔風(まかぜ)恋風(こひかぜ)〔九四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻 篇:第6篇 神霊の祭祀 よみ(新仮名遣い):しんれいのさいし
章:第44章 魔風恋風 よみ(新仮名遣い):まかぜこいかぜ 通し章番号:94
口述日:1921(大正10)年11月08日(旧10月09日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
言霊別命は万寿山に落ち延びた。言霊別命の声望を慕って神将たちが集まり、万寿山の神軍は次第に集まってきた。
一方竜宮城は常世姫のために落城し、稚桜姫命は神国別命らとともに、万寿山に落ち延びてきた。言霊別命は稚桜姫命を礼を尽くしてお迎えした。稚桜姫命は、言霊別命の潔白をようやく認められた。
万寿山には、常世姫の暴虐に義憤を発した紅葉別という勇将が馳せつけ、言霊別命はこれを万寿山の主将とした。
竜宮城をはじめ地の高天原、橄欖山も一時魔軍の手に落ちた。シオン山の大八洲彦命は、大足彦の国の真澄の鏡で敵軍を射照らさせ、壊走させた。また竜宮城の魔軍に対しても、真澄の鏡を射照らすと、常世姫の身体から異様な光が現れて金毛八尾の悪狐と化した。そして、常世城めがけて遁走してしまった。
ここに稚桜姫命は言霊別命らを率いて竜宮城に帰還した。
一方、天稚彦は唐子姫と山奥で暮らしていたが、唐子姫は悪狐の姿を現して逃げてしまった。天稚彦は仕方なく諸方を流浪し、艱難をなめつつ竜宮城へ帰ることになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-12-05 17:01:56 文字数:2021 OBC :rm0244
愛善世界社版:222頁 八幡書店版:第1輯 238頁 修補版: 校定版:226頁 普及版:105頁 初版: ページ備考:
001 言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は思(おも)はざる濡衣(ぬれぎぬ)を着(き)せられ、002如何(いか)にもしてこの疑(うたがひ)を晴(は)らし、003身(み)の潔白(けつぱく)を示(しめ)さむと焦慮(せうりよ)し、004かつ常世姫(とこよひめ)を悔(く)い改(あらた)めしめむとした。005されど狐独(こどく)の身(み)となりし命(みこと)はいかんとも策(さく)の施(ほどこ)すべき道(みち)がなかつた。006そこでいよいよ意(い)を決(けつ)し、007万寿山(まんじゆざん)に落(お)ち延(の)びた。
008 言霊別(ことたまわけの)命(みこと)の境遇(きやうぐう)に同情(どうじやう)したる数多(あまた)の神司(かみがみ)は、009命(みこと)の後(あと)をおふて万寿山(まんじゆざん)に馳集(はせあつ)まつた。
010 重(おも)なる神将(しんしやう)は、011吾妻別(あづまわけ)、012鷹松別(たかまつわけ)、013河原林(かはらばやし)、014玉照彦(たまてるひこ)、015有国彦(ありくにひこ)、016森鷹彦(もりたかひこ)らの諸神将(しよしんしよう)であつた。017勇猛(ゆうまう)なる神軍(しんぐん)は期(き)せずして日(ひ)に月(つき)に集(あつ)まりきたつた。018このこと常世姫(とこよひめ)の耳(みみ)に雷(らい)のごとく響(ひび)いてきた。019常世姫(とこよひめ)はおほいに驚(おどろ)き、020八王(やつわう)大神(だいじん)常世彦(とこよひこ)をして万寿山(まんじゆざん)を攻撃(こうげき)せしめむとした。021時(とき)しも竜宮城(りゆうぐうじやう)は常世姫(とこよひめ)のために陥落(かんらく)し、022稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)は神国別(かみくにわけの)命(みこと)以下(いか)の神将(しんしやう)とともに、023言霊別(ことたまわけの)命(みこと)の駐屯(ちうとん)せる万寿山(まんじゆざん)に逃(のが)れたまうた。
024 ここに言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は、025礼(れい)をつくしてこれを迎(むか)へ奉(たてまつ)り、026竜宮城(りゆうぐうじやう)を回復(くわいふく)せむとし、027かつ言霊別(ことたまわけの)命(みこと)以下(いか)の清廉(せいれん)潔白(けつぱく)にして、028至誠(しせい)至実(しじつ)の神(かみ)たることが初(はじ)めて悟(さと)られた。
029 稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)の来臨(らいりん)とともに万寿山(まんじゆざん)はますます開拓(かいたく)され、030つひには堅城(けんじやう)を造(つく)り、031鉄壁(てつぺき)をめぐらし、032実(じつ)に難攻(なんこう)不落(ふらく)の城塞(じやうさい)となつた。
033 この時(とき)、034智勇(ちゆう)兼備(けんび)の勇将(ゆうしやう)にして、035紅葉別(もみぢわけ)といふ軍神(ぐんしん)があつた。036この神司(かみ)あまたの神軍(しんぐん)を率(ひき)ゐて来(きた)り、037言霊別(ことたまわけの)命(みこと)に面謁(めんえつ)せむことを申込(まをしこ)んだ。038言霊別(ことたまわけの)命(みこと)はまづ吾妻別(あづまわけ)に面会(めんくわい)せしめ、039その来意(らいい)を尋(たづ)ねさせた。040紅葉別(もみぢわけ)は常世姫(とこよひめ)の奸策(かんさく)を聞(き)き義憤(ぎふん)をおこし、041自(みづか)ら進(すす)んで万寿山(まんじゆざん)に参加(さんか)し、042彼(かれ)を亡(ほろ)ぼし天下(てんか)を太平(たいへい)に治(をさ)めむと欲(ほつ)し、043協心(けふしん)戮力(りくりよく)もつてミロク神政(しんせい)の神業(しんげふ)に参加(さんか)せむと、044殊勝(しゆしよう)にも誠意(せいい)を表(おもて)にあらはして参加(さんか)せむ事(こと)を申込(まをしこ)んだ。045吾妻別(あづまわけ)はおほいに喜(よろこ)び、046これを言霊別(ことたまわけの)命(みこと)に委細(ゐさい)進言(しんげん)した。047紅葉別(もみぢわけ)は戦闘(せんとう)に妙(めう)をえたる武神(ぶしん)である。048言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)とはかり、049紅葉別(もみぢわけ)をして万寿山(まんじゆざん)の主将(しゆしやう)たらしめむとした。050このとき竜宮城(りゆうぐうじやう)はすでに常世姫(とこよひめ)の占領(せんりやう)するところとなり、051ついで地(ち)の高天原(たかあまはら)も、052橄欖山(かんらんざん)も敵手(てきしゆ)に落(お)ちてゐた。053シオン山(ざん)の総大将(そうだいしやう)大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)は、054逃(のが)れきたれる大足彦(おほだるひこ)の国(くに)の真澄(ますみ)の鏡(かがみ)をもつて、055敵軍(てきぐん)を山上(さんじやう)より射照(いてら)した。056たちまち山頂(さんちやう)より幾十万(いくじふまん)とも知(し)れぬ巨巌(きよがん)湧出(ゆうしゆつ)して中空(ちゆうくう)に飛(と)び、057美山彦(みやまひこ)、058国照姫(くにてるひめ)、059武熊別(たけくまわけ)の魔軍(まぐん)の集団(しふだん)めがけて雨(あめ)のごとく落下(らくか)し、060一方(いつぱう)鏡(かがみ)に射照(いてら)されてその正体(しやうたい)を露(あら)はし、061たちまち悪鬼(あくき)、062大蛇(だいじや)、063悪狐(あくこ)の姿(すがた)と変(へん)じ、064鬼城山(きじやうざん)めがけて逃(に)げ散(ち)つた。
065 ここに大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)は宮比彦(みやびひこ)を祭祀(さいし)の長(ちやう)とし、066安世彦(やすよひこ)を主将(しゆしやう)とし、067一部(いちぶ)の神軍(しんぐん)をもつてこれを守(まも)らしめ、068ただちにその勢(いきほひ)をもつて竜宮城(りゆうぐうじやう)に攻(せ)め寄(よ)せ回復戦(くわいふくせん)を試(こころ)みた。069真鉄彦(まがねひこ)は地(ち)の高天原(たかあまはら)にむかひ、070磐樟彦(いはくすひこ)は橄欖山(かんらんざん)にむかひ、071吾妻別(あづまわけ)、072大足彦(おほだるひこ)は竜宮城(りゆうぐうじやう)にむかひ、073国(くに)の真澄(ますみ)の鏡(かがみ)を取(と)り出(だ)し、074敵軍(てきぐん)を照(てら)し、075かつ大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)の神言(かみごと)を奏上(そうじやう)するや、076たちまち暴風(ばうふう)吹(ふ)きおこり、077浪(なみ)は山(やま)の如(ごと)く立荒(たちすさ)び、078城(しろ)はほとんど水中(すゐちゆう)に没(ぼつ)した。079常世姫(とこよひめ)の身体(しんたい)よりは異様(いやう)の光(ひかり)現(あら)はれ、080金毛(きんまう)八尾(はちび)の悪狐(あくこ)と化(くわ)し、081黒雲(こくうん)を巻(ま)きおこし、082常世城(とこよじやう)めがけて遁走(とんさう)し、083部下(ぶか)の魔軍(まぐん)は諸方(しよはう)に散乱(さんらん)して、084竜宮城(りゆうぐうじやう)も地(ち)の高天原(たかあまはら)も再(ふたた)び神軍(しんぐん)の手(て)に帰(かへ)つた。085ここに稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)は、086言霊別(ことたまわけの)命(みこと)、087吾妻別(あづまわけ)らを率(ひき)ゐてふたたび竜宮城(りゆうぐうじやう)に帰還(きくわん)したまうた。088万寿山(まんじゆざん)は鷹松別(たかまつわけ)、089有国別(ありくにわけ)らの諸神将(しよしんしよう)をしてこれを守備(しゆび)せしむることとなつた。
090 話(はなし)かはつて天稚彦(あめのわかひこ)は、091唐子姫(からこひめ)に心(こころ)を奪(うば)はれ、092壇山(だんざん)を捨(す)ててなほも山奥(やまおく)深(ふか)くわけいり、
093『お前(まへ)と一緒(いつしよ)に暮(くら)すなら、094たとへ野(の)の末(すゑ)山(やま)の奥(おく)、095虎(とら)狼(おほかみ)の住家(すみか)にて、096竹(たけ)の柱(はしら)に茅(かや)の屋根(やね)、097手鍋(てなべ)提(さ)げてもかまやせぬ』
098といふやうな状態(じやうたい)にて、099わづかの庵(いほり)を結(むす)び夫婦(ふうふ)きどりで暫(しばら)く暮(くら)してゐた。
100 ある時(とき)天稚彦(あめのわかひこ)は近辺(ほとり)の山(やま)に分(わ)け入(い)りて、101兎(うさぎ)を狩(か)つて帰(かへ)つてきた。102唐子姫(からこひめ)は夫(をつと)の留守(るす)に気(き)を許(ゆる)し、103辺(あた)りに響(ひび)く鼾声(かんせい)を発(はつ)し、104よく寝入(ねい)つてゐた。105天稚彦(あめのわかひこ)はひそかに外(そと)より覗(のぞ)いて見(み)た。106唐子姫(からこひめ)の姿(すがた)はどこへ行(い)つたか影(かげ)もなく、107寝間(ねま)には銀毛(ぎんまう)八尾(はちび)白面(はくめん)の悪狐(あくこ)が睡(ねむ)つてゐる。108天稚彦(あめのわかひこ)はおほいに驚(おどろ)き、109かつ怒(いか)り、
110『この邪神(じやしん)奴(め)、111わが不在(ふざい)を窺(うかが)ひ、112最愛(さいあい)の唐子姫(からこひめ)を喰(く)ひ殺(ころ)し腹(はら)膨(ふく)らせ、113安閑(あんかん)と仮眠(いねむ)りをるとは心憎(こころにく)し。114妻(つま)の敵(かたき)、115思(おも)ひ知(し)れよ』
116と弓(ゆみ)に矢(や)をつがひ、117悪狐(あくこ)をめがけて発止(はつし)と射(い)かけた。118この時(とき)遅(おそ)く、119かの時(とき)速(はや)く、120悪狐(あくこ)はたちまち白煙(はくえん)となつて消(き)え失(う)せた。121いづこともなく唐子姫(からこひめ)の声(こゑ)として、
122『われは常世姫(とこよひめ)の部下(ぶか)の魔神(まがみ)なり。123竜宮城(りゆうぐうじやう)を占領(せんりやう)せむために花森彦(はなもりひこ)を誘(おび)き出(だ)し、124今(いま)また汝(なんぢ)をこの山奥(やまおく)に誘(さそ)ひ、125その通力(つうりき)を失(うしな)はしめたり。126吾(われ)はこれより常世(とこよ)の国(くに)に馳帰(はせかへ)り賞賜(しやうし)に預(あづ)からむ。127汝(なんぢ)はすみやかに竜宮城(りゆうぐうじやう)に還(かへ)り、128この失敗(しつぱい)を包(つつ)み隠(かく)さず物語(ものがた)り、129唐子姫(からこひめ)に眉毛(まゆげ)をよまれ、130尻(しり)の毛(け)も一本(いつぽん)も残(のこ)らず引抜(ひきぬ)かれたり。131悔(くや)し残念(ざんねん)を耐(こば)りこばりてここまで還(かへ)りきました。132今(いま)までの罪(つみ)はお許(ゆる)し下(くだ)さいと、133女房(にようばう)の稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)に頭(あたま)を下(さ)げて、134三拝(さんぱい)九拝(きうはい)せよ』
135と言葉(ことば)途切(とぎ)るとともに、136カラカラと嘲笑(あざわら)ひの声(こゑ)次第(しだい)に遠(とほ)くなりゆくのであつた。137命(みこと)は大(おほ)いに怒(いか)り、138声(こゑ)する方(はう)を中空(ちゆうくう)目(め)がけて矢(や)を射(い)つた。139矢(や)は危(あやふ)くも命(みこと)の肩先(かたさき)をすれずれにうなりを立(た)てて落(お)ちきたり、140実(じつ)に危機(きき)一髪(いつぱつ)の間(あひだ)であつた。141天稚彦(あめのわかひこ)はこれより諸方(しよはう)を流浪(るらう)し、142種々(しゆじゆ)の艱苦(かんく)を嘗(な)めつつすごすごと竜宮城(りゆうぐうじやう)に帰(かへ)ることとなつた。
143(大正一〇・一一・八 旧一〇・九 加藤明子録)
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