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霊界物語
如意宝珠(第13~24巻)
第23巻(戌の巻)
序文
総説
第1篇 南海の山
第1章 玉の露
第2章 副守囁
第3章 松上の苦悶
第4章 長高説
第2篇 恩愛の涙
第5章 親子奇遇
第6章 神異
第7章 知らぬが仏
第8章 縺れ髪
第3篇 有耶無耶
第9章 高姫騒
第10章 家宅侵入
第11章 難破船
第12章 家島探
第13章 捨小舟
第14章 籠抜
第4篇 混線状態
第15章 婆と婆
第16章 蜈蚣の涙
第17章 黄竜姫
第18章 波濤万里
霊の礎(八)
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霊界物語
>
如意宝珠(第13~24巻)
>
第23巻(戌の巻)
> 後付 > 霊の礎(八)
<<< 波濤万里
(B)
(N)
余白歌 >>>
霊
(
たま
)
の
礎
(
いしずゑ
)
(八)
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第23巻 如意宝珠 戌の巻
篇:
後付
よみ(新仮名遣い):
章:
霊の礎(八)
よみ(新仮名遣い):
たまのいしずえ
通し章番号:
口述日:
1922(大正11)年06月10日(旧05月15日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年4月19日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
現界の人間が死という関門をくぐって神霊界に至る様は、一様ではない。極善の人間が直ちに天国に至る場合でも、素晴らしい音楽や芳香に包まれたり、空中を飛翔するもあり、広大な原野を静かに進んで行く場合もある。
そのときの気分は幸福の極点に達した感覚を受けるものであり、現界の物質的な欲望を閑却してしまう。逆に物質界の執着が起こったときは、身体が重くなって地上に再び墜落してしまう。
そのため、死者を迎えに来た天人は、音楽や芳香などで現界への追慕の念を失わせようとするのである。これはしかし、人間としての最善を尽くし、神を愛し、天下公共のために善事に励んだ人の場合である。
人間の心霊は、肉体が滅びても自己の感覚や意念は引き続き生存する。天上に復活した人の霊身は、肉体があったときと同じように霊界の生活を営む。
いったん天国に昇ると、地上との交信は難しい。また望んで地上の人間と交信することはない。ただ地上の人間の側の懇願によって、霊媒を介して交信するのみである。霊媒力が発達した人による交信の場では、霊身が現界人の目に見えるようになることもある。
しかし中有界にある霊身は、霊媒によって現界の親戚・知己・朋友と交信することを望むものである。それは自己の執着心を訴えたり霊祭を要求するためである。このような霊身は天国へ行けずに苦痛を感受する。
死後の生涯を否定することは、はなはだしい無知である。人間の死は滅亡ではなく、人間の永遠の進化の一段階に過ぎないのである。ただ人間の所在と立脚地を変えたまでであり、個性は残ってそれぞれに天国団体の生活を営むのである。
無知にして人情をわきまえなかった悪人は、地獄に落ちて苦しむことになる。生前に地獄に堕した人間は、生前に悔い改めて神を愛して利己心を去らなければ、死後安全な生活はできない。
現世においてすでに暗黒なる地獄の団体に加入している者は、現界においても常に不安無明の生活を続けて苦しんでいるものである。一時も早く神の光明によって頑迷なる心の眼を開き、天国の団体に籍替えすることに努めなければならない。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-07-11 18:30:55
OBC :
rm239901
愛善世界社版:
292頁
八幡書店版:
第4輯 603頁
修補版:
校定版:
298頁
普及版:
初版:
ページ備考:
派生
[?]
この文献を底本として書かれたと思われる文献です。
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:
出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 第四篇 神霊世界 > 第三章 霊の礎
001
一、
002
現界
(
げんかい
)
の
人間
(
にんげん
)
が
人生
(
じんせい
)
第一
(
だいいち
)
の
関門
(
くわんもん
)
なる
死
(
し
)
といふ
手続
(
てつづき
)
を
了
(
をは
)
つて、
003
神霊界
(
しんれいかい
)
に
突入
(
とつにふ
)
するに
際
(
さい
)
しては
決
(
けつ
)
して
一様
(
いちやう
)
で
無
(
な
)
い。
004
極善
(
ごくぜん
)
の
人間
(
にんげん
)
にして
死後
(
しご
)
直
(
ただち
)
に
天国
(
てんごく
)
に
上
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く
時
(
とき
)
は、
005
嚠喨
(
りうりやう
)
たる
音楽
(
おんがく
)
や、
006
名状
(
めいじやう
)
することの
出来
(
でき
)
ぬやうな
芳香
(
はうかう
)
に
包
(
つつ
)
まれ、
007
容色
(
ようしよく
)
端麗
(
たんれい
)
なる
天人
(
てんにん
)
の
群
(
むれ
)
や、
008
生前
(
せいぜん
)
に
於
(
おい
)
て
曾
(
かつ
)
て
死去
(
しきよ
)
したる
朋友
(
ほういう
)
、
009
知己
(
ちき
)
、
010
親
(
おや
)
、
011
兄弟
(
きやうだい
)
等
(
ら
)
の
天人
(
てんにん
)
と
成
(
な
)
りたる
人々
(
ひとびと
)
に
迎
(
むか
)
へられ、
012
際限
(
さいげん
)
なき
美
(
うる
)
はしき
空中
(
くうちう
)
を
飛翔
(
ひしよう
)
して、
013
荘厳
(
さうごん
)
なる
天国
(
てんごく
)
へ
直様
(
すぐさま
)
上
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
くもあり、
014
又
(
また
)
四面
(
しめん
)
青山
(
せいざん
)
に
包
(
つつ
)
まれたる
若草
(
わかぐさ
)
の
広大
(
くわうだい
)
なる
原野
(
げんや
)
を、
015
極
(
きは
)
めて
平静
(
へいせい
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くものもあり、
016
又
(
また
)
死後
(
しご
)
忽
(
たちま
)
ち
五色
(
ごしき
)
の
光彩
(
くわうさい
)
を
放射
(
はうしや
)
せる
瑞雲
(
ずゐうん
)
に
身辺
(
しんぺん
)
を
包
(
つつ
)
まれて
上天
(
しやうてん
)
するのもある。
017
その
時
(
とき
)
の
気分
(
きぶん
)
といふものは
何
(
な
)
んとも
言語
(
げんご
)
に
尽
(
つく
)
せないやうな、
018
平和
(
へいわ
)
と
閑寂
(
かんじやく
)
と
歓喜
(
くわんき
)
とに
充
(
み
)
ち、
019
幸福
(
かうふく
)
の
極点
(
きよくてん
)
に
達
(
たつ
)
したるの
感覚
(
かんかく
)
を
摂受
(
せつじゆ
)
するものである。
020
余
(
あま
)
りの
嬉
(
うれ
)
しさに、
021
現界
(
げんかい
)
に
遺
(
のこ
)
しておいた
親
(
おや
)
、
022
兄弟
(
きやうだい
)
、
023
姉妹
(
しまい
)
や
朋友
(
ほういう
)
知己
(
ちき
)
、
024
その
他
(
た
)
物質
(
ぶつしつ
)
的
(
てき
)
の
欲望
(
よくばう
)
を
全然
(
ぜんぜん
)
忘却
(
ばうきやく
)
するに
至
(
いた
)
るものである。
025
万一
(
まんいち
)
上天
(
しやうてん
)
の
途中
(
とちう
)
に
於
(
おい
)
て
地上
(
ちじやう
)
の
世界
(
せかい
)
のことを
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
し、
026
種々
(
しゆじゆ
)
の
執着心
(
しふちやくしん
)
が
萌芽
(
ほうが
)
した
時
(
とき
)
は、
027
その
霊身
(
れいしん
)
忽
(
たちま
)
ち
混濁
(
こんだく
)
し、
028
体量
(
たいりやう
)
俄
(
にはか
)
に
重
(
おも
)
くなり、
029
再
(
ふたた
)
び
地上
(
ちじやう
)
に
墜落
(
つゐらく
)
せむとするに
到
(
いた
)
る。
030
迎
(
むか
)
へに
来
(
きた
)
りし
天人
(
てんにん
)
は、
031
新来
(
しんらい
)
の
上天者
(
しやうてんしや
)
が
地上
(
ちじやう
)
に
心
(
こころ
)
を
遺
(
のこ
)
し、
032
失墜
(
しつつゐ
)
せざる
様
(
やう
)
にと
焦慮
(
せうりよ
)
して、
033
種々
(
しゆじゆ
)
の
音楽
(
おんがく
)
を
奏
(
そう
)
したり、
034
芳香
(
はうかう
)
を
薫
(
くん
)
じたり、
035
美
(
うる
)
はしきものを
眼
(
め
)
に
見
(
み
)
せたりなぞして、
036
可及
(
かきふ
)
的
(
てき
)
現界
(
げんかい
)
追慕
(
つゐぼ
)
の
念慮
(
ねんりよ
)
を
失
(
うしな
)
はしめむと
努力
(
どりよく
)
するものである。
037
山河
(
さんか
)
草木
(
さうもく
)
、
038
水流
(
すゐりう
)
、
039
光線
(
くわうせん
)
等
(
とう
)
も
亦
(
また
)
地上
(
ちじやう
)
の
世界
(
せかい
)
に
比
(
くら
)
ぶれば、
040
実
(
じつ
)
に
幾倍
(
いくばい
)
の
清
(
きよ
)
さ
美
(
うる
)
はしさである。
041
然
(
しか
)
し
斯
(
こ
)
ういふ
死者
(
ししや
)
の
霊身
(
れいしん
)
は、
042
凡
(
すべ
)
て
地上
(
ちじやう
)
に
於
(
お
)
ける
人間
(
にんげん
)
としての
最善
(
さいぜん
)
を
竭
(
つく
)
し、
043
克
(
よ
)
く
神
(
かみ
)
を
信
(
しん
)
じ、
044
神
(
かみ
)
を
愛
(
あい
)
し、
045
天下
(
てんか
)
公共
(
こうきよう
)
のために
善事
(
ぜんじ
)
を
励
(
はげ
)
みたる
人々
(
ひとびと
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
である。
046
一、
047
凡
(
すべ
)
て
人間
(
にんげん
)
の
心霊
(
しんれい
)
は
肉体
(
にくたい
)
の
亡
(
ほろ
)
びたる
後
(
のち
)
と
雖
(
いへど
)
も、
048
人間
(
にんげん
)
の
本体
(
ほんたい
)
なる
自己
(
じこ
)
の
感覚
(
かんかく
)
や、
049
意念
(
いねん
)
は
引続
(
ひきつづ
)
き
生存
(
せいぞん
)
するものである。
050
故
(
ゆゑ
)
に
天上
(
てんじやう
)
に
復活
(
ふくくわつ
)
したる
人
(
ひと
)
の
霊身
(
れいしん
)
は、
051
恰
(
あたか
)
も
肉体
(
にくたい
)
を
去
(
さ
)
つた
当時
(
たうじ
)
と
同
(
おな
)
じ
精神
(
せいしん
)
状態
(
じやうたい
)
で、
052
霊界
(
れいかい
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
営
(
いとな
)
むものである。
053
一旦
(
いつたん
)
天国
(
てんごく
)
へ
上
(
のぼ
)
り、
054
天人
(
てんにん
)
の
群
(
むれ
)
に
這入
(
はい
)
つて
天国
(
てんごく
)
の
住民
(
ぢうみん
)
となつたものは、
055
容易
(
ようい
)
に
現界
(
げんかい
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
て
肉体
(
にくたい
)
を
具
(
そな
)
へた
友人
(
いうじん
)
や、
056
親戚
(
しんせき
)
や、
057
知己
(
ちき
)
達
(
たち
)
と
交通
(
かうつう
)
することは
難
(
むつ
)
かしい。
058
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
一種
(
いつしゆ
)
の
霊力
(
れいりよく
)
を
具
(
そな
)
へて、
059
精霊
(
せいれい
)
の
発達
(
はつたつ
)
したる
霊媒者
(
れいばいしや
)
があれば、
060
其
(
そ
)
の
霊媒
(
れいばい
)
の
仲介
(
ちうかい
)
を
経
(
へ
)
て
交通
(
かうつう
)
することが
出来
(
でき
)
るものである。
061
その
霊媒者
(
れいばいしや
)
は
概
(
がい
)
して
女子
(
ぢよし
)
が
適
(
てき
)
してゐる。
062
女子
(
ぢよし
)
は
男子
(
だんし
)
に
比
(
ひ
)
して
感覚
(
かんかく
)
が
強
(
つよ
)
く、
063
神経
(
しんけい
)
鋭敏
(
えいびん
)
で
知覚
(
ちかく
)
や
感情
(
かんじやう
)
が
微細
(
びさい
)
だからである。
064
又
(
また
)
霊媒力
(
れいばいりよく
)
の
発達
(
はつたつ
)
した
人
(
ひと
)
の
居
(
を
)
る
審神場
(
さにはば
)
では、
065
霊身
(
れいしん
)
は
時
(
とき
)
に
現界人
(
げんかいじん
)
の
眼
(
め
)
に
入
(
い
)
るやうな
形体
(
けいたい
)
を
現
(
あら
)
はし、
066
その
姿
(
すがた
)
が
何人
(
なんぴと
)
にも
見
(
み
)
えるのである。
067
その
霊身
(
れいしん
)
に
対
(
たい
)
して
現界人
(
げんかいじん
)
が
接触
(
せつしよく
)
すれば、
068
感覚
(
かんかく
)
があり、
069
動
(
うご
)
いたり、
070
談話
(
だんわ
)
を
交
(
まじ
)
ふることが
出来
(
でき
)
るのである。
071
されど
天国
(
てんごく
)
に
入
(
い
)
つて
天人
(
てんにん
)
と
生
(
うま
)
れ
代
(
かは
)
りたる
霊身
(
れいしん
)
は、
072
自分
(
じぶん
)
の
方
(
はう
)
から
望
(
のぞ
)
んで
現代人
(
げんだいじん
)
と
交通
(
かうつう
)
を
保
(
たも
)
たんと
希望
(
きばう
)
するものは
無
(
な
)
い。
073
現界人
(
げんかいじん
)
の
切
(
せつ
)
なる
願
(
ねが
)
ひによつて、
074
霊媒
(
れいばい
)
の
仲介
(
ちうかい
)
を
以
(
もつ
)
て
交通
(
かうつう
)
をなすまでである。
075
さりながら
中有界
(
ちううかい
)
に
在
(
あ
)
る
霊身
(
れいしん
)
は、
076
時
(
とき
)
に
由
(
よ
)
つて
現界
(
げんかい
)
に
生存
(
せいぞん
)
せる
親戚
(
しんせき
)
や、
077
朋友
(
ほういう
)
等
(
ら
)
と
交通
(
かうつう
)
を
保
(
たも
)
たんと
欲
(
ほつ
)
し、
078
相当
(
さうたう
)
の
霊媒
(
れいばい
)
の
現
(
あら
)
はるることを
希望
(
きばう
)
するものである。
079
それは
自己
(
じこ
)
の
苦痛
(
くつう
)
を
訴
(
うつた
)
へたり、
080
或
(
ある
)
ひは
霊祭
(
れいさい
)
を
請求
(
せいきう
)
せむが
為
(
ため
)
である。
081
又
(
また
)
執着心
(
しふちやくしん
)
の
深
(
ふか
)
い
霊身
(
れいしん
)
になると、
082
現界
(
げんかい
)
に
住
(
す
)
める
父母
(
ふぼ
)
や
兄弟
(
きやうだい
)
、
083
姉妹
(
きやうだい
)
や
遺産
(
ゐさん
)
などに
対
(
たい
)
して、
084
自分
(
じぶん
)
の
思惑
(
おもわく
)
を
述
(
の
)
べやうとするものである。
085
かかる
霊身
(
れいしん
)
は
現世
(
げんせ
)
に
執着心
(
しふちやくしん
)
を
遺
(
のこ
)
してゐるから、
086
何時
(
いつ
)
までも
天国
(
てんごく
)
へは
上
(
のぼ
)
り
得
(
え
)
ずして、
087
大変
(
たいへん
)
な
苦悩
(
くなう
)
を
感受
(
かんじゆ
)
するものである。
088
一、
089
霊界
(
れいかい
)
の
消息
(
せうそく
)
、
090
死後
(
しご
)
の
生涯
(
しやうがい
)
を
述
(
の
)
ぶるを
以
(
もつ
)
て、
091
荒唐
(
くわうたう
)
無稽
(
むけい
)
として
死後
(
しご
)
の
生涯
(
しやうがい
)
を
否定
(
ひてい
)
する
人々
(
ひとびと
)
は、
092
最早
(
もはや
)
懐疑者
(
くわいぎしや
)
では
無
(
な
)
く、
093
寧
(
むし
)
ろ
無知識
(
むちしき
)
の
甚
(
はなは
)
だしきものである。
094
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
人々
(
ひとびと
)
に
対
(
たい
)
して
霊界
(
れいかい
)
の
真相
(
しんさう
)
を
伝
(
つた
)
へ、
095
神智
(
しんち
)
を
開発
(
かいはつ
)
せしむるといふ
事
(
こと
)
は
到底
(
たうてい
)
絶望
(
ぜつばう
)
である。
096
一、
097
人間
(
にんげん
)
の
肉体
(
にくたい
)
の
死
(
し
)
なるものは、
098
決
(
けつ
)
して
滅亡
(
めつぼう
)
でも、
099
死去
(
しきよ
)
でもない。
100
只
(
ただ
)
人間
(
にんげん
)
が
永遠
(
ゑいゑん
)
に
亘
(
わた
)
る
進歩
(
しんぽ
)
の
一階段
(
いちかいだん
)
に
過
(
す
)
ぎないのである。
101
只
(
ただ
)
人間
(
にんげん
)
の
所在
(
しよざい
)
と
立脚地
(
りつきやくち
)
とを
変更
(
へんかう
)
した
迄
(
まで
)
である。
102
意念
(
いねん
)
も、
103
愛情
(
あいじやう
)
も、
104
記憶
(
きおく
)
も、
105
皆
(
みな
)
個性
(
こせい
)
の
各部分
(
かくぶぶん
)
であつて
不変
(
ふへん
)
不動
(
ふどう
)
の
儘
(
まま
)
に
残
(
のこ
)
るものである。
106
死後
(
しご
)
に
於
(
お
)
ける
生活
(
せいくわつ
)
状態
(
じやうたい
)
は、
107
現界
(
げんかい
)
に
在
(
あ
)
りし
時
(
とき
)
より
引続
(
ひきつづ
)
いて
秩序
(
ちつじよ
)
的
(
てき
)
に、
108
各人
(
かくじん
)
がそれ
相応
(
さうおう
)
の
地位
(
ちゐ
)
の
天国
(
てんごく
)
の
団体
(
だんたい
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
営
(
いとな
)
むものである。
109
一、
110
又
(
また
)
卑賤
(
ひせん
)
無智
(
むち
)
にして
世道
(
せだう
)
人情
(
にんじやう
)
を
弁
(
わきま
)
へなかつた
悪人
(
あくにん
)
は、
111
光明
(
くわうみやう
)
と
愛
(
あい
)
と
自由
(
じいう
)
の
無
(
な
)
い
地獄
(
ぢごく
)
に
落
(
お
)
ちて
苦
(
くる
)
しむものである。
112
生前
(
せいぜん
)
既
(
すで
)
に
不和
(
ふわ
)
欠陥
(
けつかん
)
、
113
闇黒
(
あんこく
)
苦痛
(
くつう
)
の
地獄
(
ぢごく
)
に
陥
(
おちい
)
つた
人間
(
にんげん
)
は、
114
現界
(
げんかい
)
に
在
(
あ
)
る
間
(
あひだ
)
に
悔
(
く
)
い
改
(
あらた
)
め、
115
神
(
かみ
)
を
信
(
しん
)
じ、
116
神
(
かみ
)
を
愛
(
あい
)
し、
117
利己心
(
りこしん
)
を
去
(
さ
)
り、
118
神
(
かみ
)
に
対
(
たい
)
しての
無智
(
むち
)
と
頑迷
(
ぐわんめい
)
を
除
(
のぞ
)
き
去
(
さ
)
らなければ、
119
決
(
けつ
)
して
死後
(
しご
)
安全
(
あんぜん
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は
出来
(
でき
)
ない。
120
現世
(
げんせ
)
より
既
(
すで
)
に
已
(
すで
)
に
暗黒
(
あんこく
)
なる
地獄
(
ぢごく
)
の
団体
(
だんたい
)
に
加入
(
かにふ
)
して
居
(
ゐ
)
るものは、
121
現界
(
げんかい
)
に
於
(
おい
)
ても
常
(
つね
)
に
不安
(
ふあん
)
無明
(
むみやう
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
続
(
つづ
)
けて
苦
(
くる
)
しんでゐるものである。
122
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
神
(
かみ
)
の
光明
(
くわうみやう
)
に
頑迷
(
ぐわんめい
)
なる
心
(
こころ
)
の
眼
(
まなこ
)
を
開
(
ひら
)
き、
123
天国
(
てんごく
)
の
団体
(
だんたい
)
へ
籍替
(
せきがへ
)
を
為
(
な
)
すことに
努
(
つと
)
めなければならぬのである。
1231
(霊の礎八終)
[#以下は余白歌]
124
柳
(
やなぎ
)
は
煙
(
けむ
)
る
125
モウ
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
春
(
はる
)
である。
126
ポカポカと
暖
(
あたた
)
かい
春光
(
しゆんくわう
)
に
柳
(
やなぎ
)
が
芽
(
め
)
ぐんで
127
寒
(
さむ
)
い
綾部
(
あやべ
)
にも
春
(
はる
)
が
来
(
き
)
た
事
(
こと
)
を
物語
(
ものがた
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
128
軟
(
やはら
)
かいグリーン
色
(
いろ
)
の
柳
(
やなぎ
)
の
下
(
した
)
に
児
(
こ
)
等
(
ら
)
が
三四
(
さんし
)
129
他愛
(
たあい
)
なく
遊
(
あそ
)
び
戯
(
たはむ
)
れて
居
(
を
)
るのも
何
(
な
)
んとなく
130
春
(
はる
)
の
長閑
(
のど
)
けさである。
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(B)
(N)
余白歌 >>>
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> 後付 > 霊の礎(八)
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